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杏奈とズン
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**杏奈
少し遡った話・・・
ずんぐりむっくりメガネ男に、私は黒耀の居場所を知らず、とりあえず「花岡海」を見張っている現状を説明した。すると最初は死んだような目をしてたのが、女の名前が出た途端に突然急に食い付いてきて、実物を見てみたいと言い出した。
「何?あんたあの女、知ってるの?」
「ひょひょひょ、おそらく彼女が『縁不結びの呪い』の君なのでしょう。丁度たしかめいことがあったのです。」
「縁不結びの呪い?」
思わず突っ込んだ。知らなかった、聞いたことがない呪い・・
「ええ、ええ。決して結ばれる事がないようにする為の強力な呪いでございます。これは魔王様にのみ使うことが出来るのでございます。」
実は黒耀はもう、ずっと長いあいだ魔界に帰っていないのだそうだ。それはまぁ、私も知っていることのだけれど。
そしてある時、帰って来ない黒耀を心配した魔王が、使いを出したのだと。するとそこには人間の娘にうつつを抜かす黒耀の姿があった。その娘は私のいう、「あの女」のことだ。儚げで綺麗な女の子・・私はあの女が大嫌いだ。自分を犠牲にしてまで他人に尽くすようなあの姿が、わざとらしくて見ていて腹が立つ。
「杏奈様?」
「はっ!ご、ごめんなさい続けてちょうだい。」
つい思い出して、考えこんでしまっていた。
「で、息子の姿を案じた魔王様は黒耀の目を覚まさせる為、『縁不結の呪い』をかけて見守っていた、という訳でございます。」
「あぁ・・・だから、黒耀は」
すとん、と府に落ちた。途中から態度が急変したあの女の態度。黒耀は意味も分からずあたふたしていたっけ・・・全て呪いのせいだったのね・・。いい気味なような、がっかりしたような、ほっとしたような、複雑な気持ちがこみ上げた。
黒耀は、拒まれれば拒まれる程、その娘にのめり込んでいった。それはきっと攻略できないゲームに夢中になるような感覚なのだと思った。ゲームというには痛々しい程だけれど、そう思わないと心が崩れそうで・・・。
彼が振り向かせようと頑張る姿は、見ていて本当に苦しかった。呆れた、馬鹿だと思った。もうやめようよ、と懇願したこともあった。
それでも黒耀はいつまでも諦めず、何度でも誕生に歓喜し、何度でも報われずに苦しみ、何度 死に絶望したことか。
私は早く諦めればいいのに、と何度も祈ったのだ。
過去を思い出し、気付けば頬を涙が伝っていた。
「むほほ。愛ですな。」
カチンとくる。
「馬鹿にしないでよっ!」
「おっと失礼。ええと、それでですね、そろそろ諦めないかと思っていた矢先、黒耀様の名前がふっ、と消えたのでございます。いやはや魔王様も私も腰を抜かしてしまいましたよ。ついでに呪いまで壊れてしいまいましたから、そりゃもう、てんわやんわで。」
「えっ!呪い、壊れちゃったの!?」
一気に涙が引っ込み、青ざめた。
「ひょひょひょ、ご心配なさらずとも大丈夫ですよ。完全に壊れた訳ではございません。ただ原因が分からなければ修復が出来ませんので、是非ともご本人にお会いしたいと思っておったところなのです。」
それで私は、ひょひょひょと笑う、ムカつくこの男を仕方なく「花岡海」の通う学校に連れて来たところだったのだ。
「ねぇ、それで、何か分かったの?」
呪いが壊れた原因を知りたいというから、わざわざ連れてきてあげたのだ。何も分からないでは困る。身を乗り出す男の後ろ襟を掴んで聞いてみた。
「むむ?杏奈様、私、遠すぎてご本人かどうかも分かりませんでしたよ。」
「なんですって?じゃあどれくらい近ければいいのよ?」
「むむむ?1メートル程でしょうか?正面でなくても構いませんが、それくらいは近付かなければ分かりません。」
「・・・」
「それに再度聞きますが、あの方は『菫』と呼ばれておったようなのですが。」
襟を掴まれたのが気にくわなかったのかブルリと身体を震わせ私の手を振りほどき、きゅっ、と襟を正して向き直った。
「ええ、あの女が『海』で間違いないと思うわ。」
「そこのところ、詳しくお願いいたします。報告せねばなりませんので。」
・・・めんどくさい。そう思ったけれど、何度も催促されるのも鬱陶しくて、しぶしぶ口を開いた。
