私の婚約者が、婚約をしたくなかったようで毎日小言を言ってきます。それなら私から婚約破棄させて頂きます。それではさようなら。

1.

「婚約破棄しよう。
俺には愛してる人がいたんだ！」
...待ってました。
私だって、愛してくれる人がいたんです！

......私たちは、両親の方針で婚約させられた。
所謂、愛のない婚約。
そして、私には想い人がいた。
......私の婚約者も想い人がいたみたいで、私は毎日のように小言を言われることとなってしまった。

「お前のせいで...！
お前のせいで俺は本当の恋愛を出来なくなったんだぞ......。」
確かに、それは申し訳なく思っているけれど、私だってそうですのよ。

（あーあ。早く婚約破棄してくれないかしら。）
そんなことを想いながら、日々過ごす。
でも所詮、私たちは両親が決めたとおりに動かなければならないのだ。

私は、婚約者の小言が酷くなってきたので、一度実家に帰ることにした。
そこで、私は初めて両親に婚約破棄したいと相談してみた。

「ねえ、お父様。
私、婚約破棄したいわ…。」
「なんだ、急に？」
私は、全て話した。
「...実は、私の婚約者から、毎日小言を言われてて。
もう、さすがに耐えられない。」
私の抱えていたものを全て話すと、両親は分かってくれた。

「......分かった。
私から、婚約破棄できないか頼んでみる。」
「......！
ありがとう、お父様...！」

おかげで事は進み、婚約破棄をするという方向で話は進んだ。

最後、私はあの婚約者に一言言ってからお別れしたいと思った。
失礼、元婚約者でしたわ（笑）

私が婚約破棄するためにあの家に戻ると、早速小言を言われた。
「あーあ、戻ってきたのか。
そのまま婚約破棄してくれても良かったんだけど？？」
相変わらず苛々する言い方だわ...。
「はい、婚約破棄の為に今日は一度戻ってきました。
貴方と私は明日から他人です！嬉しいですね～。
あ、貴方のした悪行は全て貴方の親に伝わっていますので～！！
それじゃ、さようなら。」

私の元婚約者は引き留めるようなことを喋っていたけれど、すべて無視して私は実家に戻りました！


実家に戻ると、幼馴染で、初恋の人が家にやってきてくれた。
「...久しぶり！
話は聞いたよ、災難だったね...。」
「えぇ、ありがとう。
どうしてこんな急に来てくれたの？」

「...それなんだけど。
君が好きだよ。」
「...えっ？」
「勿論、返事はあとで大丈夫。
ただ、伝えておきたくて。もしよかったら、僕と婚約しない？」
...貴方が、私を好き、ってこと？
......私は、元婚約者の事があるから少し迷っていた。
だけれど、こんなに誠実に想ってくれていたのなら、その気持ちに応えたいな。

「ありがとう...。
じゃあ、私の気持ちが固まったら、婚約してほしいな。」

その後は、婚約し、結婚をした。
結婚した後も私を誠実に想ってくれて、とても私は幸せです！！
今思うと、あの時元婚約者と婚約破棄しといて、本当に良かった～。