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1章 出会い編
入学式
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俺は緊張した面持ちで鏡の前に立っている。
記憶を思い出してから1年程経った。
俺はリハビリを乗り越え、医師からの許可も下り、無事に『聖アクシミア学園』に入学することになった。
今日は入学式だ。
制服に身を包み、鏡の前で身だしなみを確認する。
ただ、乙女ゲームの隠しキャラになるくらい、俺の容姿は整っている。
自画自賛だが、この制服も着こなしている筈だ。
(しかし、まさかルイスの制服姿を生で見ることになるとは。
向こうの世界では、ルイスクラスタ?なる皆さんが泣いて喜んでいただろうなぁ。)
だが、雰囲気は随分変わってしまった。
儚げな雰囲気が健康的になり、俺が巷で流行っていると噂の前髪にヘアピンを着ける行為をすることによって、多少チャラくなったような気がする。
(いや、ある意味で、「儚げ美少年のルイスくんを返して!」と言われながら、殺されるかも…)
下らないことを考えてると、扉がノックされた。
「ルイス様、そろそろ時間でございます。」
俺付きのメイド、ルルが声を掛けてくる。
(時間になったな。絶対学園生活を満喫するんだ。それでマリーちゃんと恋人に!
そのためにはプランAを必ず実行するんだ。)
決意を新たに俺はドアを開けた。
。。。
俺は“あわよくば”マリーちゃんと恋人になるために、まず第一にやらなきゃいけないことを
定めた。
それは「兄さん(メインヒーローのアレクセイ)とのフラグを立たせない」ことだ。
「マジアク」のメインヒーローは俺の兄であるアレクセイだ。
メインヒーローだからか、「マジアク」を攻略するキャラを決めずにプレイすると、必ずアレクセイルートに辿り着く。
それに俺個人としての意見だが、アレクセイは攻略キャラの中で、一番格好良く、好感の持てるキャラだった。
マリーちゃんの恋人にするなら、アレクセイが一番良いと思うくらいには…
そういった点を含めて、恋愛関係に至るかは分からないが、この現実世界でも兄とマリーちゃんのフラグは容易に立つことが想像できる。
だが、“あわよくば”恋人になりたい俺は、ゲームのように隠しキャラのポジションに甘んじる気はない。
フラグを立たせるのは俺でありたい。
そのために、兄とのフラグは立たせないように行動する。
その為には入学式の出会いイベントから、何とかしなければならない。
「マジアク」本編での攻略キャラとの出会いは、アレクセイが最初だ。
イルシア国の小さな街に生まれたヒロイン・マリーは生まれつきの魔力持ちで幼い頃から魔法が扱えた。
たまたま通りかかった学園長にスカウトされて、『聖アクシミア学園』の高等部に「特別枠」で入学することになるのだ。
その入学式、足を踏み入れて早々、段ボール箱を抱えて、忙しそうに働く青年を見かける。しかし、その段ボールの量は一人で運ぶには多く、段ボールから中身が落ちてしまう。マリーは落ちた物を拾い、声を掛けるのだ。
「落としましたよ。お一人で大変ですよね?私もお手伝いしましょうか?」
すると、青年はこう答える。
「ありがとう。助かる。では、お願いしようかな。」
そして、青年はこう続けるのだ。
「オレの名前は、アレクセイ・シュピルバーグ。この学園の生徒会長をしている。
入学生だよな?君の名前は?」
「私の名前は、マリー・グランスです。
よろしくお願いします。」
そう言って、にこりと笑う。
その笑顔にアレクセイは一瞬見とれてしまうのだ。
それがアレクセイとの出会いだ。
(何だ?!何だ!?この出会いは?
ありふれているが、王道だからこその運命感を感じる。
でも、今回はさせない。
俺が自分で運命的な出会いを果たすんだ!)
その為には、入学式の段ボールを何とかせねばなるまい。
兄さんが運ぶはずの段ボールを代わりに運び、その出会いイベントを俺が行う。
ーそれが、プランA。
(まぁ、正直今の兄さんが女の子に興味さなすぎて、考えすぎじゃないかって気もしてくるけども。)
俺の兄は、第二王子である俺がずっと病弱で寝たきりだった分、将来国王となる期待を一心に背負っており、俺が幼い頃から王となる教育を受けてきて、最近では父さんの手伝いをしているようだ。
政治の世界や社交界はとても大変らしく、特に女の人とのやり取りは物凄く疲れるらしい。
招待状が届いて出掛ける度に、「ほんとに女は信用ならない!!」と俺に愚痴るのだ。
社交界では、いったい何が起こっているのか?
