31 / 94
第31話 大地の大精霊2
しおりを挟む
大精霊様は短いあいだ目を閉じた後に、どこでもない遠くをみるような目をしながら話しを始めた。
「1000年前のあの日、私はクリスハルトに会う予定だった……」
え、この話しってクリスハルト様が直接絡んでる感じなの……?
あとあの日ってどの日でしょうか……?
気になる部分はあるけど質問なんて出来る雰囲気じゃないんだよねー。
「でもいつまで経っても彼は現れなかった……それでなにか嫌な予感を感じた私は彼を探しに行ったの……」
探しに行ったのか……クリスハルト様と大精霊様ってだいぶ親しかったのかな……。
「そして……私は目にしてしまった……」
ゆっくりとした口調で語る大精霊様……それにしても少しゆっくり過ぎるような……。
「既に息も……絶え絶えになった……彼の姿を……」
えっ、どういう状況でそうなっていたのでしょうか……?
それにやたら言葉を切り過ぎじゃない……?
「救えなかった……人を癒やす術を持たない……自分にはとても……っ」
いやっ……!? 大精霊様の様子が明らかにおかしい……!!
顔をこわばらせて、表情も明らかに苦しげだ……!!
「大精霊様、如何されたのですか……!?」
声を掛けてみたが、彼女は私の声に一切反応を示さない。
まさか、聞こえていない……!?
「本当は、予想出来ていた……あの事態だって……私が守れ、なかった……だけ」
不自然なほど途切れ途切れの言葉に、抱え込まれた頭と完全に焦点の合ってない瞳。
「そし、て……っ殺せなかった……ぁぁあっ!!」
唸り声を上げて身を捩る大精霊様の様子は異常の一言だった。
「はぁはぁはぁ……」
そしてしばらく浅い呼吸を繰り返した大精霊様は、息も整いきらないうちに私へ鋭い目を向けた。
あ、嫌な予感が……。
「……つまらない……くだらない……話しなんてもう止めたわ」
先程とは違って苦しげでも不自然なほど途切れてないけど、冷え冷えとした声。
そしてその瞳には暗い影が繕っていた。
何がどうなったのかは分からないけど、この雰囲気は明らかににマズい。
だって明確な敵意をビンビン感じるんですよ……!!
「ちょっと面倒そうな術だから手を出さないで置こうと思ったけど、やっぱりそれを無理矢理引っぺがしてアンタの顔を拝むことにするわ……」
大精霊様がスッと手を上げる。
直感的に魔術が使われる気配を察して、私は大きく後ろに飛び退いた。
その刹那、先程まで私が立っていた位置には地面から突き出した鋭い岩と、同じく地面から出てきたらしい大樹の根のようなものが存在していた。
わーおぉっ!?
……えーとこれはたぶん、地面から出てる岩で突き刺して動けなくしたあとに、あの太い根で叩き潰す感じのやつかな? 勢い余って根っこが岩に突き刺さっているけど、地面は抉れてるからあそこにいたら潰れてたね……。
って、これ本気のやつだよね!?
怖っ!!
顔見るって先に殺したうえでって意味なの?
そもそも、なんで唐突に殺意が剥き出しなの!?
原因らしい原因は……あ、さっきのあの話……?
おっと……!?
今度は横に飛ぶ。同じ攻撃がされたため、先程までいた位置には岩で串刺しになった木の根がまた出来上がっている。
何はともあれ今考えているヒマはなさそうだね!?
「大精霊様、今の貴方様はとても冷静とは思えません……なので私は一旦お暇させて頂きます」
はい、こんな殺意高過ぎる相手とこれ以上一緒に入られないので帰りますね!! の意思表示です。
「私が逃がすと思うの?」
そうですよねー!! 確かにその気はなさそうだけど、そういう台詞は大精霊のイメージを損なうので止めた方がいいんじゃないですかねー?
大事ですよー、イメージってやつはー。
はははっ……いやね、私が本気で怖いからやめて欲しいんですよ!!
「逃げるなんて滅相もありません……大精霊様が冷静さを取り戻したらまたお会いしましょう」
今の状態じゃ怖すぎるんで、お願いなのでキッチリ頭を冷やしといて下さい!!
……って言いたいねー。言わないけど、言えないけど……!!
「黙りなさい……!!」
再び同じ攻撃をされたため私は回避行動を取るが……うん、パターンは変わってない、これならイケる!
今回はこちらも魔術を使った。
発動速度重視、威力低め、でもって数は多めで……っと!!
「……氷の刃よ」
無数に発生させた氷の刃を大精霊様に向けて飛ばす。
「そんなもの効くか……!!」
はい、私が放った刃は一瞬で全て消し飛ばされましたー!!
うんでも分かってたよ、だって私はその隙を狙っていたのだからね……!!
「幻惑の霧よ、発現せよ」
「なに!?」
一瞬で辺りは霧で包まれてしまい見事に視界は閉ざされていたが、そんな中でも大精霊様の戸惑う気配だけは伝わってきた。
これは私が割と得意な魔術の一つである幻惑の霧。発生させるのはただの霧ではなく、相手の動きや能力を制限することが出来る魔術的で特殊な霧だ。とは言っても、これは急ごしらえの簡易バージョン。さっきの魔術と同時並行で発動しつつ、速度を優先した結果、普段より効果は薄めで大精霊様への目眩ましと牽制の意味合いが強いものになっている。
時間もないし相手が戸惑っているうちに、ダメ押しでさっきと同じ氷の刃ももう一発撃ち込んで置こうかな。
とうっ!!
「っっ!?」
あっ、もしかしてちょっと驚いてる?
同時並行してなかったら、氷の刃くらい余裕で詠唱なしの即時発動ができるんですよねー。
ま、多少相手を驚かすことが出来ても私の不利は動かないので逃げ失せますけどね!!
霧については私がいなくなってから、消すなり吹き飛ばすなりご自由にどうぞー!!
「…………おのれ!!」
最後にそんな声が耳に届いたが、もはや関係ない。
バッシャンー!!
大きな水音とともに、私と大精霊様のいる場所は完全に分かたれたのだから。
そう、私はちょうど近くにあった湖に飛び込んだわけです。
これが私にとっての言わば勝利条件であり、念の為に容易してあった保険……まさか早々に使うことになるとは思わなかったけど。
実は水中であれば、例え大地の大精霊であろうとも私が易々と負ける可能性は低いのですよ……!!
それでも絶対に負けないと言い切れないのが悲しいけれど、そもそも根本的な存在の格が違うからこれは仕方ないねー。
けどね、そんな私が水中で完全なる逃げに徹すれば、どうなると思う?
ふふふっ、見せてあげよう私が本気の逃げ足ってやつを!!
「1000年前のあの日、私はクリスハルトに会う予定だった……」
え、この話しってクリスハルト様が直接絡んでる感じなの……?
あとあの日ってどの日でしょうか……?
気になる部分はあるけど質問なんて出来る雰囲気じゃないんだよねー。
「でもいつまで経っても彼は現れなかった……それでなにか嫌な予感を感じた私は彼を探しに行ったの……」
探しに行ったのか……クリスハルト様と大精霊様ってだいぶ親しかったのかな……。
「そして……私は目にしてしまった……」
ゆっくりとした口調で語る大精霊様……それにしても少しゆっくり過ぎるような……。
「既に息も……絶え絶えになった……彼の姿を……」
えっ、どういう状況でそうなっていたのでしょうか……?
それにやたら言葉を切り過ぎじゃない……?
「救えなかった……人を癒やす術を持たない……自分にはとても……っ」
いやっ……!? 大精霊様の様子が明らかにおかしい……!!
顔をこわばらせて、表情も明らかに苦しげだ……!!
「大精霊様、如何されたのですか……!?」
声を掛けてみたが、彼女は私の声に一切反応を示さない。
まさか、聞こえていない……!?
「本当は、予想出来ていた……あの事態だって……私が守れ、なかった……だけ」
不自然なほど途切れ途切れの言葉に、抱え込まれた頭と完全に焦点の合ってない瞳。
「そし、て……っ殺せなかった……ぁぁあっ!!」
唸り声を上げて身を捩る大精霊様の様子は異常の一言だった。
「はぁはぁはぁ……」
そしてしばらく浅い呼吸を繰り返した大精霊様は、息も整いきらないうちに私へ鋭い目を向けた。
あ、嫌な予感が……。
「……つまらない……くだらない……話しなんてもう止めたわ」
先程とは違って苦しげでも不自然なほど途切れてないけど、冷え冷えとした声。
そしてその瞳には暗い影が繕っていた。
何がどうなったのかは分からないけど、この雰囲気は明らかににマズい。
だって明確な敵意をビンビン感じるんですよ……!!
「ちょっと面倒そうな術だから手を出さないで置こうと思ったけど、やっぱりそれを無理矢理引っぺがしてアンタの顔を拝むことにするわ……」
大精霊様がスッと手を上げる。
直感的に魔術が使われる気配を察して、私は大きく後ろに飛び退いた。
その刹那、先程まで私が立っていた位置には地面から突き出した鋭い岩と、同じく地面から出てきたらしい大樹の根のようなものが存在していた。
わーおぉっ!?
