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第六章 リュータと神と勇者の秘密
第七十一話 リュータとギリギリと決着
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「チッ! これだからデカブツは!」
数度巨木の枝と切り結んだ後、苛立った声と共にツヨシ君が地上に降りてきた。
そして掲げた剣を下ろし、上段の構えを取っている。
「なら私も」
その構えを見て、ミチルさんも横に並び同時に構えを取る。
今から必殺技でも放つのだろうか。
周囲にシュインシュインみたいなオーラが見える。
そして、頭の上に刃を乗せた珍妙なポーズを取り、まるで柄を投げるように前方へ向かって腕を振り抜く。
「「『アイスラッシャー』!!」」
まるでウルトラな警備隊の七番目のかの者の必殺技みたいなスキル名が彼らの口から発せられると共に、青白く光る斬撃が飛んでいく・・・。
いや、何と言いますか。
「誰が名付けたのかは知らないけど、そのスキル名はギリギリすぎない?」
しかしそんな名前でも威力は確かなようで、命中した先では枝が凍り付き、凍った所から亀裂が入り枝が見事に破壊される。
「おお、あれが噂に名高い勇者専用スキルじゃな!」
「知っているの? シルちゃん」
思わず聞いたウンチクは、普通に勇者専用スキルで代々使われていると言う事だけだった。
「他にも勇者専用スキルは色々あるそうじゃぞ。いやしかし、それでもエレファントツリーにはあまり効果がないみたいじゃの」
シルちゃんの視線の先には、再生している枝が見えた。
「凍らしてもダメだとしたら、燃やすのはどうだろうか」
「アンリエット様、それは彼らも考え付いたようですね。しかし、切れた枝を『鑑定』したいけど、消えてるなぁ」
「ふむ。魔力で枝を作っておるのぉ。どうやら再生した際に力を増したようじゃ」
再生して、パワーアップか。
ん? それって
再生怪人・・・?
「やっぱギリギリすぎない?」
「彼らであればギリギリなんて心配は要らぬだろう。純粋な戦闘力ならここにいる誰よりも高いのじゃからな!」
俺が心配しているのはソコじゃないんです。
このまま戦闘が長引いて、勇者専用スキルとやらがバンバン出てきた時、それが何かに引っかからないかが心配なのです。
この世界にも、向こうの世界の著作権は通用するのだろうか。
「それにしても、どうしたものか。オバ上の魔法もさして効いているようには見えぬが、座して待つのも芸がないぞ」
ウィルが言う通り、見ているだけで心苦しくもあるが、どうしようもないだろ、これ。
見上げる先には、空を蹴って飛び回る勇者と勇者。
彼らから視線を移し、下を見る。エレファントツリーの根本だが、触手がウヨウヨしている。
こういうアクションゲーム、見た事あるなー。
「確かに歯がゆくあるが、余計な手だしはしないほうがよいぞ」
「アンリエット様。えーと、落ち着かれましたか?」
「ああ、すまなかったな。お嬢ちゃんも、すまなかった」
「ンーー!」
ぐ、ぐええ・・・、抱き着いたままの少女が背中に回した手に力を込めて、い、息が・・・。
「おい少女、それ以上力を込めるとリュータが酷い目に逢うぞ。やめてやれ」
「え? うん、分かった」
「ウィリアムの言う事は聞くのか」
ふう、助かった。
そしてさりげなく少女の対応で甥に負けた為か落ち込むアンリエット様。
「実に平和だな」
勇者二人の力は圧倒的で、徐々にあの巨木の傷が増えていく。
どうやら本体の傷は即座に再生とはいかないようで、炎をまとったツヨシ君の剣が次々にその傷を巨木に刻んでいく。
かたやミチルさんはと言えば、剣が折れていた。
「えええ!? ピンチじゃん!」
「しかし、折れた剣のまま攻撃しておるのぉ。さすがミチルじゃの」
「あれが、勇者か。彼らが我が国に敵対的でなくて、本当に助かるな」
え? 勇者って人間と敵対する事あるの?
いやそう言えば、ツヨシ君はこの国に呼ばれたけど、ミチルさんが呼ばれたのは何故かリザードマンの所だったな。
送った神様が、その関係者だったから?
むー、分からん。
「ミチル殿のあの行動から察するに、むしろわざと折ったのだろう。鉄の剣は魔力の通りが悪いから、魔法剣を扱うのには向かぬ。余計な魔力を消費する。故に、短くしたようだ」
おお、何かアンリエット様が学者っぽいことを言い出した。
「パパ! あれ見て!」
「ん? お、おお!? いや、それはヤバいよ!?」
見れば枝を全て切り落とされた巨木と、その足元で奇妙なポーズを取るツヨシ君。
ツヨシ君、そのポーズはいけない。
その、左ひじを垂直に曲げ手の平をピンと立てた手刀に、同じようにした右手を水平にして左ひじに人差し指を添えるそのポーズ。
ダメだ、どう見ても、アレだ!
「『スペシヤル光線』!!」
ああああああああああ!!!
だから、ダメだっつってんだろおおおん!?
しかし彼の放ったチョメチョメ光線の威力は抜群だ。
まるで破壊の光線のようなその奔流を受けて、巨木は根本を残して消失した。
勇者、すげー。
「やったか!」
ウィル君!? それは、やってないフラグだよ!?
「パ、パパ!!」
「え?」
いきなり腕が軽くなったと思ったら、いつの間にか抱き着いていた少女がいない?
一体どこに・・・、って、あんなところに!?
「少女が、木に取りこまれている!」
ウィルの叫びの通り、一体いつの間に移動したのか、先の少女と半球状の二つの物体が巨木の根元に吸い寄せられていたのが見える。
「あれは、ダンジョンのコア!! ぬう、どうやら異変の理由はあ奴で間違いがなかったようじゃの!」
「割れたコアをいつの間に・・・。いや、そうか!! 最初の枝攻撃の時に回収していたのか!」
そして今の今まで取り込む為に時間を稼がれてた、と。
「巧妙なヤツだ。だが、今なら少女も救出できるぞ! リュータよ、今度ばかりは俺も行くぞ!」
「ウィル・・・、そうだな。よく分からない少女だけど、見捨てるなんて選択肢は、最初からないさ!」
「それでこそ我が友だ。では、行くぞ!」
「当然ワシも行くのじゃ」
勇者二人は根元の触手を切り落とすので精いっぱいのようでロクに近寄れていないし、俺たちが行くのがいいだろう。
どうやらコアの力を半ば取り込んで、触手が半分コアのバリア的な存在になりかけているようだ。
これは、俺が対処する以外に方法はないよな。
「ウィリアムよ、待て!」
「なんだオバ上、あなたも参加したくなったか?」
「いや、それは当然だが、言いたいことは違う。あれを見よ!」
アンリエット様の指差す先、そこには徐々に小さくなっていく巨木だった根本。
そして瞬く間にそのサイズは小さくなり、ついには三メートル程度の人型の木になった。
腹部には半透明の、まるで琥珀のような透明質な球体ができており、その中にあの少女が見えた。
これは、不味い事態だよな。
「ギョボボ。トリコメ、トリコメ。魔王、サマ ノ タメー」
しゃ、しゃべったー!?
「魔王、サマ ササグ 喜ビ。イビルエント モ 喜ビ」
ウィル、そしてシルちゃんと顔を見合わせる。
「魔王は七十五年前に滅んだはずだ!」
「え?」
「つまりは新たな魔王が誕生した、と言う事かの。イビルエントの名も、聞き覚えがある」
「ええ?」
なにそれ。
破壊神じゃないの? 魔王って新キャラだよね?
「魔王がとうとう現れたか。私の調査にも近々復活する兆しがあったが、よもやこのタイミングで聞けるとは、実に幸運だ!」
アンリエット様もご存知だった!?
