愛したい、愛されたい。

ミヒロ

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リョウとカズヤがそれぞれ、車を出してくれ、リョウの車に俺、ヨウタ、マコ、シュン。

カズヤの車にタクマ、トウマ、エイジ

父さんは自分の車で。

キョウスケはもうスカウトで売春宿にはいない。

みんなに話してはいけないのだけど、父さんは折半まではいかないが、指名受けたぶん、それぞれのしばらくの給与は貯めてある。

それを使い、また部屋を借り、免許を取ったりで、そしてまたスカウトをして給与を貰う。

スカウトになると歩合制になるから、みんな血眼らしい。

車のウィンドウから見る景色は新鮮そのものだ。

物心ついた時にはマンションしか知らなかったから。

父さんに誘導され、リョウとカズヤは車を走らせた。

コインパーキングに3台、車を停め、繁華街を歩いた。

俺は雑誌を持っていたが、置いてけ、とリョウに言われて、車に置いていった。

見るもの聞くもの、嗅ぐもの、全てが新しく、清々しい!

早速、父さんを先頭に一軒のラーメン屋に。

「これ、なんて読む?」

タクマに聞かれた。

「バカにしてるなー。これくらい...ラーメン...」

以上、読めなかった。

「一連、いちれん、な」

「なるほど、なんて意味?」

「意味までわからん」

と、10人いるので、車と同じく、BOX席に二手に別れた。

みんな、チャーシュー麺を頼んだので同じのにした。

クンクン、独特の匂い、嫌な匂いじゃない。

「カイ、ほら」

と、シュンが水をくれた。

「ありがと」

しばらく待つと、ラーメンが運ばれてきた。

目の前のシュンとマコの食べてる姿をしばらく眺めた。

「うまっ」

とマコ。

「美味いな」

とシュン。

隣のリョウが

「左でこう、レンゲでスープ飲んで、右でラーメン啜るんだよ」

と教えてくれたが、上手く両手を使えず、右で麺を食べ、レンゲに持ち替えてスープを飲んだ。

「どう?美味い?」

複雑そうな面持ちで、目の前のシュンが聞いてきた。

「うん...!美味しくてびっくりしてる」

生まれて初めて食べるラーメンの美味しさに驚愕した。

ラーメンを食べると、先に帰るぞ、とカウンターで1人黙々とラーメンを食べていた父さんは全員分を支払い、

「ちゃんと連れ帰ってこいよ」

と出ていき帰っていった。

「せっかくだし、少し歩こうよ」

とマコ。

みんなが賛成した。

耳元でリョウが、

「今がチャンスかもな」

と呟いたが、

「ダメだよ、みんなを犠牲にする」

と跳ね除けた。

こっそり2人で逃避行なんて、無理な話だし、みんなに迷惑をかけるのが目に見えてる。

ラーメンを食べ終えると、みんなで変わる変わるメンバーを交代し、プリクラを取ったり、UFOキャッチャーてのもした。

一部はゲームしてたけど、俺はよくわからず眺めてた。

「なんかいい香り...」

「クレープじゃん?」

誰かが言い、カズヤが人数分、クレープを買ってくれた。

苺と生クリームのにした。

めちゃくちゃ美味しかった。

が、食べ方が難しい。

「鼻、ついてる」

エイジに指摘され、

「鼻はそりゃ付いてるよ」

と言うと、一瞬、間を置いて、みんなに爆笑された。

生クリームだよ、とリョウが指で掬い、舐め取った。

あとは本屋を見たい、と言うメンバーに着いていき、リョウが買ってあげていた。

そうこうしてるうちに日が暮れ始めた。

「そろそろ帰るか」

リョウが言い、

「うん」

と頷いた。

「また来たい?」

とシュンとエイジに聞かれ、

「来れたら来たいかな、このメンバーで」

と答えたら、2人が微笑んだ。

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