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「大好きだよ、僕のお姫さま。」
「えぇ、私も大好き!!アルノ。」

大好きな婚約者、アルノ。
アルノは男爵家の跡取り息子。
...まぁ、男爵家と言っても、その仕事は私がやっているのだけれど。
それでも、アルノを愛しているから、ちょっと大変な仕事だって大丈夫よ!!

_____

......ですが...愛し合っていた私たちの日常は、親友で幼馴染の女性に...壊されてしまうのでした。


「な、なんで貴方が私の婚約者にキスしてるの!?」

私は驚きました。
幼馴染が、私の婚約者にキスしていたからです。

「...そんなの、貴方は飽きられたからじゃないの?
アルノ君に聞いてみたらいいじゃない。」

しかも、君呼びまで。
...ちょっと前までさん付けだったのに......いつの間に変わったの?

「...そうなんだ、僕はもう、君の気持ちに応えることはできない。
僕は、真実の愛を見つけてしまったんだ!!」


...真実の愛? ちょっと前まで、私たちは愛し合っていたのに?

「真実の愛ではなくて、貴方達のしてることは浮気よ!!」

「だけど、浮気だとしても!!本当に真実の愛なんだ!」

「......そう。
じゃあ、婚約破棄ってことでよろしいですか?」

「あぁ、そうさせてもらう。」
「じゃあね、飽きられた女さん??」

...私の幼馴染が、こんなに性根の腐った女性だとは思っていませんでしたわ...。
正直少し引きました。



......そういえば、私が今までアルノの仕事をやっていたのに......急に私がいなくなって大丈夫なのかしらね?


_____

~3か月後~

「おい、お前!!!!」

そこには、怒り狂った元婚約者がいました。

「どうしたんですか? 元婚約者さん?」
私は侮辱の意味も込めて、言い放つ。

「どうしたじゃないだろ!!
なんだこの仕事の量は!? 仕事に追われ過ぎて、真実の愛ライフを送れないじゃないか!!」

......う~ん、真実の愛ライフってネーミングセンスないんですかね...。

「そうだ、お前を側妃にしてやる。
だから、仕事を代わりにやれ。 有り難い提案だろ?」

...はぁ??
何言ってるの?
勝手に浮気して、仕事が出来ないからって私を勝手に側妃にするの?

「いいえ、その提案、きっぱりお断りさせて頂きます。
そもそも、貴方が浮気したのが悪いでしょう?...今更後悔したって、遅いだけですよ?」

アルノは、自分の我儘が通らなかったのが悔しかったのか、少し黙った。


「...それに私、結婚している殿方がいますの。
なので、これから金輪際話しかけないでくださいます? 貴方と私はもう他人です。」

「なっ、なんだと~~~~~~!?
お前なんか、すぐに飽きられるさ!!!バーカ!!!」

...そんな捨て台詞を吐いて、アルノは逃げて行った。




「どうしたんだい?何かあった?」

「...いえ、少しうるさい狂犬が来ただけですわ。」

目の前の今や大好きな彼はきょとんとして、
「そうなの? 噛まれてない?」

「大丈夫ですわ、追い払ったので。」

彼はニヤッとして...そして彼に抱き着かれた。

「...ちょ、ちょっと!外ですわよ!!」

「えへへ、大好きなんだも~ん。」


あ~あ、あの時アルノと婚約破棄していて、本当に良かった~。
だって、アルノ以上に愛してくれる殿方が、いたんですもの。
苦しいことはあったけれど、それ以上に今が幸せです!
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