婚約破棄されてしまいましたが隣国の王子と素敵な愛を育みます。

久遠りも

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婚約破棄

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「ソフィア、お前との婚約を破棄する!!!」
…何故、私は、婚約記念パーティ、婚約したばっかりなのに婚約破棄されそうになっているのでしょうか。


最初は、婚約というキラキラしたことにとても憧れていた。
だから私にグリア様との婚約の話が入ってきたときは、とても嬉しかったし、期待していた。
だけど、実際にグリア様との生活をしてみると、婚約とは名ばかりの話で、グリア様は私に見向きもしなかった。
…むしろ、グリア様には想い人がいたらしく、恨まれたぐらいだ。

だが、グリア様が私に興味が無くても、浮気をしているのを分かっていても、
両親に言われたことだから、と我慢していた。
政略結婚でしたが、今日は婚約パーティー。
小さいころから仲良くしていた幼馴染や、お友達が来る日ですわ!!今日こそは久しぶりに楽しみますわ~!
(あそこにいるのは…!カイリ!!)
青髪が特徴的な、ソフィアの幼馴染だ。
(今はカイリも元気に王子をやってるから凄いです…!)
と喜んでいた矢先、グリア様に呼ばれた。
「ソフィア、ちょっと良いか?」
「何でしょう。来客にご挨拶しに行きたいのですが。」
グリア様はわざとらしくため息をつきながら、何故そんなこともわからないのか疑問な様子で
「それよりも大事なことだ。」
少し間を置いた後、グリア様はとても大きな声で、全ての来客に聞こえるように、
「みなさん~!!
聞こえますでしょうか!これから、ソフィアとの重要なことを発表します!」
…何か、嫌な予感がします。
グリア様は私の方を向いて、
「ソフィア、お前との婚約を破棄する!!!」
辺りがざわっとした。何でこんな喜びの場で、こんなこと言うのだろう。
私が何か悪いことをしたんでしょうか。いいえ、私は何もしていないわ。
「…グリア様、理由をお聞きしてもいいでしょうか。」
「そんなこともわからないのか!?
俺の運命の人…メリーとの愛をお前は邪魔しただろう!?」
…は?何言ってるのこの人…?
「申し訳ございません。もう少し、詳しくお聞きしても?」
「俺がメリーを愛していることは知っているな?」
「婚約しても親しくされていたことは知っております。」
「お前がメリーに危害を加えたことは分かっている!!」
辺りが余計にざわっとした。
この空気感、嫌だな…
「…私がメリー様に危害を与えたことは一度もありません。
いつ、どこで私が危害を与えたのでしょうか。」
「あの日だ!婚約が決まって、メリーがお前なんかに挨拶しに来た時だ!」
「ありましたね。あれの、いつ?」
「メリーが悲しそうに俺を見つめていた!!これが全てだ!!」
…何言ってんの?自意識過剰過ぎない?
「それは、私に言われても知りませんし。
私がわざとメリー様に嫌なことをしたわけではないでしょう?」
周りが私に同情し始める。
「とにかく!!婚約破棄を決定する!!!」
「もう、いいです。こっちから貴方なんか願い下げです。」
(最悪すぎる…婚約パーティーで婚約破棄されるなんて、令嬢としてどうなのかしら…)
と少し落ち込んでいると、青髪の、私の幼馴染が声を上げた。
「ソフィア?俺と婚約しよう。」
そして手を差し伸べてきた。
…え?
今、婚約の申し込み、だった?
と困惑していると、部外者が話しかけてきた。
「っはん、こんな青髪で如何にも怪しいやつ、お前にお似合いだな!!」
カイリはこの国の友好国の第一王子なのに、そんな事言っていいのかしら…
「グリア様、申し訳ないが失せてくれないか。君はソフィアの邪魔だ。」
(…カイリなら、仲が良いし、もうカイリと婚約しようかな。)
私はこの時、困惑していて自分の置かれている状況をあまり理解していなかった。
だからこそ、差し伸べられた手を取った。
カイリが笑顔で、
「良かった。君なら、俺の手を取ってくれると思ってたよ。
場所を移動しようか、こんな場所は、君に相応しくない。」
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