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第6章 罪咎
第35話 抗拒
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顎を狙い近づいた俺にジョシュアさんは衝撃波を発生させた。
楯が自動で俺を守るがそれごと吹き飛ばされて俺は地面を転がる。回転で勢いを殺しバック転で立ち上がる。
今ジョシュアさんが放ったのは、黒狼へ最後に使った必殺技。
それの全方位バージョンだった。
――えっ? 特製の『拘紐くん』が千切られた。
黒狼との闘いの時は引きずっていた足も不自由そうな腕も動きが滑らかだ。
って言うか! 寧ろさっきの闘いがハンデ戦で、今が絶好調のような……。
おいおい。その技連発出来るの? 狡くない?
――ちょっと待て! ジョシュアさん既に第二形態に進化しているぞ! いつなった?
ジョシュアさんの動きを制限する光る楯をその技の連発で吹き飛ばして俺に向かってくる。
俺は全力で距離を取ると『堅牢くん』に逃げ込んだ。ダンジョンでの大猿ラングスウィルの群れ以来の登場だ。
そのドームの中で少し心を落ち着かせる。
すると鳴り響く轟音と振動。
『堅牢くん』の外壁がジョシュアさんの楯の形でへこんでいる。
それが、二つ三つと増えてゆく。そのへこみに剣が突き立てられてジョシュアさんが覗き込んできた。極めつけにシールドバッシュの一撃を喰らわせて強引に中に入ってくる。
俺は『堅牢くん』から逃げ出す。そして――。
すかさず『堅牢くん』のもう一つの機能を作動させる。
その外壁が急激に縮みジョシュアさんの形になる。計画の通り。唯一防具を付けていない頭部のみを晒す。
『堅牢くん』は守るだけの魔道具に有らず、拘束具の機能を持たせていた。
俺は同時に土魔法でその拘束した身体を地中へと埋めて、周りを強固な岩へと変える。
それによりジョシュアさんの頭だけを地上に残した。
初めての好機を逃さず顎を蹴り上げる。
――俺が狙うのは気絶。
だが、その初めての一撃でもジョシュアさんの意識を刈り取るには至らない。
追撃の為に素早く杖を眉間に振り下ろした。
だが、その攻撃より早く再び全方位へ衝撃波が放たれた。地面が爆発して『堅牢くん』と周りの岩が礫となり辺りにまき散らされる。
俺も楯ごと弾き飛ばされて、飛び交う拳大の岩を防ぎきれずに身体中を裂傷を負う。
レベルを上げ終えてないラスボス戦みたいだ。
そして、分かった事。タフなジョシュアさんを俺の攻撃力では気絶させるのが難しい。
――どうする。
分かっていただろ? 俺の力では届かないと。
気合を入れ直せ。まだ、本気度が足らない。無謀と無茶を重ねて初めて同じ舞台に登れる。
――切り札はある。だが、使うのは最後の最後だ。
アノアディス大師からもなるべく使うなと厳重注意を受けた危険な代物だからね。
出来れば俺も使いたくない。
だが、悪い予感がする。ウェン師が伝えてきたあの言葉が頭から離れない。
当たればジョシュアさんでもひとたまりもない筈だ。当たればだけど。
――覚悟はしておけ。その瞬間に日和らないように。
俺は杖の両側に光の刃を発生させる。神器を切ったという来歴の神剣ヴァルカスのレプリカだ。
この刃はアダマンティンすら断つ。――近づいて当たればだが。
それにしても今日は『直観』仕事しねぇな!
楯が自動で俺を守るがそれごと吹き飛ばされて俺は地面を転がる。回転で勢いを殺しバック転で立ち上がる。
今ジョシュアさんが放ったのは、黒狼へ最後に使った必殺技。
それの全方位バージョンだった。
――えっ? 特製の『拘紐くん』が千切られた。
黒狼との闘いの時は引きずっていた足も不自由そうな腕も動きが滑らかだ。
って言うか! 寧ろさっきの闘いがハンデ戦で、今が絶好調のような……。
おいおい。その技連発出来るの? 狡くない?
――ちょっと待て! ジョシュアさん既に第二形態に進化しているぞ! いつなった?
ジョシュアさんの動きを制限する光る楯をその技の連発で吹き飛ばして俺に向かってくる。
俺は全力で距離を取ると『堅牢くん』に逃げ込んだ。ダンジョンでの大猿ラングスウィルの群れ以来の登場だ。
そのドームの中で少し心を落ち着かせる。
すると鳴り響く轟音と振動。
『堅牢くん』の外壁がジョシュアさんの楯の形でへこんでいる。
それが、二つ三つと増えてゆく。そのへこみに剣が突き立てられてジョシュアさんが覗き込んできた。極めつけにシールドバッシュの一撃を喰らわせて強引に中に入ってくる。
俺は『堅牢くん』から逃げ出す。そして――。
すかさず『堅牢くん』のもう一つの機能を作動させる。
その外壁が急激に縮みジョシュアさんの形になる。計画の通り。唯一防具を付けていない頭部のみを晒す。
『堅牢くん』は守るだけの魔道具に有らず、拘束具の機能を持たせていた。
俺は同時に土魔法でその拘束した身体を地中へと埋めて、周りを強固な岩へと変える。
それによりジョシュアさんの頭だけを地上に残した。
初めての好機を逃さず顎を蹴り上げる。
――俺が狙うのは気絶。
だが、その初めての一撃でもジョシュアさんの意識を刈り取るには至らない。
追撃の為に素早く杖を眉間に振り下ろした。
だが、その攻撃より早く再び全方位へ衝撃波が放たれた。地面が爆発して『堅牢くん』と周りの岩が礫となり辺りにまき散らされる。
俺も楯ごと弾き飛ばされて、飛び交う拳大の岩を防ぎきれずに身体中を裂傷を負う。
レベルを上げ終えてないラスボス戦みたいだ。
そして、分かった事。タフなジョシュアさんを俺の攻撃力では気絶させるのが難しい。
――どうする。
分かっていただろ? 俺の力では届かないと。
気合を入れ直せ。まだ、本気度が足らない。無謀と無茶を重ねて初めて同じ舞台に登れる。
――切り札はある。だが、使うのは最後の最後だ。
アノアディス大師からもなるべく使うなと厳重注意を受けた危険な代物だからね。
出来れば俺も使いたくない。
だが、悪い予感がする。ウェン師が伝えてきたあの言葉が頭から離れない。
当たればジョシュアさんでもひとたまりもない筈だ。当たればだけど。
――覚悟はしておけ。その瞬間に日和らないように。
俺は杖の両側に光の刃を発生させる。神器を切ったという来歴の神剣ヴァルカスのレプリカだ。
この刃はアダマンティンすら断つ。――近づいて当たればだが。
それにしても今日は『直観』仕事しねぇな!
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