俺だけ知らなかったのかー。
「ないわー」
ないけど
「さっぱり分からないけど、パパと呼んでいたあの子を助けるために、みんな、力を貸してくれ!」
「もちろんじゃ!」
「リュータよ、それは先に俺が言った・・・、いや、いい。行くぞ!」
「私も微力を尽くさせてもらおう。そして助けたら頭を撫でさせてもらいたい」
「頼んだぞ、心の友! 俺様の力じゃあのガキごとぶった斬っちまう!」
「私たちは道を作ります! だから、行って下さい!!」
俺の叫びに応えるみんなの声を聞き、心は一つだと、そんな一体感を肌で、耳で、目で感じる。
ああ、なんて気持ちいいんだ。
手に握った我虎牙棍も心なしか、気合いが入っているようにも思える。
[- 我虎牙棍が『超振動』の使用許可を求めています はい / いいえ -]
どうやら気のせいではなく、我虎牙棍も本気のようだ。
そして地味に、選択肢がきちんと「はい / いいえ」になっているところに、自分の成長を感じ、にんまりする。
「そうだな。ここでキメなきゃ、男じゃないよな」
ブルル、とまるで携帯電話のバイブレーションのように我虎牙棍が震える。
「よし、行くぞ!!」
俺の掛け声と共に全員が走り出す。
そして何も打ち合わせをしていないのに、誰もが最適な位置へと移動して援護をくれる。
「リュータ、そのまま右から、そこだ!」
ウィルの放ったボウガンの弾が俺に近寄ってきていた触手に当たり、見事に触手は弾かれる。
「リュータ殿、加速させるぞ! 『ウィンドブロー』!!」
アンリエット様の強力な風魔法により、俺の背中が押し出される。
いや、ちょっと、風が強過ぎて足が浮いてますが!?
「リュータよ! もういっちょじゃ! 『ウィンドブロー』!!」
え? ちょっ! 待って!!
「あ、あああああああああああああああああああ!?」
俺はハリケーンも真っ青な暴風により一気に押し出された。
その姿はまるでそう、風に揺られる木の葉だろうか・・・。
「ぶべらべばばばば!?」
「ここは俺様の領域だ! 構わず行けヤ!」
道中、ツヨシ君に軽く蹴り飛ばされて軌道修正。
イタイ。
「ゴボ!? ブベベベベ!?」
「さぁ、早く彼女を助けてあげて下さい!」
ミチルさんが軽く、多分本人にとっては軽く、空をカッ飛んでいる俺を突き飛ばす。
チョーイタイ。
「バギャ!?」
意識を飛ばしかけるものの、咄嗟に『応急手当』を使い事なきを得る。
「お、おおおおおおおお!!」
体制を立て直して、おお、何かこれはアレだ。
竜ゴンボールで少年が大魔王の腹を貫通させたときのような姿勢になってる!!
これなら、行ける!
目の前に来た触手は、魔法の弾が弾いてくれた!
そして眼前にはもう、例の琥珀色の球体が間近に迫っている。
「よし、今だ! 我虎牙棍変形、サーベルモード!」
そして変形途中からの
「『超振動』!!」
更にそこからエルフの里で習った
「『二連撃』!!」
変形途中のヘラ状の我虎牙棍をイビルエントの上下にぶち当て、少女が閉じ込められている琥珀部分を切り離す。
そのまま変形完了を見る事無く我虎牙棍を『収納小箱』にしまい、切り離しに成功した琥珀部分を両手で抱きかかえるように勢いそのままに体当たりをする。
「トラーイ! って、これ、どうやって止まるんぶべら!?」
じ、地面に激突しました・・・。
「ナン ト?」
自分を三分割されたのに今頃気付いたイビルエントが振り向こうとして、そのまま崩れ落ちた。
「死んどケ」
そして訳が分からないと言う表情を浮かべたらしきイビルエントは、炎をまとったツヨシ君の一閃であっけなく消滅した。
気になる事は多々あるけど、ひとまず少女を救出しよう。
改めて取り出した我虎牙棍サーベルモードに『超振動』を加え、ゆっくりと切り開く。
「おい、大丈夫か? おい!」
ねっとりとした樹液のようなものから少女を取り出すと、身じろぎをした。
「ケホッ、ケホッ」
「ぶ、無事かぁ・・・」
思わずへたり込んだけど、仕方ないよね!
・・・、あれ? 少女の体が透けている?
「パ、パパァ。ありがとう・・・」
いや、待て、待て待て!
なんでそんなはかなげな、今にも消えそうになってるんだよ!
「無事だったんだ、よな?」
なんで、だから、そこで首を横に振るんだ!
「ワタチね、ハイドライアドなのよ」
い、いきなり自分語りするなよ!
そう言うの、ドラマで見たよ! 最後に一言残そうとか、そう言うの!!
「いいからしゃべるな! 『応急手当』! 『応急手当』! な、なんで治らないんだ!?」
「リュータ! ぬ、そ、それは・・・」
「シルちゃん! そうだ! シルちゃんなら治し方、分かるよね!?」
「ぬ、ぬう。ワシは知らぬのじゃ・・・」
エルフの叡智の結晶(一部に欠けアリ)たるシルちゃんが、知らない?
アンリエット様は?
「な、なんで目を逸らすんですか!」
「すまない・・・」
ウィル! ツヨシ君!
くっ!!
「パパァ。ワタチね、幸せなのよ。パパに抱きしめてもらえて」
「そのパパってのが何か分からないけど、それでいいならいくらでも抱きしめるから!」
こう言うのって、ハッピーエンドで終わるものじゃないのかよ!!
どうなってるんだ! 神様!!
「でもワタチね、お名前がないのよ。だからお名前、欲しいのよね」
「な、名前・・・」
この子も真紅さんたちと同じ妖精なら、名前、固有名はないのか。
ああ、もう! 消えるな! まだ考えてるんだから!!
考えろ! この子に相応しい名前を!
「う、うぐっ!」
「大丈夫!?」
大丈夫な訳がないのに、ついそう声をかけてしまう。
そんな、優し気な目で笑いかけないでくれ・・・。
名前一つ思い浮かばない、あほうな俺を・・・。
いや、そんな事考えるな! 今は、今はただ名前をひたすら考えろ!
見た目、種族・・・、種族?
ピンと、来た。
「今日から、今日から君は・・・」
「う、うん・・・」
手を握り、静かに語るように、彼女に言って聞かせる。
「君は、ドラちゃんだ」
安直だと、自分でも思った。
でも、これでいいとも思った。
これで、満足して彼女は消えれるのだろうか・・・、ん?
「ん、んふふふ」
え? なんでこの子、光ってるの!?
そして何か、どこぞの魔女っ娘みたいにメタモルフォーゼし始めましたよ!?
「成長、してる?」
ミチルさんの呟きが聞こえる。
誰かのつばを飲む音が聞こえる。
落胆したようなため息も、聞こえた。
そして、光の先にはほんの少しだけ成長したドラちゃんの姿があった。
「わーい! 名前、げっとなのよーー!!」
えっと。
どゆこと?
数度巨木の枝と切り結んだ後、苛立った声と共にツヨシ君が地上に降りてきた。
そして掲げた剣を下ろし、上段の構えを取っている。
「なら私も」
その構えを見て、ミチルさんも横に並び同時に構えを取る。
今から必殺技でも放つのだろうか。
周囲にシュインシュインみたいなオーラが見える。
そして、頭の上に刃を乗せた珍妙なポーズを取り、まるで柄を投げるように前方へ向かって腕を振り抜く。
「「『アイスラッシャー』!!」」
まるでウルトラな警備隊の七番目のかの者の必殺技みたいなスキル名が彼らの口から発せられると共に、青白く光る斬撃が飛んでいく・・・。
いや、何と言いますか。
「誰が名付けたのかは知らないけど、そのスキル名はギリギリすぎない?」
しかしそんな名前でも威力は確かなようで、命中した先では枝が凍り付き、凍った所から亀裂が入り枝が見事に破壊される。
「おお、あれが噂に名高い勇者専用スキルじゃな!」
「知っているの? シルちゃん」
思わず聞いたウンチクは、普通に勇者専用スキルで代々使われていると言う事だけだった。
「他にも勇者専用スキルは色々あるそうじゃぞ。いやしかし、それでもエレファントツリーにはあまり効果がないみたいじゃの」
シルちゃんの視線の先には、再生している枝が見えた。
「凍らしてもダメだとしたら、燃やすのはどうだろうか」
「アンリエット様、それは彼らも考え付いたようですね。しかし、切れた枝を『鑑定』したいけど、消えてるなぁ」
「ふむ。魔力で枝を作っておるのぉ。どうやら再生した際に力を増したようじゃ」
再生して、パワーアップか。
ん? それって
再生怪人・・・?
