両片想いに板挟まれた俺が魔法のディルホを手に入れた話

セトラ

文字の大きさ
2 / 11

第二話 魔法のディルホ

 ぐぽ……っ♡♡
 ディルホからディルホが引き抜かれ、ふたつの間を潤滑剤の糸の橋たちが繋いだのも束の間。橋は切れて、床がぼとぼとと汚されていく。
 しかし、それを見ているはずの吾一は、ディルホを引き抜いたきり微動だにしなかった。
 ただ、彼の荒い呼吸だけが聞こえる部屋で。その目だけが爛々としている。
 
「……ぁ、れ、俺……」
 吾一がようやく動き始めたのは、引き抜いてから一分ほど経った頃だった。
 荒い呼吸も、ギラつく視線も、まるで最初からなかったかのようにすっかり普段通りに戻った吾一には、動かなかった一分間の記憶は全く無かった。
 どころか、ディルホを使っていた間の記憶もかなり曖昧だ。なんだか凄くテンションが上がってしまった、という事だけは確かに覚えているのだけれど。たった数分前の自分の事が、良く思い出せない。
 ただ、確かなこともあった。それは。
「んん……なんか、すげー頭がすっきりしてる……?」
 まるで今までの悩みの全てが吹き飛んだかのような、とても晴れ晴れとした気分。ここまで気分が良かったのは、果たしていつぶりだろうか。
 曖昧な記憶、親友たちの性器を模した性玩具同士を擬似セックスさせただけなのにここまで気分が変わっていること。不思議な点は多々あるが、とりあえず片付けをしようと両手に持ったままのディルホを見て。
「……あれ?」
 吾一は、違和感を覚えた。
 なんだ? どこが違う?
「……あ」
 潤滑剤だ。と気付いたのは、すぐの事だった。
 拓也ディルホのちんぽ部分にも、英彩ディルホのケツまんこ部分にも、潤滑剤の痕跡ひとつ見つからない。
 普通なら恐怖の一つも覚えたって不思議じゃない状況に、吾一は。
「……なんかそういう機能でもついてんのかな」
 自分を納得させるように、つぶやいた。
 そんなはずがないのは薄々分かっていた。だけど、吾一はもう、このディルホを手放そうだなんて、思えなくなっていた。

 翌朝の朝練終わり、拓也は悩んでいた。
 まさか自分があんな、ひたすら精を搾り取られるなんていう淫夢を見るだなんて、と。
 ――夢、というには、あまりにもリアルだったが。だが、夢以外に説明のしようがない。だって、ありえないのだから。
 突然股間に快楽を覚えて、慌てて確認してもそこには何もなくて。それなのに、今まで感じた事がないほどの気持ち良さで部屋の床をどろっどろにしてしまうほど射精を繰り返して。挙句床で気絶して。朝には綺麗さっぱり片付いた状態でベッドにいた、なんて。
「……凄い、体験だった……」
「何が?」
「うわあぁぁぁっ?!」
 驚きのあまり飛び退くと、そこには片耳を押さえて迷惑そうな顔をしている吾一がいた。
「うわびっくりした、何だよ急に」
「い、や、ごめん……吾一、いつから……」
「いつからって、さっきだけど。つか、何回か声掛けたぞ」
「……マジ?」
「大マジ。お前全然気付かねぇし、急にびっくりするし……大丈夫か?」
「あ、あぁ……うん。大丈夫……」
「なら、良いけどよ」
 訝しげな視線が突き刺さって、拓也は意味もなくカバンを持ち直した。
 結局、その後は二人ともひとことも喋らないまま教室に着いてしまった。
 どうしよう、と内心汗をかきながら教室の戸を開けて、半ば助けを求めるような心地でピンクベージュの頭に声をかける。
「はよ、英彩」
「はよー、英彩」
 いつもならすぐに返ってくるはずの返事がない。緑の瞳は、文庫本をじっと見つめたままだった。
「英彩~?」
 吾一が声をかけても全く耳に届いていないようだ。が、その割には一向にページは進んでいない。
「お~い、英彩~」
 吾一が文庫本と顔の間に手を差し込んで振ると、英彩は本と吾一の顔を交互に見た。
「……ぇっ、あっ、あれ?! 二人ともいつの間に!」
「お前もかよ……」
「えっ」
「拓也も今日ぼーっとしてんだよ。なんだよ二人で寝落ち通話でもしてたのか?」
「してないよ! してたら吾一も呼ぶし!」
「そうだそうだ、仲間はずれになんかしないぞー」
「別に通話くらい好きにやれば良いだろ……」
 そういうことじゃない、吾一は全然わかってない。とぶーぶーブーイングを垂れている間にすっかりいつも通りに戻った二人だが、チャイムが鳴って席についた後から再び様子がおかしくなっていった。
 特に昼休みは酷かった。二人とも普段はうるさいくらいなのに一切しゃべらないし、食事も喉を通っていない。
 放課後も、部活に行く前は互いの健闘を祈るのがいつもの流れなのに。
「……」
「……」
「……お前ら、今日マジでどうした?」
「ぅえっ?! あ、な、何でもないよ!」
「ぉ、っおぉ、俺も何でもない……」
 いや、明らかに何かがあっただろ。としか言いようがない。それでも、何度聞いても二人はなんでもない、の一点張りだった。
 部活をこなして帰宅した吾一の視界にディルホが入る。
 何だか普段使わない筋肉を使った時みたいな、妙な疲れ方をした吾一は、昨日に続いて今日もディルホを使ってみることにした。

