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正直言ってめちゃめちゃによかった。いやほんとによかった。もちろん映画開始までにざっと彼から概要を聞いた上で臨んだだけなので、設定上分からない部分もあったのだが、そんなのを抜きにしてもめちゃめちゃによい映画だった。感動してエンドロールの時には終わってしまうこの時間が寂しく感じた程だった。まだ見たい、終わらないでと思った映画とは久しく出会えていなかったばかりに、感動が大きすぎた。
「なんだか、そこまで喜んでもらえると僕も嬉しいな。ほんといい映画だったよね」
目の前でなぜか照れている冬木部長がちらりと見えるが、そんなことはどうでもよくなるくらい面白かった。そういえば蒼汰くんも特撮好きって言ってたな。これは週明け語りたいな。あでもまた彼の悪口を聞く羽目になってしまうのはなんともいただけないな。にしても、
「いや正直なめてました、特撮。新しい扉が開けそうです」
「ははは。そこまで言ってもらえると誘ったかいがあったよ。このシリーズの好きなところはね、」
楽しそうに笑って語る彼に私も釣られて笑ってしまう。「このドリアもおいしいね」と言いながら彼が大きな口で頬張るのは、私のおすすめのお店のものだ。映画が終わるとちょうどお昼時で、今度は"私の好きなもの"がリクエストだったのでここへやってきた。感動した映画の後に食べる美味しいものは幸せの味がする。
「…この後どうします?次は克己さんの好きなものですよ」
一通り食事と会話を楽しんだ後、時計を見ながらそう切り出した。時刻は、14:47。カフェに入るにはお腹がいっぱいだったし、どうするかなぁと悩みながら顔を上げると、にっこり笑って頬杖をついた克己さんと目が合った。
「?なんです?」
「いや、この後も続けてくれるんだと思って、デート」
そう言われてピシリと固まった。別に今日の終着点を決めていたわけではないのだから、特に問題のあることを言ったつもりはないが、これではまるでまだデートを続けたいと思っているように聞こえるだろう。顔が熱くなっていくのを感じる。最初に今日の予定を聞いておけば、こんな気持ちを読まれるみたいなことなかったのに、と後悔が襲った。
でも、確かにまだ終わってほしくないのは映画だけではなかったらしい。くっと水を一口飲み込んでから彼に向き直る。
「…あ、あの…克己さ「あれ?冬木部長?」…っ!」
「………あぁ、金本くん。奇遇だね」
「わー!お休みの日にも会えるなんて、うれし…っえ、…な、なんで…」
「…お疲れ様です」
天から地に落ちるとはこういうことかと思った。よりによって今日この場でこの人に会うなんて。向こうも同じことを思ったのか、晴れやかな顔が一気に歪んだものになっていた。
「金本くんもドリア食べに来たの?ここ美味しいんだね。僕も今日初めて来たんだよ」
「へ、へぇ、そうなんですか………っで、でも…なんで、山色さんと?」
「ん?あぁ、彼女とは仕事の話がしたくてね、僕が誘ったんだ」
「へ、へー!そうだったんですね、なーんだ、仕事かぁ。あ、あたしは今日、友だちと来ててぇ」
「そうなんだ。楽しそうだね」
デートだと思われてはいけないのだと悟った。彼女は彼の部下で、毎日仕事で顔を合わせる相手だから。変に誤解を生むのは彼にとってよろしくないのだと、瞬時に理解した。それがただ面倒だからなのか、それとも部下に誤解されたくないのか、あるいは…彼女だから、取り繕う必要があるのか。私には検討もつかなかった。
仕事だと割り切れば話は早い。そういうのは得意だ。目の前の仕事を遂行するために、気持ちに蓋をするのはよくある話。
「いやぁほんと、有意義な時間をありがとうございました、冬木部長」
「…穂ちゃん?」
「わざわざ休みの日にお時間をいただいてすみません。なんせ、社内じゃなかなか打ち合わせの時間取れませんもんね。冬木部長お忙しいから」
「…ねぇ、まって」
「今日いただいたお話、週明け早々に横山と二人で詰めていきますね。金本さんも、またお世話になります」
「っ穂ちゃん!」
にっこり笑って言い切る。こういうのは得意なんだ、だから任せてくださいよって意味も込めて、彼をまっすぐ見てから笑みを深くする。
「あぁ、それと…」
「え?」
「以前提案していただいたその、名前呼び」
「は?」
「いくら冬木部長が私の兄と知り合いだからって、流石に社内でちゃん付はちょっと…照れくさいですしね。私ももういい年ですよ」
「…ねぇ、それってどういう…」
そう少し困った顔で笑うと、彼が私の名前を呼ぶ度に訝しげにこちらを見ていた彼女の顔がパアッと華やいだ。
「なぁーんだ!そうだったんですねー!名前で呼んで、仲良いのかなーって思っちゃいましたよ!」
「ねぇ、まって穂ちゃん…」
「ぜひ、今まで通り名字で呼んでくださいね」
