11 / 16
【本編】アングラーズ王国編
逡巡(カリーナ視点)
しおりを挟む
昨夜、皇女殿下の突然の訪問から、ろくに寝られなかった私は頭痛が酷く、こめかみを押さえた。
「カリーナ様、大丈夫ですか?」
私のヘアセットを終えた宮殿の侍女が、心配そうに言った
「ええ。大丈夫」
私は努めて明るい表情を浮かべた。
今日はアングラーズ王国建国記念の祝賀パーティー当日だ。
暗い顔をして、お祝いの場の空気を乱さないように気をつけなければ。
「お茶のご用意が出来ておりますが、いかがなさいますか?」
侍女にそう聞かれ、私はティーポットが置かれているテーブルをチラリと見た。
そのティーポットのそばには、薄紫の可憐な花々が花瓶に生けられている。
昨夜、皇女殿下によって無惨に散らされた花々も、あの後、すぐに入って来た宮殿の使用人達によって、何事もなかったかのように、元に戻された。
でも、私には今でもあの時の光景が、生々しく目に焼きついている。
『ベルレアン王国の侯爵家なんて、潰そうと思えば、いつでも簡単に潰せるわよ』
そう言った皇女殿下の瞳は、恐ろしい程に紅く、その瞳の奥には憎悪が動めいていた。
今は独立国であるベルレアン王国も、元々はフェアクール帝国の従属国だった。
そのせいでフェアクール帝国は未だに、ベルレアン王国に対して大きな影響力を持っている。
皇女殿下が言うように、フェアクール帝国から圧力があれば、ベルレアン王国の王家は、ローレル侯爵家など簡単に見放すだろう。
そうなれば、私のせいでお父様や、侯爵家に使える者、領民たちみんなに迷惑がかかる。
私が──
「カリーナ様?」
その時、侍女に再び声をかけられて、私は我に返った。
「ごめんなさい。お茶は大丈夫よ。ありがとう」
「左様でございますか。では、また御用がありましたら、お呼び下さいませ」
そう言って侍女は深く一礼すると、部屋から出て言った。
誰もいなくなった部屋で、私は深く息を吐いた。
そして目の前の、大きな姿見に映る自分を見つめた。
綺麗に化粧を施された自分の顔は、見違えるほどに華やかになり、ダークブロンドの髪は、見事に編み込まれてアップスタイルにされ、その編み込まれた髪の所々に、薄紫の可憐な生花がちりばめられている。
ドレスは、瞳の色に合わせ、すみれ色のドレスを選んだ。
しかし、いくら化粧やドレスで取り繕うとも、皇女殿下の言う通り、私にレアン殿下の隣は見合わない。
身分も、容姿も何一つ釣り合わない彼に、どうして引かれてしまったのだろう。
今なら、まだ引き返せるだろうか。
少し、夢を見てしまっただけだと。
──コンコン
その時、扉をノックする音が響いた。
さっきの侍女がまた戻って来たのだろうか。
私は返事をして、扉の方を振り向いた。
「とても綺麗だよ。カリーナ」
そう言って、いつものようにほほ笑みながら入って来たのはレアン殿下だった。
「昨日は夜中まで会談があって、来られなかったんだ。大変だったのに、ごめんね」
「私は大丈夫です。ご心配おかけして申し訳ありません」
私は慌てて立ち上がり、レアン殿下に近づいた。
正装のレアン殿下は、銀糸で見事な刺繍が施された濃紺の詰襟の礼服を着ていた。
その圧倒的なオーラを纏った、煌びやかな姿に、私は余計に引け目を感じた。
「ローズ皇女殿下に、何を言われたの?」
レアン殿下は真っ直ぐこちらを見つめ、私の言葉を待っていた。
「……」
でも、私は言葉が出なかった。
昨日、皇女殿下に言われた事を伝えてしまったら、それこそレアン殿下にまで迷惑がかかる。
彼はきっと、侯爵家を助けようとするだろう。
「いえ、特に何も……」
かろうじて、囁くにように私が言うと、レアン殿下は小さくため息をついた。
「君が何を言われたのかは、その顔色を見れば大体分かるよ。侯爵家を潰すとでも言われたんでしょう?」
ズバリ言い当てられて、私は言葉に詰まり、否定する事も出来ずにうつむいた。
「侯爵家は心配ないよ。私が侯爵家に近づく事を、面白くないと思う輩が、遅かれ早かれ出てくるだろう事は分かっていたからね。既に手は打ってある。フェアクール帝国がいくら圧力をかけて来ようと、ベルレアン王国がローレル侯爵家を見捨てる事は決してないよ。それに、エアリスがいると分かった時点で、侯爵家と領地周辺は極秘で兵を派遣して常時警護させてある。フェアクール帝国に手出しはさせない」
そう言うと、レアン殿下は私の手を両手で包むと、目線を合わせた。
「君の大切なものは、私が必ず守る。だから私を信じて」
レアン殿下は力強く言った。
どうして彼は、こんなにも私のためにしてくれるのだろう。
「レアン殿下に、そこまでしていただく必要はありません。私は貴方にとって、何の役にも立たないのですから」
「役に立つ、立たないは関係ない。そんな損得勘定でカリーナを選んだ訳じゃないよ」
レアン殿下は私の手を離すと、悲痛な面持ちで目を伏せた。
「不安にさせて、本当にごめん。君にそんな顔をさせたくて、一緒になりたい訳じゃないんだ。明日、ゆっくり話そう」
レアン殿下はそう言うと、懐から紫色をしたベルベットの小箱を取り出し、私の前に差し出した。
「貰ってくれる?カリーナ」
私は、明らかに高級な何かが入っていそうなその小箱を見つめ、受け取るべきか、どうするべきか、しばらく葛藤していた。
レアン殿下の顔を見ると、恐ろしく真剣な表情でこちらを見つめていたので、私は思わずそれを受け取った。
「あ、ありがとうございます……」
「良かった。開けて見て」
一転して、笑顔になったレアン殿下に促され、私は小箱の蓋を開けた。
「これは──」
私は一瞬固まった。
そこには薄紫に光輝くダイヤモンドのネックレスが入っていた。しかも大粒の。
こんな大粒のダイヤモンドなど見たことがなかった。
一体いくらするのだろう。
そら恐ろしくなった私は、怖じ気づいた。
「こんな高価なもの、私にはとても似合いません」
私は慌てて小箱の蓋を閉じて、レアン殿下に返した。
「何を言っているの。君ほど似合う人はいないよ。カリーナ」
レアン殿下は小箱からネックレスを取り出すと、私の後に回り込み、素早い動作で私の首にネックレスをつけた。
「レ、レアン殿下?」
首元には、私の瞳と同じ薄紫のダイヤモンドが、目映い光を放っていた。
「やっぱり、とても似合っているよ。君の瞳と同じ色を選んだんだ」
レアン殿下はニッコリとほほ笑んだ。
「貰ってくれるよね?」
そう言って、レアン殿下は私の頬に優しく触れ、顔を近づけじっと見つめてきた。
あまりに近いその距離に、私は思わず一歩退いた。
すると、レアン殿下はフッと小さく笑うと、私の頬から手を離した。
「では、私はそろそろ行くね。今日は色々と立て込んでいて、ゆっくりしていられないんだ。後で迎えに、エアリスを寄越すから」
私はレアン殿下を見送るため、一緒に扉の外へ出た。
「あ、もう戻るんですか?」
扉の外に立っていたアルが言った。
その顔にはテープが貼られている。
実は昨夜、私と皇女殿下が話をしていた扉の外では、アルが皇女殿下の配下たちといざこざを起こし、大騒ぎになっていたのだった。
「アルフレート、君は祝賀パーティー会場への出入りは禁止だから」
「は?なんで??」
アルは驚いて叫んだ。
「当たり前だよ。祝いの場で、ローズ皇女の配下に、また喧嘩を吹っ掛けて貰っては困るからね」
「いやいや。元々、挑発してきたのは向こうですよ?」
「だからって、殴りかかるのは良くないよね?君はもう少し自制心を養おうか。アルフレート」
「いや、でも、カリーナ様の護衛は……」
「大丈夫。私の方で優秀な者をつけるから心配ないよ。アルフレートはゆっくり休んで」
レアン殿下はにこやかにそう言い放つと、「じゃあ、またね。カリーナ」と言って、去って行った。
「やっぱり、いけ好かない奴ですよ。あいつは」
アルはそう言って、ガシガシと髪を掻きむしった。
その隣で、私はレアン殿下に貰ったダイヤモンドのネックレスにそっと触れた。
──何よりも強い、永遠の絆。
その石に込められた意味のように、私はレアン殿下と永遠の絆を結べるのだろうか。
果たして、私にその資格はあるのだろうか。
「カリーナ様、大丈夫ですか?」
私のヘアセットを終えた宮殿の侍女が、心配そうに言った
「ええ。大丈夫」
私は努めて明るい表情を浮かべた。
今日はアングラーズ王国建国記念の祝賀パーティー当日だ。
