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第一章
第二王子 4
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朝食を食べ終え中庭に出る。さっきよりも日が昇っていて暖かい
「さてと、食後の軽い運動ということでまずは防御魔法と行こうか。まず壁を創ってみろ」
「はい!」
目を閉じて鼻から大きく息を吸い込み口からゆっくり吐き出す
肩の力を抜いて指先から流れてくる自然のエネルギーを感じる
空を掴むように手を動かし体の前に両手を広げ呪文を唱える
「壁創魔法!」
すると目の前に半透明の物体が出来上がった
だが身を守るための壁にしては低く、腰のあたりまでしかない
もっと高くしようと右手の平を天に向けて上げようとしたら肩に力が入ってしまう
それと同時に物体がひび割れ崩れてしまった
「惜しいねぇ~。じゃあ今度はそれをまとってみろ」
先ほど同様息を整え、今度は自然のエネルギーを身にまとうよう意識する
「障壁魔法!」
呪文を唱えたと同時半透明の物体が体を拘束した
身動きが取れなくて固まっていると師匠が指をパチンと鳴らし体に張り付いたバリアを解除してくれる
膝から崩れ落ちて肩で息をしていると師匠が近づいてきて話始める
「ツヴァイ、お前さんは気張り過ぎなんだ。本来魔法は適当でいいんだよ、想像して創造する」
しゃべりながら右手だけをひらひらとさせ2人を囲むように半透明な壁を創り上げていく
それは高くあっという間に外の世界と隔離される
最後に手を自分に差し出したかと思うと薄い膜が体を包み込む
「ほれ、慣れれば呪文を唱えなくてもいいだろう?」
「はい…」
「もっといい加減に生きてみなさい」
「精進します」
「はっはっはっはっは。まぁそこがお前さんの長所なんだがな」
悔しくて唇をきゅっと締める
「さて続いては攻撃魔法だ。わしは動かないから一発でもいい、当ててみろ。できないならせめて周りの壁を壊して外に出てみろ」
「はい!」
懐から杖を取り出す
踵を揃えて左手を背中に回し、胸の前に杖を構える
”想像して創造する”心の中で師匠の言葉を何度も反芻した
「はっ!」
右足を前に出したと同時に杖を一突き
師匠目掛けて突風が吹き荒れ土埃が上がる
だが彼は穏やかな顔で立っているだけ
「おぉ、涼しい涼しい」
小馬鹿にされた気がしてムッと唇を尖らせ眉間に皺を寄せる
「燃える竜巻!」
左手で空を撫で師匠に向かって杖をもう一突き
今度は竜巻を発生させその中に炎魔法を加える
だが竜巻は師匠の方へ行かず明後日の方向へ行ってしまった
「はっはっはっはっは、気張るなと言ったろう?」
明後日へ行った竜巻は師匠の創った壁に当たりはしても傷付けることすらできていない
「ツヴァイ、進歩どころか年々退歩していってないか?」
痛いところ突かれて黙り込む。自分でも思い悩んでいたことだ
昔は師匠とも楽しく稽古していたのにいつの間にか思う様に魔法が使えなくなっていた
「アインの病に比例して期待されるようになり、お前さんの生活は大きく変化しただろうな。だが気持ちを犠牲にしてまで大人になる必要はないよ。ゆっくり成長していけ」
「…うん」
そうだ、いつまでもくよくよしていられない
今日の舞踏会で正式に王位継承者として発表されるのだから
「うむ、いい返事だ。さてお昼前にはここから出たいんだがな~」
「あんま焚きつけるなよじじぃ!」
右手の動きに合わせて左手でバランスを取りながらひらひらさせる
時に人差し指と中指をくいっとさせて地面から根っこや植物を生やし師匠を捕まえようとするが叶わない
何発と攻撃を繰り返してもどれも当たらない
「わっはっは、昔はよくそう呼んでくれたなぁ。懐かしいよ」
確かに懐かしい。昔を思い出して久しぶりにはしゃいだ
思う存分に魔法を放ちいつの間にか壁も壊れていて師匠と追いかけっこをしていた
