三味線声優 しゃみきちとももの物語

桃香

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23.ご飯会

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ソーラン節を毎日1時間練習する日々。
たるとの朝練の時は練習の成果をみせます。

「うんにゃ。だいぶ形になってきたにゃ。
その調子で練習しててにゃ。」

今日のたるは何だか忙しそう。

「たる?今日は何かあるの?」

「向こうの世界に早く帰らなくちゃいけなくてにゃ。」

「大変な事になってるの?」

「うんにゃ。
こっちのももちゃんがヤル気になってるから向こうの君が焦ってるのかもにゃね。」


そう言うと空中に上がって風のように消えました。
たるってすごいなあ。。って思いながら、
空を眺めていたら、いちこちゃんから電話。

「ももちゃん?いちこです。
今日時間ありますか?一緒にご飯に行きたくて。」

「いいよ。いちこちゃん!」

あの事があって以来、バイトのシフトも合わなくて
いちこちゃんに会うのは久しぶりです。

いちこちゃんとはじゅんきーがいた時にもみんなで
よく通ってた、ガブトで待ち合わせ。

「ももちゃん~。ごめんね、急に呼んじゃって。」

「いいよ、いいよ。どんどん呼んで。」

「うん。
ところでじゅんきーさんは無事に岡山に帰ったの?」

「帰ったよ。元気そうに見えたから、
そのまま病気にも打ち勝ってくれたらいいな。」

「勝つよ!
だってあんなに笑顔でたくさん話して、
じゅんきーさん元気だなあって思ったもん。いちこよりも。」

「確かに。」

私達はじゅんきーの話をしながら大笑いしました。


「ももちゃん。。
あの時、夢みてたのかなぁ。。ねこ?たぬき。。かな?
ももちゃんと話してたようなぁ、、?」

「えっ??」

「ごめん、ごめん!
変な事を言って。気にしないで、忘れて~。」

「、、、。」

「ももちゃん?」

びっくりしちゃった。いちこちゃんは寝ていた訳じゃなかった。
たるもそう言ってた記憶がよみがえってきました。
だけど、じゅんきーは覚えてなかったのに。。
どういう事なんだろう??

「ももちゃん?大丈夫?」

「あっごめんね。
えーと。。あれは。。。」

「、、、?」


「ねこです。」


思わず言っちゃいました。。てへっ。
まぁ~いいかな。
ねこのたるが師匠で三味線教えてもらってる、摩訶不思議な状況に半ばもぅいいやーって気持ちもあって。。
それに、たるは誰にも言うな~とか言ってないしね。

「えっえーえー。
ねこなんだあ~たぬきかと思ったよ。」

いちこちゃん笑ってる。。

。。。


「えーツッコむところ。。
そこーかいーって。」


「ん?
そんなことより、ももちゃんがねこと話す事が出来る
能力者だったとは。。」

「えっと。。?いちこちゃん?」

「はい?
ねことは話せないよ。あれはたるって言うねこで、、
何って言えば良いのかな?ねこじゃないような違う世界から
来て。。あああああー。」

「大丈夫。内緒なんだね。私も話したいなあ。」

「うっうん。話せるといいね、、ははは」


今日分かった事、いちこちゃんは天然だった。






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