うちの冷蔵庫がダンジョンになった

空志戸レミ

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金色の夜明け

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チュンチュン、朝だ。

だが、オレは動けなかった。

なぜならば左の肩には仁菜さんが頭を載せ、オレの太腿にそのしなやかな肢を絡ませて寝ていたから。右側も同様。瀬来さんがオレの爆乳に抱きつくようにして手を伸ばし、張り付くようにして寝ていたから。

瑠羽の姿は見えない。でも規則正しい安らかな寝息が、身体の上に感じられる。見えないのは単に、自身の爆乳が視界を邪魔して見えないから。

(やっぱり、夢じゃなかった…)

金色の光の中、愛しい女性たちの温もりに包まれて目覚める。

(ああ…嫌われ者のオレに、こんな幸福な目覚めが訪れる日が来ようは…ッ!)

過去を思い、今の幸福を感じ、胸に込み上げてくるモノが心を震わせる。すると自然と口元が戦慄き、つい涙が溢れ出た。

「ん、おはよ…。江月さん…泣いてるの…?」

僅かに身を震わせたのを感じ取り、瀬来さんが目を覚ました。そしてオレが涙を流しているのに気付くと、その手を伸ばして涙を掬ってくれる。

「ああ…泣いてる。でも悲しいからじゃない。嬉しくてだ…」
「そっか…。もっと泣きたかったら、泣いてイイよ…。(もぞもぞ…、きゅう…)」


瀬来さんは布団の中から這い出すと、その胸にオレの頭を優しく抱いてくれた。

そう。オレは男から女性の姿となり、股間だけが男に戻るというヘンテコリンな事になってしまった。だが戻ったのは股間の大事な部分だけで、身体は男に戻らなかったのだ。

でも、そんなオレを彼女たちは受け入れてくれた。それこそ身も心も開いて、受け入れてくれたのだ。こんなに嬉しい事はない。

オレはありがたく瀬来さんの豊満なおっぱいに顔を埋め、その馥郁たる香りと柔かさを愉しませてもらった。モッチモチのぽよんぽよんで、涙なんて吹き飛んでしまうような素晴しさだ。

「んぅ~…ふゎ。おはようさん、ふたりとももう起きてたんか?て…朝からなにしとるん?」
「ううん、ちょっとね…♪おはよシズ」

「ふにぃ…、おはようございます…キャアァ!?」

おっと、ごめんよ瑠羽。瀬来さんの豊満おっぱいを感じてたら、下半身が反応してしまった。

「コーチ…、朝から元気ですね…」
(ムハッ…!?)

オレ達は昨晩エッチしたままで寝たので、全員がほぼ全裸。下半身が元気になってしまって瑠羽のおなかをつついたら、なんとあの瑠羽がそれをお股にはさんで、『こすこす』としてくれるではないか。

「る、瑠羽ぅ?」
「どうですか?気持ちいいですか…?(こすこす)」

ああ、そうだ。昨日瑠羽は初めてのエッチ経験をして、真面目な彼女はそこからすぐ懸命に学び取ったのだ。エッチは気持ちいいという事と、オレがエッチなことをされると、とても喜ぶという事を…。

でも瑠羽、それ以上はいけない。

「いいですよ…コーチが嬉しいなら、私も嬉しいから…んぅッ!!」
(なんですとッ!)

『むびぃうん!むびぃうん!』
『ぴしゃーー!ずびゅぅぅぅぅぅぅぅぅむぅ!きゅどぉぉおぉぉぉぉぉぉぉーー!』

「あかん…ッ!ウチ…腰が勝手に動いてまう…ハァン!!」

『むびぃうん!むびぃうん!』
『ぴしゃーー!ずびゅぅぅぅぅぅぅぅぅむぅ!きゅどぉぉおぉぉぉぉぉぉぉーー!』

「あぁぁッ!え、江月さんのが…はぅッ!お、奥まで届いてるよ…ん、スゴイッッ!!」

『むびぃうん!むびぃうん!』
『ぴしゃーー!ずびゅぅぅぅぅぅぅぅぅむぅ!きゅどぉぉおぉぉぉぉぉぉぉーー!』


そんな訳で幸福な目覚めをしたオレは、朝から美人女子大生たちと仲良く椅子取りゲームをしたのだった。ちなみにオレが、椅子の役だ。

…。

光陰矢の如し。

月日が過ぎるのは早いモノ。気付けば時計の針はお昼を回っていた。おかしいな、ついさっきまで朝だったのに…。

荒淫する気などまったく無かったのだが、これもみなオレの愛しい女性たちが、みな魅力的すぎるせいだろう。。。

「あぁ喉乾いた…。江月さん、なにか飲み物ある?」
「いや、すまない。生憎と自分で飲み物は買わないんだ」

「そうだった。江月さん独りでいる時は凄くストイックだもんね。じゃあ私、近くのコンビニでなにか買ってくるよ」
「おっと、それなら2分だけ待ってくれるか?今飲み物を用意するから」

「え、いいけど…。でも何もないんでしょ?」
「まぁ、少しだけ待っててくれ」

オレは起き上がろうとする瀬来さんを布団に留めて、キッチンへと向かった。

「何をするつもりなんやろねぇ?」
「さぁ…?」

さて、取り出したりますは昨晩大活躍したお鍋。

まずこのよく洗ったお鍋にしっかりと水を張ります。続いてスキル【粘液】により、水に溶けない高い粘性を持った粘液ネットをお鍋に投入。お次はそれらを、超微細震動波でシェイク致します。

「(ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴゥゥゥ…ッ!!)」

すると水道水に含まれた塩素成分が超微細震動により揮発し、その他の水道水に含まれた成分も、粘液ネットに吸着される。これにより真水に近くなった水道水に、スキル【強酸】で生み出した酸をぽとりとひと垂らし。

(うん…、こんなもんだな。上出来だ♪)

「お待たせ。さ、コレを飲んでみて…」

コップに入れた水を瀬来さんに渡す。

「ありがと~。え?なんだ唯のお水じゃない。まぁいいけど…(ごくり)…エッ!?なにコレ美味しい!」
「ホンマに?万智ウチにも飲ませてぇ。(ごくり)…わぁ♪これサッパリしてええなぁ♪」
「わ、私にも…ッ!(んくんく…)ホント…、目が覚めるみたいですッ!!」

ハハハ、どうだみたか。これぞスキルと技術を組み合わせて生み出した、『なんちゃってレモン水』だ。ハードなトレーニングを終えた後は、コレに限る。

「すっごく美味しいよ!コレ江月さんが作ったの?」
「ああそうだ。ちょっとした魔法でね♪」

「めっちゃ飲みやすいわぁ♪コォチと居ったら、コレが飲み放題なんやなぁ♪」
「おいおい仁菜さん、昼間から水割りのコトとか考えてない??」

「とっても美味しいです。でも、どうやって作るんですか?」
「ああ、瑠羽。コレはちょっとした技術と、スキルの【酸】を使ったんだ。だから作り方を教えるのは難しいな。ごめんよ」


そんな感じでゆっくりと起き出したオレ達はのんびりと着替え、近くのラーメンショップへとご飯を食べに出かけた。

ダンジョンに籠りきりで曜日の感覚を失っていたが、今日は日曜日らしい。どおりで3人とも随分とゆっくりしていると思った。その為ラーメンショップにはお昼を過ぎても結構なお客さんが入っていて、麗しき美人女子大生3人とアマゾネスマッチョなオレ達が入店すると、ちょっとした注目を集めてしまう。

まぁだからといって店を変えても同じことなので、席についてそのまま食事をとる。

オレと瀬来さんの顔を覚えているであろうバイトの店員もいたが、特になにかリアクションをしている様子も見られなかった。バイトでも、さすがプロだな。いや…あれは単に、同一人物だと気付いてないだけか。何度も通ってるし、雰囲気でばれそうなモノだが。


食事を終え部屋に戻ると、また『なんちゃってレモン水』を飲みながらまったりと閑談をしていたが、ふと仁菜さんが、『またみんなで温泉いきたいねぇ』と口にした。

「「………」」

それに対し、返答に窮する瀬来さんと瑠羽。当然それは、オレを気遣っての事。

うん、今やオレは男でも女でもない。女性の姿で股間に男を生やした、『アマゾネスマッチョなニューハーフ』になってしまったからだ。これではどちらの湯に入ればいいのかサッパリだ。

でも…。

オレもスーパー銭湯に行きたい。広い浴槽で手足を伸ばして湯に浸かりたいし、塩サウナにも入ってたっぷりと汗をかきたい。

うん、そうだな。なら…気兼ねせずに行けばいいじゃないか!出たとこ勝負だ。

「よし、行こう!」

「え!でも江月さん…」
「コーチ…」

「うん、まぁ裸になれば当然変な目では見られるだろう。だが湯に浸かっている時に追い出されはしないだろう。チャレンジしてみて、それでダメだった時はまた考えればいいよ。それでいこう」

性欲を満たし、食欲も満たした。それでもなお、人間の欲は果てしなく深い。今度は温泉に入りたいという、入浴欲求に駆られてしまったのだ。

だが果てして、オレはスーパー銭湯に受け入れてもらえるのだろうか…。

ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
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