25 / 44
第25話 ありがとな。気に入ったよ
しおりを挟む
事務所地下。レッスン室。
スポーツの試合前のように、バインダーを持った京史郎監督。その前に、体育座りをして並ぶアイドル三名。そして、マネージャーのように佇むエミル先生。
「業務連絡だ。――ライブの日程が決まった」
「マジすか!」
前のめりになって、喜び詰め寄る和奏。脳天をバインダーでチョップして撃退する。心音は、穂織と顔を見合わせて「わぁ」と、笑顔になった。
「五月の十五日だな。バランタイナって店でブッキングライブ。持ち時間は三十分だ」
ブッキングライブというのは、複数のバンドが集まって順番にライブをやっていくスタイルである。今回の場合は、地域密着型のライブハウスを目指しているのか、地元のバンドマンを中心にしての公演だ。
若干のジャンル違いはあるが、地域の和をもってひとつのイベントにするという目論見のようだ。
「大丈夫かなぁ。その日程だと、三週間もないよ」
穂織がぼやくので、京史郎が言う。
「ゴールデンウィークがあんだろ。どれだけでも練習できるじゃねえか」
「ええっ! 私たち、休みないんですか!」
心音の文句が飛んでくる。そんな彼女に京史郎が一喝。
「なんだ? 見習いの身分で、休みなんてあると思うのか?」
「休まなくてもいいですけどぉ……普通なら、合宿とか、旅行とか、撮影のためにビーチに行くとか、アイドルならではのイベントが待ってるものじゃないですかぁ」
「金はどうするんだよ。おまえら、一円も稼いでねえだろうが」
「むぐ……たしかに……京さんの仰るとおりです」
「けど、京史郎さんが、和奏ちゃんを半殺しにした動画、百万再生いったよ?」
動画サイトは再生回数が多いほど、広告収入がある。ただし、低評価が多いと無効になるようだ。内容が悪質と判断されたのか、低評価だらけで実際の利益は見込めないらしい。
「――で、ライブに合わせて、宣伝していかなけりゃならねえんだが、そもそも、おまえらのグループ名を決めてなかったな」
「そういやそうっすね。ネットでも募集かけてましたけど」
「だな。『血祭り少女隊』『煉獄ワルキューレ』『ヘルバトラーズ』『極道の雌犬共』『懐トンプソン』『バイオレンスガールズ』『女番長連合』『鳥獣撫子』『ブラッドシンデレラ』とかだな。気にいったのあるか? 個人的には『極道の雌犬共』とかいいと思うんだが」
「京さんが言うなら、それでいいと――」
「よくないよくないよくない! どれも、平成の暴走族みてえじゃねえか!」
心音が快諾しようとしているのを、全力で止める和奏。そこへ、穂織が冷静にアイデアを出す。
「アイドルなんだから、もっとかわいい名前にしよう。例えば……春の泡沫とか、そういうのはどうかな。結成したの四月だし。英語を絡めるのもいいかも。泡沫スプリングスとか」
「穂織……おまえ、案外中二病入ってんだな」と、京史郎のツッコミ。
「そうかな?」
「まあ、碌でもない候補ばかり聞いたあとだと、随分マシに聞こえるぜ?」と、和奏が頷くように言った。
「けど、泡沫だと、消えてなくなっちゃいそうです」
グループ名を決めるというのは、かなり難しい。売れているバンドやアイドルグループを見ても、売れているからこそグループ名は栄えるのであって、最初から魅力的なグループ名というのは、なかなか見当たらないものである。
「じゃあ、心音ちゃんはどんなのがいいの?」
「京さんも含めたいから、京の都娘(きょうのみやこむすめ)ってのはどうです? 雅な雰囲気もありますし、京さんの名前も入ってます。一体感があります」
「それだと社長が逮捕されたら、改名しなきゃいけなくなるだろ? イメージ悪くなるし」
「俺が逮捕されたら、解散に決まってんだろうが」
「まずいっすね。あたしが訴えたら、今日にでも塀の中っすよ」
「そん時ゃ、おまえは墓の中だ」
「んじゃ、それぞれの名前を入れるかどうすか? 秋夏の心とか」
「心音ちゃんが死んだらどうするの?」
「死にませんよ!」
わーわーきゃーきゃーと、楽しそうに会話を交錯させる女子高生たち。
「エミル。おまえ、なんかアイデアねえ?」
「京史郎くんのイメージで決めちゃったら?」
「イメージねえ……」
腕を組んでしばらく考える。目の前には、喚き騒がしい女子高生たち。
「シュルー……いや、シュルーズ。シュルーネ。シュル。違うな……シュルーナだ」
「へ?」
きょとんとした表情の和奏。京史郎が適当に落としたその言葉が、三人のかしまし娘どもの注意を引く。
