三味線声優 しゃみきちとももの物語

桃香

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42.夢の中

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『やめたくないよー』

『最後のライブは誰も来なかったし、撮影会も君の前だけ
誰もいなかったじゃないかっ!』

『笑えるー』

『アレってトドみたい~笑』

『キモい~笑』

『はははは』

『そろそろ本気で考えてみよう。見てるこっちが辛くなるよ』

....................................

ぐわぁ!!


はぁはぁはぁ…深夜2時....

夢?何だっの?辛くて悲しくて、、胸が締め付けられる、、。

痛い。イタイよ。。

私、、、泣いてる。。

これが向こうの私が経験した事なの?

.........................

「おーい!ももちゃん!今日たるんでるにゃ!!」

あっ朝練の時間だった。
今朝の夢が気になってからなかなか三味線に身が入らなくて。。

「ごめんね」

「ももちゃん、新節が難しいのかにゃ?
あれは難しいんだから落ち込む必要はないにゃ。だって
じょんから節の新節は習って4年ぐらいの方がやると言ってもいいぐらいのを今やってるんだからにゃ」

「あっそうだったの?ありがとう、たる。
でも大丈夫だよ。ごめんね」

「ももちゃん他に何かあったの?」

「いちこちゃんもごめんね。
ちょっと今朝変な夢を見たから…」


すると急にたるとしゃみきちと何か話をはじめた。


『うん。向こうの世界のあの人だった』

『そうかにゃ。』

『僕あの人を助けたい』

『しゃみきち、、。たるも助けたいにゃ!』

.........


「たる!しゃみきち!あの夢が何か分かるの?」

「あっあれは...向こうの世界の君が経験した事が夢を通じてももちゃんに流れこんできたんだにゃ」

「酷い、、。あんな酷い事が、、、。」

「向こうの世界の君はいつも苦しんでるにゃ」

「あんな辛い経験したら変になっちゃうよ」

「だけど、、、だけどにゃ、、、」

すると、しゃみきちの声が頭に入ってきました。

「そんな弱い心じゃダメなんだよ!だって、だって、
しゃみきちを弾いてくれてた時、練習してた時、嬉しい事もあったのに、、、」

「しゃみきち、、、。
そうだにゃ。ユニットでファンがいなくて辛かった時もあの2人は公園で練習してそこにいた人達を笑顔にしてたんだにゃ。
辛いばかりじゃないんだにゃ」

たるとしゃみきちは悲しそうにうつむいたままでした。

「ももちゃん、たるちゃん、しゃみきちさん。
いちこは向こうの世界のじゅんきーの守護動物で全部見てたけど
まだチャンスはあるよ」

「いちこちゃん」

「向こうの世界でじゅんきーはいなくなって悲しい経験が
あの人をさらに闇に覆ってしまったけど、こっちの世界では生きてるじゃない!会う事も話す事も出来るじゃない!」

「そうだにゃ。
このストーリーはまだまだ始まったばかり。
続くのも辞めるのもみんなの応援やももちゃん次第なんだにゃ」

「ももちゃんはどうしたい?」

「いちこちゃん。。
私はまだやりたい!このストーリーがどうなるか分からないけど
まだまだやりたい!」

「ありがとうにゃ。」

「いちこもまだまだやらせて下さい」

私達は改めて目標を新たにしました。
このストーリーがどうなるか分からいけど、向こうの世界やあの人を救う為にそれに夢を追いかけてそこで出会ったみんなを
思い出してもらいたい。キラキラしてたあの時の事を、、、。



☆☆☆
ももLevel 3
三味線Level 3
勇者Level 2

変わらず。












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