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外の世界
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**海
まだ早い時間だったからか、校舎の中は思っていたよりも静かだった。それでも、時々聞こえてくる学生達の話し声や笑い声がとても新鮮で、たちまち気持ちは上昇する。久しぶりの解放感がとても嬉しかった。
暫く立ったまま堪能していると、後ろから肩をポン、と叩かれた。
「わ・・、 十夜さんっ!!」
振り返って思わず大きな声をあげると、十夜さんは「しっ」と、指を唇に当てた。
「ここは学校だから、さん付けは不味いな。」
「あ・・・、すみません、十夜先生。」
「うん。よく出来ました。」
いたずらっぽく笑う顔を、直視出来ずにうつ向いた。
「菫君?どうかした?」
「い、いえ。なんでもありません。」
私、なんだかおかしいみたい。お母様はもうここにはいないのに、頭の中で「どう思ってるの?」と聞いてくる。胸がドキドキして顔が熱くなった。
「少し顔が赤いようだ。」
「さっき、走ったので。本当になんでもありません。あ、あと、少し緊張しちゃってて。」
「あぁそっか、初めてだからね。おいで、教室まで案内しよう。」
十夜さんがゆっくり歩き始めたので、私も慌てて後を追った。付かず離れず・・近付き過ぎると足を踏んでしまいそうで、でもなんだか離れたくなくて。ワタワタしていると十夜さんが立ち止まり、横を歩くよう促してくれた。肩が触れない程度に近くを並んで歩き始める。
さっきから私の胸はずっとドキドキしている。どうしてこんなに緊張してしまうのかしら。うっかり手と足が同時に出るかと思った。すれ違う他の学生達が私達を見ている気がして、口元が妙にムズムズした。
「あっ、そうだわ。あの、十夜先生、今回のこと、ありがとうございました。」
言わないと、と思っていたお礼を、伝えるなら今だと思った。十夜さんはチラリと私を見下ろし、首を傾げた。
「ん? なんのこと?」
「十夜先生が提案して下さったから、私は学校に通えるようになりました。ありがとうございます。それで、あの、何かお礼をしなきゃと思っているのですけど・・」
「あぁ、ははっ。なんだ、そんなことか。ただのお節介だから、何も気にしなくていいよ。」
ドキン、と胸が鳴った。笑顔が・・・。またもや、直視出来ずに俯いてしまう。やっぱり今日の私はおかしい。
「いいえ、いいえ、本当に十夜さんのおかげなんです。お礼をしないと、私の気がすみません。」
「参ったな。そんなつもりじゃかったのだけど・・・、う~ん、ちなみにお礼って、どんなことを考えているの?」
「え、ええと、私なんかでは考えが及ばず、十夜さんに決めて頂こうかと。ごめんなさい。」
本当はお礼を伝えるだけのつもりだった。それなのに、どういう訳か急に不安が押し寄せてきた―――お礼を言って、教室に入ってしまえばただの生徒と先生になってしまうのではないかという不安。そう思った瞬間に、私の口は勝手に動いてしまったのだ。
と、十夜さんが立ち止まった。
「着いたよ、ここが君の教室だ。」
「あ・・・はい。」
駄目だった?困らせた?やっぱり私なんかのお礼なんて、迷惑だったの?
返事をはぐらかされたと思い、悲しくなった。恥ずかしくて消えてしまいたい。
このまま教室に置いて行かれるのかと思ったら、十夜さんは再び歩き始めようとした。私の背中をトン、と進行方向に押して、私にも歩くように合図する。
どう言って断ろうか悩んでいるのかしら?どうしよう、やっぱりやめますって言ったらいいのかしら?
「あのっ・・・」
「まだ少し時間があるから。」
「え・・・はい。」
すれ違う学生達が、私を笑っているように思えた。
「ここ。」
「え?」
教室の引戸とは違うドアの前で十夜さんが立ち止まり、ガチャリと鍵を回してドアを開けた。
「どうぞ。」
「は、はい。」
「座って。」
「はい。」
言われるまま、ソファーに腰を下ろした。
「ここは・・・?」
「僕の個室だよ。今後用がある時はいつでも来るといい。」
「えっ、いいんですか? 私なんかが。」
十夜さんの個室に私が!?パッと顔を上げ、下げた。
「ふはっ、そんなに驚かなくても。僕の生徒なら、誰だって来ていいんだよ。」
「あ・・・、そっか、そうですよね。ごめんなさい。当たり前なことなのに驚いてしまって。」
「ふ、今度は随分と落ち込むんだね。」
「そんなことありません。」
十夜さんがどんな顔をして言っているのか、覗き見るのも恐い。何を勘違いしていたのか、自分が心底情けなくなった。
「菫君、こっちを見てくれる?」
「え、ええと、はい。」
ふわふわと視線を漂わせ、少しだけ視界に入れてまたふわふわと下を見た。気まずい・・。
「ちゃんと見てくれる?」
「う、はい。」
おそるおそる顔を上げたら、ばっちりと目が合った。たちまち顔は赤くなる。
「意地悪言ってごめんね。君が顔を赤らめながらお礼を、なんて言い出すから、つい試したくなったんだ。」
「試す、ですか?」
握りしめる手の平がベタベタする。こめかみからはツゥ、と汗が流れ落ちるし、服の中は暑くて肌着が肌に張り付いた。
「うん。君が、僕に関心を持っているのか知りたくてね。」
ボン、と顔から火が吹き出た気がする。
「ななななな、十夜さんっ、なにをっ」
「あれ? 違った?」
「え? え? え?」
「違ったなら残念なのだけど、じゃあ僕のこと嫌い?」
「き、嫌いなわけっ、え? え?」
嫌いじゃない。一緒にいると嬉しいし恥ずかしい。十夜さんが私をどう思っているのか、気になって、不安で・・・。こ、これってつまり・・ドクン、と胸が高鳴った。自覚した気持ちが、解き放たれる。もしかして、もしかして、
「良かった。僕は君のこと、可愛いと思っているよ。」
「かかか、可愛い・・?そそそそ、そんなこと」
あたふたする私を見て、十夜さんが吹き出した。
「ぷはっ、いいねその反応。」
「・・・っ、十夜先生は、私をからかっているのですか?」
こんなに取り乱している自分が、只でさえ酷く恥ずかしいのに・・・笑われると、胸が抉られるように悲しくなった。目には涙が浮かぶ。
「ごめんね、調子にのり過ぎた。でもね、からかってはいないし、本気だよ。
そもそも男性教師の個室に女子生徒を招き入れるなんて、普通はしない。」
「え・・・?」
「それだけ特別ってことだよ。でもまぁ君にしてみれば外の世界に出たばかりなのに急過ぎたかな。僕は急いではいないから、これからゆっくりお互いを知っていこう。」
「え・・・、それって・・」
つまり?どうなったの?特別ってどういう意味で?本気って、何が? 可愛いと思ってるって、どういうこと?
ついさっき自覚したばかりの気持ちは、ソワソワと期待を膨らませているのに。
「それで、菫君は、お礼をしてくれるんだって?」
「え、ええ。ご迷惑でなければ。」
「とんでもない。嬉しいよ。」
「あ・・ええと、でも、何をしたらいいのか。」
「じゃあさ、毎朝、君の時間を少し僕にくれないかな?」
「時間ですか?」
「ああ。毎日、少し早い時間にここへ来て欲しい。」
「いいですけど、それはお礼になりますか?」
「勿論、僕にはとても大事なことだ。言ったろ、ゆっくりお互いを知っていこうって。」
「あ・・・は、はい。」
少し引いていた火照りが、また振り返していく。また、ここに来てもいいの?十夜さんも同じ気持ちだと思って、いいのかしら?夢を見ているみたいに、全身がフワフワした。
まだ早い時間だったからか、校舎の中は思っていたよりも静かだった。それでも、時々聞こえてくる学生達の話し声や笑い声がとても新鮮で、たちまち気持ちは上昇する。久しぶりの解放感がとても嬉しかった。
暫く立ったまま堪能していると、後ろから肩をポン、と叩かれた。
「わ・・、 十夜さんっ!!」
振り返って思わず大きな声をあげると、十夜さんは「しっ」と、指を唇に当てた。
「ここは学校だから、さん付けは不味いな。」
「あ・・・、すみません、十夜先生。」
「うん。よく出来ました。」
いたずらっぽく笑う顔を、直視出来ずにうつ向いた。
「菫君?どうかした?」
「い、いえ。なんでもありません。」
私、なんだかおかしいみたい。お母様はもうここにはいないのに、頭の中で「どう思ってるの?」と聞いてくる。胸がドキドキして顔が熱くなった。
「少し顔が赤いようだ。」
「さっき、走ったので。本当になんでもありません。あ、あと、少し緊張しちゃってて。」
「あぁそっか、初めてだからね。おいで、教室まで案内しよう。」
十夜さんがゆっくり歩き始めたので、私も慌てて後を追った。付かず離れず・・近付き過ぎると足を踏んでしまいそうで、でもなんだか離れたくなくて。ワタワタしていると十夜さんが立ち止まり、横を歩くよう促してくれた。肩が触れない程度に近くを並んで歩き始める。
さっきから私の胸はずっとドキドキしている。どうしてこんなに緊張してしまうのかしら。うっかり手と足が同時に出るかと思った。すれ違う他の学生達が私達を見ている気がして、口元が妙にムズムズした。
「あっ、そうだわ。あの、十夜先生、今回のこと、ありがとうございました。」
言わないと、と思っていたお礼を、伝えるなら今だと思った。十夜さんはチラリと私を見下ろし、首を傾げた。
「ん? なんのこと?」
「十夜先生が提案して下さったから、私は学校に通えるようになりました。ありがとうございます。それで、あの、何かお礼をしなきゃと思っているのですけど・・」
「あぁ、ははっ。なんだ、そんなことか。ただのお節介だから、何も気にしなくていいよ。」
ドキン、と胸が鳴った。笑顔が・・・。またもや、直視出来ずに俯いてしまう。やっぱり今日の私はおかしい。
「いいえ、いいえ、本当に十夜さんのおかげなんです。お礼をしないと、私の気がすみません。」
「参ったな。そんなつもりじゃかったのだけど・・・、う~ん、ちなみにお礼って、どんなことを考えているの?」
「え、ええと、私なんかでは考えが及ばず、十夜さんに決めて頂こうかと。ごめんなさい。」
本当はお礼を伝えるだけのつもりだった。それなのに、どういう訳か急に不安が押し寄せてきた―――お礼を言って、教室に入ってしまえばただの生徒と先生になってしまうのではないかという不安。そう思った瞬間に、私の口は勝手に動いてしまったのだ。
と、十夜さんが立ち止まった。
「着いたよ、ここが君の教室だ。」
「あ・・・はい。」
駄目だった?困らせた?やっぱり私なんかのお礼なんて、迷惑だったの?
返事をはぐらかされたと思い、悲しくなった。恥ずかしくて消えてしまいたい。
このまま教室に置いて行かれるのかと思ったら、十夜さんは再び歩き始めようとした。私の背中をトン、と進行方向に押して、私にも歩くように合図する。
どう言って断ろうか悩んでいるのかしら?どうしよう、やっぱりやめますって言ったらいいのかしら?
「あのっ・・・」
「まだ少し時間があるから。」
「え・・・はい。」
すれ違う学生達が、私を笑っているように思えた。
「ここ。」
「え?」
教室の引戸とは違うドアの前で十夜さんが立ち止まり、ガチャリと鍵を回してドアを開けた。
「どうぞ。」
「は、はい。」
「座って。」
「はい。」
言われるまま、ソファーに腰を下ろした。
「ここは・・・?」
「僕の個室だよ。今後用がある時はいつでも来るといい。」
「えっ、いいんですか? 私なんかが。」
十夜さんの個室に私が!?パッと顔を上げ、下げた。
「ふはっ、そんなに驚かなくても。僕の生徒なら、誰だって来ていいんだよ。」
「あ・・・、そっか、そうですよね。ごめんなさい。当たり前なことなのに驚いてしまって。」
「ふ、今度は随分と落ち込むんだね。」
「そんなことありません。」
十夜さんがどんな顔をして言っているのか、覗き見るのも恐い。何を勘違いしていたのか、自分が心底情けなくなった。
「菫君、こっちを見てくれる?」
「え、ええと、はい。」
ふわふわと視線を漂わせ、少しだけ視界に入れてまたふわふわと下を見た。気まずい・・。
「ちゃんと見てくれる?」
「う、はい。」
おそるおそる顔を上げたら、ばっちりと目が合った。たちまち顔は赤くなる。
「意地悪言ってごめんね。君が顔を赤らめながらお礼を、なんて言い出すから、つい試したくなったんだ。」
「試す、ですか?」
握りしめる手の平がベタベタする。こめかみからはツゥ、と汗が流れ落ちるし、服の中は暑くて肌着が肌に張り付いた。
「うん。君が、僕に関心を持っているのか知りたくてね。」
ボン、と顔から火が吹き出た気がする。
「ななななな、十夜さんっ、なにをっ」
「あれ? 違った?」
「え? え? え?」
「違ったなら残念なのだけど、じゃあ僕のこと嫌い?」
「き、嫌いなわけっ、え? え?」
嫌いじゃない。一緒にいると嬉しいし恥ずかしい。十夜さんが私をどう思っているのか、気になって、不安で・・・。こ、これってつまり・・ドクン、と胸が高鳴った。自覚した気持ちが、解き放たれる。もしかして、もしかして、
「良かった。僕は君のこと、可愛いと思っているよ。」
「かかか、可愛い・・?そそそそ、そんなこと」
あたふたする私を見て、十夜さんが吹き出した。
「ぷはっ、いいねその反応。」
「・・・っ、十夜先生は、私をからかっているのですか?」
こんなに取り乱している自分が、只でさえ酷く恥ずかしいのに・・・笑われると、胸が抉られるように悲しくなった。目には涙が浮かぶ。
「ごめんね、調子にのり過ぎた。でもね、からかってはいないし、本気だよ。
そもそも男性教師の個室に女子生徒を招き入れるなんて、普通はしない。」
「え・・・?」
「それだけ特別ってことだよ。でもまぁ君にしてみれば外の世界に出たばかりなのに急過ぎたかな。僕は急いではいないから、これからゆっくりお互いを知っていこう。」
「え・・・、それって・・」
つまり?どうなったの?特別ってどういう意味で?本気って、何が? 可愛いと思ってるって、どういうこと?
ついさっき自覚したばかりの気持ちは、ソワソワと期待を膨らませているのに。
「それで、菫君は、お礼をしてくれるんだって?」
「え、ええ。ご迷惑でなければ。」
「とんでもない。嬉しいよ。」
「あ・・ええと、でも、何をしたらいいのか。」
「じゃあさ、毎朝、君の時間を少し僕にくれないかな?」
「時間ですか?」
「ああ。毎日、少し早い時間にここへ来て欲しい。」
「いいですけど、それはお礼になりますか?」
「勿論、僕にはとても大事なことだ。言ったろ、ゆっくりお互いを知っていこうって。」
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