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第6章  罪咎

第34話  交戦

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 闘いに備えて、俺は『増昇ぞうしょうくん』を起動する。先程観察した戦闘でジョシュアさんはパワーとスピードどちらも俺より上だ。それもレベチで。

 だから俺は備える。思考ブーストをさせるのが『増昇ぞうしょうくん』の効果だ。

 せめて思考速度位は上をいかないと闘いにすらならない。

 十数m離れた場所からジョシュアさんの斬撃が届く。それを自動楯が受け流した。

 あんな埒外に近づいて闘うなんて怖い怖い。

 しかも、反則技の変態剣が実装済みだ。

 まずは中距離攻撃。俺は右手を差し出しアイテムボックスから特大の『集束しゅうそくくん』を打ち出した。

 円錐で1m程のそれがジョシュアさんに向かって飛んでゆく。

 ジョシュアさんが剣で払うが、その瞬間無数の魔道具に別れてその周辺を爆炎が覆う。

 製造理念は集束爆弾。――平たく言えばクラスター爆弾だ。

 地球産の非人道兵器をお見舞いした。すまん。ジョシュアさん。多少な欠損なら治して見せる。

 だがその炎幕を引き剥がすように蒼い鎧が無傷で現れた。

 そして、包囲する光の楯をシールドバッシュで弾き飛ばした。

 俺はバックステップで距離をとり、『集束くん』を乱れ打ちする。

 爆発による酸素欠乏も狙っているんだが、ジョシュアさんには効果が無い。

 対スタンピード用に開発した兵器で、俺の札の中でも高威力なんだが。効きませんか。

 大木を折り、地形が変るほどの威力なんだが。

 次の札は拘束だ。既に逃げながらバラまいている。

 ジョシュアさんが近づくと大量の括り紐が出現し身体に撒きつき動きを阻害する。

 アダマンティンとミスリルをった特製ワイヤーはそう簡単には切れないぜ。

 そのワイヤーは地中深くの層と同化させたアンカーと繋がり身体を固定した。

 ダメ押しで『閃音せんおんくん』を放つ。光と爆音で気絶させるスタングレネードだ。

 身体、視覚、聴覚を縛り、俺は初めて近距離まで寄りじょうを振りぬいた。

 ――あごを打ち抜くように。
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