最強魔法は生活魔法!? ~異世界ではモンスター退治も生活のうち~

gagaga

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第一章 リュータ、アールガルズに立つ

第二話 リュータ、異世界に来て初めて〇〇する

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 『解説』を使った途端に意識が落ちたが、その時間は30分もなかったと思う。
 しかし、頭が外的にも内的にも痛い。
 意味分からんよ。
 分からんが、分からん時はまず自分が持っている情報から見直すのが整理のコツだ。

 そして一番の心当たりであるステータスをよく見ると、MP5/10になっていた。
 『調査』の時はMP減ってなかったけど、『解説』はMP減るのか。
 もしかして、『鑑定』も減るのか?
 今度は地面に横になってやってみる、『解説』を『鑑定』!


 『解説』
 - 様々な内容を解説する。推定や推測でも正しければ反映される。全く知らなかったり、誤っている場合は反映されない。鑑定の上位スキルであり、習得時に下位スキルのレベルを上昇させる。解説しているのは誰か知らないが、そのすごいお方はもしかすると全知的な存在なのかもしれない。 消費MP10000。500p -


 何これ。チートじゃん。
 この内容はヤバい。ヤバすぎる。と言うか全知的な誰か様って、これ神様じゃん!?
 この世界には複数の神様がいるって話だから、たぶんそれを司っている神様なんだろうけど・・・。
 いやはや、これは神託レベルのやばさであると直感が告げている。いや、文面からしてそもそもそれっぽいんだけどさ察するに、想像するだけで答え合わせが出来るってスキルなんだな。

「いやいや、ヤバいっしょ!?」

 例えば、あいつ何だか米好きそうだよなー、もしかして日本人?いや、元日本人か?もしくは先祖がそう言う人か?なんて思って『解説』を使えば、当たっていればそれが分かる訳だ。相手がどれだけ隠していようとも分かってしまう、とんでもないチートスキルだ。
 だが、消費MPが いちまん・・・。

「MP10の俺は、レベルいくつになればちゃんと『解説』が使えるようになるのだろうか」

 折角のチートスキルも、俺の基本スペックが低くてまだ使えないなんて。
 下位のスキルが全部Lv1になったから無駄にはなっていないけど、なんとも微妙な感じになったな。

 そして今回で気付いたけど、この世界の魔法は、MPを根こそぎ持っていった上で足りないと不発するみたいだ。
 しかもMPが切れると即座に気絶する。ブレーカー落としたみたいに意識が途切れる。

 神様に攻撃魔法をお願いしてぶっぱとかしてたら、これ間違いなく戦闘中に速攻で気絶して死んでただろうな。恐ろしすぎる。
 俺のナイスチョイスに乾杯だ。
 あと、色々な事を体験したり見聞きしないと鑑定系のスキルは意味がないのが今分かった。
 推定や推測できる程度には知識がないとダメらしい。
 もしくは一度使ってみると、少しだけ説明が付くようだ。
 『解説』はファンブルだったけど、使ったから少し詳しい説明が『鑑定』できた。だから分かった。

「なるほど、神様が色々な事をしろって言ってたのはコレが理由か」

 逆に言えば、専門の人に聞いたり本で調べたりしなくても、多少の取っ掛かりがあれば分かるんだから便利だ。
 キーワードさえ分かっていれば広域検索できるんだからな。


 さて、もう辺りが暗くなってきたので寝ようかと思う。
 しかし喉が渇いた。水が欲しい。

「水、水、あー、水。水飲みたいわー」

 じょろじょろじょろ。

 なにやら伸ばした手の先から水が出てる。
 MPが1減ってる。そう言えば『鑑定』もMPが1減ってたな。
 そう思い、出てくる水を見つめる。
 俺の手から水かー、異世界って変わってんなー。

「って、あ、これが『生活魔法』か!」

 いきなり発動してて分からんかったわ。
 しかも気付けば水の勢いが弱くなってきていたので、慌ててその水を飲んだ。

 そして吐き出す。おぼぼろろろろ・・・。

「まずい、超まずいぞコレ!」

 あまりのまずさに、今度は口直しに湧き水を飲む。
 生水を飲んじゃいけないとか、そんな事を言っていられない。

 ごくごく飲めば、あーうめー。

「滅茶苦茶うめー。これはやばいわ。神様に超感謝だわ。この水、超うめー。超、神の水だわー」

 これで今夜は良く寝れそうだ。
 俺はとりあえず勢いに任せて明日の自分に全てを投げ放った。
 だって、いきなり異世界に来たりで疲れたんだもの。
 さっき気絶したのも大きいわ。

「てなわけで、おやすみー」


***

 目が覚めた。
 太陽はすでに昇っている。
 石碑の近くで眠ったのだが、丁度影に入る形だったようで日の出には気づかなかった。
 今、何時だろう。時計とかないかな。

 - 8:20 -

 『ステータス』に時計が表示されている。
 しかし最初に『ステータス』を確認した時はなかった。

「ああ、これも『生活魔法』か」

 でもこの機能、『ステータス』がないと見れないんじゃないだろうか。
 まあいいか。

 まず寝起きで湧き水を飲む。うまい。
 しかし昨日の魔法水、あれはなんだったんだろうか。
 なんというか、3日履いた靴下を漬け込んだような臭いだった。しかも自分のだ。
 ありえない程の怒りと悲しみを味わったさ。
 でも魔法水に顔を近づけてもそういう臭いはしない。
 ただ口に入れると、あのとんでもない臭いがするような気がする。
 ならばと意を決して魔法で水を出して簡単に顔を洗う。別に臭くない。

「つまり、飲まなければいい訳だ。だが、それだけじゃ生活魔法とは言えないんじゃないだろうか?飲めない川の水って、感じなんだが。あー、そうか。これは洗濯とかに使う用なのか」

 確かにそれは生活っぽい。
 しかしそれはそれとして、お湯が出れば便利なのになー。
 どうかなーと思って手に力を少しこめれば、じょろろろろ。ほかほかー。

「お、おう。出たよお湯。MP2でお湯になるのか」

 『生活魔法』はLv10なんだし、豊かな生活に必要であれば割となんでも出来るって認識でいいんだろうか。
 でもこのお湯も口にするものは多分だめだな。うん。
 気合を込め直したらお湯の温度が上下して、最大で沸騰したし、下は10度くらいまで下がる。
 そして出る水の量、温度を常温より上げ下げするにはMP消費量を増やすか、水の量を減らすかすればいい、と。

 しかし、便利っちゃー便利なんだけど、このお湯でカップめん作ったら、間違いなく吐くんだろうなぁ。



 『生活魔法』がだいぶ分かってきた所で、食料の調達にかかろうと思う。
 何せ今、とても空腹である。
 でも『鑑定』があるからその辺の草や果物でも実は・・・、みたいな感じでいけるんじゃないだろうか。
 なので石碑の裏に広がる林か森かへ、行ってみよう。

 ただ、森は何と言うか、雑木林みたいな感じでまばらに木が生えているのは手前だけで、あとは奥に行くにつれてかなりの密度となり、このまま直進すると密林に突入しそうな雰囲気さえあった。
 それは、これぞまさに自然!! と言う雰囲気であり、足元には下草ボーボーの虫もそこそこいるみたいで、少しだけ進むのを躊躇した。

「だが、これも空腹をなんとかするためだ!!」

 俺はそこに落ちていた『鑑定』様お勧めの頑丈な木の棒を拾ってから、ゆっくりと森の中へと進んでいった。


***

 1時間後、そこにはホクホク顔の俺の姿があった。

「いやいや、大量ですよ奥さん。まずこの木の実。すっぱ甘くて疲労回復できる。次にこの草。今、洗って生で食べたらキャベツっぽかった。シャキシャキしているし噛むと甘みが出てくる。そしてキノコ。火を通すと程よい歯ごたえに旨みもあって超うまいらしい」

 なお、全て『鑑定』様のお勧めである。

 ちなみに最初は採った現地で『生活魔法』の火を出して直接炙ったが、それで炙ったキノコは魔法水と同じ味がした。

 当然吐きました。

 なので今は拠点へ戻り、小枝を拾ってきて焚き火を起こしています。
 串刺しキノコにいい感じで火が通ったところでふーふーしてからの、がぶり。

「うむ、おいしい。さすがは『鑑定』様だ。広域鑑定なのに手で触れられる範囲ならその全てをMP1消費で鑑定してくれる。この効果はMPの少ない俺にとっては、とてつもなくありがたいな」

 そしてキノコはと言うと、エリンギのような色で、エリンギのような形で、エリンギのような食感と味・・・

 これ、エリンギだ!?



「しかし天然自然の旨みだけではなく、やっぱり塩が欲しい。どうしたものかなー」

 いや、海があるんだし塩はやろうと思えば取れるのか。

 綺麗な砂浜に己の足跡を付けながら海に近寄り、塩の生成方法を思案する。
 おもむろに両手で海水をすくい取り、塩下さいと念じてみた。
 すると水が手から滑り落ちて、白い粉、塩が残った。
 舐めてみる。普通に塩だった。
 ついで、手の甲に残っていた水を舐めたら、吐いた。
 なるほど、塩以外の部分に魔法をかけて追い出したから塩には魔法味がつかなかったのか。


 実に1日ぶりの食事は、大変おいしゅうございました。
 神様に感謝を捧げよう。

「なむなむ」


 さて、このまままったりしていてもいいんだけど、現地着いたら冒険してみようって神様から助言があったんだっけか。
 割と世話になってる神様助言なので、素直に従おうと思う。
 でもこの世界、魔物的モンスターがパクパクしてくるんだよなー。
 せめて攻撃方法を確立させておかないと。


 そこで、じっと手を見る。正確には手に持ったソレだ。

 棒。

 今、俺が手に入れられる武器は3つ。
 先ほど焚き火で使った、燃えている小枝。
 さっきまで使っていた、拾ってきた自分の背と同じくらいの長さの棒。
 今ここにある浜辺にある、丸い石。

 魔法は、考えていない。
 MP10じゃどうしようもないし、ピンチの際に使ったら気絶とか洒落になってないから温存する方向で。

 と言う訳で、身近なものを武器にしようと思ったのよ。
 しかし、この中だと選択肢は一つしかないだろう。

 棒。

「とりあえずこの棒で戦えるようにならないとなー」

 棒! 棒! 棒のスキル! この棒で戦えるように!


 棒術


 出たよ、スキル。
 しかも『棒術』とか、慣れてきたからかピンポイントで出るようになってきたぞ。
 しかし、確かに日本でもそういう武術はあるんだが、どう見ても護身用と言うか。
 明らかに殺す用じゃないんだよな。棒なんて刃が付いていないし。
 つまりきっと、これは安いスキルと言う訳だ。
 『鑑定』様は取得したスキルしかスキルポイントが分からないから、ニュアンスでとってみるしかない。
 まぁ、まだ500pもあるしダメだったら他を取ろう。うん。

「それでは『棒術』を一つ、取得します!!」

 杖術 Lv1 NEW
 棍棒術 Lv1 NEW
 棒術 Lv1 NEW

「おい、おい、おい、おい! また上位スキルかよ! なんでだよ! ただの棒スキルじゃんよ!」

 ちらりと『ステータス』を見ると、スキルpが0/2000になってる。

「まじかー」

 『棒術』は500pも消費かー。そっかー。
 これで神様から頂いたスキルポイントは全部使い切ったなー。
 俺のチートライフもこれで終了かー。

「もう、どうにでもなーれ」


***

 気を取り直して森へ侵入。
 一体何をするのか。
 そう。

「大である」

 もう一度言おう。

「大である」

 排便である!

 人間食べれば出るものも出る。
 なので出すべく森へ侵入。

 ああ、『棒術』? 俺の隣で眠ってるよ。
 アイツの事は忘れなよ。俺が幸せにするからさ。
 なんてバカな事を考えないとヤバいほどお腹が痛い。
 生水かキノコがあたったのかと自分を『鑑定』してみれば、『鑑定』の結果は便秘、便秘である。
 ああ、昨日も一昨日もしてなかったもんね。そうね。と言うか腹の中のものが、異世界から運ばれてきたものだと言うのにびっくりだった。
 つまり今からする大便は、原産地表示するならば、『異世界産』である。

「なんと恐ろしいウンコなのだろうか」

 異世界産の菌類によるパンデミックが起きないことを祈るよ。


 そんなこんなで目当ての場所に到着。
 先ほど食べ物を取りに森へと入った際に『鑑定』した、食べられない葉っぱがある場所だ。
 その草は、葦のように縦に伸びる茎に多数生えていて、表面が非常に綺麗で、さらに裏面に柔らかな毛が生えている変わった葉っぱだ。
 食えるのかと思い『鑑定』してみれば、毒性もなく、かぶれない。だが苦味が強く食用には向かないと出た。
 しかし若干の殺菌効果があり、周囲には虫が寄り付かないし、草全体がほのかにいい匂いがする。
 そしてその植物は、糞尿を糧に成長すると『鑑定』様は言っていた。
 それはもうまさに俺のケツを拭く為に、いや、俺専用便所となるべく生まれたような草だった。
 つまり、ここで糞便垂れるのは必然だった。
 俺の肥やしを元にこいつは成長、成長したこいつの葉っぱで俺はケツを拭く。

「俺とお前のギヴアンドテイク。素晴らしいじゃん」

 あ、もうだめ。出そう。
 でもちょっと穴掘りたい。すごく掘りたい。さすがに出たものは地面に埋めたい。丸出しだと次に来づらい。

 こっこっこっこっこ。

 掘りたいと思っていたら地面が抉れていった。

「MP減ってる。これも魔法か」

 見る間に穴が、と思いきやすごく浅い。5cmも削れていない
 なので2度3度と繰り返す。面倒なので2重にしてみた。
 重ねがけできるみたいで、一気に50cmも掘れた
 だが、木の根はそのまんま。石は底の方にたまっている。どうやら土だけを退けて掘ったようだ。
 ずいぶんと変わった魔法だが、しかし深さは十分だ。とっととやってしまおう。

「ふんぬああああああああ ぶりゅああああ!?」



 最後に魔法水でウォッシュレットしてから葉っぱでふきふき。
 実にすっきりである。
 穴も魔法で簡単に戻せた。
 ただウォッシュレットした時点でMP1になったのには焦った
 危うくMP切れで気絶して、便所穴に落下するところだった。

「ウォッシュレットを温水にしたのがいけなかったようだな。危ない危ない」

 MP管理の大切さが身にしみたので、拠点に戻った後でMPを全快にしてみた。
 そしてMPの数字を観察してみれば、どうやら5分で1回復している模様。MP1から45分で全快のMP10になった。
 かなり早い。
 5分に一度は軽い『生活魔法』か『鑑定』様を使えるとなれば、色々はかどりそうだ。


 さて、木の棒改め棍を持つ。
 何故に棍になったかと言えば、表面を炙ってみたり先を削ってみたからだ。
 時間はかかったけど、これも全部『生活魔法』で出来た。
 そしてその棒を『鑑定』。以前はただの棒だったものが、きちんと武具である棍になっていた。

 つまり、ただの拾った棒でさえ武具として扱えるのが『棒術』。
 加工して武具となった棍を扱うのが『棍棒術』。

 なるほど、強い弱いはともかく、武器を選ばないほうがより習得が難しいのは当然か。
 納得した上で棍を振ってみた。

 ビュ、ビュヒュン。ヒュヒュヒュン。

 風を切る音が素晴らしい。
 これならなんとか戦えそうだ。
 いのししレベルなら勝てそう。

 MPが全快したのを見て、俺は意気揚々と森の中へと入っていった。
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