うちの冷蔵庫がダンジョンになった

空志戸レミ

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リドル

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『ゴォォー……、ずずん…ッ!!』

『(ドドドドドドド…)』

動きを止めた石舞台。そして意味深に石舞台の中心から生えた石灯籠。そんな状況に、オレ達は固唾を飲んで顔を見合わせた。

「と、止まったわね…」
「そうだな」

「で、なんか生えたわね…」
「うむ…」

いや、知ってるよこういうの。

RPGのゲームなんかじゃ、よくある演出だもん。でもいざ自分たちがそんな状況に放り込まれてみると、ちょっとどうしていいものか悩んでしまう。

「ふたりとも見てみ。すこし明るくなって止まったんはええけど、どこにも出口っぽいの見当たらへんよ?」



しかしいち早く不審な石灯籠から周囲に眼を向けた仁菜さんが、この空間にはどうも出口がないようだと知らせてくれる。その声にオレと瀬来さんも周囲へと顔を向ける。

するとそこは、上の大きなドームと造りは似ているもののとってもミニマム。

石舞台の周囲は1メートルほどですぐに壁という空間だった。頭上は未だ閉じられることもなくポッカリと暗い空間が上に伸びているが、ここから脱出するというのは現実的でないだろう。

それに上に戻ったとて、出口はなかったのだ。

だが代わりといっては何だが、モンスターもいなければ罠の様子もない。なので強いて似た雰囲気の場所をあげるとするならば、石舞台がエレベーターみたいだったしタワー型の立体駐車場だろうか。

「とすると、この石灯籠をどうにかすれば先に進む道が開くとか、そういう謎解きか…」

そう口にすると、ふたりの視線がオレの手にしているモノに注がれる。新しく生み出した空間庫は超巨大アブラムシの体液で満タンなので、そのまま手に持っていたのだ。

「ほんなら…、コォチの手に持っとるソレなんちゃう?」
「ね、どう考えてもソレよね…」

うん。ふたりが言うように床から生えた石灯籠には、オレの手にしたクリスタルを収めるのに丁度よさそうな穴が空いていた。

「いや、ちょっと待とうふたりとも!コレがいったい何なのだろうと、さっきから物品記憶読取してたがサッパリ読み取れなかったんだ。だからもう少し調べよう!」

するとふたりは、少し驚いた様子でオレの手にしたバスケットボール大のオレンジクリスタルをのぞきこむ。

「え、江月さんのチカラでもコレがなんなのか解らないの?」
「ああ、読み取るのは全くダメだった」

「せやったらウチらでもムリやな~。山の修行ですこしはオーラ視も使えるようになったけど、まだまだその程度やもんなぁ」
「う~ん、填めてみるのが一番早いと思うけど…」

コレが何なのか。憶測や推測ならば出来るがこのところ先入観やら思い込みで失敗続きなのだから、それは危険だろう。もっと慎重にならねば。

「あ、そうだクィーン。クィーンはコレがなにか知らないか?」

そこでピクシークィーンに手に持ったクリスタルを向け訊ねてみる。すると彼女はひどく嫌そうな顔をして翅を羽ばたかせえると、オレから大きく距離をとってしまった。

(なんだ…?今のクィーンの反応??)

「なぁコォチ。この灯篭も、やっぱりダンジョンの壊せへんヤツやろか?ウチ、コレをオーラ使こうて調べてみるわ」
「ん?ああ、たぶんそうだろうな。冷蔵庫ダンジョンの鉄扉もそうだが、一見掘れそうな土の地面でも表面だけは掘れてもその先は全く掘れないしな」

巨大カブトムシの幼虫がいた層でも試してみたが、やはり結果は同じだった。

「じゃあ私もオーラ視で隠し扉がないか、周りの壁を調べてみるね」
「うむ、慎重にな瀬来さん。不用意に壁に触れたりなんかしたらダメだぞ」

「わかってるって。大岩に潰されそうになった後だもん。私だってそこまでバカじゃないわよ」


そう言って離れていく瀬来さんに、ピクシークィーンもついていってくれる。

うん、クィーンがいっしょなら大丈夫だろう。よし、ではオレも反対側から壁を調べていこうと歩き出すと、急に背後で仁菜さんの驚いた声が響く。

「ひゃッ!」
「な、どうした仁菜さんッ!」

「ウチ…、まだ何もしてへんのよ!?」

慌てて答える仁菜さんの前で、なぜか石灯籠は生えてきた時と同じ速度で今度は再び床へと沈み込んでゆくのだった。
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