あの時私は、院長からの手紙で黒耀が「花岡海」に会おうとしていると知ってから、すぐに花岡家を調べた。家族構成は花岡誠一本人と妻の葵、それから娘の菫の3人家族で、女中には鞠とかいう女がいた。その時私は、あれ?と思ったのだ。だって「海」がいないから。だけど、暫く見張っていても、他に娘がいる様子もない。そこで私は試しに、「碧」からの手紙を出してみたのだ。宛て名はもちろん「花岡海」。もしも間違いなら、手紙は受け取られずに返されてくる筈で――――ところが、意外なことに、花岡家は手紙を受け取ったまま、逃げるように引っ越しをしていったのだ。
「それでどうして、『海』が『菫』になるのです?」
「ばっかねぇ。ちょっとは想像してみなさいよ。いい?、黒耀は確かに『花岡海』に会ってるの。だって会わなくちゃ存在に気がつかないでしょう?」
「そうでしょうか?」
「そうなのっ、それでね、きっと父親の『花岡誠一』は、それをよく思っていなかったのよ。だから『菫』は、あえて偽名を使っていたの。黒耀に正体がばれないようにね。」
「へぇ。」
「だけど偽名のことも、父親は知っていたのね。だから『海』宛てに手紙が来た時、慌てて逃げたのよ。」
「へぇ。」
「何よ?間違えてるっていうの?」
男は偉そうに腕を組み、それから右肘を立ててメガネを押し上げた。
「・・・そうですね。そのまま報告するには少し材料が足りないですね。人違い、というか花岡違いの可能性もありますし。だいたい、その院長とやらの手紙にしても、『かもしれない』とかばかりで何一つ事実がないんですよ。」
「なんですって?あのねぇ!でもねぇっ!黒耀がこの花岡家を探しているのは確かなんだからっ。」
「なぜです?」
「訪ねて来たもの。引っ越した後だったけど。かなりしつこく聞いていたようだから・・」
「杏奈様。それを早くおっしゃって下さい。黒耀様が探しておられた、それだけで充分でございます。」
男はさっと身を翻し、階段を下りようとドアに向かった。
「ちょちょちょっ、待っ、あんたっ、えっとっ誰よっ、えっとっ、名前っっっ」
「名前」と言ったところで、ぴたりと止まった。振り向いた顔は、無表情のつもりかもしれないけれど、口の両端がムズムズと上がっている。
「むほ。杏奈様、どうぞ好きなように呼んで下さい。」
「・・・」
「ささ、早く。呼び方が決まっていませんと、不便ですから。」
気味が悪い。あだ名をつけろってこと?だけど確かにないと不便なのは不便よね?ずんぐりむっくりメガネ男?長いわね。メガネ男?ずんぐりむっくり?
「・・・、ズ、ズン?」
「むほほ。なんでしょうか、杏奈様。」
男は大袈裟なくらい大きく回すようにしながら左手を胸の前に付け、ゆっくりとお辞儀をした。右手はぴったりと身体の橫で指先だけ外にはねている。
「・・・と、とりあえず、ズンは目立つから階段からは行かないでちょうだい。」
「分かりましたとも。ではまた、お願い致します。」
そう言ってクルリ、と背を向けた。
「あら?これ、掴まれると嫌なんじゃなかったの?」
ここに来るときは何も考えずに後ろ首を掴んで移動したけれど、さっき落ちないように掴んだら嫌そうにしてた筈。
「むほっ、お気遣い下さり光栄にございます。ですが問題ありません。さささ、どうぞ。」
なんだろう、なんだかさっきよりも気持ちが悪い気がする・・・。
その後2人で「花岡菫」を追いかけたけれど、家に入ってしまった後だったので断念した。翌日になってからも何度も近付こうとしたのだけど、1メートルって、近すぎる。街灯の陰からこっそり見るのが精一杯だ。
「ねぇ、1メートルって、難しいわよ。というか、ズンが妖し過ぎて駄目なのよ。」
「むむ?そうでしょうか?私は目立たない方ですが。」
「誰と比べてんのよ?あ~あ、思いきって堂々と行く?でも今後の為にも顔は覚えられたくないわ。」
「分かりました、杏奈様。」
「へっ?何が?」
ズンがスッと離れた。
「ちょっ、目立つからっ」
「杏奈様、私は1度報告の為に戻ります。」
「は?報告って、まだ何も・・」
「いいえ杏奈様、彼女で間違いありません。」
「ん?確かめたくてこんなことをしてたんじゃ?」
「むほほ。杏奈様、私は鼻がいいのです。すでに匂いで確信いたしております。ただもう少し探って呪いの調査を進めたかったのですが、魔王様が心配するといけませんから。」
「・・・」
「それから杏奈様、微弱ながら黒耀様の気配が致します。」
「え!?」
「私は鼻がいいのです。この感じだとまだ遠いようですが・・・ま、ひとまず戻ってすぐにまた参りますのでー。」
ズンはそそくさと去っていった。
少し遡った話・・・
ずんぐりむっくりメガネ男に、私は黒耀の居場所を知らず、とりあえず「花岡海」を見張っている現状を説明した。すると最初は死んだような目をしてたのが、女の名前が出た途端に突然急に食い付いてきて、実物を見てみたいと言い出した。
「何?あんたあの女、知ってるの?」
「ひょひょひょ、おそらく彼女が『縁不結びの呪い』の君なのでしょう。丁度たしかめいことがあったのです。」
「縁不結びの呪い?」
思わず突っ込んだ。知らなかった、聞いたことがない呪い・・
「ええ、ええ。決して結ばれる事がないようにする為の強力な呪いでございます。これは魔王様にのみ使うことが出来るのでございます。」
実は黒耀はもう、ずっと長いあいだ魔界に帰っていないのだそうだ。それはまぁ、私も知っていることのだけれど。
そしてある時、帰って来ない黒耀を心配した魔王が、使いを出したのだと。するとそこには人間の娘にうつつを抜かす黒耀の姿があった。その娘は私のいう、「あの女」のことだ。儚げで綺麗な女の子・・私はあの女が大嫌いだ。自分を犠牲にしてまで他人に尽くすようなあの姿が、わざとらしくて見ていて腹が立つ。
「杏奈様?」
「はっ!ご、ごめんなさい続けてちょうだい。」
つい思い出して、考えこんでしまっていた。
「で、息子の姿を案じた魔王様は黒耀の目を覚まさせる為、『縁不結の呪い』をかけて見守っていた、という訳でございます。」
「あぁ・・・だから、黒耀は」
すとん、と府に落ちた。途中から態度が急変したあの女の態度。黒耀は意味も分からずあたふたしていたっけ・・・全て呪いのせいだったのね・・。いい気味なような、がっかりしたような、ほっとしたような、複雑な気持ちがこみ上げた。
黒耀は、拒まれれば拒まれる程、その娘にのめり込んでいった。それはきっと攻略できないゲームに夢中になるような感覚なのだと思った。ゲームというには痛々しい程だけれど、そう思わないと心が崩れそうで・・・。
彼が振り向かせようと頑張る姿は、見ていて本当に苦しかった。呆れた、馬鹿だと思った。もうやめようよ、と懇願したこともあった。
それでも黒耀はいつまでも諦めず、何度でも誕生に歓喜し、何度でも報われずに苦しみ、何度 死に絶望したことか。
私は早く諦めればいいのに、と何度も祈ったのだ。
過去を思い出し、気付けば頬を涙が伝っていた。
「むほほ。愛ですな。」
カチンとくる。
「馬鹿にしないでよっ!」
「おっと失礼。ええと、それでですね、そろそろ諦めないかと思っていた矢先、黒耀様の名前がふっ、と消えたのでございます。いやはや魔王様も私も腰を抜かしてしまいましたよ。ついでに呪いまで壊れてしいまいましたから、そりゃもう、てんわやんわで。」
「えっ!呪い、壊れちゃったの!?」
一気に涙が引っ込み、青ざめた。
「ひょひょひょ、ご心配なさらずとも大丈夫ですよ。完全に壊れた訳ではございません。ただ原因が分からなければ修復が出来ませんので、是非ともご本人にお会いしたいと思っておったところなのです。」
それで私は、ひょひょひょと笑う、ムカつくこの男を仕方なく「花岡海」の通う学校に連れて来たところだったのだ。
「ねぇ、それで、何か分かったの?」
呪いが壊れた原因を知りたいというから、わざわざ連れてきてあげたのだ。何も分からないでは困る。身を乗り出す男の後ろ襟を掴んで聞いてみた。
「むむ?杏奈様、私、遠すぎてご本人かどうかも分かりませんでしたよ。」
「なんですって?じゃあどれくらい近ければいいのよ?」
「むむむ?1メートル程でしょうか?正面でなくても構いませんが、それくらいは近付かなければ分かりません。」
「・・・」
「それに再度聞きますが、あの方は『菫』と呼ばれておったようなのですが。」
襟を掴まれたのが気にくわなかったのかブルリと身体を震わせ私の手を振りほどき、きゅっ、と襟を正して向き直った。
「ええ、あの女が『海』で間違いないと思うわ。」
「そこのところ、詳しくお願いいたします。報告せねばなりませんので。」
・・・めんどくさい。そう思ったけれど、何度も催促されるのも鬱陶しくて、しぶしぶ口を開いた。
あの時私は、院長からの手紙で黒耀が「花岡海」に会おうとしていると知ってから、すぐに花岡家を調べた。家族構成は花岡誠一本人と妻の葵、それから娘の菫の3人家族で、女中には鞠とかいう女がいた。その時私は、あれ?と思ったのだ。だって「海」がいないから。だけど、暫く見張っていても、他に娘がいる様子もない。そこで私は試しに、「碧」からの手紙を出してみたのだ。宛て名はもちろん「花岡海」。もしも間違いなら、手紙は受け取られずに返されてくる筈で――――ところが、意外なことに、花岡家は手紙を受け取ったまま、逃げるように引っ越しをしていったのだ。
「それでどうして、『海』が『菫』になるのです?」
「ばっかねぇ。ちょっとは想像してみなさいよ。いい?、黒耀は確かに『花岡海』に会ってるの。だって会わなくちゃ存在に気がつかないでしょう?」
「そうでしょうか?」
「そうなのっ、それでね、きっと父親の『花岡誠一』は、それをよく思っていなかったのよ。だから『菫』は、あえて偽名を使っていたの。黒耀に正体がばれないようにね。」
「へぇ。」
「だけど偽名のことも、父親は知っていたのね。だから『海』宛てに手紙が来た時、慌てて逃げたのよ。」
「へぇ。」
「何よ?間違えてるっていうの?」
男は偉そうに腕を組み、それから右肘を立ててメガネを押し上げた。
「・・・そうですね。そのまま報告するには少し材料が足りないですね。人違い、というか花岡違いの可能性もありますし。だいたい、その院長とやらの手紙にしても、『かもしれない』とかばかりで何一つ事実がないんですよ。」
「なんですって?あのねぇ!でもねぇっ!黒耀がこの花岡家を探しているのは確かなんだからっ。」
「なぜです?」
「訪ねて来たもの。引っ越した後だったけど。かなりしつこく聞いていたようだから・・」
「杏奈様。それを早くおっしゃって下さい。黒耀様が探しておられた、それだけで充分でございます。」
男はさっと身を翻し、階段を下りようとドアに向かった。
「ちょちょちょっ、待っ、あんたっ、えっとっ誰よっ、えっとっ、名前っっっ」
「名前」と言ったところで、ぴたりと止まった。振り向いた顔は、無表情のつもりかもしれないけれど、口の両端がムズムズと上がっている。
「むほ。杏奈様、どうぞ好きなように呼んで下さい。」
「・・・」
「ささ、早く。呼び方が決まっていませんと、不便ですから。」
気味が悪い。あだ名をつけろってこと?だけど確かにないと不便なのは不便よね?ずんぐりむっくりメガネ男?長いわね。メガネ男?ずんぐりむっくり?
「・・・、ズ、ズン?」
「むほほ。なんでしょうか、杏奈様。」
男は大袈裟なくらい大きく回すようにしながら左手を胸の前に付け、ゆっくりとお辞儀をした。右手はぴったりと身体の橫で指先だけ外にはねている。
「・・・と、とりあえず、ズンは目立つから階段からは行かないでちょうだい。」
「分かりましたとも。ではまた、お願い致します。」
そう言ってクルリ、と背を向けた。
「あら?これ、掴まれると嫌なんじゃなかったの?」
ここに来るときは何も考えずに後ろ首を掴んで移動したけれど、さっき落ちないように掴んだら嫌そうにしてた筈。
「むほっ、お気遣い下さり光栄にございます。ですが問題ありません。さささ、どうぞ。」
なんだろう、なんだかさっきよりも気持ちが悪い気がする・・・。
その後2人で「花岡菫」を追いかけたけれど、家に入ってしまった後だったので断念した。翌日になってからも何度も近付こうとしたのだけど、1メートルって、近すぎる。街灯の陰からこっそり見るのが精一杯だ。
「ねぇ、1メートルって、難しいわよ。というか、ズンが妖し過ぎて駄目なのよ。」
「むむ?そうでしょうか?私は目立たない方ですが。」
「誰と比べてんのよ?あ~あ、思いきって堂々と行く?でも今後の為にも顔は覚えられたくないわ。」
「分かりました、杏奈様。」
「へっ?何が?」
ズンがスッと離れた。
「ちょっ、目立つからっ」
「杏奈様、私は1度報告の為に戻ります。」
「は?報告って、まだ何も・・」
「いいえ杏奈様、彼女で間違いありません。」
「ん?確かめたくてこんなことをしてたんじゃ?」
「むほほ。杏奈様、私は鼻がいいのです。すでに匂いで確信いたしております。ただもう少し探って呪いの調査を進めたかったのですが、魔王様が心配するといけませんから。」
「・・・」
「それから杏奈様、微弱ながら黒耀様の気配が致します。」
「え!?」
「私は鼻がいいのです。この感じだとまだ遠いようですが・・・ま、ひとまず戻ってすぐにまた参りますのでー。」
ズンはそそくさと去っていった。
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