外れスキルと馬鹿にされた【経験値固定】は実はチートスキルだった件

霜月雹花

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第二章

第136話 【大会後・1】

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 表彰式の後、俺は学園長に呼び出しをされた。
 大会の事だろうなと思いつつ向かうと、学園長室の中にはエルドさんと学園長が待っていた。

「アルフ、優勝おめでとう」

「ありがとうございます」

 エルドさんは俺が部屋に入ると、ニコニコと笑顔を浮かべてそう祝いの言葉を掛けてくれた。

「アルフレッド君、本当にありがとう。貴方だけが優勝するのではなく、他の商人科の生徒も上位に入賞していて、今の商人科に対する生徒達の思いは変わると思うわ。あの子達の訓練もアルフレッド君がしてくれたんでしょ?」

「はい。でもここまで上手く行けたのは、本人達の頑張りのおかげでもあります。確かに訓練はしましたが、やる気が続いたおかげでもありますからね」

「ええ、分かっているわ。だから後日、上位に入賞した商人科の子達には学園からお礼を言うつもりよ。本当にあなた達の頑張りは学園にとって本当に良い出来事だったわ」

 学園長は凄く嬉しそうにそう言うと、依頼通り優勝した俺に対する報酬の話となった。
 報酬は全部で3つで、学園を卒業するまで学食を無償で食べられる権利に加え、以前レオルドに見せて貰った学園に自室を持つ権利。
 更に、今後の成績問わずに学園を卒業できる証を貰う事になった。

「3つ目に関して今までの成績を考えたら、意味はないかも知れないけど。今後、エルド様の頼みとかで学園を休む事になっても優秀な生徒として学園を卒業出来るようにしておくわ」

「それはちょっと嬉しいです。それって、修行に行くからという理由で休んだとしても卒業は出来るんですか?」

「ええ、どんな理由で学園を休んだとしても大丈夫よ」

 それは正直、嬉しい報酬だな。
 友達が居ないアリスに対し、学園生活をサポートする為として学園に入学した。
 しかし、アリスには既に友達も出来た為、俺がずっと一緒に居なくても大丈夫になって来ている。
 なので二年、三年と学年が上がった時に少し修行を優先したいなと考えていたから、その時に使えそうだ。

「ちなみに三つ目に関しては、儂から頼んだ報酬だ。アリスも最近は、友達も出来たからアルフが傍に居なくても大丈夫になっておるからな」

「そうですね。学業に関しても、最近はアリス自身楽しんでますからね」

「それについては私も本当に驚いたわ。まさか、成績最下位だったアリスちゃんがあそこまで成績を上げられたなんて……アルフレッド君、教師になってみるつもりはないかしら?」

「すみません。教師をしてる時間は今は無いですね。卒業後にまたエルドさんに頼んでもらえたら、手伝えるかも知れませんが……」

 そう俺はやんわりと、教師になる事を断り。
 報酬の話も終わったので、エルドさんと一緒に部屋を出た。

「さっきの話だが、これからはアルフの好きな時にアレンと修行にも行っていいからな。少しの間なら、アリスも一人で学園に通えると思うし、アルフも今より強くなりたいだろ?」

「そうですね。それについては、師匠達と話し合って決めようと思います」

「それが良いだろうな」

 その後、俺とエルドさんは迎えに来てくれた商会の馬車に乗り、商会へと帰宅した。

「あれ、レイン達は先に帰ったんじゃなかったの?」

 商会へと帰宅すると、レイン達が入口の所で待っていた。
 レイン達の姿を見て驚いた俺に対し、一緒に乗って帰って来たエルドさんが説明してくれた。
 なんでも俺が優勝すると思っていたから、パーティーの準備をしていたらしい。
 それでレイン達は帰宅する際、アリスから伝えられて家族も連れて商会へと集まったらしい。

「……レオルドが居るって事は、もしかして陛下も来てるの?」

「来たがっていたけど、流石に止めたよ。仕事があるのにそれを放って、大会を見に来ていたからね。母さんが無理矢理連れて帰ったんだ」

「そうだったのか……あっ、ヘレナさんも参加してくれたんですね」

「ええ、デイル君達から誘われてルクリア商会に来れる機会なんて、早々ないなと思って来ちゃったわ」

 ヘレナさんは笑みを浮かべながらそう言い、俺達はパーティー会場となっている寮の食堂へと移動した。
 そして既に集まっていた商会の人達から、拍手で出迎えられて「アルフ、優勝おめでとう!」とお祝いの言葉を掛けて貰った。
 その後、パーティーは夜遅くまで行われ、商会の人達は勿論アリス達も物凄く楽しんでいた。
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