神人

宮下里緒

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7話

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ー櫛泣村、その村に一人の娘がいた。
娘の家は大変裕福だったが娘の顔は大変醜く誰も彼女を嫁にもらおうとしなかった。
娘の両親も、そんな我が子を疎ましく思い親戚の美しい娘を養子とし我が子の様に育てた。
そして次第にその養子を本当に跡取りとしたくなり我が子の殺害を両親は決意しそれを決行する。
首を絞め、その後二度とその醜い顔を見たくないと首を切り落とし岩で潰した。
娘の死には村人たち全員が気づいたがだれもが口を閉ざした。
娘の死など誰もがどうでも良かったのだ。
それからしばらくしてのことだった。
村民が次々に自殺を始めたのは。
その連続自殺は村人を恐怖のどん底に落とす。
なぜなら、その死体はどれも首が切り落とされていたから。
娘の呪いそう噂が広まるまで時間はかからなかった-

大方のあらすじを綾音が読む。
話自体はありきたりなホラー小説。
話自体も突出したものはない。
けれど、その呪いの死に方が今現実で起きている連続不審自殺と似通っていた。
そう自殺という点と首が切り落とされるという部分が。
もちろんそれだけならただの偶然だと片付けてしまうが目に映る黒いモヤその存在がこの本と連続自殺の関係を無関係で済ませては良くないと翼に告げていた。
そんな彼の心情を察してか綾音がさらに続ける。
「連続自殺と無関係ではないと思います。翼さん今まで自殺事件で死んだ人何人か知ってます?」
「確か先日の電車での自殺が四件目だったはずだけど」
「この本でも四件目に死んだ人は電車で死んでいます。そしてその際首だけがちぎれています。前の三件もこの本と同じ様な方法で全て死んでる。偶然とは思えない」
「自殺事件はこの本の通り進行してるって言いたいのか?」
綾音は頷く。
「はい。この本が原因かはわからないけれど、気の本をなぞってるのは間違いないと思います。そして自殺が本に沿って起きているならこの自殺には絶対に誰かの意思が関わっているはず」
だとしたら、ソイツはまともな人間ではないだろうと翼は推測する。
こんな呪いの様なことができる存在それは神人か幽霊かどちらにせよまともな存在ではない。
翼は無意識に先程のアルバムを見る。
蓮木昼夜、現在詳細不明の男。
綾音が神人だということはこの男もその可能性がある。
もしかして彼に人を呪う力があるとすれば連続自殺事件の真相は異能を使った殺人ということになる。
しかし連続自殺事件は各地で起きている。
それだけ広範囲に影響を与えるとなれば彼の力は災害レベルに高いということ。
恐れを込めた目で写真を眺める。
「翼さんは叔父さんが今回に不審死に関わってると思う?」
翼の視線に気づいた綾音がそう尋ねた。
「どうだろうか?可能性はありそうだ少ないものだろうけど」
「私はもっと怪しい人物がいると思いますよ」
綾音は本の側面を指さす。
そこには本のタイトル首斬り姫の名とともに作者の名前は刻まれていた。
ー黒絵聖那ーと。
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