【完結】夜に駆けた一夏/春巡る縁

夢見 鯛

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         act.2

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 その後、蒼真はエリカにもう一度気持ちを伝える決意を固めた。友人たちの励ましもあり、少しずつ前向きな気持ちを取り戻したが、ふと気づくと、どうしても一つの現実が胸を締めつけていた。

「いくら自分の気持ちを前向きに持っていても、彼女に会えなければ、何の意味もないのと同じだ。」
 
 その思いが蒼真の胸を重くした。エリカに会えなければ、どんなに努力しても、気持ちを伝えることはできないのだ。

 デートの日以降、エリカからの連絡は一切なく、彼女の顔を見ることもなかった。そして、何よりも驚いたのは、エリカがいつものようにバイト先である古本屋の夜勤に現れることがなくなったことだった。

「やっぱり…何かあったんじゃ」

 蒼真は心配しながらも、しばらくそのことを気にかけていた。私生活が忙しくて来ていないのか、それとも自分のことを避けているのか。それとも、何か別の理由があるのか。

 週に何度か、古本屋の前を通り過ぎるたびに、蒼真は中を覗き込んだ。エリカの姿を探しながら、無意識に足を止めてしまうことが増えた。しかし、彼女の姿を見ることは一度もなかった。

「やっぱり…何かあったんだ」

 蒼真はそのことが気になって仕方がなかった。連絡をしてみたいと思う気持ちもあったが、もし無理に連絡して迷惑をかけたらどうしよう、と躊躇していた。

 その夜も、古本屋の前を通り過ぎた。蒼真はもう一度店の中を見たが、エリカの姿はなかった。心の中で何度も自問しながら、そのまま歩き続けるしかなかった。

「俺、何をしてるんだろうな…。」

 蒼真はその場で立ち止まり、暗い空を見上げた。自分が今やっていることが、無駄な時間に感じてしまった。

 そうしているうちに、次第に蒼真の心に浮かぶのは不安と焦りだった。何も変わらない現実に、次第に押し潰されていきそうな自分がいた。

 それからというもの、その古本屋は深夜帯の営業さえ完全に辞め、夜の吉祥寺の商店街路地裏に灯りが灯ることはなかった。静けさが広がるその場所に、以前は感じられた温かな灯火も、どこか遠くに感じられた。

 まるでそれは、俺と彼女の出会いを否定するかのように…まるで夢だったと一掃するように、シャッターを閉めた。

 蒼真はそのシャッターが閉まる音を耳にしながら、心の中で何度もその日のことを繰り返し思い出した。あの日、初めてエリカに会って、何もかもが鮮やかに輝いて見えたのに、今はそのすべてが霧のように遠くなり、手が届かない場所に消えてしまったように感じられた。

「もう一度、伝えられたらよかったな…」

 蒼真はその思いを胸に、静かな夜道を歩き続けた。

 大学が始まる9月10日まで、残る日数も一週間を切っていた。退屈な日常が続き、エリカのことが頭を離れないまま、蒼真は一日一日を過ごしていた。未だに続くむさ苦しい夏の快晴。空はどこまでも青く、陽射しは容赦なく照りつける。街の中を歩く人々の顔もどこか疲れ切っているように見えた。

 バイトの合間に、ふとエリカのことを思い出してしまう。バイト先の古本屋の前を通り過ぎても、彼女の姿を見ることはなかった。シャッターが降りた店の前で立ち尽くすこともしばしばだったが、もうその場所で彼女に会うことはないのだろうと、心の中で感じていた。

 時間だけが無情に過ぎていく。周りの友人たちは、少しずつ新しい学期を迎える準備をしているのに、自分だけは、何も進んでいないような気がしてならなかった。

「もう、どうすればいいんだろうな…」

 蒼真は独り言を漏らしながら、ぼんやりと窓の外を見つめていた。朝から晩まで、空は変わらず晴れ渡り、冷房の効いた部屋で過ごしているだけでは、何も変わらないことを分かっていた。でも、どうしても一歩が踏み出せない。

 焦りと共に胸が締め付けられるが、その一歩を踏み出す勇気も、また見つけられないままだった。

 蒼真の目の前には、いつも通りの退屈な日常が広がり、何も変わらない世界が広がっていた。

 そんなある日、夏を締めくくり、新学期に備えての夏季最後の飲み会が開かれた。二十人規模のゼミ生や同期が集まり、わいわいと賑やかな雰囲気が居酒屋に広がっていた。蒼真もその一員として参加していたが、どこか浮かない顔をしていた。周りは楽しげに話し、笑い合いながらビールやお酒を飲み交わしているが、蒼真の頭の中では、相変わらずエリカのことがぐるぐると回っていた。