「やっぱギリギリすぎない?」
「彼らであればギリギリなんて心配は要らぬだろう。純粋な戦闘力ならここにいる誰よりも高いのじゃからな!」
俺が心配しているのはソコじゃないんです。
このまま戦闘が長引いて、勇者専用スキルとやらがバンバン出てきた時、それが何かに引っかからないかが心配なのです。
この世界にも、向こうの世界の著作権は通用するのだろうか。
「それにしても、どうしたものか。オバ上の魔法もさして効いているようには見えぬが、座して待つのも芸がないぞ」
ウィルが言う通り、見ているだけで心苦しくもあるが、どうしようもないだろ、これ。
見上げる先には、空を蹴って飛び回る勇者と勇者。
彼らから視線を移し、下を見る。エレファントツリーの根本だが、触手がウヨウヨしている。
こういうアクションゲーム、見た事あるなー。
「確かに歯がゆくあるが、余計な手だしはしないほうがよいぞ」
「アンリエット様。えーと、落ち着かれましたか?」
「ああ、すまなかったな。お嬢ちゃんも、すまなかった」
「ンーー!」
ぐ、ぐええ・・・、抱き着いたままの少女が背中に回した手に力を込めて、い、息が・・・。
「おい少女、それ以上力を込めるとリュータが酷い目に逢うぞ。やめてやれ」
「え? うん、分かった」
「ウィリアムの言う事は聞くのか」
ふう、助かった。
そしてさりげなく少女の対応で甥に負けた為か落ち込むアンリエット様。
「実に平和だな」
勇者二人の力は圧倒的で、徐々にあの巨木の傷が増えていく。
どうやら本体の傷は即座に再生とはいかないようで、炎をまとったツヨシ君の剣が次々にその傷を巨木に刻んでいく。
かたやミチルさんはと言えば、剣が折れていた。
「えええ!? ピンチじゃん!」
「しかし、折れた剣のまま攻撃しておるのぉ。さすがミチルじゃの」
「あれが、勇者か。彼らが我が国に敵対的でなくて、本当に助かるな」
え? 勇者って人間と敵対する事あるの?
いやそう言えば、ツヨシ君はこの国に呼ばれたけど、ミチルさんが呼ばれたのは何故かリザードマンの所だったな。
送った神様が、その関係者だったから?
むー、分からん。
「ミチル殿のあの行動から察するに、むしろわざと折ったのだろう。鉄の剣は魔力の通りが悪いから、魔法剣を扱うのには向かぬ。余計な魔力を消費する。故に、短くしたようだ」
おお、何かアンリエット様が学者っぽいことを言い出した。
「パパ! あれ見て!」
「ん? お、おお!? いや、それはヤバいよ!?」
見れば枝を全て切り落とされた巨木と、その足元で奇妙なポーズを取るツヨシ君。
ツヨシ君、そのポーズはいけない。
その、左ひじを垂直に曲げ手の平をピンと立てた手刀に、同じようにした右手を水平にして左ひじに人差し指を添えるそのポーズ。
ダメだ、どう見ても、アレだ!
「『スペシヤル光線』!!」
ああああああああああ!!!
だから、ダメだっつってんだろおおおん!?
しかし彼の放ったチョメチョメ光線の威力は抜群だ。
まるで破壊の光線のようなその奔流を受けて、巨木は根本を残して消失した。
勇者、すげー。
「やったか!」
ウィル君!? それは、やってないフラグだよ!?