暗い顔をして、お祝いの場の空気を乱さないように気をつけなければ。
「お茶のご用意が出来ておりますが、いかがなさいますか?」
侍女にそう聞かれ、私はティーポットが置かれているテーブルをチラリと見た。
そのティーポットのそばには、薄紫の可憐な花々が花瓶に生けられている。
昨夜、皇女殿下によって無惨に散らされた花々も、あの後、すぐに入って来た宮殿の使用人達によって、何事もなかったかのように、元に戻された。
でも、私には今でもあの時の光景が、生々しく目に焼きついている。
『ベルレアン王国の侯爵家なんて、潰そうと思えば、いつでも簡単に潰せるわよ』
そう言った皇女殿下の瞳は、恐ろしい程に紅く、その瞳の奥には憎悪が動めいていた。
今は独立国であるベルレアン王国も、元々はフェアクール帝国の従属国だった。
そのせいでフェアクール帝国は未だに、ベルレアン王国に対して大きな影響力を持っている。
皇女殿下が言うように、フェアクール帝国から圧力があれば、ベルレアン王国の王家は、ローレル侯爵家など簡単に見放すだろう。
そうなれば、私のせいでお父様や、侯爵家に使える者、領民たちみんなに迷惑がかかる。
私が──
「カリーナ様?」
その時、侍女に再び声をかけられて、私は我に返った。
「ごめんなさい。お茶は大丈夫よ。ありがとう」
「左様でございますか。では、また御用がありましたら、お呼び下さいませ」
そう言って侍女は深く一礼すると、部屋から出て言った。
誰もいなくなった部屋で、私は深く息を吐いた。
そして目の前の、大きな姿見に映る自分を見つめた。
綺麗に化粧を施された自分の顔は、見違えるほどに華やかになり、ダークブロンドの髪は、見事に編み込まれてアップスタイルにされ、その編み込まれた髪の所々に、薄紫の可憐な生花がちりばめられている。
ドレスは、瞳の色に合わせ、すみれ色のドレスを選んだ。
しかし、いくら化粧やドレスで取り繕うとも、皇女殿下の言う通り、私にレアン殿下の隣は見合わない。
身分も、容姿も何一つ釣り合わない彼に、どうして引かれてしまったのだろう。
今なら、まだ引き返せるだろうか。
少し、夢を見てしまっただけだと。
──コンコン
その時、扉をノックする音が響いた。
さっきの侍女がまた戻って来たのだろうか。
私は返事をして、扉の方を振り向いた。
「とても綺麗だよ。カリーナ」
そう言って、いつものようにほほ笑みながら入って来たのはレアン殿下だった。
「昨日は夜中まで会談があって、来られなかったんだ。大変だったのに、ごめんね」
「私は大丈夫です。ご心配おかけして申し訳ありません」
私は慌てて立ち上がり、レアン殿下に近づいた。
正装のレアン殿下は、銀糸で見事な刺繍が施された濃紺の詰襟の礼服を着ていた。
その圧倒的なオーラを纏った、煌びやかな姿に、私は余計に引け目を感じた。
「ローズ皇女殿下に、何を言われたの?」
レアン殿下は真っ直ぐこちらを見つめ、私の言葉を待っていた。
「……」
でも、私は言葉が出なかった。
昨日、皇女殿下に言われた事を伝えてしまったら、それこそレアン殿下にまで迷惑がかかる。
彼はきっと、侯爵家を助けようとするだろう。
「いえ、特に何も……」
かろうじて、囁くにように私が言うと、レアン殿下は小さくため息をついた。
「君が何を言われたのかは、その顔色を見れば大体分かるよ。侯爵家を潰すとでも言われたんでしょう?」
ズバリ言い当てられて、私は言葉に詰まり、否定する事も出来ずにうつむいた。
「侯爵家は心配ないよ。私が侯爵家に近づく事を、面白くないと思う輩が、遅かれ早かれ出てくるだろう事は分かっていたからね。既に手は打ってある。フェアクール帝国がいくら圧力をかけて来ようと、ベルレアン王国がローレル侯爵家を見捨てる事は決してないよ。それに、エアリスがいると分かった時点で、侯爵家と領地周辺は極秘で兵を派遣して常時警護させてある。フェアクール帝国に手出しはさせない」
そう言うと、レアン殿下は私の手を両手で包むと、目線を合わせた。
「君の大切なものは、私が必ず守る。だから私を信じて」
レアン殿下は力強く言った。
どうして彼は、こんなにも私のためにしてくれるのだろう。
「レアン殿下に、そこまでしていただく必要はありません。私は貴方にとって、何の役にも立たないのですから」
「役に立つ、立たないは関係ない。そんな損得勘定でカリーナを選んだ訳じゃないよ」
レアン殿下は私の手を離すと、悲痛な面持ちで目を伏せた。
「不安にさせて、本当にごめん。君にそんな顔をさせたくて、一緒になりたい訳じゃないんだ。明日、ゆっくり話そう」
レアン殿下はそう言うと、懐から紫色をしたベルベットの小箱を取り出し、私の前に差し出した。
「貰ってくれる?カリーナ」
私は、明らかに高級な何かが入っていそうなその小箱を見つめ、受け取るべきか、どうするべきか、しばらく葛藤していた。
レアン殿下の顔を見ると、恐ろしく真剣な表情でこちらを見つめていたので、私は思わずそれを受け取った。
「あ、ありがとうございます……」
「良かった。開けて見て」
一転して、笑顔になったレアン殿下に促され、私は小箱の蓋を開けた。
「これは──」
私は一瞬固まった。
そこには薄紫に光輝くダイヤモンドのネックレスが入っていた。しかも大粒の。
こんな大粒のダイヤモンドなど見たことがなかった。
一体いくらするのだろう。
そら恐ろしくなった私は、怖じ気づいた。
「こんな高価なもの、私にはとても似合いません」
私は慌てて小箱の蓋を閉じて、レアン殿下に返した。
「何を言っているの。君ほど似合う人はいないよ。カリーナ」
レアン殿下は小箱からネックレスを取り出すと、私の後に回り込み、素早い動作で私の首にネックレスをつけた。
「レ、レアン殿下?」
首元には、私の瞳と同じ薄紫のダイヤモンドが、目映い光を放っていた。
「やっぱり、とても似合っているよ。君の瞳と同じ色を選んだんだ」
レアン殿下はニッコリとほほ笑んだ。
「貰ってくれるよね?」
そう言って、レアン殿下は私の頬に優しく触れ、顔を近づけじっと見つめてきた。
あまりに近いその距離に、私は思わず一歩退いた。
すると、レアン殿下はフッと小さく笑うと、私の頬から手を離した。
「では、私はそろそろ行くね。今日は色々と立て込んでいて、ゆっくりしていられないんだ。後で迎えに、エアリスを寄越すから」
私はレアン殿下を見送るため、一緒に扉の外へ出た。
「あ、もう戻るんですか?」
扉の外に立っていたアルが言った。
その顔にはテープが貼られている。
実は昨夜、私と皇女殿下が話をしていた扉の外では、アルが皇女殿下の配下たちといざこざを起こし、大騒ぎになっていたのだった。
「アルフレート、君は祝賀パーティー会場への出入りは禁止だから」
「は?なんで??」
アルは驚いて叫んだ。
「当たり前だよ。祝いの場で、ローズ皇女の配下に、また喧嘩を吹っ掛けて貰っては困るからね」
「いやいや。元々、挑発してきたのは向こうですよ?」
「だからって、殴りかかるのは良くないよね?君はもう少し自制心を養おうか。アルフレート」
「いや、でも、カリーナ様の護衛は……」
「大丈夫。私の方で優秀な者をつけるから心配ないよ。アルフレートはゆっくり休んで」
レアン殿下はにこやかにそう言い放つと、「じゃあ、またね。カリーナ」と言って、去って行った。
「やっぱり、いけ好かない奴ですよ。あいつは」
アルはそう言って、ガシガシと髪を掻きむしった。
その隣で、私はレアン殿下に貰ったダイヤモンドのネックレスにそっと触れた。
──何よりも強い、永遠の絆。
その石に込められた意味のように、私はレアン殿下と永遠の絆を結べるのだろうか。
果たして、私にその資格はあるのだろうか。
1
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
虐げられた私が姉の策略で結婚させられたら、スパダリ夫に溺愛され人生大逆転しました。
専業プウタ
恋愛
ミリア・カルマンは帝国唯一の公爵家の次女。高貴な皇族の血を引く紫色の瞳を持って生まれたワガママな姉の陰謀で、帝国一裕福でイケメンのレナード・アーデン侯爵と婚約することになる。父親であるカルマン公爵の指示のもと後継者としてアカデミーで必死に勉強してきて首席で卒業した。アカデミー時代からの恋人、サイラスもいる。公爵になる夢も恋人も諦められない。私の人生は私が決めるんだから、イケメンの婚約者になど屈しない。地位も名誉も美しさも備えた婚約者の弱みを握り、婚約を破棄する。そして、大好きな恋人と結婚してみせる。そう決意して婚約者と接しても、この婚約者一筋縄ではいかない。初対面のはずなのに、まるで自分を知っていたかのような振る舞い。ミリアは恋人を裏切りたくない、姉の思い通りになりたくないと思いつつも彼に惹かれてく気持ちが抑えられなくなっていく。
私たちの離婚幸福論
桔梗
ファンタジー
ヴェルディア帝国の皇后として、順風満帆な人生を歩んでいたルシェル。
しかし、彼女の平穏な日々は、ノアの突然の記憶喪失によって崩れ去る。
彼はルシェルとの記憶だけを失い、代わりに”愛する女性”としてイザベルを迎え入れたのだった。
信じていた愛が消え、冷たく突き放されるルシェル。
だがそこに、隣国アンダルシア王国の皇太子ゼノンが現れ、驚くべき提案を持ちかける。
それは救済か、あるいは——
真実を覆う闇の中、ルシェルの新たな運命が幕を開ける。
弁えすぎた令嬢
ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
元公爵令嬢のコロネ・ワッサンモフは、今は市井の食堂の2階に住む平民暮らしをしている。彼女が父親を亡くしてからの爵位は、叔父(父親の弟)が管理してくれていた。
彼女には亡き父親の決めた婚約者がいたのだが、叔父の娘が彼を好きだと言う。
彼女は思った。
(今の公爵は叔父なのだから、その娘がこの家を継ぐ方が良いのではないか)と。
今後は彼らの世話にならず、一人で生きていくことにしよう。そんな気持ちで家を出たコロネだった。
小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています。
もう二度と、あなたの妻にはなりたくありません~死に戻った嫌われ令嬢は幸せになりたい~
桜百合
恋愛
旧題:もう二度と、あなたの妻にはなりたくありません〜死に戻りの人生は別の誰かと〜
★第18回恋愛小説大賞で大賞を受賞しました。応援・投票してくださり、本当にありがとうございました!
10/24にレジーナブックス様より書籍が発売されました。
現在コミカライズも進行中です。
「もしも人生をやり直せるのなら……もう二度と、あなたの妻にはなりたくありません」
コルドー公爵夫妻であるフローラとエドガーは、大恋愛の末に結ばれた相思相愛の二人であった。
しかしナターシャという子爵令嬢が現れた途端にエドガーは彼女を愛人として迎え、フローラの方には見向きもしなくなってしまう。
愛を失った人生を悲観したフローラは、ナターシャに毒を飲ませようとするが、逆に自分が毒を盛られて命を落とすことに。
だが死んだはずのフローラが目を覚ますとそこは実家の侯爵家。
どうやらエドガーと知り合う前に死に戻ったらしい。
もう二度とあのような辛い思いはしたくないフローラは、一度目の人生の失敗を生かしてエドガーとの結婚を避けようとする。
※完結したので感想欄を開けてます(お返事はゆっくりになるかもです…!)
独自の世界観ですので、設定など大目に見ていただけると助かります。
※誤字脱字報告もありがとうございます!
こちらでまとめてのお礼とさせていただきます。
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。
結婚はするけれど想い人は他にいます、あなたも?
灯森子
恋愛
度重なる不幸で家族を亡くし、一人ぼっちになってしまった少女エレノア。女手ひとつ歯を食いしばって領地を守ってきた。
その能力を買われどうしてもと言うから、断りきれずに公爵家へと嫁いだ。
切望されて嫁いだはずだったのに。
式当日の朝、新郎は迎えにこない。誓いのキスはくちびるではなくおでこだし、結婚披露パーティーのダンスはあなたとは踊れないと言われてしまった。え?踊らないって?わたしたち主役ですけど、どうするの?
どうやら夫レオンはこの結婚を望んでいなかったらしい。
ま、いいか。わたしにも想い続けている人がいますから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる