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奴隷の見舞い〜アスラン視点

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「えっ......。私一人で、お留守番ですか......?」

みくは眉をハの字に下げてそう言った。

「たまには私が留守にして、ひとり悠々自適なのも嬉しいのではないか?」

「......アスラン様はそうだったんですね。いつも私がそばにいて、ホントは鬱陶しいけど我慢していたのですね......」

「誰もそのようなことは言っていない。ただ、私は奴隷の様子を伺いに行くだけだから、私についてきても面白くもないだろうし、ここで好きなことをしている方が良いのかと思って言っただけだ」

「そんなの嫌です。私はアスラン様の側仕えなのに、一緒にお供できないならいっそ奴隷に戻してくださいよ。それで、お前は奴隷だからここにいろって命令すれば良いんです」

みくは頬を膨らませて、睨みつけるように私に言った。

私はため息をついてみくの頭を撫でる。

「......悪かった。一緒に連れて行くから、機嫌を直しておくれ」

その一言で、みくの表情は花が開くようにパアッと綻んだ。

「やった!男に二言はありませんね?」

そう言ったかと思うと、みくは自分の服を持ってきて、これを着て行って良いかと聞いてきた。

「私は仮面をつけて忍びで行くから。みくの着たいもので行くといい」

みくはそれを聞くと、無邪気に鼻歌を歌いながら、お風呂へ入って行った。


本当は、外に連れて出た途端、みくの態度が一変して、私から逃げ出すのではないかと一抹の不安があった。

過去にそういう使用人がいたのだ。

二人でいる間は、自己防衛のために、めいいっぱい愛想をしていたようだった。

だからつい、この家に閉じ込めておこうと思ってしまったが......。

だが、みくの笑顔は本物だ。きっと大丈夫......。


私もいつかはみくを手放さないといけないのだし、こうも閉じ込めたい気持ちはなんとかしないと。

私は自分に言い聞かせ、明日の用意をするのだった。



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