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しおりを挟む「聞いてよ、カイ」
マコは白のスウェット姿。
あのマンションではみんな全裸だったからみんなが服着ているのが逆に新鮮だった。
「こないだね、シュン誕生日だったんだ」
マコの隣のシュンを見て、
「そうなんだ、おめでとう」
と笑顔で言うと、ありがとう、とグレーのパーカー姿のシュンが言った。
「て、ことは16かあ、いいなあ」
まだ14で誕生日は半年後の俺。
「セイヤさんにお祝いして貰って、あ、みんなか」
マコが嬉しそうに話す。
「今さ、3部屋に別れて住んでんの。でね」
と突然、マコが耳元で、
「シュンに入れた」
と言った。
「入れた、て何を」
とポカンと言うと、
「なに話してんだよ、マコ」
「タチも悪くないなあって話しだよ」
怒るシュンにマコが不敵な笑み。
俺はホッとしながら2人を見た。
スマホは各自に新しく、セイヤさんが買って渡してくれたらしい。
食事の際はグループLINEで教えるんだとか。
俺にも、セイヤさんがスマホをプレゼントしてくれた。
「あ、あとね」
同い年のヨウタが口火を切った。
「俺とエイジ、付き合ってるんだ」
「そうなの!?おめでとう!」
素直に喜んだ。
トウマも、リクと付き合ってる、と教えてくれた。
「リク、てリバじゃなかった?」
とリクに尋ねた。
「だよ。だから、トウマもリバにしてあげた」
ニコッとリクが微笑んだ。
それぞれがカップル。
「みんなが笑顔で嬉しかった」
それぞれ、部屋に戻っていき、セイヤさんに話した。
ありがとう、の言葉を添えて。
「大したことはしてないよ。みんな幸せになる権利があるんだから」
「...それはセイヤさんも言えることだよね」
「俺も幸せだよ、みんなが幸せで、なにより」
俺の顎を掴み、上げた。
「カイをもっと幸せにしたい」
俺は真っ直ぐなセイヤさんの瞳を見つめ返した。
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