【完結】政略結婚で、敵国に嫁ぐことになった公爵令嬢

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第二章

第二話

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「そろそろ、風呂にするか?」

セバスチャンはリーゼに聞いてきた。夜もかなり更けている。

「はい、そういたしましょう。」

「では、風呂から上がったら寝室におるわ。おそらく、オレの方が早いであろう。」

「分かりました。」

こうして2人は、それぞれの浴室へと向かった。

浴室の中で、リーゼは今日の出来事を思い出していた。

まあ、ぼんくらと言われてるけど、勉強が嫌いなだけで頭は悪くなさそうね。てか、むしろ頭が良すぎるのかも。ただ、奇抜とか破天荒とかは、当たっていそうね。言葉づかいも王族っぽくないし。

というようなことを考えていた。そのうえで、

やっぱり、この乱世を生き抜くには、ああいう感じがいいわ。なんというか、たくましいし、いざという時は頼りになるかも。

と思ってきた。時間とともにセバスチャンとの結婚に対して、前向きな気持ちがわいてきた。

一方のセバスチャンは、風呂は一瞬で済ませた。ただ、浴室にいた短い時間の中で、あの女は面白いと思っていた。

やがて、リーゼが浴室から上がり、髪にタオルを当てながら寝室に向かった。すると、筋骨隆々のたくましい男が出迎えた。

「きゃっ!」

リーゼは思わず悲鳴を上げた。そして、タオルを上げてよくみると、セバスチャンが上半身は裸で仁王立ちしていた。

「な、何してるんですか?!」

リーゼは、大きな声で叫んだ。するとセバスチャンは、

「ふはは、驚かせてしまったか。」

と言って笑い出した。

まったく、もう!

リーゼはそう思ったが、すぐに思い直した。

この人は、こういう人なんだわ。

そして、少し目を伏せながら、

「あ、あの、何か服を着てくださる?」

と頼んだ。セバスチャンは、

「ふはは、バイル公爵殿の娘でも、いきなり裸はキツかったか!」

と言ってイタズラっぽい笑顔を見せた。

リーゼは少しふてくされたが、寝る前に少しの酒を飲み、しばらくセバスチャンととりとめもない話をした。

やがて、セバスチャンの方から

「そろそろ、横になるか?」

と聞いてきた。リーゼは、

「ええ。」

と答えた。いよいよ、夫との初夜が始まる。昨日まで顔も見たことなかった男との。
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