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初宝箱
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『ギリギリギリ…ぺぐしゃ!(ぼふんっ!)』
「こふぅぅ……!(ビコォーン!)」
地下9層で巨大カメムシの頭部を片手で握りつぶした江月が、蟲王スーツに身を包んだ恐怖の殺戮マシーンが、モンスターが倒れた後に生じる煙の中から赤い瞳を輝かせて姿を現す。
「「「ギュチチィー!ギュチィ!!」」」
『ずびゃりらぁー!(ぼふぼふふんっ!)』
そんな江月に飛びかかる化け物じみた顎を持った巨大カマドウマたち。だが江月が右手に持ったエクスカリバールが閃かせると、たちまち空中分解し煙となって消える。失恋の八つ当たりで殺されまくるモンスター…まさにとばっちり以外の何ものでもない。
だがまさに無双。しかしそんな江月のカラダにもモンスターから受けた傷が無数に刻まれ、棘や牙といったモノが刺さったまま。蟲王スーツには真っ赤な血が滲んでいた。
人間はどんなに精神力が高くなろうとも、その心は愛情を欲するもの。
故に生まれて初めて出来た恋人を失った喪失感は、尋常ではなかった。そしてその喪失感を埋めるように湧いた怒りが、江月という男を狂わせていた。
「ふしゅるるぅ~ッ!(ビコォーン!)」
呼気強く、さらには蟲王スーツの目玉をビカビカと赤く光らせながら次の獲物を探して首を巡らす。完全なる八つ当たり。だがそのあまりの威圧感に、恐怖などおよそ感じないであろう虫型のモンスター達ですら、怯んだ様子をみせる。
しかしそれもそのはず。江月はレベルアップしさらに強まっていた。
現在 前回
レベル 38 37
種族:人間
職業:教師
能力値:
筋力 245 212
体力 250 218
知力 246 215
精神力 271 240
敏捷性 248 220
運 166 133
やるせなさ 356 -
加護:
【塩の加護】
技能:
【強酸】2・【俊敏】・【病耐性】6・【簒奪】・【粘液】5・【空間】4・【強運】1.4・【足捌】・【瞑想】・【塩】5
称号:
【蟲王】・【ソルトメイト】・【しょっぱい男】
当初は怒りにまかせダンジョンで暴れまわっていたが、その怒りが冷めてくるにしたがい今度は次第に冷徹な殺戮マシーンの如く、冷静かつ容赦なくモンスターを狩り始めた。
しかも自身の持つスキルを底上げするべくスキルオーブも狙って狩りを続けたので、スキル【強酸】は1.1から2へ。【病耐性】は5から6。【粘液】も1つ上がり4から5に。さらには『ウンコ投げつけてくる猿が馬鹿にしてるようでムカつく』と執拗に狩りまくり、【空間】も2から4へと上がっていた。
しかし能力値が今まで以上の伸びを見せ30前後まで上昇したのにもかかわらず、心はいまだ晴れないままだった。
「む…腹が減った。メシにするか…」
休憩をとるために比較的安全な階段付近まで戻ると、周囲を粘液ネットで防備し階段に腰かける江月。そして空間庫から取り出したのは、よく焼いた巨大カマドウマの肢。それに塩を振って勢いよくかぶりつく。
『がぶり!くっちゃくっちゃ…がぶり…』
当初こそ食べるのを忌避していた巨大カマドウマの肢。だが失恋を機にダンジョンに籠るようになると、すぐに手持ちの食料が尽きたことで巨大カマドウマの肢をも食べるようになっていた。
『職もなく彼女のいないオレなんか、カマドウマの肢を喰ってるのがお似合いだ』などと自嘲していたが、巨大カマドウマの肢は海老の風味を持つ鶏肉のようで案外と美味く、また昆虫食は高たんぱく低脂肪で強くなろうとしている江月にとっては、まさに理想的な食事といえた。
なにせ巨大カマドウマの肢一本でもヤギの後足ほどのサイズ。腹いっぱいに食べたとしても、肢一本で三食は浮いたのだった。