*杖*「杖」と呼びましたがダガーの形をした物をイメージしています
「さてと、食後の軽い運動ということでまずは防御魔法と行こうか。まず壁を創ってみろ」
「はい!」
目を閉じて鼻から大きく息を吸い込み口からゆっくり吐き出す
肩の力を抜いて指先から流れてくる自然のエネルギーを感じる
空を掴むように手を動かし体の前に両手を広げ呪文を唱える
「壁創魔法!」
すると目の前に半透明の物体が出来上がった
だが身を守るための壁にしては低く、腰のあたりまでしかない
もっと高くしようと右手の平を天に向けて上げようとしたら肩に力が入ってしまう
それと同時に物体がひび割れ崩れてしまった
「惜しいねぇ~。じゃあ今度はそれをまとってみろ」
先ほど同様息を整え、今度は自然のエネルギーを身にまとうよう意識する
「障壁魔法!」
呪文を唱えたと同時半透明の物体が体を拘束した
身動きが取れなくて固まっていると師匠が指をパチンと鳴らし体に張り付いたバリアを解除してくれる
膝から崩れ落ちて肩で息をしていると師匠が近づいてきて話始める
「ツヴァイ、お前さんは気張り過ぎなんだ。本来魔法は適当でいいんだよ、想像して創造する」
しゃべりながら右手だけをひらひらとさせ2人を囲むように半透明な壁を創り上げていく
それは高くあっという間に外の世界と隔離される
最後に手を自分に差し出したかと思うと薄い膜が体を包み込む
「ほれ、慣れれば呪文を唱えなくてもいいだろう?」
「はい…」
「もっといい加減に生きてみなさい」
「精進します」
「はっはっはっはっは。まぁそこがお前さんの長所なんだがな」
悔しくて唇をきゅっと締める
「さて続いては攻撃魔法だ。わしは動かないから一発でもいい、当ててみろ。できないならせめて周りの壁を壊して外に出てみろ」
「はい!」
懐から杖を取り出す
踵を揃えて左手を背中に回し、胸の前に杖を構える
”想像して創造する”心の中で師匠の言葉を何度も反芻した
「はっ!」
右足を前に出したと同時に杖を一突き
師匠目掛けて突風が吹き荒れ土埃が上がる
だが彼は穏やかな顔で立っているだけ
「おぉ、涼しい涼しい」
小馬鹿にされた気がしてムッと唇を尖らせ眉間に皺を寄せる
「燃える竜巻!」
左手で空を撫で師匠に向かって杖をもう一突き
今度は竜巻を発生させその中に炎魔法を加える
だが竜巻は師匠の方へ行かず明後日の方向へ行ってしまった
「はっはっはっはっは、気張るなと言ったろう?」
明後日へ行った竜巻は師匠の創った壁に当たりはしても傷付けることすらできていない
「ツヴァイ、進歩どころか年々退歩していってないか?」
痛いところ突かれて黙り込む。自分でも思い悩んでいたことだ
昔は師匠とも楽しく稽古していたのにいつの間にか思う様に魔法が使えなくなっていた
「アインの病に比例して期待されるようになり、お前さんの生活は大きく変化しただろうな。だが気持ちを犠牲にしてまで大人になる必要はないよ。ゆっくり成長していけ」
「…うん」
そうだ、いつまでもくよくよしていられない
今日の舞踏会で正式に王位継承者として発表されるのだから
「うむ、いい返事だ。さてお昼前にはここから出たいんだがな~」
「あんま焚きつけるなよじじぃ!」
右手の動きに合わせて左手でバランスを取りながらひらひらさせる
時に人差し指と中指をくいっとさせて地面から根っこや植物を生やし師匠を捕まえようとするが叶わない
何発と攻撃を繰り返してもどれも当たらない
「わっはっは、昔はよくそう呼んでくれたなぁ。懐かしいよ」
確かに懐かしい。昔を思い出して久しぶりにはしゃいだ
思う存分に魔法を放ちいつの間にか壁も壊れていて師匠と追いかけっこをしていた
*杖*「杖」と呼びましたがダガーの形をした物をイメージしています
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