「パ、パパ!!」
「え?」
いきなり腕が軽くなったと思ったら、いつの間にか抱き着いていた少女がいない?
一体どこに・・・、って、あんなところに!?
「少女が、木に取りこまれている!」
ウィルの叫びの通り、一体いつの間に移動したのか、先の少女と半球状の二つの物体が巨木の根元に吸い寄せられていたのが見える。
「あれは、ダンジョンのコア!! ぬう、どうやら異変の理由はあ奴で間違いがなかったようじゃの!」
「割れたコアをいつの間に・・・。いや、そうか!! 最初の枝攻撃の時に回収していたのか!」
そして今の今まで取り込む為に時間を稼がれてた、と。
「巧妙なヤツだ。だが、今なら少女も救出できるぞ! リュータよ、今度ばかりは俺も行くぞ!」
「ウィル・・・、そうだな。よく分からない少女だけど、見捨てるなんて選択肢は、最初からないさ!」
「それでこそ我が友だ。では、行くぞ!」
「当然ワシも行くのじゃ」
勇者二人は根元の触手を切り落とすので精いっぱいのようでロクに近寄れていないし、俺たちが行くのがいいだろう。
どうやらコアの力を半ば取り込んで、触手が半分コアのバリア的な存在になりかけているようだ。
これは、俺が対処する以外に方法はないよな。
「ウィリアムよ、待て!」
「なんだオバ上、あなたも参加したくなったか?」
「いや、それは当然だが、言いたいことは違う。あれを見よ!」
アンリエット様の指差す先、そこには徐々に小さくなっていく巨木だった根本。
そして瞬く間にそのサイズは小さくなり、ついには三メートル程度の人型の木になった。
腹部には半透明の、まるで琥珀のような透明質な球体ができており、その中にあの少女が見えた。
これは、不味い事態だよな。
「ギョボボ。トリコメ、トリコメ。魔王、サマ ノ タメー」
しゃ、しゃべったー!?
「魔王、サマ ササグ 喜ビ。イビルエント モ 喜ビ」
ウィル、そしてシルちゃんと顔を見合わせる。
「魔王は七十五年前に滅んだはずだ!」
「え?」
「つまりは新たな魔王が誕生した、と言う事かの。イビルエントの名も、聞き覚えがある」
「ええ?」
なにそれ。
破壊神じゃないの? 魔王って新キャラだよね?
「魔王がとうとう現れたか。私の調査にも近々復活する兆しがあったが、よもやこのタイミングで聞けるとは、実に幸運だ!」
アンリエット様もご存知だった!?
俺だけ知らなかったのかー。
「ないわー」
ないけど
「さっぱり分からないけど、パパと呼んでいたあの子を助けるために、みんな、力を貸してくれ!」
「もちろんじゃ!」
「リュータよ、それは先に俺が言った・・・、いや、いい。行くぞ!」
「私も微力を尽くさせてもらおう。そして助けたら頭を撫でさせてもらいたい」
「頼んだぞ、心の友! 俺様の力じゃあのガキごとぶった斬っちまう!」
「私たちは道を作ります! だから、行って下さい!!」
俺の叫びに応えるみんなの声を聞き、心は一つだと、そんな一体感を肌で、耳で、目で感じる。
ああ、なんて気持ちいいんだ。
手に握った我虎牙棍も心なしか、気合いが入っているようにも思える。
[- 我虎牙棍が『超振動』の使用許可を求めています はい / いいえ -]
どうやら気のせいではなく、我虎牙棍も本気のようだ。
そして地味に、選択肢がきちんと「はい / いいえ」になっているところに、自分の成長を感じ、にんまりする。
「そうだな。ここでキメなきゃ、男じゃないよな」
ブルル、とまるで携帯電話のバイブレーションのように我虎牙棍が震える。
「よし、行くぞ!!」
俺の掛け声と共に全員が走り出す。
そして何も打ち合わせをしていないのに、誰もが最適な位置へと移動して援護をくれる。
「リュータ、そのまま右から、そこだ!」
ウィルの放ったボウガンの弾が俺に近寄ってきていた触手に当たり、見事に触手は弾かれる。
「リュータ殿、加速させるぞ! 『ウィンドブロー』!!」
アンリエット様の強力な風魔法により、俺の背中が押し出される。
いや、ちょっと、風が強過ぎて足が浮いてますが!?
「リュータよ! もういっちょじゃ! 『ウィンドブロー』!!」
え? ちょっ! 待って!!
「あ、あああああああああああああああああああ!?」
俺はハリケーンも真っ青な暴風により一気に押し出された。
その姿はまるでそう、風に揺られる木の葉だろうか・・・。
「ぶべらべばばばば!?」
「ここは俺様の領域だ! 構わず行けヤ!」
道中、ツヨシ君に軽く蹴り飛ばされて軌道修正。
イタイ。
「ゴボ!? ブベベベベ!?」
「さぁ、早く彼女を助けてあげて下さい!」
ミチルさんが軽く、多分本人にとっては軽く、空をカッ飛んでいる俺を突き飛ばす。
チョーイタイ。
「バギャ!?」
意識を飛ばしかけるものの、咄嗟に『応急手当』を使い事なきを得る。
「お、おおおおおおおお!!」
体制を立て直して、おお、何かこれはアレだ。
竜ゴンボールで少年が大魔王の腹を貫通させたときのような姿勢になってる!!
これなら、行ける!
目の前に来た触手は、魔法の弾が弾いてくれた!
そして眼前にはもう、例の琥珀色の球体が間近に迫っている。
「よし、今だ! 我虎牙棍変形、サーベルモード!」
そして変形途中からの
「『超振動』!!」
更にそこからエルフの里で習った
「『二連撃』!!」
変形途中のヘラ状の我虎牙棍をイビルエントの上下にぶち当て、少女が閉じ込められている琥珀部分を切り離す。
そのまま変形完了を見る事無く我虎牙棍を『収納小箱』にしまい、切り離しに成功した琥珀部分を両手で抱きかかえるように勢いそのままに体当たりをする。
「トラーイ! って、これ、どうやって止まるんぶべら!?」
じ、地面に激突しました・・・。
「ナン ト?」
自分を三分割されたのに今頃気付いたイビルエントが振り向こうとして、そのまま崩れ落ちた。
「死んどケ」
そして訳が分からないと言う表情を浮かべたらしきイビルエントは、炎をまとったツヨシ君の一閃であっけなく消滅した。
気になる事は多々あるけど、ひとまず少女を救出しよう。
改めて取り出した我虎牙棍サーベルモードに『超振動』を加え、ゆっくりと切り開く。
「おい、大丈夫か? おい!」
ねっとりとした樹液のようなものから少女を取り出すと、身じろぎをした。
「ケホッ、ケホッ」
「ぶ、無事かぁ・・・」
思わずへたり込んだけど、仕方ないよね!
・・・、あれ? 少女の体が透けている?
「パ、パパァ。ありがとう・・・」
いや、待て、待て待て!
なんでそんなはかなげな、今にも消えそうになってるんだよ!
「無事だったんだ、よな?」
なんで、だから、そこで首を横に振るんだ!
「ワタチね、ハイドライアドなのよ」
い、いきなり自分語りするなよ!
そう言うの、ドラマで見たよ! 最後に一言残そうとか、そう言うの!!
「いいからしゃべるな! 『応急手当』! 『応急手当』! な、なんで治らないんだ!?」
「リュータ! ぬ、そ、それは・・・」
「シルちゃん! そうだ! シルちゃんなら治し方、分かるよね!?」
「ぬ、ぬう。ワシは知らぬのじゃ・・・」
エルフの叡智の結晶(一部に欠けアリ)たるシルちゃんが、知らない?
アンリエット様は?
「な、なんで目を逸らすんですか!」
「すまない・・・」
ウィル! ツヨシ君!
くっ!!
「パパァ。ワタチね、幸せなのよ。パパに抱きしめてもらえて」
「そのパパってのが何か分からないけど、それでいいならいくらでも抱きしめるから!」
こう言うのって、ハッピーエンドで終わるものじゃないのかよ!!
どうなってるんだ! 神様!!
「でもワタチね、お名前がないのよ。だからお名前、欲しいのよね」
「な、名前・・・」
この子も真紅さんたちと同じ妖精なら、名前、固有名はないのか。
ああ、もう! 消えるな! まだ考えてるんだから!!
考えろ! この子に相応しい名前を!
「う、うぐっ!」
「大丈夫!?」
大丈夫な訳がないのに、ついそう声をかけてしまう。
そんな、優し気な目で笑いかけないでくれ・・・。
名前一つ思い浮かばない、あほうな俺を・・・。
いや、そんな事考えるな! 今は、今はただ名前をひたすら考えろ!
見た目、種族・・・、種族?
ピンと、来た。
「今日から、今日から君は・・・」
「う、うん・・・」
手を握り、静かに語るように、彼女に言って聞かせる。
「君は、ドラちゃんだ」
安直だと、自分でも思った。
でも、これでいいとも思った。
これで、満足して彼女は消えれるのだろうか・・・、ん?
「ん、んふふふ」
え? なんでこの子、光ってるの!?
そして何か、どこぞの魔女っ娘みたいにメタモルフォーゼし始めましたよ!?
「成長、してる?」
ミチルさんの呟きが聞こえる。
誰かのつばを飲む音が聞こえる。
落胆したようなため息も、聞こえた。
そして、光の先にはほんの少しだけ成長したドラちゃんの姿があった。
「わーい! 名前、げっとなのよーー!!」
えっと。
どゆこと?
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伯爵家の三男リアムは【鑑定不能】スキル故に「無能」と追放され、辺境に捨てられた。だが、彼が覚醒させたのは神すら解析不能なユニークスキル《概念創造》! 認識した「概念」を現実に創造できる規格外の力で、リアムは快適な拠点、豊かな食料、忠実なゴーレムを生み出す。傷ついたエルフの少女ルナを救い、彼女と共に未開の地を開拓。やがて獣人ミリア、元貴族令嬢セレスなど訳ありの仲間が集い、小さな村は驚異的に発展していく。一方、リアムを捨てた王国や実家は衰退し、彼の力を奪おうと画策するが…? 無能と蔑まれた少年が最強スキルで理想郷を築き、自分を陥れた者たちに鉄槌を下す、爽快成り上がりファンタジー!
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
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【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
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海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
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99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
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夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
追放された荷物持ち、スキル【アイテムボックス・無限】で辺境スローライフを始めます
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勇者パーティーで「荷物持ち」として蔑まれ、全ての責任を押し付けられて追放された青年レオ。彼が持つスキル【アイテムボックス】は、誰もが「ゴミスキル」と笑うものだった。
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全てを失い、流れ着いた辺境の村。そこで彼は、自分を犠牲にする生き方をやめ、自らの力で幸せなスローライフを掴み取ることを決意する。
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追放された無能鑑定士、実は世界最強の万物解析スキル持ち。パーティーと国が泣きついてももう遅い。辺境で美少女とスローライフ(?)を送る
夏見ナイ
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貴族の三男に転生したカイトは、【鑑定】スキルしか持てず家からも勇者パーティーからも無能扱いされ、ついには追放されてしまう。全てを失い辺境に流れ着いた彼だが、そこで自身のスキルが万物の情報を読み解く最強スキル【万物解析】だと覚醒する! 隠された才能を見抜いて助けた美少女エルフや獣人と共に、カイトは辺境の村を豊かにし、古代遺跡の謎を解き明かし、強力な魔物を従え、着実に力をつけていく。一方、カイトを切り捨てた元パーティーと王国は凋落の一途を辿り、彼の築いた豊かさに気づくが……もう遅い! 不遇から成り上がる、痛快な逆転劇と辺境スローライフ(?)が今、始まる!
クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした
コレゼン
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小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。
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