そうにっこり笑えばこれでおしまいだ。冬木部長と私の完全勝利。金本さんの頭に一瞬でも過ぎった"誤解"は完全に解けただろう。そう確信を持って机の端の伝票を手に取る。
「っ!待ちなさい!」
「もう冬木部長ったら、ここは私に払わせてください。今日あけてもらうよう無理を言ったのは私なんですから。そういう約束だったでしょう?」
「…や、約束って」
「それじゃあ、冬木部長、金本さん。また会社で」
「お先に失礼します」そう言って私がここを去ればもう不審がられることは何もない。これで彼を煩わせることがなくなった。彼女がこれ以上詮索することも、明日会社で不躾な視線を浴びることも、噂の的になることもないのだから。穏やかに仕事ができる。この笑顔一つで守られるなら何の未練もない。
あぁでもなんだろう、どうしてかこの胸の奥の渇きが私を蝕む。私と彼の間にあるものはなんだろう。一緒に映画を見て感想まで言い合って、お互いの好きなものを共有したこの時間は、何か見えない壁に阻まれたかのように遠いものになった。あんなにも、触れられる距離にいたのに。
「…あれー?さっきのおねーさん?」
「お仕事終わったのー?」
「なんか元気ないねー」
「こわ~い上司に怒られたのー?」
「もう俺らとカフェ行けるー?」
まっすぐ歩いてきたつもりが気付けば駅についていたらしい。さっきの彼らが同じところにいて、今はこの能天気さが救いかもしれないな、なんて一つ自嘲をこぼした。
「そうね、予定が変わったの。カフェでも行く?」
鞄の中で鳴り響く電話の音は気付かないフリをして。
「…え、なにお姉さんエンジニアなの?かっけー!」
「俺ら情報工学選考してるんだよね」
「そー!グループ学習の一環でプログラム構築して、ロボット作ってんの」
「トヨケンの授業な」
「めちゃめちゃ面白そうなことしてるね。えっと、トヨケン?」
「トヨダケンタローだよ」
「それがさー、やーっと最終段階に来たんだけど、今行き詰まってるんだよねー」
「そうそう、あともうちょいなんだけどさー」
「おねえーさん、これ見て分かるー?」
「どれどれ……なるほどね。パターンAからBへのチェンジがうまくいかないのか」
「………え、分かるの?」
「………これ見ただけで?」
「そら、あなた達よりは長く生きてますからね」
「ちょっとカラオケいかね?PC広げられるし、防音だし、歌えるし」
「飲み物あるし、多少声上げても怒られないし」
「「おねーさん、もっと教えて!!」」
「うえぇぇ…」
「……で、そのかわいこちゃん二人をどうしたの。食ったの?」
「失礼な。楓先輩と一緒にしないでください」
「あたしも流石にこの年で3Pはなぁ」
「私もこの年でカラオケオールなんてするもんじゃないなと思いましたよ」
「はっは、ウケる」
「なんだか、そこまで喜んでもらえると僕も嬉しいな。ほんといい映画だったよね」
目の前でなぜか照れている冬木部長がちらりと見えるが、そんなことはどうでもよくなるくらい面白かった。そういえば蒼汰くんも特撮好きって言ってたな。これは週明け語りたいな。あでもまた彼の悪口を聞く羽目になってしまうのはなんともいただけないな。にしても、
「いや正直なめてました、特撮。新しい扉が開けそうです」
「ははは。そこまで言ってもらえると誘ったかいがあったよ。このシリーズの好きなところはね、」
楽しそうに笑って語る彼に私も釣られて笑ってしまう。「このドリアもおいしいね」と言いながら彼が大きな口で頬張るのは、私のおすすめのお店のものだ。映画が終わるとちょうどお昼時で、今度は"私の好きなもの"がリクエストだったのでここへやってきた。感動した映画の後に食べる美味しいものは幸せの味がする。
「…この後どうします?次は克己さんの好きなものですよ」
一通り食事と会話を楽しんだ後、時計を見ながらそう切り出した。時刻は、14:47。カフェに入るにはお腹がいっぱいだったし、どうするかなぁと悩みながら顔を上げると、にっこり笑って頬杖をついた克己さんと目が合った。
「?なんです?」
「いや、この後も続けてくれるんだと思って、デート」
そう言われてピシリと固まった。別に今日の終着点を決めていたわけではないのだから、特に問題のあることを言ったつもりはないが、これではまるでまだデートを続けたいと思っているように聞こえるだろう。顔が熱くなっていくのを感じる。最初に今日の予定を聞いておけば、こんな気持ちを読まれるみたいなことなかったのに、と後悔が襲った。
でも、確かにまだ終わってほしくないのは映画だけではなかったらしい。くっと水を一口飲み込んでから彼に向き直る。
「…あ、あの…克己さ「あれ?冬木部長?」…っ!」
「………あぁ、金本くん。奇遇だね」
「わー!お休みの日にも会えるなんて、うれし…っえ、…な、なんで…」
「…お疲れ様です」
天から地に落ちるとはこういうことかと思った。よりによって今日この場でこの人に会うなんて。向こうも同じことを思ったのか、晴れやかな顔が一気に歪んだものになっていた。
「金本くんもドリア食べに来たの?ここ美味しいんだね。僕も今日初めて来たんだよ」
「へ、へぇ、そうなんですか………っで、でも…なんで、山色さんと?」
「ん?あぁ、彼女とは仕事の話がしたくてね、僕が誘ったんだ」
「へ、へー!そうだったんですね、なーんだ、仕事かぁ。あ、あたしは今日、友だちと来ててぇ」
「そうなんだ。楽しそうだね」
デートだと思われてはいけないのだと悟った。彼女は彼の部下で、毎日仕事で顔を合わせる相手だから。変に誤解を生むのは彼にとってよろしくないのだと、瞬時に理解した。それがただ面倒だからなのか、それとも部下に誤解されたくないのか、あるいは…彼女だから、取り繕う必要があるのか。私には検討もつかなかった。
仕事だと割り切れば話は早い。そういうのは得意だ。目の前の仕事を遂行するために、気持ちに蓋をするのはよくある話。
「いやぁほんと、有意義な時間をありがとうございました、冬木部長」
「…穂ちゃん?」
「わざわざ休みの日にお時間をいただいてすみません。なんせ、社内じゃなかなか打ち合わせの時間取れませんもんね。冬木部長お忙しいから」
「…ねぇ、まって」
「今日いただいたお話、週明け早々に横山と二人で詰めていきますね。金本さんも、またお世話になります」
「っ穂ちゃん!」
にっこり笑って言い切る。こういうのは得意なんだ、だから任せてくださいよって意味も込めて、彼をまっすぐ見てから笑みを深くする。
「あぁ、それと…」
「え?」
「以前提案していただいたその、名前呼び」
「は?」
「いくら冬木部長が私の兄と知り合いだからって、流石に社内でちゃん付はちょっと…照れくさいですしね。私ももういい年ですよ」
「…ねぇ、それってどういう…」
そう少し困った顔で笑うと、彼が私の名前を呼ぶ度に訝しげにこちらを見ていた彼女の顔がパアッと華やいだ。
「なぁーんだ!そうだったんですねー!名前で呼んで、仲良いのかなーって思っちゃいましたよ!」
「ねぇ、まって穂ちゃん…」
「ぜひ、今まで通り名字で呼んでくださいね」
そうにっこり笑えばこれでおしまいだ。冬木部長と私の完全勝利。金本さんの頭に一瞬でも過ぎった"誤解"は完全に解けただろう。そう確信を持って机の端の伝票を手に取る。
「っ!待ちなさい!」
「もう冬木部長ったら、ここは私に払わせてください。今日あけてもらうよう無理を言ったのは私なんですから。そういう約束だったでしょう?」
「…や、約束って」
「それじゃあ、冬木部長、金本さん。また会社で」
「お先に失礼します」そう言って私がここを去ればもう不審がられることは何もない。これで彼を煩わせることがなくなった。彼女がこれ以上詮索することも、明日会社で不躾な視線を浴びることも、噂の的になることもないのだから。穏やかに仕事ができる。この笑顔一つで守られるなら何の未練もない。
あぁでもなんだろう、どうしてかこの胸の奥の渇きが私を蝕む。私と彼の間にあるものはなんだろう。一緒に映画を見て感想まで言い合って、お互いの好きなものを共有したこの時間は、何か見えない壁に阻まれたかのように遠いものになった。あんなにも、触れられる距離にいたのに。
「…あれー?さっきのおねーさん?」
「お仕事終わったのー?」
「なんか元気ないねー」
「こわ~い上司に怒られたのー?」
「もう俺らとカフェ行けるー?」
まっすぐ歩いてきたつもりが気付けば駅についていたらしい。さっきの彼らが同じところにいて、今はこの能天気さが救いかもしれないな、なんて一つ自嘲をこぼした。
「そうね、予定が変わったの。カフェでも行く?」
鞄の中で鳴り響く電話の音は気付かないフリをして。
「…え、なにお姉さんエンジニアなの?かっけー!」
「俺ら情報工学選考してるんだよね」
「そー!グループ学習の一環でプログラム構築して、ロボット作ってんの」
「トヨケンの授業な」
「めちゃめちゃ面白そうなことしてるね。えっと、トヨケン?」
「トヨダケンタローだよ」
「それがさー、やーっと最終段階に来たんだけど、今行き詰まってるんだよねー」
「そうそう、あともうちょいなんだけどさー」
「おねえーさん、これ見て分かるー?」
「どれどれ……なるほどね。パターンAからBへのチェンジがうまくいかないのか」
「………え、分かるの?」
「………これ見ただけで?」
「そら、あなた達よりは長く生きてますからね」
「ちょっとカラオケいかね?PC広げられるし、防音だし、歌えるし」
「飲み物あるし、多少声上げても怒られないし」
「「おねーさん、もっと教えて!!」」
「うえぇぇ…」
「……で、そのかわいこちゃん二人をどうしたの。食ったの?」
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