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第2章 氾濫
第6話 蒼撃
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何か知らんが、弓使いは西の城壁に行けと言われて移動中。
何でも空を飛ぶ魔物が来るみたいだ。
そいつにはバリスタか何かをぶっ放すそうだが、弱い魔物が大勢押し寄せてくるので弓が有効なんだと説明された。
あれからずっとツンツク達は南門に向かってくる後続達と戦闘中だ。
今も竜巻に巻き上げられた魔物たちが霧散して行く。
南門に待機している冒険者って無駄じゃないかな?
30分くらいの戦闘で魔物たちも大分減ったぜ。
その間ずっとツンツクは魔物の間を飛び回って制圧と攪乱を繰り返している。
ツンツクさん。あんたは漢だ。
家族の為に体を張って最前線でヘイトを一身に稼いでいる。
――――ただな。
魔物たちが格闘ゲームで戦おうとしてるのに、ツンツクだけシューティングゲームしてるように感じるのは俺だけかな?
接近戦の打撃と魔法のミドルレンジが主となるレギュレーションの大会に、一人だけ違う武器でカチコミに来て圧倒している異物感。
ツンツクが近距離で煽るもんだから、よく同士討ちが発生しているしな。
ゴリラみたいな魔物にきれいなダブルクロスカウンターが決まり吹っ飛んだりしてるんだが狙ってるよね?
たまに、わざと空中に止まって打撃を待ってるもんな。
おいおいっ! とうとう全方位に風刃を打ち出し始めたよ。
シューティングの無敵状態じゃないかっ!
ピッピとチッチはたまに攻撃を仕掛けるけど。
オナイギが一鳴きすると攻撃をやめて戻って来る。
この魔物達は残念ながら子供たちの練習扱いだ。
ね? ――南門の冒険者無駄じゃない?
§
「ととさま。すご-いっ!」
青色のピッピがはしゃぐ。
「ととさま。かっこい-っ!」
緑色のチッチがきゃ-とはやす。
「あなた達よく見ていなさい。あれがわたし達ブリリ-ジャの戦い方よ」
オナイギは自らの種族を風颶鳥とは呼ばない。それは人間が付けた名だ。
彼らは古い言葉で光り輝く鳥を意味するブリリ-ジャという名を誇りとともに名乗る。
「あなたはこれから漢として1対1の同族同士の戦いに勝たないといけないのよ。ツンツクの動きを目に焼き付けなさい」
「はい。かかさま」
ピッピは真剣なまなざしでツンツクを見つめる。
「それじゃあ。1対多の練習ね。行ってきなさい」
「はい。かかさま」
そう答えてピッピがモンスターに近づき飛び回りながら攻撃を仕掛ける。
「それじゃあ。あなたはわたしと一緒に広域魔法を練習ね。準備はいい?」
「はい。かかさま」
チッチは魔法の準備を始める。
オナイギの魔法よりは小さな竜巻がモンスターを蹴散らす。
深入りしたピッピを呼び戻すようにオナイギは一鳴きする。
ピ-ヨロッ!
戻ったピッピに声を掛ける。
「あなた。なかなか良かったわよ。さすがツンツクの子ね」
「でしょ。でしょ。でも、ととさまには敵わないな」
ツンツクは休むことなくモンスターの集団の中を切り裂いて飛ぶ。
ある時は直角に曲がり、全方位からの攻撃を嘲笑いかわす。
遠距離から一方的に攻撃することも可能だが、敢えてその距離でモンスターを倒し続ける。
それがツンツク達の種族の流儀だ。
ツンツクは戦いをまとめにかかる。
高速飛行をしながら全方位への風刃攻撃を開始する。
「見なさい。あれがツンツクの必殺技よ。あなたも出来るように努めるのよ」
「ととさま。かっけぇ-っ!! はい。絶対出来るようになるっ!」
オナイギは憧れを含みキラキラ光るピッピの眼差しを温かく見守る。
もう直ぐに巣立ちを迎える我が子へ、父の勇姿がしっかりと焼き付くように。
何でも空を飛ぶ魔物が来るみたいだ。
そいつにはバリスタか何かをぶっ放すそうだが、弱い魔物が大勢押し寄せてくるので弓が有効なんだと説明された。
あれからずっとツンツク達は南門に向かってくる後続達と戦闘中だ。
今も竜巻に巻き上げられた魔物たちが霧散して行く。
南門に待機している冒険者って無駄じゃないかな?
30分くらいの戦闘で魔物たちも大分減ったぜ。
その間ずっとツンツクは魔物の間を飛び回って制圧と攪乱を繰り返している。
ツンツクさん。あんたは漢だ。
家族の為に体を張って最前線でヘイトを一身に稼いでいる。
――――ただな。
魔物たちが格闘ゲームで戦おうとしてるのに、ツンツクだけシューティングゲームしてるように感じるのは俺だけかな?
接近戦の打撃と魔法のミドルレンジが主となるレギュレーションの大会に、一人だけ違う武器でカチコミに来て圧倒している異物感。
ツンツクが近距離で煽るもんだから、よく同士討ちが発生しているしな。
ゴリラみたいな魔物にきれいなダブルクロスカウンターが決まり吹っ飛んだりしてるんだが狙ってるよね?
たまに、わざと空中に止まって打撃を待ってるもんな。
おいおいっ! とうとう全方位に風刃を打ち出し始めたよ。
シューティングの無敵状態じゃないかっ!
ピッピとチッチはたまに攻撃を仕掛けるけど。
オナイギが一鳴きすると攻撃をやめて戻って来る。
この魔物達は残念ながら子供たちの練習扱いだ。
ね? ――南門の冒険者無駄じゃない?
§
「ととさま。すご-いっ!」
青色のピッピがはしゃぐ。
「ととさま。かっこい-っ!」
緑色のチッチがきゃ-とはやす。
「あなた達よく見ていなさい。あれがわたし達ブリリ-ジャの戦い方よ」
オナイギは自らの種族を風颶鳥とは呼ばない。それは人間が付けた名だ。
彼らは古い言葉で光り輝く鳥を意味するブリリ-ジャという名を誇りとともに名乗る。
「あなたはこれから漢として1対1の同族同士の戦いに勝たないといけないのよ。ツンツクの動きを目に焼き付けなさい」
「はい。かかさま」
ピッピは真剣なまなざしでツンツクを見つめる。
「それじゃあ。1対多の練習ね。行ってきなさい」
「はい。かかさま」
そう答えてピッピがモンスターに近づき飛び回りながら攻撃を仕掛ける。
「それじゃあ。あなたはわたしと一緒に広域魔法を練習ね。準備はいい?」
「はい。かかさま」
チッチは魔法の準備を始める。
オナイギの魔法よりは小さな竜巻がモンスターを蹴散らす。
深入りしたピッピを呼び戻すようにオナイギは一鳴きする。
ピ-ヨロッ!
戻ったピッピに声を掛ける。
「あなた。なかなか良かったわよ。さすがツンツクの子ね」
「でしょ。でしょ。でも、ととさまには敵わないな」
ツンツクは休むことなくモンスターの集団の中を切り裂いて飛ぶ。
ある時は直角に曲がり、全方位からの攻撃を嘲笑いかわす。
遠距離から一方的に攻撃することも可能だが、敢えてその距離でモンスターを倒し続ける。
それがツンツク達の種族の流儀だ。
ツンツクは戦いをまとめにかかる。
高速飛行をしながら全方位への風刃攻撃を開始する。
「見なさい。あれがツンツクの必殺技よ。あなたも出来るように努めるのよ」
「ととさま。かっけぇ-っ!! はい。絶対出来るようになるっ!」
オナイギは憧れを含みキラキラ光るピッピの眼差しを温かく見守る。
もう直ぐに巣立ちを迎える我が子へ、父の勇姿がしっかりと焼き付くように。
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