「なんすか、それ」
「おまえら見てたら思いついた。よし、決まりだ。グループ名はシュルーナにする」
「ちょ、あたしたちのグループっすよ!」
「うるせえ。俺が社長だ。おまえらに決めさせてたら、ライブまでに決まらねえだろうが。文句があるなら、俺が黙るようなネーミングを考えてこいよ」
☆
その日の夜。和奏は、自室でデスクに向かっていた。手元には辞書。勉強をしているわけではない。社長に言われた宿題をやっているのだ。
即ち、グループ名の考案。『シュルーナ』というネーミングは、語呂もいいしスマート。悪くないとは思っている。けど、もっといいものはないのかと、和奏は模索していた
ふと、スマホからメロディ。穂織からのコール。画面をタップし応答する和奏。
「もしもし、和奏ちゃん。夜遅くにゴメン。寝てた?」
「起きてたよ。どうだ、おまえの方は、いいアイデアが浮かんだか?」
「はは……全然。結構難しいね」
「だな。社長のやつ、適当に決めやがって……」
「和奏ちゃん。私、気になって調べてみたんだ。シュルーナっていう、名前の意味」
「名前の意味?」
「たぶんだけど――」
穂織が言う。京史郎が、和奏たちを見て決めたというのなら、おそらくシュルーナのシュルーは『口やかましい女』という英語から拾ったのだと思われる。あの時の和奏たちは、たしかにそのような感じだったし、普段から和奏たちは異様にやかましいと思う。
「けど『シュルー』だけだと語呂が寂しいから『シュルーナ』にしたのかもね。『ナ』をくっつけたのかは、きっと和奏ちゃんのイメージが強かったからじゃないかな」
「あたしが? ちょっと考えすぎじゃね?」
「だって、京史郎さんに、あそこまで遠慮なく言えるの、和奏ちゃんしかいないからね」
それが本当なら、ちょっと嬉しい。社長が、真面目に考えてくれた名前である。そういえばあの人は、和奏の扱いは雑でも、仕事に関しては真剣だった。
「なんだか、シュルーナでもいいような気がしてきた。っていうかシュルーナがいいな」
「あはは、考えるの、面倒くさくなった?」
「……ああ、そうかもな」
嘘だ。考えるのは嫌じゃなかった。照れくさいからそう言った。そして、京史郎に名前を任せることで、あんな奴でも一応社長なんだと思えるような気がしたからだ。
スポーツの試合前のように、バインダーを持った京史郎監督。その前に、体育座りをして並ぶアイドル三名。そして、マネージャーのように佇むエミル先生。
「業務連絡だ。――ライブの日程が決まった」
「マジすか!」
前のめりになって、喜び詰め寄る和奏。脳天をバインダーでチョップして撃退する。心音は、穂織と顔を見合わせて「わぁ」と、笑顔になった。
「五月の十五日だな。バランタイナって店でブッキングライブ。持ち時間は三十分だ」
ブッキングライブというのは、複数のバンドが集まって順番にライブをやっていくスタイルである。今回の場合は、地域密着型のライブハウスを目指しているのか、地元のバンドマンを中心にしての公演だ。
若干のジャンル違いはあるが、地域の和をもってひとつのイベントにするという目論見のようだ。
「大丈夫かなぁ。その日程だと、三週間もないよ」
穂織がぼやくので、京史郎が言う。
「ゴールデンウィークがあんだろ。どれだけでも練習できるじゃねえか」
「ええっ! 私たち、休みないんですか!」
心音の文句が飛んでくる。そんな彼女に京史郎が一喝。
「なんだ? 見習いの身分で、休みなんてあると思うのか?」
「休まなくてもいいですけどぉ……普通なら、合宿とか、旅行とか、撮影のためにビーチに行くとか、アイドルならではのイベントが待ってるものじゃないですかぁ」
「金はどうするんだよ。おまえら、一円も稼いでねえだろうが」
「むぐ……たしかに……京さんの仰るとおりです」
「けど、京史郎さんが、和奏ちゃんを半殺しにした動画、百万再生いったよ?」
動画サイトは再生回数が多いほど、広告収入がある。ただし、低評価が多いと無効になるようだ。内容が悪質と判断されたのか、低評価だらけで実際の利益は見込めないらしい。
「――で、ライブに合わせて、宣伝していかなけりゃならねえんだが、そもそも、おまえらのグループ名を決めてなかったな」
「そういやそうっすね。ネットでも募集かけてましたけど」
「だな。『血祭り少女隊』『煉獄ワルキューレ』『ヘルバトラーズ』『極道の雌犬共』『懐トンプソン』『バイオレンスガールズ』『女番長連合』『鳥獣撫子』『ブラッドシンデレラ』とかだな。気にいったのあるか? 個人的には『極道の雌犬共』とかいいと思うんだが」
「京さんが言うなら、それでいいと――」
「よくないよくないよくない! どれも、平成の暴走族みてえじゃねえか!」
心音が快諾しようとしているのを、全力で止める和奏。そこへ、穂織が冷静にアイデアを出す。
「アイドルなんだから、もっとかわいい名前にしよう。例えば……春の泡沫とか、そういうのはどうかな。結成したの四月だし。英語を絡めるのもいいかも。泡沫スプリングスとか」
「穂織……おまえ、案外中二病入ってんだな」と、京史郎のツッコミ。
「そうかな?」
「まあ、碌でもない候補ばかり聞いたあとだと、随分マシに聞こえるぜ?」と、和奏が頷くように言った。
「けど、泡沫だと、消えてなくなっちゃいそうです」
グループ名を決めるというのは、かなり難しい。売れているバンドやアイドルグループを見ても、売れているからこそグループ名は栄えるのであって、最初から魅力的なグループ名というのは、なかなか見当たらないものである。
「じゃあ、心音ちゃんはどんなのがいいの?」
「京さんも含めたいから、京の都娘(きょうのみやこむすめ)ってのはどうです? 雅な雰囲気もありますし、京さんの名前も入ってます。一体感があります」
「それだと社長が逮捕されたら、改名しなきゃいけなくなるだろ? イメージ悪くなるし」
「俺が逮捕されたら、解散に決まってんだろうが」
「まずいっすね。あたしが訴えたら、今日にでも塀の中っすよ」
「そん時ゃ、おまえは墓の中だ」
「んじゃ、それぞれの名前を入れるかどうすか? 秋夏の心とか」
「心音ちゃんが死んだらどうするの?」
「死にませんよ!」
わーわーきゃーきゃーと、楽しそうに会話を交錯させる女子高生たち。
「エミル。おまえ、なんかアイデアねえ?」
「京史郎くんのイメージで決めちゃったら?」
「イメージねえ……」
腕を組んでしばらく考える。目の前には、喚き騒がしい女子高生たち。
「シュルー……いや、シュルーズ。シュルーネ。シュル。違うな……シュルーナだ」
「へ?」
きょとんとした表情の和奏。京史郎が適当に落としたその言葉が、三人のかしまし娘どもの注意を引く。
「なんすか、それ」
「おまえら見てたら思いついた。よし、決まりだ。グループ名はシュルーナにする」
「ちょ、あたしたちのグループっすよ!」
「うるせえ。俺が社長だ。おまえらに決めさせてたら、ライブまでに決まらねえだろうが。文句があるなら、俺が黙るようなネーミングを考えてこいよ」
☆
その日の夜。和奏は、自室でデスクに向かっていた。手元には辞書。勉強をしているわけではない。社長に言われた宿題をやっているのだ。
即ち、グループ名の考案。『シュルーナ』というネーミングは、語呂もいいしスマート。悪くないとは思っている。けど、もっといいものはないのかと、和奏は模索していた
ふと、スマホからメロディ。穂織からのコール。画面をタップし応答する和奏。
「もしもし、和奏ちゃん。夜遅くにゴメン。寝てた?」
「起きてたよ。どうだ、おまえの方は、いいアイデアが浮かんだか?」
「はは……全然。結構難しいね」
「だな。社長のやつ、適当に決めやがって……」
「和奏ちゃん。私、気になって調べてみたんだ。シュルーナっていう、名前の意味」
「名前の意味?」
「たぶんだけど――」
穂織が言う。京史郎が、和奏たちを見て決めたというのなら、おそらくシュルーナのシュルーは『口やかましい女』という英語から拾ったのだと思われる。あの時の和奏たちは、たしかにそのような感じだったし、普段から和奏たちは異様にやかましいと思う。
「けど『シュルー』だけだと語呂が寂しいから『シュルーナ』にしたのかもね。『ナ』をくっつけたのかは、きっと和奏ちゃんのイメージが強かったからじゃないかな」
「あたしが? ちょっと考えすぎじゃね?」
「だって、京史郎さんに、あそこまで遠慮なく言えるの、和奏ちゃんしかいないからね」
それが本当なら、ちょっと嬉しい。社長が、真面目に考えてくれた名前である。そういえばあの人は、和奏の扱いは雑でも、仕事に関しては真剣だった。
「なんだか、シュルーナでもいいような気がしてきた。っていうかシュルーナがいいな」
「あはは、考えるの、面倒くさくなった?」
「……ああ、そうかもな」
嘘だ。考えるのは嫌じゃなかった。照れくさいからそう言った。そして、京史郎に名前を任せることで、あんな奴でも一応社長なんだと思えるような気がしたからだ。
0
あなたにおすすめの小説
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あまりさんののっぴきならない事情
菱沼あゆ
キャラ文芸
強引に見合い結婚させられそうになって家出し、憧れのカフェでバイトを始めた、あまり。
充実した日々を送っていた彼女の前に、驚くような美形の客、犬塚海里《いぬづか かいり》が現れた。
「何故、こんなところに居る? 南条あまり」
「……嫌な人と結婚させられそうになって、家を出たからです」
「それ、俺だろ」
そーですね……。
カフェ店員となったお嬢様、あまりと常連客となった元見合い相手、海里の日常。
僕に仕えるメイドは世界最強の英雄です1~またクビになったけど、親代わりのメイドが慰めてくれるので悲しくなんてない!!~
あきくん☆ひろくん
ファンタジー
仕事を失い、居場所をなくした青年。
彼に仕えるのは――世界を救った英雄たちだった。
剣も魔法も得意ではない主人公は、
最強のメイドたちに守られながら生きている。
だが彼自身は、
「守られるだけの存在」でいることを良しとしなかった。
自分にできることは何か。
この世界で、どう生きていくべきか。
最強の力を持つ者たちと、
何者でもない一人の青年。
その主従関係は、やがて世界の歪みと過去へと繋がっていく。
本作は、
圧倒的な安心感のある日常パートと、
必要なときには本格的に描かれる戦い、
そして「守られる側の成長」を軸にした
完結済み長編ファンタジーです。
シリーズ作品の一編ですが、本作単体でもお楽しみいただけます。
最後まで安心して、一気読みしていただければ幸いです。
なお、シリーズ第二作目が、現在なろう様、カクヨム様で連載しています。
2月13日完結予定。
その後、アルファポリス様にも投稿する予定でいます。
後宮なりきり夫婦録
石田空
キャラ文芸
「月鈴、ちょっと嫁に来るか?」
「はあ……?」
雲仙国では、皇帝が三代続いて謎の昏睡状態に陥る事態が続いていた。
あまりにも不可解なために、新しい皇帝を立てる訳にもいかない国は、急遽皇帝の「影武者」として跡継ぎ騒動を防ぐために寺院に入れられていた皇子の空燕を呼び戻すことに決める。
空燕の国の声に応える条件は、同じく寺院で方士修行をしていた方士の月鈴を妃として後宮に入れること。
かくしてふたりは片や皇帝の影武者として、片や皇帝の偽りの愛妃として、後宮と言う名の魔窟に潜入捜査をすることとなった。
影武者夫婦は、後宮内で起こる事件の謎を解けるのか。そしてふたりの想いの行方はいったい。
サイトより転載になります。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
【完結】結界守護者の憂鬱なあやかし幻境譚 ~平凡な男子高校生、今日から結界を繕います~
御崎菟翔
キャラ文芸
【平凡な高校生 × 妖従者たちが紡ぐ、絆と成長の主従現代和風ファンタジー!】
★第9回キャラ文芸大賞エントリー中!
「選ぶのはお前だ」
――そう言われても、もう引き返せない。
ごく普通の高校生・奏太(そうた)は、夏休みのある日、本家から奇妙な呼び出しを受ける。
そこで待っていたのは、人の言葉を話す蝶・汐(うしお)と、大鷲・亘(わたり)。
彼らに告げられたのは、人界と異界を隔てる結界を修復する「守り手」という、一族に伝わる秘密の役目だった。
「嫌なら断ってもいい」と言われたものの、放置すれば友人が、家族が、町が危険に晒される。
なし崩し的に役目を引き受けた奏太は、夜な夜な大鷲の背に乗り、廃校や心霊スポットへ「出勤」することに!
小生意気な妖たちに絡まれ、毒を吐く蛙と戦い、ついには異世界「妖界」での政変にまで巻き込まれていく奏太。
その過程で彼は、一族が隠し続けてきた「残酷な真実」と、従姉・結(ゆい)の悲しい運命を知ることになる――
これは、後に「秩序の神」と呼ばれる青年が、まだ「ただの人間」だった頃の、始まりの物語。
★新作『蜻蛉商会のヒトガミ様』
この物語から300年後……神様になった奏太の物語も公開中!
https://www.alphapolis.co.jp/novel/174241108/158016858
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる