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新たな生活

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…私、いつの間に寝ちゃっていたのでしょうか。
昨日、グリア様との婚約パーティーがあって…
「ソフィア、お前との婚約を破棄する!!!」
って言われたんだっけ!?
…そうだ。その後に、幼馴染のカイリに、婚約を申し込まれたんだ…
昨日は、凄い一日だったわね…。
ということは、この部屋は、カイリの家!?
カイリの家って、隣国の、家よね!?てことはあの後1時間くらい馬車に乗せてくれていたのか…。
(相変わらず、カイリは優しいわね。)
などと考えていると、カイリが部屋に入ってきた。
「あぁ、起きた?おはよう。」
「カイリ…おはようございます。
その、ここは?」
「あ、ごめん。昨日、あの後にソフィアが疲れて寝ちゃったから…どうしようもなくて、ここは俺の家だよ。」
「そんな、謝らないで、こちらこそありがとう。
その…私、昨日の事、あんまり覚えてないんだけど…どうなったの…?
グリア様に婚約破棄されて、カイリに婚約されたっていうのは覚えてるんだけど…」
婚約破棄に婚約って…凄いパワーワードね…
「…グリア様の事は、喋りたくないから喋らないけど。
そうだね。俺は君、ソフィアに婚約したよ。そして君は、僕が差し伸べた手を取った。
そして君の家には、事情は説明してあるから、後は君さえ良ければ婚約できる。」
私の家に、事情を説明した…、お母様は、どう思ったんだろう。
お母様は、私を良く思っていない。だからこそ、昨日のパーティーにも来なかった。
そして昨日婚約破棄されて、婚約されたと聞かされれば、カイリの家に乗り込んでくるかもしれない…。
考えていると、カイリが、私の考えていることに気づいたみたいで、
「大丈夫だよ。ソフィアのお母さんには、ちゃんと話したし、怒ってなかったよ。
俺がソフィアを小さいころから好きだったことを話したら、喜んで承諾してくれたよ?」
そうか。お母様、そういうラブストーリー大好きだもんな。
(カイリ、人の心読んでるんじゃないかって言うくらい的確なこと話すから、凄いよなぁ…)
「そっか。とりあえず、ありがとう。
何から何までカイリにやらせてごめんね。」
「良いんだよ?君は独りで抱え過ぎだ。
小さい時から、もっと俺を頼っていいんだから。
しかも、これから婚約者になるんだし、もっと、俺に頼って?」
「…ごめんね。ありがとう。
何かあったときは、頼らせてもらうね。」
「すぐ謝る癖、良くないよ?」
「ごめ…あ、ありがとう…?」
カイリは、本当に私なんかで良いのだろうか…。
ソフィアが考えていると、カイリは
「とりあえず、俺のお父さんとお母さんに挨拶しに行こうか。
優しい人だし、話は通しているから、緊張せずに行って大丈夫だよ。」
「うん。分かった。」
「それじゃあ、行こうか。」
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