未だ俺は怖くて、適当に相槌を打つだけで、聞くことができていない。
。。。
「ルイス様、『聖アクシミア学園』に到着致しました。」
「シルキー、ここまでの運転、ありがとう。」
「滅相もございません。では、入学式頑張ってください。」
王家お抱えの運転手、シルキーはそう言って帰っていった。
(よし、ここからが正念場だ。まず、兄さんを探すぞ。兄さんは生徒会長だから、入学式の準備も兄さんが主導で準備を進めているはず。入学式の会場は体育館だから…)
広い学園内を探す。
さすが、貴族が必ず通う『聖アクシミア学園』。
様々な設備が入っており、充実している。
それゆえ、とても広いのだ。
適当にブラブラ探してたら、兄の後ろ姿を発見した。会場ではなく、校舎側で。
制服も着こなしている、男も憧れるだろうスマートで細マッチョな体格は健在で、後ろ姿だけで、通りがかった女子はうっとりとその姿を見つめている。
しかし、表情はというと整っている顔立ちなのに、眉間に凄い皺を寄せて、凄みのある表情だ。
どうやら、隣にいる男性に怒っているらしい。
(兄さん、怒ってるよ~。
怒った兄さんには近づきたくないんだよな~)
俺は恐る恐る声を掛けてみることにした。
「兄さん、お疲れ様。
生徒会の仕事中?大変そうだな。」
すると、俺の声を聞いた兄さんはもの凄い勢いでくるりと振り向いた。
「ナイスタイミングだ。ルイス!
実はお前に頼みたいことがあってな…」
。。。
結果として言えば、俺の目的は達成した。
どちらかというと、押し付けられたって感じだけども。
どうやら、ゲームで登場するあの段ボール箱は、生徒会の人が間違えて、校舎の方に運んできたものらしい。
入学式の時間には学園内にある庭園に設置されている予定のものを持ってきてしまったこと。更に今の時間全く人手が足りなくて、運ぶ暇すらないことで、兄はとてもイライラしていたらしい。
兄がゲームでバタバタしてた理由はこういうことだったんだな。
そのとき、俺が来たというわけだ。
こういった経緯で、俺は入学式前に段ボール箱2箱の運搬と、庭園での設置を任せられてしまった。
(運搬はともかく、設置とかホント面倒臭い。大体「簡単だから!」って言われて、地図とか説明書渡されたけど、この地図分かりにくいし。まず庭園まで辿り着けるのか?)
とにかく、段ボール箱2箱を運ばないと。そして、出会いイベントを!
俺はそう思い、声を掛けてもらえるように2箱をいっぺんに抱えて動き出す。
だが、ほとんど前が見えない。
歩くのも一苦労だ。
(つらい。何で入学式前なのに、こんなことを…。しかし、出会いイベントのためだ。頑張れ、俺!)
そう思って歩けども、ヒロインは声を掛けて来ない。というか、誰も声を掛けて来ない。
(そう、簡単には行かないとは分かっていたけども。でも、でもさー。
せめて、誰かしら声を掛けてくれよ。
皆、薄情だな!おい。
なんか、むなしくなってきた…)
足を踏み出すが、前が見ないため、石につまずき、転けそうになる。
そのまま、転倒し、段ボールの中身が放り出されて、滅茶苦茶になってしまった。
(うわっ。やっちゃった。
俺、滅茶苦茶格好悪い…)
「大丈夫?」
突然上から声がした。
女の子の声。あのときは画面越しだったが、とても聞き覚えがある。
顔を上げると、女の子がいた。
ピンク色のセミロングの髪に、緑色の目。
優しげに頬笑む天使のような女の子。
俺がずっと会いたかった子が。
「私、入学生のマリー・グランスって言うの。
貴方も入学生よね?
入学生なのに、お手伝いなんて、凄いね!
大変そうだから、私も手伝うよ!」
俺はたどたどしく、答える。
「俺は、ルイス・シュピルバーグ。
良ければ、よろしくお願いします。」
きちんと喋れただろうか。
本当に緊張しているんだ。
だって、今笑って手を差し出しているあの子は、ゲーム画面で見る何倍も可愛くて、本当に天使が舞い降りてきたかのようだったのだ。
記憶を思い出してから1年程経った。
俺はリハビリを乗り越え、医師からの許可も下り、無事に『聖アクシミア学園』に入学することになった。
今日は入学式だ。
制服に身を包み、鏡の前で身だしなみを確認する。
ただ、乙女ゲームの隠しキャラになるくらい、俺の容姿は整っている。
自画自賛だが、この制服も着こなしている筈だ。
(しかし、まさかルイスの制服姿を生で見ることになるとは。
向こうの世界では、ルイスクラスタ?なる皆さんが泣いて喜んでいただろうなぁ。)
だが、雰囲気は随分変わってしまった。
儚げな雰囲気が健康的になり、俺が巷で流行っていると噂の前髪にヘアピンを着ける行為をすることによって、多少チャラくなったような気がする。
(いや、ある意味で、「儚げ美少年のルイスくんを返して!」と言われながら、殺されるかも…)
下らないことを考えてると、扉がノックされた。
「ルイス様、そろそろ時間でございます。」
俺付きのメイド、ルルが声を掛けてくる。
(時間になったな。絶対学園生活を満喫するんだ。それでマリーちゃんと恋人に!
そのためにはプランAを必ず実行するんだ。)
決意を新たに俺はドアを開けた。
。。。
俺は“あわよくば”マリーちゃんと恋人になるために、まず第一にやらなきゃいけないことを
定めた。
それは「兄さん(メインヒーローのアレクセイ)とのフラグを立たせない」ことだ。
「マジアク」のメインヒーローは俺の兄であるアレクセイだ。
メインヒーローだからか、「マジアク」を攻略するキャラを決めずにプレイすると、必ずアレクセイルートに辿り着く。
それに俺個人としての意見だが、アレクセイは攻略キャラの中で、一番格好良く、好感の持てるキャラだった。
マリーちゃんの恋人にするなら、アレクセイが一番良いと思うくらいには…
そういった点を含めて、恋愛関係に至るかは分からないが、この現実世界でも兄とマリーちゃんのフラグは容易に立つことが想像できる。
だが、“あわよくば”恋人になりたい俺は、ゲームのように隠しキャラのポジションに甘んじる気はない。
フラグを立たせるのは俺でありたい。
そのために、兄とのフラグは立たせないように行動する。
その為には入学式の出会いイベントから、何とかしなければならない。
「マジアク」本編での攻略キャラとの出会いは、アレクセイが最初だ。
イルシア国の小さな街に生まれたヒロイン・マリーは生まれつきの魔力持ちで幼い頃から魔法が扱えた。
たまたま通りかかった学園長にスカウトされて、『聖アクシミア学園』の高等部に「特別枠」で入学することになるのだ。
その入学式、足を踏み入れて早々、段ボール箱を抱えて、忙しそうに働く青年を見かける。しかし、その段ボールの量は一人で運ぶには多く、段ボールから中身が落ちてしまう。マリーは落ちた物を拾い、声を掛けるのだ。
「落としましたよ。お一人で大変ですよね?私もお手伝いしましょうか?」
すると、青年はこう答える。
「ありがとう。助かる。では、お願いしようかな。」
そして、青年はこう続けるのだ。
「オレの名前は、アレクセイ・シュピルバーグ。この学園の生徒会長をしている。
入学生だよな?君の名前は?」
「私の名前は、マリー・グランスです。
よろしくお願いします。」
そう言って、にこりと笑う。
その笑顔にアレクセイは一瞬見とれてしまうのだ。
それがアレクセイとの出会いだ。
(何だ?!何だ!?この出会いは?
ありふれているが、王道だからこその運命感を感じる。
でも、今回はさせない。
俺が自分で運命的な出会いを果たすんだ!)
その為には、入学式の段ボールを何とかせねばなるまい。
兄さんが運ぶはずの段ボールを代わりに運び、その出会いイベントを俺が行う。
ーそれが、プランA。
(まぁ、正直今の兄さんが女の子に興味さなすぎて、考えすぎじゃないかって気もしてくるけども。)
俺の兄は、第二王子である俺がずっと病弱で寝たきりだった分、将来国王となる期待を一心に背負っており、俺が幼い頃から王となる教育を受けてきて、最近では父さんの手伝いをしているようだ。
政治の世界や社交界はとても大変らしく、特に女の人とのやり取りは物凄く疲れるらしい。
招待状が届いて出掛ける度に、「ほんとに女は信用ならない!!」と俺に愚痴るのだ。
社交界では、いったい何が起こっているのか?
