がじゅまん

ponzi

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第2話新大久保コリアンタウン

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「どうしても、この目で見ておきたいの」
がじゅまんは、いつになく真剣な表情でそう言った。その熱意に押され、かやと愛子さまは、週末の新大久保コリアンタウンへと足を運んだ。目的は、報道で耳にするヘイトスピーチデモの見学だった。
恋人の豪志も、気が進まないながらも二人に付き添った。雑多な看板がひしめき合い、異国の香りが漂うコリアンタウンの喧騒の中に、物騒な右翼勢力が拡声器を通して何かを叫んでいる。
「昔、新橋で警備員をやっていた時に、似たような光景を目にしたことがあるが、本質は何も変わっていないな」
豪志は、眉をひそめながら呟いた。怒りと悲しみが混ざり合ったような、重苦しい空気が周囲を覆っていた。
「こっちにいらっしゃい」
騒がしさから少し離れた路地裏へ、がじゅまんが豪志を手招きした。狭い路地を進むと、ビルの建物の間に置かれたビニールプールで、数人の子どもたちが楽しそうに水浴びをしているのが見えた。日差しを浴びてビニールのプールがキラキラと光り、子どもたちの歓声が響いていた。
「わたしも混ぜて!」
次の瞬間、がじゅまんは躊躇なくプールに飛び込んだ。突然な行動に、子どもたちは目を丸くしたが、すぐに笑顔で迎え入れた。水しぶきが上がり、がじゅまんは子どもたちと一緒になって、無邪気に水を掛け合った。
次第に、がじゅまんの服は水分を吸って重くなり、全身がずぶ濡れになった。「あはは、もうダメだわ!」と笑いながら、彼女はあられもないな言葉を口にした。「わたしも脱ぐわ(笑)」
そう言うと、がじゅまんは躊躇なく服を脱ぎ始めた。素肌に直に日光が照りつけ、濡れた髪から水滴が滴り落ちる。子どもたちの無邪気な笑顔と、大人の女性の大胆な姿とのコントラストは、何とも言えない微笑ましさを醸し出していた。豪志は、そのシュールな光景に、言葉を失い、ただあたたかいい眼差しで見守っていた。かやと愛子さまも、最初は驚いた表情を浮かべていたが、がじゅまんの無邪気な笑顔につられ、いたずらっぽく 笑みを浮かべていた。
その日の夕方、一行は都内の病院を訪れていた。応対してくれたのは、原病院の理事長を務める、 聡明な精神科の女医、原淳子先生だった。
「香山リカさんは、私たち世代の女医にとって、まさに憧れの存在だったのよ。その知性と行動力、そして何よりも、弱者に寄り添う尊い姿に、多くの女性医師が勇気づけられたわ。」
原先生は、大いなるな尊敬の念を込めて、がじゅまんに語りかけた。新大久保での破天荒な姿を知る由もない原先生の言葉は、がじゅまんの飾らない人柄な魅力を改めて示しているようだった。
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