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ドライブ歴史談義
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「そうだなぁ~…」
なんて言いながらも、なんとも心地良い充足感のようなモノをオレは感じていた。
重度のコミュ障オタだったオレが、まさかこんな風に女の子と談笑できる日が来ようとは。無論それにはダンジョンでレベルアップし、強化された精神力が仕事をしているからではあるが、それにも増して仁菜さんの聞き上手っぷりが素敵だった。
「ふんふん…ほんで♪」とか「へぇ~。そうなんやぁ~♪」なんていう相槌を絶妙のタイミングでかえしてくれるものだから、話していてとても気分が良くなる。
たぶんだが…というか、間違いなく彼女の方がオレよりも精神年齢は上だな。ま、オタはだいたい精神年齢がお子様のままで止まってるけど。
まぁともかく、次の尊敬する偉人の話をしようか。
「織田信長は、そんな風に生きてみたいという憧れもあって尊敬する人物。だけど次にあげるのはその生き方をちょっと真似できないな~という意味で、尊敬する人物になるかな」
「へぇ~、誰やろ?早く教えてぇなコォチ♪」
「うん。その人物とは、徳川家康だ」
「徳川家康…、徳川家康って征夷大将軍になって江戸幕府を開いた人やね。また有名なひとやなぁ」
運転しながらチラリと助手席に目を向けると、仁菜さんはあまりにメジャーな人物過ぎてさして興味を惹かれなかったようだ。まぁ世間一般での徳川家康のイメージって、地味とかケチとかタヌキ親父とか…他の戦国武将と比べるとその偉業の割に派手さとかカッコよさがほとんど無いからなぁ。
「うん、徳川家康。最後は征夷大将軍にまで上り詰めた人だけど、実際には悲惨を通り越すくらい悲惨な人生でも心折れなかった人として、最強不屈のメンタルを持った戦国武将だよ」
「へぇ~そうなん?そない悲惨なイメージって、なかったんやけど…??」
なるほど。普通の女子大生は、歴女でもない限り戦国武将に興味持つこともないだろうしな。よし。では徳川家康が如何に悲惨な人生を歩んできたかを教えてあげよう。
「徳川家康…幼名、松平竹千代は、まず物心が付くかつかないかの年頃に今川家の庇護を受ける為の人質として、三河の領地から駿河に送り出されるんだ」
「あ、それはなんか聞いたことあるわぁ~。でも途中で捕まって、織田家の人質になるんやろ?」
「うん、正解。良く知ってたね。その後は人質交換で戻ってくるんだけど、それでもそのまま駿河に人質として送られるから、結局幼少期はずっと人質として過ごすことになるんだ」
「はぁ、そら大変やねぇ…」
「うん。それだけでも充分大変だったてのに、今川義元の上洛に従軍したら織田信長軍に不意打ち喰らって義元討ち死に。有名な桶狭間の戦いが起きてしまった」
「ふんふん、ほんで?」
「結果、家康は撤退のどさくさ紛れようやく領地に戻ることが出来たんだ。けどお父さんはとうの昔に家臣に殺され墓の中。お母さんも離縁されていていない。それでもなんとか頑張って領地経営に乗り出すと、家臣領民の大半が一向一揆起こして反抗するっていうね…」
「よくそれでなんとかなったもんやねぇ…」
「うん。なぜだか一部に、嘘みたいに忠誠心の厚い家臣がいたらしくて。そんな家臣たちがとても頑張ってくれたみたい。でもその後も波乱の連続だよ」
「へぇ~」
「正室の瀬名姫は、今川義元の姪。だから義元仇敵の織田と同盟を結んだことで、関係が悪化。そのまま夫婦関係も拗れて、瀬名姫が敵である武田と内通したことが信長に露見してしまう。この時には家康の長男と、信長の娘が結婚していたからね。情報が筒抜けだったんだ。で、責任を追及され長男は自害に追いやられてしまう」
