エゴイストの檻

観月 珠莉

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【02】 地獄行きの切符

*014* 与えられた部屋

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アルベルトは小袖の言葉の意図を理解した。

「本来は使用人の為に用意されている別棟のお部屋にご案内するところなのですが、小袖さんの場合には、別の仕事もありますから、大河様のお部屋の隣りに致しました。それぞれの部屋は、繋がってはいませんが、迅速に対応が可能かと思います。」

何もかもを承知した上で、対応しているアルベルトに羞恥心を煽られた。
小袖は、恥ずかしさに顔が真っ赤になった。
アルベルトは、それに反応する事無く、部屋の奥へと進んで行く。

「そして、こちらがバスルーム。横のここがトイレです。自由にお使いください。」

そこまで説明すると、アルベルトは扉の前へと戻って行く。

「そして、大河様がご用がある際には、こちらの端末が鳴りますので、迅速にご対応を。肌身離さずにお持ちくださいね。」

渡された端末は、子供用の携帯電話だろう…必要最低限の機能しかついていない事が解る。
また、子供用の携帯電話の場合には、通話先も設定されている先と限られている為、外部に連絡を取る事も困難だという事が容易に想像出来た。
小型のそれは、小袖が大河の所有物だと主張しているようで、ズシリと精神的に重みを感じた。

「当面、必要になる物については、明日の朝までにご用意しておきましょう。」
「ありがとうございます。」
「それでは、私はこれで。」

アルベルトは、颯爽と立ち去って行った。

「徹底してるなぁ…。」

小袖は、また、素に戻って独り言を言った。
独りになった小袖は、直様バスルームに向かい、服を脱ぎ出した。
ストッキングを脱いだ時、膝で引っかかる。
電線しているから脱ぎにくいだけでは無く、膝を擦りむいた際に滲んだ血が固まり、ストッキングを一体化していた。

「あちゃ~…これは、脱ぐのも痛そうだ…。」

小袖は、独り言を言いながら、ストッキングを脱ぐ事を諦めた。
他の着衣を全て脱ぎ、バスルームへと入る。
始めに、シャワーを出し、快適な温度に準備すると、速やかに膝にシャワーをあてた。

「痛ッ…。」

目に涙を滲ませながら、痛みに耐える。
今ここで、傷口をふやけさせなければ、再び血が滲む事になる。
小袖は、唸りながら傷口にシャワーをあて続けた。
何度かストッキングを浮かせると、ようやくキズとストッキングが離れたので、慌てて脱いだ。
そして、ストッキングが脱げない副産物として、着たままだったショーツも脱いだ。
ようやく、生まれたままの姿になった小袖は、ホッと一息吐き、ようやくバスルームに用意されていたスポンジにソープを滲み込ませ、身体を洗い出した。
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