生者の記憶、亡き人の願い。

2

2.過酷。

目指すものもない。
行く当てもない
俺に残されたものはない。
どうするべきなのか…。

とりあえず俺は、「生きる目標」というものを立てることにした。
①生存者を探す
②安全な場所を探す
この二つが今の俺にできることだろう。

さて、どうやって生存者を見つけるんだ？
歩き回るにはさすがに危険すぎる。
襲われて嚙まれたりしたら後がない。ウイルスに感染して終わりだ。
自ら命を絶とうとしたことがあった。怖かった。勇気が出なかった。死ねなかった。
だから、もう死ぬという発想をするのは御免だ。

さて、どのような方法で生存者を探すかだが…。
午後六時以降になると、感染者が狂暴化する。
それから日が昇るまでは危険な状態が続く。
それ以外の時間は比較的静かだ。不用心に近づくと襲われるけどな…ｗ
まぁ、俺はそんなに馬鹿じゃない。
日が昇りきって六時前の時間…。
冬でも7時半には日は昇るだろう。そう考えると…。
仮に８時から５時まで動くと時間は９時間ほど。
その９時間をいかに上手く使うかによって俺の生死が分かれるだろう。
食料も確保しなければならない。
そうとなると、優先順位が変わってくる。
一日でどこまで進めるかも俺の体力次第だし、日が進むにつれ、食料が増えて荷物が増える。
一番進みが早いのは最初の一週間というところだろう。
食料を確保してから生存者を探すとなるとかなりの時間を要する。
考えれば考えるほど問題点が浮上してきて中々次に進むことができない。
スムーズに進むため、武器は作るべきなのか。
とりあえずどこまで行くのか。
生存者がいなかった場合どうするのか。など。
考えるだけで嫌になる。
性格上、失敗はしたくないので、しっかり計画を立ててからじゃないと進めないし、気が済まない。
まぁ、まず前提として当たり前だが、俺が生きていないと生存者を見つけることはできない。となると、食料を確保するのを一番最初にやらなければいけない。
近くのスーパーなどに行けば、食料は余っているだろうか。