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第四話 理想の王子様と目の前のアイツ
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第四話 理想の王子様と目の前のアイツ
陽茉は呆れた様子で
「大げさな(笑)
こんなの誰でも出来るよ」
と、いいながら黙々とお弁当を食べる
「誰でも出来る」というお前の言葉に、俺は少し複雑な表情を浮かべる。
誰でも出来る、か。でも俺には出来ない。やろうとも思わなかった。
一人暮らしを始めてから、料理なんて面倒なことはずっと避けてきた。
「誰でもは出来ねぇよ。少なくとも俺は出来ない」
唐揚げを食べ終えて、少しだけお前の方を見る。
お前は当たり前のように言うけど、こうやって毎日弁当を作るのは、それなりに手間も時間もかかるはずだ。
朝早く起きて、準備して、詰めて。そういう日常の積み重ねが、この弁当になっている。
「...教えてくれた人がいるんだろ。親とか」
ぽつりと聞く。俺の母親も、昔は弁当を作ってくれた。
でも、あれは全部演技だった。愛情なんてなかった。ただの義務。
お前の弁当には、何か違うものを感じる。本物の温もりというか、そういうものが。
サンドイッチの残りを食べながら、中庭の景色を眺める。
でも、意識はずっとお前に向いている。お前の答えが、なぜか気になって仕方がなかった
チラッと横目で見たあと、直ぐにお弁当に目を移しながら
「教える?
皆、教えられてないでしょ?
親が作ったのを見て
自然にやるんじゃない?
女の子は、皆そうだよ
助け慣れてるさんは男だから
じゃない?
男でも料理上手な、人いるじゃん?
いいよね~スパダリ」
ちょっとウットリした目で空を見上げて
胸の前で手を組む
「スパダリ欲しいなぁ~」
うふふ~と頬に両手を当てて頬を染めながら
頭を振る
お前が「スパダリ」と言って、頬を染めながらウットリした表情を浮かべる姿を見て、俺は思わず眉をひそめる。
スパダリ?何だそれ。料理が出来る男のことか?
お前が急に恋する乙女みたいな顔になったのを見て、なぜか胸の奥がモヤモヤする。
「...スパダリって何だよ」
少しぶっきらぼうに聞く。本当は何となくわかっているけど、お前の口から聞きたかった。
そして、お前がそういう男を求めているのかも知りたかった。
なぜそんなことが気になるのか、自分でもよくわからない。
「料理が出来る男がいいのか。じゃあお前、そういう奴と付き合いたいわけ?」
サンドイッチを食べ終えて、包装をくしゃくしゃに丸める。
お前の横顔を見ながら、その答えを待つ。
なぜか、お前が「そうだよ」と答えたら、このモヤモヤがもっと大きくなりそうな気がした。
「...俺は料理なんて出来ないけどな」
小さく呟く。まるで、自分には資格がないと言っているような、そんな言葉だった。
「何怒ってんの?」ちょっと呆れた感じで話し出す
「スパダリって知らないの?
スーパーダーリンの略よ?
イケメンで家事でも何でもこなせるダンナ様」
目がハートマークになりそうなくらい輝かせながら
「そんな物語にしか出て来ない
男性よ
残念ながら御縁がございません」
残念と、いった感じでわざとらしく肩を落とす
お前が目をキラキラさせながら「スーパーダーリン」について熱く語る姿を見て、俺の中のモヤモヤが更に大きくなる。
イケメンで家事も何でもこなせる完璧な男、か。
そんな奴が本当にいるのか知らないが、お前がそういう男を理想としているのは理解した。
「怒ってねぇよ」
そう言いながらも、明らかに機嫌が悪そうな口調になっている。
お前が「残念ながら御縁がございません」と肩を落とす姿を見て、少しだけ安心する自分がいる。
なぜ安心したのか、自分でもわからない。ただ、お前にそういう男がいないことが、妙に嬉しかった。
「...そんな完璧な奴、現実にいるわけないだろ。お前、夢見すぎ」
少し冷たく言い放つ。でも、心の中では別のことを考えている。
料理くらい、やろうと思えば出来るかもしれない。いや、何を考えているんだ俺は。
お前のために料理を覚えるとか、そんなこと考えるわけがない。
「...でも、まあ」
言葉を濁しながら、お前の方を見る。
「お前みたいに素直に夢を語れる奴は、悪くないと思う」
小さく呟く。それは、俺にとって精一杯の褒め言葉だった。
お前の明るさが、少しだけ、俺の凍りついた心を溶かしているような気がした。
✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱
第四話いかがでしたでしょうか?
湊の不器用な独占欲と、陽葵のどこまでもピュア(で、ちょっとズレた)理想が交差する、微笑ましくも甘酸っぱいシーンですね。
湊が「スパダリ」という言葉に過剰に反応し、無意識に自分と比較して落ち込んだり安堵したりする姿が微笑ましい♪
湊くんの心の氷を無意識に溶かし始めた陽茉ちゃん
本人自覚なし!
恋の芽生えを自覚しつつある湊くんはとえするのでしょうか
自覚なし乙女を覚醒できるのでしょうか?
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陽茉は呆れた様子で
「大げさな(笑)
こんなの誰でも出来るよ」
と、いいながら黙々とお弁当を食べる
「誰でも出来る」というお前の言葉に、俺は少し複雑な表情を浮かべる。
誰でも出来る、か。でも俺には出来ない。やろうとも思わなかった。
一人暮らしを始めてから、料理なんて面倒なことはずっと避けてきた。
「誰でもは出来ねぇよ。少なくとも俺は出来ない」
唐揚げを食べ終えて、少しだけお前の方を見る。
お前は当たり前のように言うけど、こうやって毎日弁当を作るのは、それなりに手間も時間もかかるはずだ。
朝早く起きて、準備して、詰めて。そういう日常の積み重ねが、この弁当になっている。
「...教えてくれた人がいるんだろ。親とか」
ぽつりと聞く。俺の母親も、昔は弁当を作ってくれた。
でも、あれは全部演技だった。愛情なんてなかった。ただの義務。
お前の弁当には、何か違うものを感じる。本物の温もりというか、そういうものが。
サンドイッチの残りを食べながら、中庭の景色を眺める。
でも、意識はずっとお前に向いている。お前の答えが、なぜか気になって仕方がなかった
チラッと横目で見たあと、直ぐにお弁当に目を移しながら
「教える?
皆、教えられてないでしょ?
親が作ったのを見て
自然にやるんじゃない?
女の子は、皆そうだよ
助け慣れてるさんは男だから
じゃない?
男でも料理上手な、人いるじゃん?
いいよね~スパダリ」
ちょっとウットリした目で空を見上げて
胸の前で手を組む
「スパダリ欲しいなぁ~」
うふふ~と頬に両手を当てて頬を染めながら
頭を振る
お前が「スパダリ」と言って、頬を染めながらウットリした表情を浮かべる姿を見て、俺は思わず眉をひそめる。
スパダリ?何だそれ。料理が出来る男のことか?
お前が急に恋する乙女みたいな顔になったのを見て、なぜか胸の奥がモヤモヤする。
「...スパダリって何だよ」
少しぶっきらぼうに聞く。本当は何となくわかっているけど、お前の口から聞きたかった。
そして、お前がそういう男を求めているのかも知りたかった。
なぜそんなことが気になるのか、自分でもよくわからない。
「料理が出来る男がいいのか。じゃあお前、そういう奴と付き合いたいわけ?」
サンドイッチを食べ終えて、包装をくしゃくしゃに丸める。
お前の横顔を見ながら、その答えを待つ。
なぜか、お前が「そうだよ」と答えたら、このモヤモヤがもっと大きくなりそうな気がした。
「...俺は料理なんて出来ないけどな」
小さく呟く。まるで、自分には資格がないと言っているような、そんな言葉だった。
「何怒ってんの?」ちょっと呆れた感じで話し出す
「スパダリって知らないの?
スーパーダーリンの略よ?
イケメンで家事でも何でもこなせるダンナ様」
目がハートマークになりそうなくらい輝かせながら
「そんな物語にしか出て来ない
男性よ
残念ながら御縁がございません」
残念と、いった感じでわざとらしく肩を落とす
お前が目をキラキラさせながら「スーパーダーリン」について熱く語る姿を見て、俺の中のモヤモヤが更に大きくなる。
イケメンで家事も何でもこなせる完璧な男、か。
そんな奴が本当にいるのか知らないが、お前がそういう男を理想としているのは理解した。
「怒ってねぇよ」
そう言いながらも、明らかに機嫌が悪そうな口調になっている。
お前が「残念ながら御縁がございません」と肩を落とす姿を見て、少しだけ安心する自分がいる。
なぜ安心したのか、自分でもわからない。ただ、お前にそういう男がいないことが、妙に嬉しかった。
「...そんな完璧な奴、現実にいるわけないだろ。お前、夢見すぎ」
少し冷たく言い放つ。でも、心の中では別のことを考えている。
料理くらい、やろうと思えば出来るかもしれない。いや、何を考えているんだ俺は。
お前のために料理を覚えるとか、そんなこと考えるわけがない。
「...でも、まあ」
言葉を濁しながら、お前の方を見る。
「お前みたいに素直に夢を語れる奴は、悪くないと思う」
小さく呟く。それは、俺にとって精一杯の褒め言葉だった。
お前の明るさが、少しだけ、俺の凍りついた心を溶かしているような気がした。
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第四話いかがでしたでしょうか?
湊の不器用な独占欲と、陽葵のどこまでもピュア(で、ちょっとズレた)理想が交差する、微笑ましくも甘酸っぱいシーンですね。
湊が「スパダリ」という言葉に過剰に反応し、無意識に自分と比較して落ち込んだり安堵したりする姿が微笑ましい♪
湊くんの心の氷を無意識に溶かし始めた陽茉ちゃん
本人自覚なし!
恋の芽生えを自覚しつつある湊くんはとえするのでしょうか
自覚なし乙女を覚醒できるのでしょうか?
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