悪魔に囁く愛言葉

チョイと語録

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1章 悪魔の子育て

10話 この子は意外にも表情豊かなようで

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 ルカ?どうしたんだ?お前の好きな子じゃないか、告白されてるんだぞ?どうしてそんな顔をするんだ?
俺はそんな疑問で頭の中が一杯だった。
よく見ると無表情と言っても、興味がない。心底どうでもいいという感情が読み取れた

「あ、あの、私と付き合ってくれますか?」

下を向いていた女の子が返事がないことを不思議がり、ルカを見上げた

その時にはルカの表情は変わっておりいつも通りではなく、優しい笑みを浮かべていた
さっきの無表情は見間違いか?とでも思うような顔だったので、サラマンダーが目を点にしていた

だが、俺には分かる。ルカの目は全く笑ってない

「貴女のその気持ちは凄く嬉しいよ。こんな僕なんかに気持ちを伝えてくれてありがとう.....。でも僕はまだ貴女のことをよく知らないし、誰かと付き合うってことがよく分からないんだ。この手紙は返すね、」

「っ、やっぱり、そうですよね、わざわざ手紙まで返して頂き、ありがとございます........、っ、ぅ」

女の子は悲痛な面持ちで感謝の言葉を述べ、涙が浮かんでいた
そんな姿を見たら可哀想に思えてきたすると、ルカが思いがけないことを言った

「だから、友達から始めるっていうのはどうかな?それだったら君のことをもっと知れるし、このまま他人として接するのは少し寂しいからね」

そう言って相手の目を見つめて微笑んだ

「っ、!、、、はい!!、お、お友達として、これからよろしく..お願いしますっ!!」

さっきまでの涙はどこへやら、顔を赤らめて、跳びはねたと思ったら次に頭を勢いよく下げた
何だか動きが大きな子だと思った

「今日はもう遅いから早く帰った方がいいよ、親御さんが心配してる」

ルカが言うまで気付かなかったが、とっくに日は沈んでおり一番星が見える時間帯になっていた

「え?、ホントだ!もうこんなに暗くなってる、わたし早くお家に帰らなくちゃ....また今度お会いしましょうね、ルカさん!」

女の子はルカに別れの言葉を告げて、明かりがある町中に向かって行った

女の子が完全に見えなくなる
ルカは、いつもの表情に戻っていた

「えー、ご主人ー!何で付き合わなかったんすか?素直そうないい人間だったじゃないっすか!」

そう!それ、気になるんだよ!あんなに手紙を厳重に保管して、大事にしてたのにどうして振ったんだよ、

「興味ない、それだけだ話しかけるな」

「ツマンナイッスネ、まぁいいっすよ」

そう言って二人とも我が家へと向かった

........あれ?
俺、早く帰らないと、ルカに外出したのバレるくね?
なぜかアイツは俺が外出したら逐一どこに行っただの、何を食べただの、誰とどんな会話をしたのか、いつから外に出てたのか、それはもう色々と聞いて、それが本当か確認しに回るから面倒臭いんだよな、だから、最近はほぼ家の中に居たんだけど

ずっと家の中に居たのに急に外出していて、更にルカよりも帰りが遅かったら絶対に質問責めしてくるだろうし、嘘をついてもルカが確認しに行くから辻褄が合わなくなる
それは避けねぇとな
俺は翼を広げ猛スピードで家に帰る
勿論音も、風の動きもルカたちに分からないように調節した

よし、着いたな
アイツらが帰ってくるまであと数分、その間に認識阻害魔法、消音魔法、魔力流不可視魔術を解いてっと
あと、羽も仕舞わねぇとな

そして俺は姿に戻った

ガチャ

ちょうどその時ルカたちが扉を開けて帰ってきた

「父さん、ただいま」

「おかえり、ルカ」

いつも通りにルカを出迎える

「ん?ルカ、後ろに居る子供の、どうしたんだ?」

俺は何も知らないフリをしてルカに聞いた

「ああ、コイツは......」

「始めまして~~!ご主人のお父様!オレ、こちらのご主人に召喚された、サラマンダーって言う精霊っす!これからお世話になりますっす」

ルカが紹介しようとしたが、サラマンダーはそれを遮って自己紹介をした

「お、おう、勢いのある子だなぁ、うん。これからよろしくな、サラマンダー」

「ハイっす」

元気よく返事をしたサラマンダーの腕をルカが掴んで部屋に連れてき、中へ放り投げた
雑だな、もう少し優しく扱ってやれよ
そして部屋のドアを閉めた

「父さん、コイツは僕の部屋に入れとくよ、あと、聞きたいことがあるんだけど今いい?」   

「いいぞ、ちょうど俺もお前に聞きたいことがあったんた」

俺たちはテーブルを挟み対面で座った

「なぁ、ルカ、お前召喚魔術なんて禁術いつどこで覚えたんだ?」

「えっと、ノアさんに8年前から魔法とか魔術を教えて貰ってて、今日召喚魔術を習ったんだ。それで召喚したのがサラマンダーなんだ。........今まで黙っててごめんなさい」

そう言って申し訳なさそうな顔をした
そんな顔するなよ、べつに怒ったりする訳ねぇーだろ
それにしても俺の予想は当たっていたようだ

「そうか、」

「............」

「ふふっ、凄いなぁルカ、」

「?!」

俺は立ち上がりルカの隣に立った

「お前は今日、召喚魔術を教わってそれを使いこなした。凄いことだ、もった自慢げに話していいんだぞ?」

俺は言ってルカの頭を撫でた
そうするとルカの耳が少し赤くなった
照れてるなぁ~

「まぁ、少し寂しいな、言ってくれれば、俺だって召喚魔術ぐらい教えられたのによ」

「い、いや、父さんの手を煩わす訳にはいかないよ」

「ハハッ、お前はもっと俺に頼れよ、その方が俺は嬉しいけどなぁ」

少し強めに頭を撫でるとルカの髪の毛はクシャクシャになった

「もう十分頼ってるよ、、」

「そうかぁ?まあ、そう言うことにしてやるよ。というかルカ、お前も俺に聞きたいことがあるんじゃなかったのか?」

「あ、」

ルカは何かを思い出したような顔をした

「..................父さん」

真剣な面持ちで俺の目を見る
先程までとは雰囲気が一気に変わった、思わず撫でていた手を降ろす

「何だ?」

ルカの目を見つめ返す














  








「どうして人化しているの?」



    
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