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第6章 罪咎
第89話 彼奴
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情報の断片では、話が繋がらない。認識する知識量の違いで抽象的に聞こえる。俺は意を決してそれを尋ねた。
「私はこちらで何を受け取れるのでしょうか? そして、何を為すことを求められたのでしょう」
(ふむ。――使いではなく。理さえ知らぬ人形であったか。それすらも彼奴の思惑の一部。今ここに来たことに意味があるのだろう。お主には知る資格と権利がある。良かろうとも何を知りたいのだ。五つまで一つの質問に一つの答えをやろう。だが、我にも彼の者との約定がある。それに触れぬように言葉を伝える)
俺が意識を取り戻した処であり原点。ここの疑問から始めるか。
「この場所はダンジョンですか?」
(是であり非であろう。ここは源初の森と呼ばれておる。世界が始まった場所だ。ダンジョンという概念で語るには満ちる力が濃厚過ぎる。水面と深海が同じ海であり、在りようが違うが如く)
広義ではダンジョンだが、ダンジョンの定義には収まらないって事か?
「――始まった。それは創造神によってという事ですか?」
(うむ。すまぬがその質問には答えられん。次の問答に移れ)
思わず疑問が口に出た。でも答えは聞けず。
なら、次は俺自身の謎だ。
「それでは私がナンなのかをご教示下さいませ」
俺がこの世界に連れてこられた理由と期待されている事。まぁ。それに応えるかは分からないが。俺は好きに生きると決めている。
(其方は可能性だ。因果をかき廻し、普遍的に変革させる。善し悪しは関係なく絶えず振られる賽の目とでも言い換えるか。その目は乱数で世を未来の様を変容させる)
掻き混ぜる者の意味はどうやら分かった。双六代わりの玩具かよ。いい気はしないね。
じゃあ決定的なあいつの事だ。
「――アールカとは何者ですか?」
「私はこちらで何を受け取れるのでしょうか? そして、何を為すことを求められたのでしょう」
(ふむ。――使いではなく。理さえ知らぬ人形であったか。それすらも彼奴の思惑の一部。今ここに来たことに意味があるのだろう。お主には知る資格と権利がある。良かろうとも何を知りたいのだ。五つまで一つの質問に一つの答えをやろう。だが、我にも彼の者との約定がある。それに触れぬように言葉を伝える)
俺が意識を取り戻した処であり原点。ここの疑問から始めるか。
「この場所はダンジョンですか?」
(是であり非であろう。ここは源初の森と呼ばれておる。世界が始まった場所だ。ダンジョンという概念で語るには満ちる力が濃厚過ぎる。水面と深海が同じ海であり、在りようが違うが如く)
広義ではダンジョンだが、ダンジョンの定義には収まらないって事か?
「――始まった。それは創造神によってという事ですか?」
(うむ。すまぬがその質問には答えられん。次の問答に移れ)
思わず疑問が口に出た。でも答えは聞けず。
なら、次は俺自身の謎だ。
「それでは私がナンなのかをご教示下さいませ」
俺がこの世界に連れてこられた理由と期待されている事。まぁ。それに応えるかは分からないが。俺は好きに生きると決めている。
(其方は可能性だ。因果をかき廻し、普遍的に変革させる。善し悪しは関係なく絶えず振られる賽の目とでも言い換えるか。その目は乱数で世を未来の様を変容させる)
掻き混ぜる者の意味はどうやら分かった。双六代わりの玩具かよ。いい気はしないね。
じゃあ決定的なあいつの事だ。
「――アールカとは何者ですか?」
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