『がぶり…くっちゃくっちゃ…。がぶり…』
蟲王マスクの口部分だけを魔力で開放し、その状態で焼いた巨大カマドウマの肢を喰らう。その為とても人には視えず、誰かがその姿を見たならば蟲人間なモンスターとしか思えない。
だがそんな事には構わずに、江月は無心で空腹を満たす。ダンジョンに籠り早三日。ここに人間は誰もおらず、自分もダンジョンにいるモンスターと同じだと江月は思い始めていた。
『ガツガツ…むしゃむしゃ…』
……。
ダンジョン前室。
「寝るか…」
怒りにまかせ何日も寝ずに戦い続けた蟲王スーツ姿の江月が、どさりとダンボールの敷かれた上に身を横たえる。さすがにダンジョン内で寝るのは危険すぎる為、前室まで戻ってきたのだ。
『しゅわわ~…ガポっ。グボンッ!』
魔力を注ぎ蟲王スーツを弛緩させると、ひとつずつパーツを外していく。横着して寝たまま、パーツは適当に放り投げる。そうして露わになった江月の身体には、無数の傷。決して深手ではないものの、無数の痣や傷がその身体には刻まれていた。
さすがに地下9層のモンスターともなると、蟲王スーツの防御力を貫いてダメージを与えてくる。もっとも江月がもっとスキルを多用し慎重に戦えばそんな手傷も負わないのだが、自身の耐久力を高めるためにも敢えてそういった乱暴な戦い方をしていた。
『どぷぷ…メリメリメリ…』
そして今度はスーツを着ていた際に身体を覆っていた潤滑粘液の粘性を高め、それを身体から剥がしていく。
汗や皮脂も粘液に混じっている。なのでこうして粘性を高めた粘液を身体から剥がせば、すっかり綺麗になりベトつくこともない。吸着性の高い粘液が、肌から出た老廃物といったモノを取り除くパックのような働きもしてくれていたからだ。
『しゃこしゃこしゃこ…(ぽいぽいぽい)』
最後は全裸で歯磨きをしながら、身体から剥がした粘液を地下1層に捨てておく。
こうしておけば後はダンジョンが勝手に吸収するか、スライムが見つけて食べている。なのでゴミ捨てに関しては、なんの心配もいらなかった。
「……」
歯を磨き終えた江月は全裸のままゴソゴソと古びた寝具に潜り込むと、そうして眠りにつくのだった。
………。
そうして昨日と同じように、再び地下9層へと下りてきた江月。
体力はすでに常人の約25倍。それはたとえ全治10日の怪我を負ったとしても、わずか半日ほどで治ってしまう驚異の回復力。しかも患部をスキル【粘液】で生み出した疑似浸出液で覆ってやれば、その回復速度はさらに早めてやることが出来た。
故に昨晩身体にあった傷や痣などは綺麗に消え、もう幾ばくかの切り傷の跡が残っている程度にまで回復していた。
『ガコン!すごごごご…!』
「ムッ!?これは…」
そんな江月が、ダンジョンで初めて隠し部屋を発見した。ダンジョンの壁に違和感のある模様をみつけ、それを押したところ突然壁が動き出したのだ。
「………(ちらちら)」
通路から部屋のなかを覗く。縦横10メーターほどの部屋、特に変わった様子はない。一番奥まった場所に、これ見よがしに宝箱が置かれている以外には…。
「フン甘く見るなよ…粘液領域!」
『きゅばばばぁ~!』
しかし彼はオタとして宝箱を発見した際の対応は、とうに想定済みだった。
まずスキル【粘液】により、部屋全体をそこそこ厚みのある粘液で覆ってしまう。床も、天井も、壁も全て。そう、これによりもう大抵の罠は無力化できたはず。鋭い槍が勢いよく突き出ても粘液によって阻まれる。飛び出た矢も飛ばず、毒ガスが吹きだしたりパカリと底の抜ける落とし穴だって、粘液に部屋全体が覆われていては無駄だろう。
(だからあとは、件の宝箱自体の罠を警戒して開けてやればいいだけ…)
「ゆけ、ミューカス・スライム!」
(そして宝箱を開けるのだって、粘液を魔力で操作しスライムのように動かしてやればカンタンだ)
『うにゅうにゅうにゅ…ぱかっ!もてててて…』
粘液スライムは難なく宝箱を開けると、なかから棒状の物品を取り出して戻ってくる。
「ん…なんだコレは、ワンド??」
粘液スライムが持ってきたモノは杖と呼ぶには短すぎ、しかしステッキと呼ぶには少し太い棒状の物体。さりとてバットや棍棒などではなく、30センチほどの四角錘だった。
外観は象牙のように白い。きっと石、もしくは何か生物の骨だろう。形はテントが風に飛ばないように地面に打ち付ける樹脂製のペグに似ている。なによりこのアイテムをワンドと思ったのは、先端にまだ傘の開く前の松ボックリみたいな大きさの赤い宝石が据えられていたから。
うん、大きく飛び出ているし、『填めこまれている』というよりは『据えられている』といった方が表現的には合っているだろう。
しかし、なんにせよダンジョンの初宝物。
呪いがついていたり爆発する危険もあるが、それを気にしていてはキリがない。なので粘液に包まれた状態で赤い宝石のついたワンドを左手で握ってみる。もしコレが呪いや爆発物であったとしても、不味いと思ったら即片腕一本切り落として済ませる計算。
こうしてダンジョンに潜って戦っている以上、とうにそのくらいの覚悟は出来ている。
「うむ、爆発も呪われた気配もなし。とすると見た目通り魔法のワンドという事か?よし、試してみるか。まぁオレの能力自体がスキルか魔法なのかもよくは解らんが…」
周囲を覆っていた粘液を取り払い、先端から粘液弾が発射されるイメージでワンドに魔力を送り込んでみる。
『ブワッ、ボヒュ~!』
すると一拍遅れてワンドの先端に炎が現れると、火の球となって飛んで行った。
「ッ!?もしかしてこれは、注入した魔力に応じて炎の出せるファイヤーワンドなのか!」
いくつものゲームを熟してきた知識が、手にしたアイテムがファイヤーワンドであろうことを告げている。
(スゴイな…。売ったら幾らになるだろうか)
「こふぅぅ……!(ビコォーン!)」
地下9層で巨大カメムシの頭部を片手で握りつぶした江月が、蟲王スーツに身を包んだ恐怖の殺戮マシーンが、モンスターが倒れた後に生じる煙の中から赤い瞳を輝かせて姿を現す。
「「「ギュチチィー!ギュチィ!!」」」
『ずびゃりらぁー!(ぼふぼふふんっ!)』
そんな江月に飛びかかる化け物じみた顎を持った巨大カマドウマたち。だが江月が右手に持ったエクスカリバールが閃かせると、たちまち空中分解し煙となって消える。失恋の八つ当たりで殺されまくるモンスター…まさにとばっちり以外の何ものでもない。
だがまさに無双。しかしそんな江月のカラダにもモンスターから受けた傷が無数に刻まれ、棘や牙といったモノが刺さったまま。蟲王スーツには真っ赤な血が滲んでいた。
人間はどんなに精神力が高くなろうとも、その心は愛情を欲するもの。
故に生まれて初めて出来た恋人を失った喪失感は、尋常ではなかった。そしてその喪失感を埋めるように湧いた怒りが、江月という男を狂わせていた。
「ふしゅるるぅ~ッ!(ビコォーン!)」
呼気強く、さらには蟲王スーツの目玉をビカビカと赤く光らせながら次の獲物を探して首を巡らす。完全なる八つ当たり。だがそのあまりの威圧感に、恐怖などおよそ感じないであろう虫型のモンスター達ですら、怯んだ様子をみせる。
しかしそれもそのはず。江月はレベルアップしさらに強まっていた。
現在 前回
レベル 38 37
種族:人間
職業:教師
能力値:
筋力 245 212
体力 250 218
知力 246 215
精神力 271 240
敏捷性 248 220
運 166 133
やるせなさ 356 -
加護:
【塩の加護】
技能:
【強酸】2・【俊敏】・【病耐性】6・【簒奪】・【粘液】5・【空間】4・【強運】1.4・【足捌】・【瞑想】・【塩】5
称号:
【蟲王】・【ソルトメイト】・【しょっぱい男】
当初は怒りにまかせダンジョンで暴れまわっていたが、その怒りが冷めてくるにしたがい今度は次第に冷徹な殺戮マシーンの如く、冷静かつ容赦なくモンスターを狩り始めた。
しかも自身の持つスキルを底上げするべくスキルオーブも狙って狩りを続けたので、スキル【強酸】は1.1から2へ。【病耐性】は5から6。【粘液】も1つ上がり4から5に。さらには『ウンコ投げつけてくる猿が馬鹿にしてるようでムカつく』と執拗に狩りまくり、【空間】も2から4へと上がっていた。
しかし能力値が今まで以上の伸びを見せ30前後まで上昇したのにもかかわらず、心はいまだ晴れないままだった。
「む…腹が減った。メシにするか…」
休憩をとるために比較的安全な階段付近まで戻ると、周囲を粘液ネットで防備し階段に腰かける江月。そして空間庫から取り出したのは、よく焼いた巨大カマドウマの肢。それに塩を振って勢いよくかぶりつく。
『がぶり!くっちゃくっちゃ…がぶり…』
当初こそ食べるのを忌避していた巨大カマドウマの肢。だが失恋を機にダンジョンに籠るようになると、すぐに手持ちの食料が尽きたことで巨大カマドウマの肢をも食べるようになっていた。
『職もなく彼女のいないオレなんか、カマドウマの肢を喰ってるのがお似合いだ』などと自嘲していたが、巨大カマドウマの肢は海老の風味を持つ鶏肉のようで案外と美味く、また昆虫食は高たんぱく低脂肪で強くなろうとしている江月にとっては、まさに理想的な食事といえた。
なにせ巨大カマドウマの肢一本でもヤギの後足ほどのサイズ。腹いっぱいに食べたとしても、肢一本で三食は浮いたのだった。
『がぶり…くっちゃくっちゃ…。がぶり…』
蟲王マスクの口部分だけを魔力で開放し、その状態で焼いた巨大カマドウマの肢を喰らう。その為とても人には視えず、誰かがその姿を見たならば蟲人間なモンスターとしか思えない。
だがそんな事には構わずに、江月は無心で空腹を満たす。ダンジョンに籠り早三日。ここに人間は誰もおらず、自分もダンジョンにいるモンスターと同じだと江月は思い始めていた。
『ガツガツ…むしゃむしゃ…』
……。
ダンジョン前室。
「寝るか…」
怒りにまかせ何日も寝ずに戦い続けた蟲王スーツ姿の江月が、どさりとダンボールの敷かれた上に身を横たえる。さすがにダンジョン内で寝るのは危険すぎる為、前室まで戻ってきたのだ。
『しゅわわ~…ガポっ。グボンッ!』
魔力を注ぎ蟲王スーツを弛緩させると、ひとつずつパーツを外していく。横着して寝たまま、パーツは適当に放り投げる。そうして露わになった江月の身体には、無数の傷。決して深手ではないものの、無数の痣や傷がその身体には刻まれていた。
さすがに地下9層のモンスターともなると、蟲王スーツの防御力を貫いてダメージを与えてくる。もっとも江月がもっとスキルを多用し慎重に戦えばそんな手傷も負わないのだが、自身の耐久力を高めるためにも敢えてそういった乱暴な戦い方をしていた。
『どぷぷ…メリメリメリ…』
そして今度はスーツを着ていた際に身体を覆っていた潤滑粘液の粘性を高め、それを身体から剥がしていく。
汗や皮脂も粘液に混じっている。なのでこうして粘性を高めた粘液を身体から剥がせば、すっかり綺麗になりベトつくこともない。吸着性の高い粘液が、肌から出た老廃物といったモノを取り除くパックのような働きもしてくれていたからだ。
『しゃこしゃこしゃこ…(ぽいぽいぽい)』
最後は全裸で歯磨きをしながら、身体から剥がした粘液を地下1層に捨てておく。
こうしておけば後はダンジョンが勝手に吸収するか、スライムが見つけて食べている。なのでゴミ捨てに関しては、なんの心配もいらなかった。
「……」
歯を磨き終えた江月は全裸のままゴソゴソと古びた寝具に潜り込むと、そうして眠りにつくのだった。
………。
そうして昨日と同じように、再び地下9層へと下りてきた江月。
体力はすでに常人の約25倍。それはたとえ全治10日の怪我を負ったとしても、わずか半日ほどで治ってしまう驚異の回復力。しかも患部をスキル【粘液】で生み出した疑似浸出液で覆ってやれば、その回復速度はさらに早めてやることが出来た。
故に昨晩身体にあった傷や痣などは綺麗に消え、もう幾ばくかの切り傷の跡が残っている程度にまで回復していた。
『ガコン!すごごごご…!』
「ムッ!?これは…」
そんな江月が、ダンジョンで初めて隠し部屋を発見した。ダンジョンの壁に違和感のある模様をみつけ、それを押したところ突然壁が動き出したのだ。
「………(ちらちら)」
通路から部屋のなかを覗く。縦横10メーターほどの部屋、特に変わった様子はない。一番奥まった場所に、これ見よがしに宝箱が置かれている以外には…。
「フン甘く見るなよ…粘液領域!」
『きゅばばばぁ~!』
しかし彼はオタとして宝箱を発見した際の対応は、とうに想定済みだった。
まずスキル【粘液】により、部屋全体をそこそこ厚みのある粘液で覆ってしまう。床も、天井も、壁も全て。そう、これによりもう大抵の罠は無力化できたはず。鋭い槍が勢いよく突き出ても粘液によって阻まれる。飛び出た矢も飛ばず、毒ガスが吹きだしたりパカリと底の抜ける落とし穴だって、粘液に部屋全体が覆われていては無駄だろう。
(だからあとは、件の宝箱自体の罠を警戒して開けてやればいいだけ…)
「ゆけ、ミューカス・スライム!」
(そして宝箱を開けるのだって、粘液を魔力で操作しスライムのように動かしてやればカンタンだ)
『うにゅうにゅうにゅ…ぱかっ!もてててて…』
粘液スライムは難なく宝箱を開けると、なかから棒状の物品を取り出して戻ってくる。
「ん…なんだコレは、ワンド??」
粘液スライムが持ってきたモノは杖と呼ぶには短すぎ、しかしステッキと呼ぶには少し太い棒状の物体。さりとてバットや棍棒などではなく、30センチほどの四角錘だった。
外観は象牙のように白い。きっと石、もしくは何か生物の骨だろう。形はテントが風に飛ばないように地面に打ち付ける樹脂製のペグに似ている。なによりこのアイテムをワンドと思ったのは、先端にまだ傘の開く前の松ボックリみたいな大きさの赤い宝石が据えられていたから。
うん、大きく飛び出ているし、『填めこまれている』というよりは『据えられている』といった方が表現的には合っているだろう。
しかし、なんにせよダンジョンの初宝物。
呪いがついていたり爆発する危険もあるが、それを気にしていてはキリがない。なので粘液に包まれた状態で赤い宝石のついたワンドを左手で握ってみる。もしコレが呪いや爆発物であったとしても、不味いと思ったら即片腕一本切り落として済ませる計算。
こうしてダンジョンに潜って戦っている以上、とうにそのくらいの覚悟は出来ている。
「うむ、爆発も呪われた気配もなし。とすると見た目通り魔法のワンドという事か?よし、試してみるか。まぁオレの能力自体がスキルか魔法なのかもよくは解らんが…」
周囲を覆っていた粘液を取り払い、先端から粘液弾が発射されるイメージでワンドに魔力を送り込んでみる。
『ブワッ、ボヒュ~!』
すると一拍遅れてワンドの先端に炎が現れると、火の球となって飛んで行った。
「ッ!?もしかしてこれは、注入した魔力に応じて炎の出せるファイヤーワンドなのか!」
いくつものゲームを熟してきた知識が、手にしたアイテムがファイヤーワンドであろうことを告げている。
(スゴイな…。売ったら幾らになるだろうか)
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