「え…なんで長男の方なん?」
「うん。家康の正室瀬名姫と長男は、同じ城に住んでたから。どこまで知っていたかは解らない。けど黙認したか同じ謀反を企てていたとして、同罪に見られてしまったみたい」
「そうなんや…」
「奥さんは敵に内通。息子は同盟を結んだ信長に筋を通す為、自害させなければならない。こんな事になったら、メンタルボロボロどころの騒ぎじゃないでしょ?」
「せ、せやねぇ…」
「それでも家康の災難は続き、武田信玄に攻められてはビビリウンチを漏らし。本能寺の変では信長が殺されたせいで、京から三河までを延々と徒歩での逃避行だよ」
「また、ぎょうさん歩いたんやねぇ…」
「信長が亡くなった後も、実権を握った豊臣秀吉に散々いびられる日々。手塩にかけて開発した三河から江戸に転封させられたり、秀吉の妹を無理やり正室にと押し付けられたりとかね。とにかく『ありとあらゆる災難に見舞われる!』みたいな人生で、それでよく心折れずに征夷大将軍にまで上り詰めたなぁ~って」
「はぁ…。もうそこまでいくと、ちょっとワケ解らんくらい悲惨やん…」
「うん。そんな常人にはとても真似できないレベルの辛さに耐え、生き残ったんだから。征夷大将軍にまで上り詰めるのも、充分納得できる。だから普通に真似できないレベルで忍耐強い人物として、徳川家康は尊敬してるかな」
「そうなんや。じゃあ尊敬する人物の三番目あげるとしたら、やっぱり天下とった豊臣秀吉が入るん?」
「いや…、豊臣秀吉も凄い人物とは思うけど、尊敬する人物には入らないなあ」
「なんで?関西の方だと、秀吉が好き言うひと結構多いんよ?」
うん、オレもゲームに出てくる美少女キャラ化した秀吉なら好きだけどね。
「人気があるのも知ってるし、カリスマがある人物なのも理解してる。けど尊敬できるかっていうと、ちょっと違うんだ」
「へぇ~、どんなところが好かんの?」
うむむ、それを聞くか。では悪口になってしまうがこれも説明しよう。
「端的に言うと利己的で自己中心的なところだよ。すごい人物ではあっても、豊臣秀吉みたいなのは一番権力持たせちゃいけないタイプだったんだ」
「え、そうなん?」
「うん。トップに上り詰めるまで頑張って支えてくれた部下でさえ、トップになった途端自分を脅かす存在として遠ざけたりね。そうして自分の周囲を聞こえの良い事しか言わないYESマンばかりで固め、苦言を呈す家臣は嫌って遠ざけたり処罰したりとか」
「はぁ、そんな事してたんや」
「まぁ黒田長政とか、千利休とかがそんな被害に遭ってる。信長の弟の織田有楽みたいな人は、調子よく茶人とお伽衆ポジションでうまく立ち回ってたみたいだけど。でも信長の遺児も争い合わせて力を削ぎ自害にまで追い詰めたり。跡を継がせようと関白にまでした甥っ子を実子が出来た途端、邪険にしたすえ打ち首に、なんて事までしている…」
「う~ん、それはなんて言えばええんやろ…」
うん、そりゃコメントし辛いよね。
「織田信長の型破りには、それなりの筋と痛快さがあるんだ。けど豊臣秀吉の行動にはどうも陰湿さと利己的な思考が見え隠れして、なんともね…。普通に考えて、アイツ部下にしたいからって自分の家臣に嫁いでる妹を離婚させてまで、家康と結婚させないでしょ?そのせいで妹の旦那さん、『嫁を売って出世したと陰口叩かれたくない』って自害しちゃってるし…」
「う、そうなんや…」
「う~ん…ねぇ師匠、なんの話してるのぉ…?もぉ…ゆっくり寝かせてェよぉ…」
歴史上の人物について語っていると、後部シートで眠っていた瀬来さんを起こしてしまったようだ。おっと、すこし煩くし過ぎちゃったかな。
悪い悪い。オタ特有の得意分野の話にはつい饒舌になってしまうが、出てしまったようだ。
なんて言いながらも、なんとも心地良い充足感のようなモノをオレは感じていた。
重度のコミュ障オタだったオレが、まさかこんな風に女の子と談笑できる日が来ようとは。無論それにはダンジョンでレベルアップし、強化された精神力が仕事をしているからではあるが、それにも増して仁菜さんの聞き上手っぷりが素敵だった。
「ふんふん…ほんで♪」とか「へぇ~。そうなんやぁ~♪」なんていう相槌を絶妙のタイミングでかえしてくれるものだから、話していてとても気分が良くなる。
たぶんだが…というか、間違いなく彼女の方がオレよりも精神年齢は上だな。ま、オタはだいたい精神年齢がお子様のままで止まってるけど。
まぁともかく、次の尊敬する偉人の話をしようか。
「織田信長は、そんな風に生きてみたいという憧れもあって尊敬する人物。だけど次にあげるのはその生き方をちょっと真似できないな~という意味で、尊敬する人物になるかな」
「へぇ~、誰やろ?早く教えてぇなコォチ♪」
「うん。その人物とは、徳川家康だ」
「徳川家康…、徳川家康って征夷大将軍になって江戸幕府を開いた人やね。また有名なひとやなぁ」
運転しながらチラリと助手席に目を向けると、仁菜さんはあまりにメジャーな人物過ぎてさして興味を惹かれなかったようだ。まぁ世間一般での徳川家康のイメージって、地味とかケチとかタヌキ親父とか…他の戦国武将と比べるとその偉業の割に派手さとかカッコよさがほとんど無いからなぁ。
「うん、徳川家康。最後は征夷大将軍にまで上り詰めた人だけど、実際には悲惨を通り越すくらい悲惨な人生でも心折れなかった人として、最強不屈のメンタルを持った戦国武将だよ」
「へぇ~そうなん?そない悲惨なイメージって、なかったんやけど…??」
なるほど。普通の女子大生は、歴女でもない限り戦国武将に興味持つこともないだろうしな。よし。では徳川家康が如何に悲惨な人生を歩んできたかを教えてあげよう。
「徳川家康…幼名、松平竹千代は、まず物心が付くかつかないかの年頃に今川家の庇護を受ける為の人質として、三河の領地から駿河に送り出されるんだ」
「あ、それはなんか聞いたことあるわぁ~。でも途中で捕まって、織田家の人質になるんやろ?」
「うん、正解。良く知ってたね。その後は人質交換で戻ってくるんだけど、それでもそのまま駿河に人質として送られるから、結局幼少期はずっと人質として過ごすことになるんだ」
「はぁ、そら大変やねぇ…」
「うん。それだけでも充分大変だったてのに、今川義元の上洛に従軍したら織田信長軍に不意打ち喰らって義元討ち死に。有名な桶狭間の戦いが起きてしまった」
「ふんふん、ほんで?」
「結果、家康は撤退のどさくさ紛れようやく領地に戻ることが出来たんだ。けどお父さんはとうの昔に家臣に殺され墓の中。お母さんも離縁されていていない。それでもなんとか頑張って領地経営に乗り出すと、家臣領民の大半が一向一揆起こして反抗するっていうね…」
「よくそれでなんとかなったもんやねぇ…」
「うん。なぜだか一部に、嘘みたいに忠誠心の厚い家臣がいたらしくて。そんな家臣たちがとても頑張ってくれたみたい。でもその後も波乱の連続だよ」
「へぇ~」
「正室の瀬名姫は、今川義元の姪。だから義元仇敵の織田と同盟を結んだことで、関係が悪化。そのまま夫婦関係も拗れて、瀬名姫が敵である武田と内通したことが信長に露見してしまう。この時には家康の長男と、信長の娘が結婚していたからね。情報が筒抜けだったんだ。で、責任を追及され長男は自害に追いやられてしまう」
「え…なんで長男の方なん?」
「うん。家康の正室瀬名姫と長男は、同じ城に住んでたから。どこまで知っていたかは解らない。けど黙認したか同じ謀反を企てていたとして、同罪に見られてしまったみたい」
「そうなんや…」
「奥さんは敵に内通。息子は同盟を結んだ信長に筋を通す為、自害させなければならない。こんな事になったら、メンタルボロボロどころの騒ぎじゃないでしょ?」
「せ、せやねぇ…」
「それでも家康の災難は続き、武田信玄に攻められてはビビリウンチを漏らし。本能寺の変では信長が殺されたせいで、京から三河までを延々と徒歩での逃避行だよ」
「また、ぎょうさん歩いたんやねぇ…」
「信長が亡くなった後も、実権を握った豊臣秀吉に散々いびられる日々。手塩にかけて開発した三河から江戸に転封させられたり、秀吉の妹を無理やり正室にと押し付けられたりとかね。とにかく『ありとあらゆる災難に見舞われる!』みたいな人生で、それでよく心折れずに征夷大将軍にまで上り詰めたなぁ~って」
「はぁ…。もうそこまでいくと、ちょっとワケ解らんくらい悲惨やん…」
「うん。そんな常人にはとても真似できないレベルの辛さに耐え、生き残ったんだから。征夷大将軍にまで上り詰めるのも、充分納得できる。だから普通に真似できないレベルで忍耐強い人物として、徳川家康は尊敬してるかな」
「そうなんや。じゃあ尊敬する人物の三番目あげるとしたら、やっぱり天下とった豊臣秀吉が入るん?」
「いや…、豊臣秀吉も凄い人物とは思うけど、尊敬する人物には入らないなあ」
「なんで?関西の方だと、秀吉が好き言うひと結構多いんよ?」
うん、オレもゲームに出てくる美少女キャラ化した秀吉なら好きだけどね。
「人気があるのも知ってるし、カリスマがある人物なのも理解してる。けど尊敬できるかっていうと、ちょっと違うんだ」
「へぇ~、どんなところが好かんの?」
うむむ、それを聞くか。では悪口になってしまうがこれも説明しよう。
「端的に言うと利己的で自己中心的なところだよ。すごい人物ではあっても、豊臣秀吉みたいなのは一番権力持たせちゃいけないタイプだったんだ」
「え、そうなん?」
「うん。トップに上り詰めるまで頑張って支えてくれた部下でさえ、トップになった途端自分を脅かす存在として遠ざけたりね。そうして自分の周囲を聞こえの良い事しか言わないYESマンばかりで固め、苦言を呈す家臣は嫌って遠ざけたり処罰したりとか」
「はぁ、そんな事してたんや」
「まぁ黒田長政とか、千利休とかがそんな被害に遭ってる。信長の弟の織田有楽みたいな人は、調子よく茶人とお伽衆ポジションでうまく立ち回ってたみたいだけど。でも信長の遺児も争い合わせて力を削ぎ自害にまで追い詰めたり。跡を継がせようと関白にまでした甥っ子を実子が出来た途端、邪険にしたすえ打ち首に、なんて事までしている…」
「う~ん、それはなんて言えばええんやろ…」
うん、そりゃコメントし辛いよね。
「織田信長の型破りには、それなりの筋と痛快さがあるんだ。けど豊臣秀吉の行動にはどうも陰湿さと利己的な思考が見え隠れして、なんともね…。普通に考えて、アイツ部下にしたいからって自分の家臣に嫁いでる妹を離婚させてまで、家康と結婚させないでしょ?そのせいで妹の旦那さん、『嫁を売って出世したと陰口叩かれたくない』って自害しちゃってるし…」
「う、そうなんや…」
「う~ん…ねぇ師匠、なんの話してるのぉ…?もぉ…ゆっくり寝かせてェよぉ…」
歴史上の人物について語っていると、後部シートで眠っていた瀬来さんを起こしてしまったようだ。おっと、すこし煩くし過ぎちゃったかな。
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