「おー、蒼真、顔が暗いぞ!なんかあったのか?」

 聡が声をかけてきた。仲間たちも一緒に笑顔を向けているが、蒼真は軽く笑ってごまかす。

「いや、別に…ちょっと考え事してただけだよ。」

 蒼真は軽く肩をすくめるが、その目はどこか遠くを見つめていた。聡はしばらくその様子を見て、気づかれないように少しだけ表情を引き締めた。

「そうか、まあ無理して楽しむことないけどさ。」

 聡が気を使い、蒼真にビールを差し出した。

「でも、お前が悩んでるとみんな心配だぞ。せっかくの最後の飲み会だし、楽しくやろうぜ。」

 蒼真はその言葉に軽く頷き、グラスを手に取った。しかし、どんなに声をかけられても、心の中に浮かぶのはエリカのことばかりだった。あの夜からずっと、エリカに会えていない、そしてその後も何も変わらない現実に、どこかで無力感を感じていた。

「俺、まだちゃんと…気持ちを伝えられてないんだよな。」

 そう思いながらも、蒼真は仲間たちと一緒に乾杯をし、なんとかその場の雰囲気に溶け込もうとした。しかし、心の中では、まだエリカとの距離が縮まっていないことが、どうしても消えなかった。

 その夜、蒼真は何度も何度も、彼女のことを思い出しながら、笑顔を作り続けた。

 いつもの通り、次の日用事があるものは早く帰り、終電間際で解散する面々。吉祥寺に住む自分だけが、足を動かし徒歩で帰宅する。頭はぐわぐわんに酔い、熱気に満ちた夜の街で、さらに全身紅潮させてふらふらと街を歩く。いつもと同じ。いつもと、前と、あの日と、同じ…。

 夜の街は静まり返り、ふとした瞬間に気だるさが込み上げる。体が酔い、足取りも重いが、蒼真の目線はどこか定まらず、歩みは止まらない。その先に見えたのは、古本屋の明かりだった。あの日、初めてこの店に入ったときと同じように、その光が無性に懐かしく、吸い寄せられるように足を運んでいた。

「あの日、あの時と同じだ。」

 そう呟きながら、ふとあの初めての出会いを思い出す。エリカと出会ったあの時の、自分でも信じられないような緊張と心地よさ。店の中の落ち着いた空気と、本の匂いに包まれたあの瞬間が、未だに鮮明に蘇る。

 古本屋にはドアがなく、いつも通り、すぐに中に入ることができた。店内に一歩踏み込むと、薄暗い照明と静かな空間が広がっている。棚に並べられた古本の背表紙が、あの日のように静かに並んでいる。エリカがいた場所も変わらない。しかし、そこには彼女の姿は見当たらなかった。


「エリカ…いるかな?」

 思わず口に出してしまったが、その言葉も空しく響く。蒼真は店内を一通り見渡すが、彼女がいる気配はない。代わりに、あの日のあの笑顔が、どこか遠くからこちらを見つめているような錯覚を覚えた。

「やっぱり、会えないのか。」

 心の中でつぶやきながら、蒼真はその場に立ち尽くした。

 もし、もし今日もこの場所で、本を手に取りパラパラと立ち読みをしながら、数十分、数時間、時間を潰していれば、もしかしたら、エリカがまた現れるかもしれない。そんな淡い期待を胸に、蒼真は本棚にぎっしりと並んだ古本の中から、一冊を手に取った。

 指先で軽くページをめくると、古びた紙の匂いがほんのりと漂う。目の前には、何度も見たことがあるはずの本のタイトルが並んでいるが、今日はそれがどこか新鮮に感じられる。読み慣れた本でさえも、彼女の姿が頭をよぎると、まるでそれが新しい発見のように思えてしまう。

「もし、今日もここで…」

 またエリカが何気ない一言を言って、笑顔で迎えてくれるんじゃないか。そんな期待が胸に浮かぶ。それが叶わないことは、もう十分に理解しているけれど、心のどこかでまだ希望を持っていた。

 ふと、本を手に取ったまま立ち止まり、蒼真は店の奥へと視線を送った。薄暗い店内、いつもの本棚の隙間にエリカがいる気がして、その空間が不意に寂しく感じられた。まるで彼女がここにいるような錯覚にとらわれている自分が、どこか情けなくも感じていた。

「もし、ほんの少しでも…」

 そう考えながら、手にした本を開いた。ページの隅に書かれた文字が目に入り、どこか懐かしさを感じさせる。その文字を目で追いながら、蒼真は無意識のうちに時間を忘れていた。

 読書に没頭していると、突然、レジの方で「ゴホンッ」と大きな咳払いが聞こえた。蒼真はその音に反応し、視線をそちらに向けると、店主の爺さんがじっとこちらを睨みつけていた。普段はこんなことないのに、どうしたんだろう。ちょっとした違和感を覚えながら、蒼真は眉をひそめた。

