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第二章
旅の始り 4
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女子2人を馬に乗せ、自分とタークは歩くことにした
森の中を大分歩いたが魔物に会わずに済んでるのはクリスタのお陰である
チェーンに繋がれた水晶を振子のようにすることで安全な道を示してくれるらしい
「ねぇねぇ~クリスタちゃんはなんで一緒に来たいって言ったの~?」
いつ訊こうか悶々としていた疑問をタークがあっけなくクリスタに訊ねた
「えっと…、お婆様に言われたんです…”始りの地で眠りたい”と…」
「始りの地ってどこにあるの?」
始りの地、クリスさんから貰った地図にそんな名前はなかったはず
「西にあるそうです。妖精の森を抜けた更の奥深く…」
「ふ~ん、妖精の森の奥深くね~」
頭の後ろに手を組んでつまらなそうにタークが呟いて先へ行ってしまう
クリスタを見上げて話を続ける
「ここからは遠いのかい?」
「はい…お婆様が亡くなって…荼毘に付した後、そこを目指したんですがたどり着けなくて…気持ちが沈んで行く当てを失くした時天然石に戻るように言われたので引き返したんです」
いつ向かったかはわからないが、クリスタの沈み具合を見るに長い間探し求めてたどり着けなかったようだ
「それでここ数日訪ねても誰も居なかったんだね」
「はい…すみません」
「ううん、大丈夫だよ。もう一つ訊いていい?」
「はい、なんでしょうか?」
言ってから後悔した。あまりにデリケートな質問だった、でも少しでも彼女を理解したいと思っていた
「…お婆さんが亡くなった時、どうして村の人に助けを求めなかったの?」
「お婆様は魔女になりたかったんです…最期くらい夢を叶えて上げたかったんです…」
「そうなんだ…」
魔女の理はわからないが、自分と変わらない歳の少女には重荷に見えていたたまれない気持ちが胸を重くする
沈黙が訪れ2人俯いてしまう。遠くでタークがライアーを奏でる音が聞こえる
暫くして馬の落ち着きがなくなると同時にクリスタが口を開いた
「前方から魔物が3、いえ4体がこちらに接近してきます!」
「急いで回避を!」
馬の上でバランスを取りながらクリスタが言う、前を歩くステラとタークに回避するよう伝えるがすぐに否定される
「ツヴァイさん無理です、すぐそこまで来ています!」
「わかった、俺とタークでどうにかするから2人は離れて」
無意識に杖を取り出して握り締めたいた
「え、あ、あの、私も」
クリスタの声が耳に入らない、緊張で身構える
タークもライアーを弓に変えて構えていた、横に並んで深呼吸する
杖に魔力を流し込むとみるみるうちにそれは弓に姿を変えた
「え…ダガーが弓に??」
「あ~オレのパクったな~?えへへ~あ、来たよ」
さっきまでヘラヘラしてたのが噓のように目つきが鋭くなる
自分もそちらに弓を構えると木の陰から灰色狼が飛び出して面食らう
狼は直ぐに軌道を変えて走り続けると後ろから赤い目をぎらつかせた魔物が次々と現れては通り過ぎていく
タークが矢を放つ、ひゅんっと背後からも矢が飛んでから、遅れて自分も矢を放つ
狼を追っていた魔物4体の内3体がその場に倒れ込む
「灰色…おおかみ…」
「な、なんだあれは…」
「バージェストだね~わかりやすく言うと魔犬。でも1匹逃しちゃったね~」
「わ、私!行かなきゃ!」
「え!クリスタ待って!」
駆け出したクリスタの後を追うが馬の速さには敵わず、あっという間に見失う
森の中を大分歩いたが魔物に会わずに済んでるのはクリスタのお陰である
チェーンに繋がれた水晶を振子のようにすることで安全な道を示してくれるらしい
「ねぇねぇ~クリスタちゃんはなんで一緒に来たいって言ったの~?」
いつ訊こうか悶々としていた疑問をタークがあっけなくクリスタに訊ねた
「えっと…、お婆様に言われたんです…”始りの地で眠りたい”と…」
「始りの地ってどこにあるの?」
始りの地、クリスさんから貰った地図にそんな名前はなかったはず
「西にあるそうです。妖精の森を抜けた更の奥深く…」
「ふ~ん、妖精の森の奥深くね~」
頭の後ろに手を組んでつまらなそうにタークが呟いて先へ行ってしまう
クリスタを見上げて話を続ける
「ここからは遠いのかい?」
「はい…お婆様が亡くなって…荼毘に付した後、そこを目指したんですがたどり着けなくて…気持ちが沈んで行く当てを失くした時天然石に戻るように言われたので引き返したんです」
いつ向かったかはわからないが、クリスタの沈み具合を見るに長い間探し求めてたどり着けなかったようだ
「それでここ数日訪ねても誰も居なかったんだね」
「はい…すみません」
「ううん、大丈夫だよ。もう一つ訊いていい?」
「はい、なんでしょうか?」
言ってから後悔した。あまりにデリケートな質問だった、でも少しでも彼女を理解したいと思っていた
「…お婆さんが亡くなった時、どうして村の人に助けを求めなかったの?」
「お婆様は魔女になりたかったんです…最期くらい夢を叶えて上げたかったんです…」
「そうなんだ…」
魔女の理はわからないが、自分と変わらない歳の少女には重荷に見えていたたまれない気持ちが胸を重くする
沈黙が訪れ2人俯いてしまう。遠くでタークがライアーを奏でる音が聞こえる
暫くして馬の落ち着きがなくなると同時にクリスタが口を開いた
「前方から魔物が3、いえ4体がこちらに接近してきます!」
「急いで回避を!」
馬の上でバランスを取りながらクリスタが言う、前を歩くステラとタークに回避するよう伝えるがすぐに否定される
「ツヴァイさん無理です、すぐそこまで来ています!」
「わかった、俺とタークでどうにかするから2人は離れて」
無意識に杖を取り出して握り締めたいた
「え、あ、あの、私も」
クリスタの声が耳に入らない、緊張で身構える
タークもライアーを弓に変えて構えていた、横に並んで深呼吸する
杖に魔力を流し込むとみるみるうちにそれは弓に姿を変えた
「え…ダガーが弓に??」
「あ~オレのパクったな~?えへへ~あ、来たよ」
さっきまでヘラヘラしてたのが噓のように目つきが鋭くなる
自分もそちらに弓を構えると木の陰から灰色狼が飛び出して面食らう
狼は直ぐに軌道を変えて走り続けると後ろから赤い目をぎらつかせた魔物が次々と現れては通り過ぎていく
タークが矢を放つ、ひゅんっと背後からも矢が飛んでから、遅れて自分も矢を放つ
狼を追っていた魔物4体の内3体がその場に倒れ込む
「灰色…おおかみ…」
「な、なんだあれは…」
「バージェストだね~わかりやすく言うと魔犬。でも1匹逃しちゃったね~」
「わ、私!行かなきゃ!」
「え!クリスタ待って!」
駆け出したクリスタの後を追うが馬の速さには敵わず、あっという間に見失う
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