 部活を終えて帰宅し、予習をしようと勉強机に教科書やらノートやらを広げた拓也は、そこで手が止まってしまっていた。
 オレって、実はド変態なんじゃ。
 こんな夢見たなんて知られたら、さすがにあの二人も呆れて嫌われるんじゃ。
 なんであんな夢見たんだろう。
 そんなことばかりが頭の中に渦を巻いて、集中できない。
「……あぁクソッ!」
 こんな時は何か飲み物でも飲んで気分転換しよう! と拓也は勢いよく立ち上がって二、三歩扉に向かって歩き出し、その場に崩れ落ちた。
「ぁ゛、っ……♡♡ あぁ……っ?!♡♡」
 これは、昨日と同じ。でも、あれは夢のはずじゃ。
 混乱しながらも部屋着のズボンごとパンツを引っ張り、自分のチンポを確認する。
 そこには、刺激に震えるチンポがあるだけで、他には何も無かった。
 そう、確かに無いのだ。無いのに、にゅるにゅるぷにぷにとした何かに包まれている感触が確かに存在している。
「な、んで……っ♡♡」
 疑問はすぐ、にゅるぐちょの穴によって押し潰された。
「ぉ゛、ッ!♡♡♡♡」
 それはまさしく、夢と全く同じ。たっぷりローションを使ったオナホでセンズリオナニーをしているかのような快感だった。
 気持ちの良いぬるぷにの穴に包まれたかと思えばすぐに吐き出され、かと思えばすぐに呑み込まれ。それが何度も繰り返される。
「ほ、ぉ゛ッ♡♡♡♡ ぉ゛♡♡ ぉ゛~~~~……ッ♡♡♡♡」
 にゅるにゅるぐちょぐちょとした感覚に、すぐに精液が込み上げてくる。だが。
「う゛ッ♡♡ イ゛ぐ♡♡ イ゛っちゃ、う゛ぅ~~~~……ッ♡♡♡♡ やだ♡♡♡♡ やだぁぁっ……♡♡♡♡」
 拓也は脱ぎ損ねたズボンとパンツを引っ張って、その隙間からチンポの根本を握って必死に射精を我慢した。
 これがあの夢と同じなら。一度イッてしまえば、何度も何度も苦しいくらい絶頂を繰り返す羽目になってしまうからだ。
「我慢♡♡ 我慢、ん、ぅ゛~~~~……ッ♡♡♡♡」
 自分の我慢汁がダラダラと垂れてきて恥ずかしい。お前はこんなわけのわからない状況で興奮しているんだぞ、と突きつけられているようで。
 羞恥と快楽に頬を染めていると、ソレの動きが変わった。
「っぉ゛?!♡♡♡♡♡♡♡♡」
 短く、どちゅどちゅと奥を小突くように。小刻みに。
 先端が何かにむちゅっと触れるのが気持ちよくて、自然と腰がヘコついてしまう。
 はたから見れば無様極まりないエア腰ヘコを止めようなんて、考える余裕すらなかった。
「ほ、ぉ゛ッ♡♡ お゛♡♡ ぉ゛♡♡ ぉ゛おっ♡♡ だめ♡♡ だめだめだめっ♡♡♡♡ 射精る♡♡♡♡ 射精ちゃうってぇ……っ♡♡♡♡」
 ただ、必死でアクメ地獄に突き落とされないように。萎えそうなことを考えながら根本を握り続ける。
 が、限界はすぐに訪れた。
「ぁ゛、っ♡♡♡♡ イ゛く♡♡♡♡ イ゛ぐイ゛ぐイ゛ぐ♡♡♡♡ 射精る♡♡♡♡ ぅ゛、う゛っ……♡♡♡♡」
 ぶぴゅっ♡♡ と、出てしまったら、もうダメだった。
「ぁ゛、っ♡♡♡♡ イ゛ッてる♡♡♡♡ イッてるってぇっ!♡♡♡♡」
 夢の中と全く同じように、射精したばかりのチンポをぐちゅぐちゅ♡♡ と擦られ、びゅる♡♡ びゅくっ♡♡ と断続的に精液を吐き出してしまう。
 根本を戒めていた手、どころか、全身に全く力が入らなくなり、その場に倒れ込む。
「ぅ゛っ♡♡ キッツいって♡♡ イ゛く♡♡♡♡ またイ゛かされるぅ゛……っ!♡♡♡♡」
 びゅくっ♡♡ びゅるるるるっ♡♡ びゅくびゅくっ♡♡
 自らの意思では終わらせることができない射精地獄が、始まった。

 終わったのは、拓也が自分の精液で出来た水溜まりの中に倒れ込み、ただ腰をヘコることしか出来なくなってからしばらく経った後だった。
 一切の刺激が止んでも、拓也はその場から起き上がることもできずに腰をヘコつかせ、余韻でたまにぶぴゅる♡♡ と精液を垂れ流していた。
 少しずつ体が落ち着いてくると、入れ替わるように眠気が襲ってくる。
 拓也はそれに抗うこともせず、まどろんでいった。

 数時間後。まだ深夜と呼べる時間帯に目を覚ました拓也は、寝巻きを身につけた状態でらベッドの上で目を覚ました。
「……あれは、夢……だったのか……」
 そう口にしながら、拓也はうっすらと勘づいていた。あれが夢なんかではないことに。
 だけれども、それを認めてしまうのはなんだか怖くて。
 この日のことも夢だと無理やり結論づけた拓也は、頭まで布団を被って再び目を閉じた。
感想 1

あなたにおすすめの小説

牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!

ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。 牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。 牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。 そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。 ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー 母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。 そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー 「え?僕のお乳が飲みたいの?」 「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」 「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」 そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー 昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!! 「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」 * 総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。 いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><) 誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

お兄ちゃんができた!!

くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。 お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。 「悠くんはえらい子だね。」 「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」 「ふふ、かわいいね。」 律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡ 「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」 ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。

「レジ袋はご利用になりますか?」

すずかけあおい
BL
仕事帰りに寄る、いつものコンビニで五十嵐 歩(いがらし あゆむ)はイヤホンをつけたまま会計をしてしまい、「――――?」なにかを聞かれたけれどきちんと聞き取れず。 「レジ袋はご利用になりますか?」だと思い、「はい」と答えたら、実際はそれは可愛い女性店員からの告白。 でも、ネームプレートを見たら『横山 天志(よこやま たかし)』…店員は男性でした。 天志は歩に「俺だけのネコになってください」と言って…。

元カレに追い出された専門学生がネカフェでP活相手のパパちんぽに理解らせられてトロトロのメロメロになっちゃう話

ルシーアンナ
BL
既婚子持ちバイ×専門学生 Pixiv https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=27436158 ムーンライトノベルズ https://novel18.syosetu.com/n1512ls/ fujossy https://fujossy.jp/books/31185

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。