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第6章 罪咎
第72話 奈落
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――――街
エステラからは界域異空の家に泊まれと言われたが、女の子二人の家にお邪魔するのもどうかと思って断った。
俺が宿を取ると言うとエステラ達もついて来た。俺は一人部屋へ。彼女は二人部屋を取った。そこで界域異空に入るという。明日の打ち合わせを軽くすませて別れる。
そして、俺は部屋へと入った。ドアをロック魔法で施錠し備え付けの机の上に俺の界域異空を置く。ウェン師の程広くはないが、一応俺も作れる。中にはこじんまりした一軒家がある。温泉付きだぞ。まぁ。俺はテントが割と好きだから使う事はあまり無いが。何しろジョシュアさんから貰った大切なテントだ。綻びは補修して使っている。
俺は界域異空にある家に入り。誰も来ることの無いドアを魔法でしっかりと施錠した。
そして――
膝が抜けたように蹲り嗚咽を漏らした。
もう。我慢しなくてもいいよね。ジョシュアさん。誰にも見られない場所なら泣いたことにならないかな。
あなたに褒めてもらいたくて、地球の知識を広めました。あなたへ自慢したくてエルフの森へ行ってキノコをコブリンに伝えました。あなたと話がしたかった。俺の話を聞いてもらいたかった。あなたと酒を飲みたかった。あの時の恩を返したかった。
嗚咽は慟哭へと変わる。
出来る範囲で可能な限り隣人を助けるお呪いを自慢にしていたんです。あなたとお揃いだから、俺はあなたに褒めてもらえる事を為せたでしょうか? 恩を仇で返した俺が。生きる価値はあるのでしょうか。
――床に拳を打ち付ける。
くそぁがぁー。
誰かになじってもらいたい。俺は小さい人間だから。悪くないと言われたくない。それを許容しそうだから。簡単に許すんじゃねぇよ。誰も責めないなら自分で罰するしかないじゃないか。大好きな人だったんだぞ。命の恩人だぞ。助けなければいけない人だった。
モルトが背中に抱きついた。
モルト。優しくしないでくれよ。格好悪い俺を軽蔑してくれ。何も為せなかった俺を。
モルトがイヤイヤをするように首を振った。大好きだという感情が伝わってくる。
エステラからは界域異空の家に泊まれと言われたが、女の子二人の家にお邪魔するのもどうかと思って断った。
俺が宿を取ると言うとエステラ達もついて来た。俺は一人部屋へ。彼女は二人部屋を取った。そこで界域異空に入るという。明日の打ち合わせを軽くすませて別れる。
そして、俺は部屋へと入った。ドアをロック魔法で施錠し備え付けの机の上に俺の界域異空を置く。ウェン師の程広くはないが、一応俺も作れる。中にはこじんまりした一軒家がある。温泉付きだぞ。まぁ。俺はテントが割と好きだから使う事はあまり無いが。何しろジョシュアさんから貰った大切なテントだ。綻びは補修して使っている。
俺は界域異空にある家に入り。誰も来ることの無いドアを魔法でしっかりと施錠した。
そして――
膝が抜けたように蹲り嗚咽を漏らした。
もう。我慢しなくてもいいよね。ジョシュアさん。誰にも見られない場所なら泣いたことにならないかな。
あなたに褒めてもらいたくて、地球の知識を広めました。あなたへ自慢したくてエルフの森へ行ってキノコをコブリンに伝えました。あなたと話がしたかった。俺の話を聞いてもらいたかった。あなたと酒を飲みたかった。あの時の恩を返したかった。
嗚咽は慟哭へと変わる。
出来る範囲で可能な限り隣人を助けるお呪いを自慢にしていたんです。あなたとお揃いだから、俺はあなたに褒めてもらえる事を為せたでしょうか? 恩を仇で返した俺が。生きる価値はあるのでしょうか。
――床に拳を打ち付ける。
くそぁがぁー。
誰かになじってもらいたい。俺は小さい人間だから。悪くないと言われたくない。それを許容しそうだから。簡単に許すんじゃねぇよ。誰も責めないなら自分で罰するしかないじゃないか。大好きな人だったんだぞ。命の恩人だぞ。助けなければいけない人だった。
モルトが背中に抱きついた。
モルト。優しくしないでくれよ。格好悪い俺を軽蔑してくれ。何も為せなかった俺を。
モルトがイヤイヤをするように首を振った。大好きだという感情が伝わってくる。
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