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fang lady
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この日、長い準備期間を経た瑠羽たち女子大生3人組は、デビューコンサートの時を迎えていた。とはいえまだ3人のネームバリューだけでお客を呼ぶことはできないので、播磨プロダクションに所属するアイドル達との合同コンサートがお披露目の舞台だ。
そんな出番を前に、控室を出てすぐの廊下で3人はスクラムを組んで気合を入れる。
「それじゃいくよ、ふたりとも!ファイトォ~」
「「「お~!」」」
後から播磨プロダクションに所属することなった仁菜静絵を加え、瑠羽・万智・静絵の仲良し女子大生3人はファングレディというユニットを結成していた。
ファングは牙、牙を持った強い女性たちという意味のユニット名だ。
そうして気合十分に足取りも軽く、3人はバックヤードをステージ脇へと移動していく。なにせそれぞれがひとりでもサシでダンジョンモンスターと渡り合える3人。なので人前で歌って踊る程度のことは、もはやなんのプレッシャーにもならないのであった。
「アラ、来たわね3人とも。準備はいい?」
うす暗いステージ脇に到着すると、振付師の組苑が3人を迎えてくれる。まだ担当マネージャーの決まっていない3人には、今のところ彼が代行マネージャーというカタチでフォローに入ってくれているのだ。
「ええ、バッチリよ組苑さん。まかせといて!」
「まぁ、たのもしいわね!でもマッチュったら調子にノッて、失敗しないでね」
瀬来万智は、その芸名をマッチュとしていた。そしてムードメーカーのマッチュが、ファングレディのリーダーでもある。
「ルーチュもシーチュも、問題はないわね?」
組苑はそういって真新しい艶やかな衣装に身を包んだ瑠羽と静絵にも眼を向ける。
「ハイ、だいじょうぶです」
「練習もバッチリやし、そんなに心配せんといて」
糧品瑠羽にはルーチュ、そして仁菜静絵にはシーチュという芸名がつけられている。これはファングレディというユニット名がやや攻撃的な趣なので、せめて3人の語尾を揃えて愛らしさを加味するにはどうすべきかと考え練られた結果、口づけのChu!をイメージして揃いの語尾となったのだった。
と、流れていた曲が終わり観客から歓声があがると、ステージ脇にスタンばっていたスタッフたちが慌ただしく動き始める。いよいよ次は、瑠羽たちファングレディの出番だ。
「それじゃ3人とも、ガンバってね!」
「「「ハイ!」」」
…。
『チャチャラ、チャラチャチャ!チャチャラ、チャラチャチャ!バァ~ン!!』
伴奏が始まると、左右のそでからたくさんのシャボン玉がワッと湧きあがる。ほかのステージではなかった演出だ。そのシャボンのなかを、瀬来万智が連続前方転回で派手にステージへと飛び出していく。
無数のシャボン玉は静絵と瑠羽のスキル【粘液】によって生み出されたモノ。そしてスキル【剛腕】を持つ万智にとっては逆立ちしたまま跳ねることだって、朝飯前。そうして最後はギュルルと空中回転でセンターにビタリと着地すると、バッと立ち上がり観客に向け第一声をあげた。
「コンニチハ~!マッチュでぇ~す!」
「「「おお~!!」」」
アイドルコンサートで突如始まったアクロバティックな演出に、観客が大いに沸く。すると左右からこれでもかと観客席に届くほど大量のキラキラシャボン玉を生み出しながら、瑠羽と静絵も姿を現す。
「ルーチュでぇす!」
「シーチュでぇす!」
「3人あわせてぇ…」
「「「ファングレディでぇす!」」」
そうしてセンターに集まった3人が、揃って観客席に向け無数の粘液紐をズバンと撃ち出す。その様は、まるで能楽の蜘蛛の糸のよう。しかしその糸は観客の元へと届く前に、キラキラと光りながら消えていく。
「「「おおお~ッ!!」」」
それに観客は大盛り上がり。
しかしここまで派手な演出をしてみせても、実質タダ。なにせみな自身のスキルを発動して見せただけなので、舞台装置的にはなんのコストはかかっていないのだ。これも練習の賜物、まさにスキルを駆使した演出の真骨頂といえた。
「ス~パ~、ドンキ~!」
『チャチャラ、チャララ、チャララッチャ!』
そしてその後は、歌と武闘のスペクタクル。
演歌歌手が歌の合間に、現れたやられ役相手に小粋な殺陣をしてみせるようなムーブを、本物ガチでやってのけるのだ。歌って踊りながら、舞台袖から現れた鉄板を拳ひとつでズバンとぶち抜いてみたり、綱で引かれて出てきた氷柱をドッカンバッカンと、3人で次々に蹴り砕いてゆく。
その艶やかな衣装がザッと揺れる度に、キラキラと宙を舞う砕かれた氷片。
「「「うおおおお!!」」」
そのダンジョン能力者でなければ決して発揮しえない攻撃力に、観客たちがどよめきの歓声をあげる。一見か弱い女性にしか見えないのに、いざ戦いだしてみれば凄まじい戦闘能力をこれでもかと見せつけてくるのだから。
「「「ファング!ファング!ファング!ファング!!」」」
そんな瑠羽たちファングレディのデビューコンサートは、ありえないような歓声に包まれて幕を閉じたのだった。
そんな出番を前に、控室を出てすぐの廊下で3人はスクラムを組んで気合を入れる。
「それじゃいくよ、ふたりとも!ファイトォ~」
「「「お~!」」」
後から播磨プロダクションに所属することなった仁菜静絵を加え、瑠羽・万智・静絵の仲良し女子大生3人はファングレディというユニットを結成していた。
ファングは牙、牙を持った強い女性たちという意味のユニット名だ。
そうして気合十分に足取りも軽く、3人はバックヤードをステージ脇へと移動していく。なにせそれぞれがひとりでもサシでダンジョンモンスターと渡り合える3人。なので人前で歌って踊る程度のことは、もはやなんのプレッシャーにもならないのであった。
「アラ、来たわね3人とも。準備はいい?」
うす暗いステージ脇に到着すると、振付師の組苑が3人を迎えてくれる。まだ担当マネージャーの決まっていない3人には、今のところ彼が代行マネージャーというカタチでフォローに入ってくれているのだ。
「ええ、バッチリよ組苑さん。まかせといて!」
「まぁ、たのもしいわね!でもマッチュったら調子にノッて、失敗しないでね」
瀬来万智は、その芸名をマッチュとしていた。そしてムードメーカーのマッチュが、ファングレディのリーダーでもある。
「ルーチュもシーチュも、問題はないわね?」
組苑はそういって真新しい艶やかな衣装に身を包んだ瑠羽と静絵にも眼を向ける。
「ハイ、だいじょうぶです」
「練習もバッチリやし、そんなに心配せんといて」
糧品瑠羽にはルーチュ、そして仁菜静絵にはシーチュという芸名がつけられている。これはファングレディというユニット名がやや攻撃的な趣なので、せめて3人の語尾を揃えて愛らしさを加味するにはどうすべきかと考え練られた結果、口づけのChu!をイメージして揃いの語尾となったのだった。
と、流れていた曲が終わり観客から歓声があがると、ステージ脇にスタンばっていたスタッフたちが慌ただしく動き始める。いよいよ次は、瑠羽たちファングレディの出番だ。
「それじゃ3人とも、ガンバってね!」
「「「ハイ!」」」
…。
『チャチャラ、チャラチャチャ!チャチャラ、チャラチャチャ!バァ~ン!!』
伴奏が始まると、左右のそでからたくさんのシャボン玉がワッと湧きあがる。ほかのステージではなかった演出だ。そのシャボンのなかを、瀬来万智が連続前方転回で派手にステージへと飛び出していく。
無数のシャボン玉は静絵と瑠羽のスキル【粘液】によって生み出されたモノ。そしてスキル【剛腕】を持つ万智にとっては逆立ちしたまま跳ねることだって、朝飯前。そうして最後はギュルルと空中回転でセンターにビタリと着地すると、バッと立ち上がり観客に向け第一声をあげた。
「コンニチハ~!マッチュでぇ~す!」
「「「おお~!!」」」
アイドルコンサートで突如始まったアクロバティックな演出に、観客が大いに沸く。すると左右からこれでもかと観客席に届くほど大量のキラキラシャボン玉を生み出しながら、瑠羽と静絵も姿を現す。
「ルーチュでぇす!」
「シーチュでぇす!」
「3人あわせてぇ…」
「「「ファングレディでぇす!」」」
そうしてセンターに集まった3人が、揃って観客席に向け無数の粘液紐をズバンと撃ち出す。その様は、まるで能楽の蜘蛛の糸のよう。しかしその糸は観客の元へと届く前に、キラキラと光りながら消えていく。
「「「おおお~ッ!!」」」
それに観客は大盛り上がり。
しかしここまで派手な演出をしてみせても、実質タダ。なにせみな自身のスキルを発動して見せただけなので、舞台装置的にはなんのコストはかかっていないのだ。これも練習の賜物、まさにスキルを駆使した演出の真骨頂といえた。
「ス~パ~、ドンキ~!」
『チャチャラ、チャララ、チャララッチャ!』
そしてその後は、歌と武闘のスペクタクル。
演歌歌手が歌の合間に、現れたやられ役相手に小粋な殺陣をしてみせるようなムーブを、本物ガチでやってのけるのだ。歌って踊りながら、舞台袖から現れた鉄板を拳ひとつでズバンとぶち抜いてみたり、綱で引かれて出てきた氷柱をドッカンバッカンと、3人で次々に蹴り砕いてゆく。
その艶やかな衣装がザッと揺れる度に、キラキラと宙を舞う砕かれた氷片。
「「「うおおおお!!」」」
そのダンジョン能力者でなければ決して発揮しえない攻撃力に、観客たちがどよめきの歓声をあげる。一見か弱い女性にしか見えないのに、いざ戦いだしてみれば凄まじい戦闘能力をこれでもかと見せつけてくるのだから。
「「「ファング!ファング!ファング!ファング!!」」」
そんな瑠羽たちファングレディのデビューコンサートは、ありえないような歓声に包まれて幕を閉じたのだった。
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