何だ?…蒼真は心の中で呟く。こちとら常連だし、立ち読みくらい許されて当然だろう。それに、こんなに長く店にいるわけでもないのに、まるで立ち読みでもされるのが嫌だと言わんばかりの視線だった。

 今日はやけに不機嫌そうな爺さんの顔に、蒼真は少し怪訝な気持ちを抱く。今まではこんなことはなかったし、むしろ何度もここで長時間本を読んでいたのに。

「まさか、立ち読みも許さないってか?」

 そう思いながら、目の前にある小説のページを閉じ、軽く息をついた。

 それでも、爺さんが放つ視線の強さに少し気圧され、蒼真は仕方なく本を買うことに決めた。途中まで読んでいたその本を、立ち読みだけでは終わらせず、手に取ってレジに向かう。

「これ、お願いします」

 蒼真は本をレジカウンターに置き、爺さんの不機嫌な顔を見返しながら言った。爺さんは無言で本を受け取ると、黙々と会計を始める。その無言のやり取りに、蒼真は少しモヤモヤとした気持ちを抱えながら、財布からお金を取り出した。

「レシートは?」

 店主の爺さんが低い声で聞いてきた。蒼真は一瞬、驚いたような顔をしたが、すぐに思い直して、軽く首を振った。

「大丈夫です…」

 そう答えると、爺さんは不満そうに息をついて、顔をしかめながら言った。
「今日くらい貰っとけよ。」
その一言に、蒼真は思わず「じゃあ、何で聞いたんだよ」と心の中でツッコみたくなるが、言葉にするのは我慢した。何となく、今日は爺さんの機嫌が悪いのだろうと思ったからだ。

 蒼真は、少しイラつきながらも本をしっかりと手に持ち、レシートと一緒にそれを受け取る。手渡されたレシートを握りしめ、もう一度爺さんの顔を見たが、爺さんは目も合わせず、淡々とした顔をしている。

 そして、そのレシートと共に、白い封筒が一緒に渡されてきた。封筒の口元には、紅茶のカップのデザインのシールが貼られている。それに気付いた瞬間、蒼真は少し驚いた。

「これって…?!」

 つい声に出して言ってしまったが、爺さんは相変わらず無言で、ただ蒼真の手のひらにそれを押し付けるように渡してきた。蒼真は不思議に思いながらも、その封筒を手に取り、軽く中身を確認しようとしたが、爺さんがそれを止めるように一瞬だけ視線を送ってきた。

「嬢ちゃんなあ…辞めたよ。」

 爺さんがぽつりとつぶやいた。その言葉に、蒼真は一瞬、何も言えなかった。頭の中でその言葉が何度も反響し、胸の奥に沈んでいく。やっぱり…と、何となくではあったが予想はついていた。彼女のために開けられていた古本屋の深夜営業。それがここ数日、パッとやらなくなったこと。その必要がなくなったからだ。

「そうですか…」

 蒼真は無意識に息を呑み、呟くようにその言葉を返す。今、すぐにでもその理由を聞きたかったが、爺さんの表情からはそれ以上、何も問いただすことはできなかった。黙ってレジを打つ手が止まり、しばらく店内に重苦しい沈黙が漂う。

「あの!彼女の、矢田さんの辞めた理由とか…分かったりしますか…?」

 蒼真は思わず言葉を投げかけた。古本を購入するだけの関係だった店主の爺さんに、初めて踏み込んだ話をした。しかし、爺さんは一瞬、怪訝そうに蒼真を睨みつけると、まるで話すのも面倒くさそうに重い腰を上げた。

「ほら、さっさと帰ってくれ。今日はもう店終いだ。それから…その紙切れ、ちとばかし開けずに待っとけや」

 爺さんのその言葉に、蒼真は少し驚きながらも、荷物を持って店の外に出る準備を始めた。

 外の空気は少しひんやりとしていて、酔いが冷めるような感じがした。心の中では色々と質問が湧き上がっていたが、爺さんが何も言おうとしないので、蒼真は黙って足早に歩くしかなかった。

 そして、店のドアを閉める音が響いた後、爺さんは振り返りもせずに、ふっと小さな声で言った。

「明日の夜12時に店に来い。まだ退職金を渡してないからな。」

 その一言だけを残し、仏頂面で爺さんはゆっくりと歩き出した。まるで蒼真が何かを知りたがっていたのも気にせず、完全にその場を後にした。

 蒼真はその言葉に困惑しながらも、なんとなく心の中に芽生えた期待を感じていた。「退職金」…一体、それはどういうことなのか。それに「開けずに待っとけや」とは何故なのか。どうして爺さんがそんなことを言ったのか…。手紙の内容が気になりながらも、開けることを渋った。

 その晩、蒼真は古本屋が遠ざかるたびに、あの言葉たちが頭の中で繰り返されるのを感じながら、少しだけ心が動いた。
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