《完結》僕が天使になるまで

MITARASI_

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本編

第十九話 託された箱

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 数日が過ぎ、ようやく落ち着きを取り戻し始めた頃、陽が小さな箱を持って現れた。

「翔太……これ、遥から預かってた」
 差し出された箱を受け取ると、胸の奥がざわついた。

 蓋を開ければ、中には鍵のスペア、薬、小さな袋やメモが丁寧に収められている。
『朝はちゃんと食べて』『寒い日はマフラーを』――どれも翔太のためだけに残された言葉だった。

「……っ」
 翔太の視界が一気に滲む。震える指でメモをなぞりながら、声にならない嗚咽を漏らした。

「……遥は……最後まで俺の未来を考えて……」

 陽は黙ってその姿を見守っていた。心の中で繰り返す。――遥、お前の願いは、ちゃんと届いている。

 翔太は涙に濡れた目で箱を抱きしめた。
「……遥……」
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