未だ俺は怖くて、適当に相槌を打つだけで、聞くことができていない。
。。。
「ルイス様、『聖アクシミア学園』に到着致しました。」
「シルキー、ここまでの運転、ありがとう。」
「滅相もございません。では、入学式頑張ってください。」
王家お抱えの運転手、シルキーはそう言って帰っていった。
(よし、ここからが正念場だ。まず、兄さんを探すぞ。兄さんは生徒会長だから、入学式の準備も兄さんが主導で準備を進めているはず。入学式の会場は体育館だから…)
広い学園内を探す。
さすが、貴族が必ず通う『聖アクシミア学園』。
様々な設備が入っており、充実している。
それゆえ、とても広いのだ。
適当にブラブラ探してたら、兄の後ろ姿を発見した。会場ではなく、校舎側で。
制服も着こなしている、男も憧れるだろうスマートで細マッチョな体格は健在で、後ろ姿だけで、通りがかった女子はうっとりとその姿を見つめている。
しかし、表情はというと整っている顔立ちなのに、眉間に凄い皺を寄せて、凄みのある表情だ。
どうやら、隣にいる男性に怒っているらしい。
(兄さん、怒ってるよ~。
怒った兄さんには近づきたくないんだよな~)
俺は恐る恐る声を掛けてみることにした。
「兄さん、お疲れ様。
生徒会の仕事中?大変そうだな。」
すると、俺の声を聞いた兄さんはもの凄い勢いでくるりと振り向いた。
「ナイスタイミングだ。ルイス!
実はお前に頼みたいことがあってな…」
。。。
結果として言えば、俺の目的は達成した。
どちらかというと、押し付けられたって感じだけども。
どうやら、ゲームで登場するあの段ボール箱は、生徒会の人が間違えて、校舎の方に運んできたものらしい。
入学式の時間には学園内にある庭園に設置されている予定のものを持ってきてしまったこと。更に今の時間全く人手が足りなくて、運ぶ暇すらないことで、兄はとてもイライラしていたらしい。
兄がゲームでバタバタしてた理由はこういうことだったんだな。
そのとき、俺が来たというわけだ。
こういった経緯で、俺は入学式前に段ボール箱2箱の運搬と、庭園での設置を任せられてしまった。
(運搬はともかく、設置とかホント面倒臭い。大体「簡単だから!」って言われて、地図とか説明書渡されたけど、この地図分かりにくいし。まず庭園まで辿り着けるのか?)
とにかく、段ボール箱2箱を運ばないと。そして、出会いイベントを!
俺はそう思い、声を掛けてもらえるように2箱をいっぺんに抱えて動き出す。
だが、ほとんど前が見えない。
歩くのも一苦労だ。
(つらい。何で入学式前なのに、こんなことを…。しかし、出会いイベントのためだ。頑張れ、俺!)
そう思って歩けども、ヒロインは声を掛けて来ない。というか、誰も声を掛けて来ない。
(そう、簡単には行かないとは分かっていたけども。でも、でもさー。
せめて、誰かしら声を掛けてくれよ。
皆、薄情だな!おい。
なんか、むなしくなってきた…)
足を踏み出すが、前が見ないため、石につまずき、転けそうになる。
そのまま、転倒し、段ボールの中身が放り出されて、滅茶苦茶になってしまった。
(うわっ。やっちゃった。
俺、滅茶苦茶格好悪い…)
「大丈夫?」
突然上から声がした。
女の子の声。あのときは画面越しだったが、とても聞き覚えがある。
顔を上げると、女の子がいた。
ピンク色のセミロングの髪に、緑色の目。
優しげに頬笑む天使のような女の子。
俺がずっと会いたかった子が。
「私、入学生のマリー・グランスって言うの。
貴方も入学生よね?
入学生なのに、お手伝いなんて、凄いね!
大変そうだから、私も手伝うよ!」
俺はたどたどしく、答える。
「俺は、ルイス・シュピルバーグ。
良ければ、よろしくお願いします。」
きちんと喋れただろうか。
本当に緊張しているんだ。
だって、今笑って手を差し出しているあの子は、ゲーム画面で見る何倍も可愛くて、本当に天使が舞い降りてきたかのようだったのだ。
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