……えーとこれはたぶん、地面から出てる岩で突き刺して動けなくしたあとに、あの太い根で叩き潰す感じのやつかな? 勢い余って根っこが岩に突き刺さっているけど、地面は抉れてるからあそこにいたら潰れてたね……。
って、これ本気のやつだよね!?
怖っ!!
顔見るって先に殺したうえでって意味なの?
そもそも、なんで唐突に殺意が剥き出しなの!?
原因らしい原因は……あ、さっきのあの話……?
おっと……!?
今度は横に飛ぶ。同じ攻撃がされたため、先程までいた位置には岩で串刺しになった木の根がまた出来上がっている。
何はともあれ今考えているヒマはなさそうだね!?
「大精霊様、今の貴方様はとても冷静とは思えません……なので私は一旦お暇させて頂きます」
はい、こんな殺意高過ぎる相手とこれ以上一緒に入られないので帰りますね!! の意思表示です。
「私が逃がすと思うの?」
そうですよねー!! 確かにその気はなさそうだけど、そういう台詞は大精霊のイメージを損なうので止めた方がいいんじゃないですかねー?
大事ですよー、イメージってやつはー。
はははっ……いやね、私が本気で怖いからやめて欲しいんですよ!!
「逃げるなんて滅相もありません……大精霊様が冷静さを取り戻したらまたお会いしましょう」
今の状態じゃ怖すぎるんで、お願いなのでキッチリ頭を冷やしといて下さい!!
……って言いたいねー。言わないけど、言えないけど……!!
「黙りなさい……!!」
再び同じ攻撃をされたため私は回避行動を取るが……うん、パターンは変わってない、これならイケる!
今回はこちらも魔術を使った。
発動速度重視、威力低め、でもって数は多めで……っと!!
「……氷の刃よ」
無数に発生させた氷の刃を大精霊様に向けて飛ばす。
「そんなもの効くか……!!」
はい、私が放った刃は一瞬で全て消し飛ばされましたー!!
うんでも分かってたよ、だって私はその隙を狙っていたのだからね……!!
「幻惑の霧よ、発現せよ」
「なに!?」
一瞬で辺りは霧で包まれてしまい見事に視界は閉ざされていたが、そんな中でも大精霊様の戸惑う気配だけは伝わってきた。
これは私が割と得意な魔術の一つである幻惑の霧。発生させるのはただの霧ではなく、相手の動きや能力を制限することが出来る魔術的で特殊な霧だ。とは言っても、これは急ごしらえの簡易バージョン。さっきの魔術と同時並行で発動しつつ、速度を優先した結果、普段より効果は薄めで大精霊様への目眩ましと牽制の意味合いが強いものになっている。
時間もないし相手が戸惑っているうちに、ダメ押しでさっきと同じ氷の刃ももう一発撃ち込んで置こうかな。
とうっ!!
「っっ!?」
あっ、もしかしてちょっと驚いてる?
同時並行してなかったら、氷の刃くらい余裕で詠唱なしの即時発動ができるんですよねー。
ま、多少相手を驚かすことが出来ても私の不利は動かないので逃げ失せますけどね!!
霧については私がいなくなってから、消すなり吹き飛ばすなりご自由にどうぞー!!
「…………おのれ!!」
最後にそんな声が耳に届いたが、もはや関係ない。
バッシャンー!!
大きな水音とともに、私と大精霊様のいる場所は完全に分かたれたのだから。
そう、私はちょうど近くにあった湖に飛び込んだわけです。
これが私にとっての言わば勝利条件であり、念の為に容易してあった保険……まさか早々に使うことになるとは思わなかったけど。
実は水中であれば、例え大地の大精霊であろうとも私が易々と負ける可能性は低いのですよ……!!
それでも絶対に負けないと言い切れないのが悲しいけれど、そもそも根本的な存在の格が違うからこれは仕方ないねー。
けどね、そんな私が水中で完全なる逃げに徹すれば、どうなると思う?
ふふふっ、見せてあげよう私が本気の逃げ足ってやつを!!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
強面夫の裏の顔は妻以外には見せられません!
ましろ
恋愛
「誰がこんなことをしろと言った?」
それは夫のいる騎士団へ差し入れを届けに行った私への彼からの冷たい言葉。
挙げ句の果てに、
「用が済んだなら早く帰れっ!」
と追い返されてしまいました。
そして夜、屋敷に戻って来た夫は───
✻ゆるふわ設定です。
気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
悪役令嬢の心変わり
ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。
7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。
そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス!
カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる