1 / 1
ねことわたし
しおりを挟む
今日は暇だった。
せっかくの日曜日も、デートの予定もなし! 友達とショッピングモールに行く予定も、こんな静岡の片田舎の芋臭いじょしこーせーには関係なし。
やることと言えばイーターネットでテレビドラマを見ることくらいだ。布団に転がりながら、スマホを眺める。あぁ、レクター様ってかっこいい。
そんなわたしの静寂を破る不吉な魔王の声。
「美希ー! ちょっとサイカマートまで牛乳買いに行って来てー!」
もとい、我が家の女帝ことお母さんの声が家中に響く。
「えー! やだー!」
「じゃああんたの夕飯抜きねー!!」
「えー!」
何と言う独裁者だ。権力を乱用し、市民の悲痛な叫びを捻り潰すなんて。
「あ、あとお豆腐と乾燥わかめも買って来てー」
「……ふぁーい」
こうして市民は独裁者の犠牲になるしかないのだ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
いつもの田舎道をテクテク歩いてサイカマートに行く。お茶の棚田が綺麗だってわざわざこの辺に観光に来る人も居るらしいくらいだ。でも毎日眺めていれば飽きも来るというものだ。
サイカマートへは歩いて20分くらい。かったるいなーと思ってると、農道の脇にもふもふの真っ白ねこが立っていて、私に気づくと、トトトと小走りで私の目の前を横切った。
黒猫が横切ると不吉ってゆーから、白猫が横切るともしかしてラッキー? 何て事を考えてると、さっきの猫が立ち止まってこっちを見てる。
「なんだーおまえーさみしいのかー」
周りに誰もいないのを確認してからわたしは猫に話しかけた。さすがに、猫に話しかけてるところを他人に見られちゃ恥ずかしいからね。
わたしの声を聞くと、猫はにゃんにゃん返事した。
猫の後を付いてくと、猫はまた歩き出した。数分そのまま歩いてたら、近所の神社に着いた。
「ほー、ここが君んちなのかね?」
わたしがそう言うと猫はまたにゃんにゃん。可愛いじゃねぇかこいつ……。
そんなふやけかけたわたしを尻目に、猫は何かをジーッと見てる。その目線の先にあるのは猫じゃらしだ。
「さては遊んでほしいんだなぁ?」
にゃんにゃんにゃん!
猫は食い気味に返事をした。なるほど、そういうこんたんだったのか。わたしは猫じゃらしを1本引っこ抜くと、猫の前でチラチラゆらしてみた 。
ふにゃーん!
猫は食い気味に猫パンチを繰り出した。右ジャブ、左ジャブ、からの右ストレート!
ブラボー、これで世界チャンピョン間違いなしだよ、猫よ。
そんなこんなで30分くらい猫と遊ぶと、猫は満足したのかまったりしだした。そして、ゆっくり歩き始めて神社の裏の方へ行くと、立ち止まって『こっち来いよ』的な顔でわたしを見つめて来た。
「なんだなんだ、そこになにかあるのかね?」
わたしが猫のところに行くと、そこにはなんと500円玉が落ちていた。
「も、もしてわたしにこれをくれるの?」
わたしがそう聞くと、猫はにゃーんと返事をした。なんという賢い猫なんだ。というか賢すぎるだろ。妖怪か何かかと思ったけど、どちらにせよご厚意はありがたく頂戴する事にした。
「ありがとねー! また遊ぼーね!」
わたしがそう言うと猫はやっぱりにゃーんと鳴いた。
わたしはホクホクした気持ちで家で帰った。
買い物するの忘れたわたしは、危うく夕飯抜きになるところだったのであった……。おしまいおしまい。
せっかくの日曜日も、デートの予定もなし! 友達とショッピングモールに行く予定も、こんな静岡の片田舎の芋臭いじょしこーせーには関係なし。
やることと言えばイーターネットでテレビドラマを見ることくらいだ。布団に転がりながら、スマホを眺める。あぁ、レクター様ってかっこいい。
そんなわたしの静寂を破る不吉な魔王の声。
「美希ー! ちょっとサイカマートまで牛乳買いに行って来てー!」
もとい、我が家の女帝ことお母さんの声が家中に響く。
「えー! やだー!」
「じゃああんたの夕飯抜きねー!!」
「えー!」
何と言う独裁者だ。権力を乱用し、市民の悲痛な叫びを捻り潰すなんて。
「あ、あとお豆腐と乾燥わかめも買って来てー」
「……ふぁーい」
こうして市民は独裁者の犠牲になるしかないのだ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
いつもの田舎道をテクテク歩いてサイカマートに行く。お茶の棚田が綺麗だってわざわざこの辺に観光に来る人も居るらしいくらいだ。でも毎日眺めていれば飽きも来るというものだ。
サイカマートへは歩いて20分くらい。かったるいなーと思ってると、農道の脇にもふもふの真っ白ねこが立っていて、私に気づくと、トトトと小走りで私の目の前を横切った。
黒猫が横切ると不吉ってゆーから、白猫が横切るともしかしてラッキー? 何て事を考えてると、さっきの猫が立ち止まってこっちを見てる。
「なんだーおまえーさみしいのかー」
周りに誰もいないのを確認してからわたしは猫に話しかけた。さすがに、猫に話しかけてるところを他人に見られちゃ恥ずかしいからね。
わたしの声を聞くと、猫はにゃんにゃん返事した。
猫の後を付いてくと、猫はまた歩き出した。数分そのまま歩いてたら、近所の神社に着いた。
「ほー、ここが君んちなのかね?」
わたしがそう言うと猫はまたにゃんにゃん。可愛いじゃねぇかこいつ……。
そんなふやけかけたわたしを尻目に、猫は何かをジーッと見てる。その目線の先にあるのは猫じゃらしだ。
「さては遊んでほしいんだなぁ?」
にゃんにゃんにゃん!
猫は食い気味に返事をした。なるほど、そういうこんたんだったのか。わたしは猫じゃらしを1本引っこ抜くと、猫の前でチラチラゆらしてみた 。
ふにゃーん!
猫は食い気味に猫パンチを繰り出した。右ジャブ、左ジャブ、からの右ストレート!
ブラボー、これで世界チャンピョン間違いなしだよ、猫よ。
そんなこんなで30分くらい猫と遊ぶと、猫は満足したのかまったりしだした。そして、ゆっくり歩き始めて神社の裏の方へ行くと、立ち止まって『こっち来いよ』的な顔でわたしを見つめて来た。
「なんだなんだ、そこになにかあるのかね?」
わたしが猫のところに行くと、そこにはなんと500円玉が落ちていた。
「も、もしてわたしにこれをくれるの?」
わたしがそう聞くと、猫はにゃーんと返事をした。なんという賢い猫なんだ。というか賢すぎるだろ。妖怪か何かかと思ったけど、どちらにせよご厚意はありがたく頂戴する事にした。
「ありがとねー! また遊ぼーね!」
わたしがそう言うと猫はやっぱりにゃーんと鳴いた。
わたしはホクホクした気持ちで家で帰った。
買い物するの忘れたわたしは、危うく夕飯抜きになるところだったのであった……。おしまいおしまい。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる