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1章
9話「残された闇の力とオルターナ」
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魔族デデルは撃破したガイアとフェランドを始めとする騎士達は残存勢力であるモンスター達の殲滅を開始する。だが、ホームからデデルの支配から解き放たれたと知れ渡ったオルターナの中で息を潜めて怯えていた国民達が希望を胸に抱いて立ち上がる。
城から街に降りてきたガイア達もモンスター殲滅に加わり確実にオルターナから闇の勢力を排除していく。そして、国民の中にオルターナの大地に異変を感じた老人が国民達を導こうとしているユリウスに近寄り進言してきた。
「ユリウス様っ!」
「どうしたのですか?」
「このオルターナの大地がっ、大地がっ!」
「!?」
老人の言葉にユリウスは言葉を詰まらせる。それはユリウスが懸念していた最悪の自体がオルターナの大地に起こっていたと知るのであった。
アベルゾとルーデリッシュが手当てを受けている中で、ガイアとフェランドはオルターナ内部のモンスター殲滅部隊に加わって動いていたがユリウスの意思を受けた抵抗軍の仲間が焦りを見せながらガイア達に駆け寄ってくる。その焦っている姿はガイアとフェランドに嫌な汗を流させた。
ユリウスは静かにその「異変」が起こっている場所に立っていた。その場所はどす黒い闇の瘴気に覆われジュクジュクとした膿んだ様な大地に変貌を遂げていく様をユリウスは絶望に染まり始めている。
「ユリウス様!」
「これは……!?」
「魔神アガルダの目的はこのオルターナの国ではない……この大地に宿るマナを枯らす事です。オルターナのマナはもう……底尽き掛けている」
「それって……」
「魔神アガルダは……このオルガスタン大陸のマナを枯らすつもりか!?」
「魔神アガルダは、オルターナの大地に呪いを掛けたのか……」
ユリウスはガイアとフェランドの耳に静かに語られる。その真実は魔神アガルダの狙いとは然程遠くない位置の答えだろうかとその場にいる騎士達は同時に思う。
だが、現実はそう優しい事実を知らせている訳ではない。この事実はオルターナの、いや、オルガスタンの全ての存在に迫る事実であった。
ガイアもフェランドもその事実を受け入れる訳にはいかない、そう……コーネルドとガラハッドの死に関わる真実でもある事を2人は知ってるのだ。コーネルドとガラハッドの死を2人は充分に呼び戻しされる記憶の中に見ているのであった。
「オルガスタン全土のマナを枯らし、人の住めぬ大陸にして、何を求めているのですか……?」
「考えられるのは……闇の勢力に適した世界を生み出すつもりだと言う事だろう」
「それだけじゃない……魔神アガルダは、マナを集めて何かをしようとしているのでしょう。だけれど、それは……決して許される事ではないです。真実がどんな近い位置にあったとしても、決してそれは魔神アガルダの心理に近付ける事は不可能だと思います」
「魔神アガルダは何か……この大陸の何かを求めている。それが結果的に多くの人間達を死に至らしめ、そして……絶望を生み出す。転生者がそれを止める為に転生を繰り返して魔神アガルダの野望を止めようとしている」
ガイアとフェランドはある記憶が蘇る、それは2人の前世として記憶を残すコーネルドとガラハッドを死に至らしめた原因になった出来事の記憶に残されている事実。そう、コーネルドとガラハッドの行く手に阻んだ相手はコーネルドとガラハッドの身体に宿るマナを奪い取り……そして、オルガスタンの希望を奪っていたのだ。
2人は無意識に気付き始めている、魔神アガルダはこのオルガスタンの大陸を滅ぼそうとしているだけではない。そう……魔神アガルダの真の狙いはきっと……。
「ガイア……」
「あぁ、俺達の記憶に残っているあの記憶、それは間違いない。魔神アガルダの野望ではない、魔神アガルダもまた……駒なんだ」
「俺達の運命はまだ動き出したばっかりなのに、まだ俺達に託された希望は絶望に染まるかも知れない、でも、それを切り開くのは俺達なんだ」
「もしかしたら俺達の運命は……コーネルドとガラハッドの死を乗り越えるだけじゃ済まないのかも知れない」
ガイアとフェランドは漆黒の空を背に静かに歩いていく、仲間達のいるホームへと。アベルゾとルーデリッシュはユリウスにある提案を聞かされていた。
ユリウスはオルターナの王族としての決断である、そう前置きをしてユリウスの口から出ていた言葉には感情が重ねて乗らないでいた。それは王族としては仕方ない決断ではあるとアベルゾとルーデリッシュには理解しているのだが、聞く側には辛いものがあった。
「オルターナを……破棄します」
「それしか、方法はないのですね……」
「国民達はどうする? ここからスジエルまでの行軍は少し時間が必要ではないだろうか?」
「それも考えております。オルターナの南に国民達を受け入れてくれる小さな村があります。そこに一時的に避難させて準備が整い次第スジエルへと移動してもらうつもりです」
「ならばスジエルで護衛の騎士達を派遣してもらいましょう。少なくとも今のオルターナの現状を知らせる為にも私達は一足先にスジエルへと戻る事にします」
「アベルゾ、俺がユリウス様の護衛する為に残る。ガイアとフェランド達を頼む」
「分かりました、ルーデリッシュ、ユリウス様の事を頼みます」
「すみません、皆様のお力をお借りします」
アベルゾはルーデリッシュの言葉に従って彼がユリウスの護衛になるのであれば問題はないだろうと判断して2人のいる部屋から出て行く。ガイアとフェランドはアベルゾと合流してユリウスの決断を知らされて2人もまたユリウスの苦渋の決断であるのは理解した。
2人はスジエルへの帰国に備えて準備に取り掛かる。だが、フェランドの動きが鈍いのをガイアは気付いた。
フェランドの方に手を伸ばしたガイアは気付いてしまった。フェランドの身体の中に転生者の輝きの元が体内で強大な波紋を生み出しているのに。
ガイアの手がフェランドの左手首を優しく握り締めてそっと引き寄せる。静かではあるが反抗を許さない力にフェランドは素直に従ってガイアの腕の中に収まって息を吐き出す。
「久々に出たなら言え。無理して身体に異変を出せば支障を出すのは本意じゃないだろ」
「でも……無理してでも動かないといけない時もあるからさ……。ここで我慢して乗り越えないといつまでもガイアに甘えてしまう……」
「だがな、それでも俺達の身体に宿っている転生者の輝きには通じないだろうが。俺達はまだ倒れる訳にはいかない」
「……ごめん。ありがとう……」
黒い髪のフェランドの頭を優しく撫でて行くガイアには心なしか柔らかな微笑みを浮かべている。腰までの長さを維持しているガイアの脳裏にはある記憶が蘇っていた。
コーネルドの魂を持つガイアはコーネルドの静かな願いと絶望を知っている。そう、自分達の命を代価にする輝きを使う度に自分の未来は消えていく事に願いを残した。
自分の命が費えた時、世界が平和になっている事を、そして、同時に自分の命でガラハッドは生き残せれないだろうか? それはコーネルドの絶望でもあった。自分と同じ運命を持つガラハッドはきっと生き残れない。
お互いのどちらかに希望を繋ぐ様に未来はないだろうかと、コーネルドは知識を探っていく。でも、それは無駄になってしまう。
『ガラハッドだけでも生き延びてくれれば……私はそれだけで幸せなのだが……』
『コーネルドー!!』
「!!、ガラハッド』
『一緒に丘の上で飯食べようぜ!』
そんなやり取りをするコーネルドの記憶は静かに終わりを告げる。コーネルドはガラハッドの生存を求める事に希望を託そうとしているのが分かっていた。
ガラハッドの魂を持つフェランドはその記憶に何を想うのだろうか。そして、腕の中で自分の身体を襲い掛かっている輝きの力に対応しているフェランドの姿を見つめる。
額に汗を浮かばせて苦痛を感じながらも必死に抑え込もうとしているフェランドの背に手を添えて、撫でる。それだけでガイアの中にある輝きの力を中和出来ているので効果はないとは言えない。
フェランドの意識が途切れる、身体から力が抜けて崩れ落ちるフェランドを支えてガイアは静かに微笑んで抱き上げた。まだアーマー類を付けているがそれでも軽いと言えるフェランドの身体をベッドに寝かせるとガイアの脳裏にフェランドの言葉が思い返される。
『いつまでも……ガイアに甘えてしまう……』
「……いつの間にか成長して兄離れしてしまったか……」
そう、昔はガイアを兄の様に慕って付いて回っていたフェランドはまだ無邪気な少年の姿があった。でも、少年はいつの間にか青年へと成長しガイアの隣に並んでいるフェランドの強さにガイアも心から喜びを送るのであった。
2人の運命の騎士は静かに運命の動きに身を投じていくしか方法は無い。だが、ガイアはある結論を静かに出される。
ガイアはコーネルドの魂を持つ転生者として、想いと記憶を受け継いでいるからこそ出した結論。それだけフェランドの事を想う理由は……。
「アベルゾさん」
「フェランド君。準備は如何ですか?」
「はい、全て終わりました。ガイアの方も終わりました。いつでも発てます」
「それではスジエルへ帰国行軍に入ります。国民達を村にまで護衛して、それが終わってからスジエルへ一気に戻ります」
「それじゃ先導は任せて下さい。俺が先導します」
「お願いします。ガイア君と私が中央を維持します」
アベルゾとフェランドが準備を終えて隊列を組んでオルターナの国民達を護衛しながら行軍を始める。動きは遅いけれども確実に進み始めて行く隊列は村に向かって行軍が進む。
村は案外近く、でも、それが故にオルターナの国の闇は及ばなかった。だからこそ、村に国民が迎え入れれられると、見届けた騎士達は村に別れを告げて愛馬に激を飛ばしてスジエルに向かって速度を上げて移動を開始していく。
先導をフェランドが勤め、中腹にガイアとアベルゾを置いて、騎士達は一心不乱にスジエルへ向けられている。それはある事を感じさせる。
何かを確認したフェランドはすぐにアベルゾ達の元に知らせを送る。その知らせを受けたアベルゾとガイアはすぐに先導のフェランドの隣に向かって愛馬を走らせた。
そう、国境を包む闇の瘴気がまるで意思を持ってフェランド達に向かっている事を理解したフェランド達は迎撃の準備に取り掛かるのだった――――。
城から街に降りてきたガイア達もモンスター殲滅に加わり確実にオルターナから闇の勢力を排除していく。そして、国民の中にオルターナの大地に異変を感じた老人が国民達を導こうとしているユリウスに近寄り進言してきた。
「ユリウス様っ!」
「どうしたのですか?」
「このオルターナの大地がっ、大地がっ!」
「!?」
老人の言葉にユリウスは言葉を詰まらせる。それはユリウスが懸念していた最悪の自体がオルターナの大地に起こっていたと知るのであった。
アベルゾとルーデリッシュが手当てを受けている中で、ガイアとフェランドはオルターナ内部のモンスター殲滅部隊に加わって動いていたがユリウスの意思を受けた抵抗軍の仲間が焦りを見せながらガイア達に駆け寄ってくる。その焦っている姿はガイアとフェランドに嫌な汗を流させた。
ユリウスは静かにその「異変」が起こっている場所に立っていた。その場所はどす黒い闇の瘴気に覆われジュクジュクとした膿んだ様な大地に変貌を遂げていく様をユリウスは絶望に染まり始めている。
「ユリウス様!」
「これは……!?」
「魔神アガルダの目的はこのオルターナの国ではない……この大地に宿るマナを枯らす事です。オルターナのマナはもう……底尽き掛けている」
「それって……」
「魔神アガルダは……このオルガスタン大陸のマナを枯らすつもりか!?」
「魔神アガルダは、オルターナの大地に呪いを掛けたのか……」
ユリウスはガイアとフェランドの耳に静かに語られる。その真実は魔神アガルダの狙いとは然程遠くない位置の答えだろうかとその場にいる騎士達は同時に思う。
だが、現実はそう優しい事実を知らせている訳ではない。この事実はオルターナの、いや、オルガスタンの全ての存在に迫る事実であった。
ガイアもフェランドもその事実を受け入れる訳にはいかない、そう……コーネルドとガラハッドの死に関わる真実でもある事を2人は知ってるのだ。コーネルドとガラハッドの死を2人は充分に呼び戻しされる記憶の中に見ているのであった。
「オルガスタン全土のマナを枯らし、人の住めぬ大陸にして、何を求めているのですか……?」
「考えられるのは……闇の勢力に適した世界を生み出すつもりだと言う事だろう」
「それだけじゃない……魔神アガルダは、マナを集めて何かをしようとしているのでしょう。だけれど、それは……決して許される事ではないです。真実がどんな近い位置にあったとしても、決してそれは魔神アガルダの心理に近付ける事は不可能だと思います」
「魔神アガルダは何か……この大陸の何かを求めている。それが結果的に多くの人間達を死に至らしめ、そして……絶望を生み出す。転生者がそれを止める為に転生を繰り返して魔神アガルダの野望を止めようとしている」
ガイアとフェランドはある記憶が蘇る、それは2人の前世として記憶を残すコーネルドとガラハッドを死に至らしめた原因になった出来事の記憶に残されている事実。そう、コーネルドとガラハッドの行く手に阻んだ相手はコーネルドとガラハッドの身体に宿るマナを奪い取り……そして、オルガスタンの希望を奪っていたのだ。
2人は無意識に気付き始めている、魔神アガルダはこのオルガスタンの大陸を滅ぼそうとしているだけではない。そう……魔神アガルダの真の狙いはきっと……。
「ガイア……」
「あぁ、俺達の記憶に残っているあの記憶、それは間違いない。魔神アガルダの野望ではない、魔神アガルダもまた……駒なんだ」
「俺達の運命はまだ動き出したばっかりなのに、まだ俺達に託された希望は絶望に染まるかも知れない、でも、それを切り開くのは俺達なんだ」
「もしかしたら俺達の運命は……コーネルドとガラハッドの死を乗り越えるだけじゃ済まないのかも知れない」
ガイアとフェランドは漆黒の空を背に静かに歩いていく、仲間達のいるホームへと。アベルゾとルーデリッシュはユリウスにある提案を聞かされていた。
ユリウスはオルターナの王族としての決断である、そう前置きをしてユリウスの口から出ていた言葉には感情が重ねて乗らないでいた。それは王族としては仕方ない決断ではあるとアベルゾとルーデリッシュには理解しているのだが、聞く側には辛いものがあった。
「オルターナを……破棄します」
「それしか、方法はないのですね……」
「国民達はどうする? ここからスジエルまでの行軍は少し時間が必要ではないだろうか?」
「それも考えております。オルターナの南に国民達を受け入れてくれる小さな村があります。そこに一時的に避難させて準備が整い次第スジエルへと移動してもらうつもりです」
「ならばスジエルで護衛の騎士達を派遣してもらいましょう。少なくとも今のオルターナの現状を知らせる為にも私達は一足先にスジエルへと戻る事にします」
「アベルゾ、俺がユリウス様の護衛する為に残る。ガイアとフェランド達を頼む」
「分かりました、ルーデリッシュ、ユリウス様の事を頼みます」
「すみません、皆様のお力をお借りします」
アベルゾはルーデリッシュの言葉に従って彼がユリウスの護衛になるのであれば問題はないだろうと判断して2人のいる部屋から出て行く。ガイアとフェランドはアベルゾと合流してユリウスの決断を知らされて2人もまたユリウスの苦渋の決断であるのは理解した。
2人はスジエルへの帰国に備えて準備に取り掛かる。だが、フェランドの動きが鈍いのをガイアは気付いた。
フェランドの方に手を伸ばしたガイアは気付いてしまった。フェランドの身体の中に転生者の輝きの元が体内で強大な波紋を生み出しているのに。
ガイアの手がフェランドの左手首を優しく握り締めてそっと引き寄せる。静かではあるが反抗を許さない力にフェランドは素直に従ってガイアの腕の中に収まって息を吐き出す。
「久々に出たなら言え。無理して身体に異変を出せば支障を出すのは本意じゃないだろ」
「でも……無理してでも動かないといけない時もあるからさ……。ここで我慢して乗り越えないといつまでもガイアに甘えてしまう……」
「だがな、それでも俺達の身体に宿っている転生者の輝きには通じないだろうが。俺達はまだ倒れる訳にはいかない」
「……ごめん。ありがとう……」
黒い髪のフェランドの頭を優しく撫でて行くガイアには心なしか柔らかな微笑みを浮かべている。腰までの長さを維持しているガイアの脳裏にはある記憶が蘇っていた。
コーネルドの魂を持つガイアはコーネルドの静かな願いと絶望を知っている。そう、自分達の命を代価にする輝きを使う度に自分の未来は消えていく事に願いを残した。
自分の命が費えた時、世界が平和になっている事を、そして、同時に自分の命でガラハッドは生き残せれないだろうか? それはコーネルドの絶望でもあった。自分と同じ運命を持つガラハッドはきっと生き残れない。
お互いのどちらかに希望を繋ぐ様に未来はないだろうかと、コーネルドは知識を探っていく。でも、それは無駄になってしまう。
『ガラハッドだけでも生き延びてくれれば……私はそれだけで幸せなのだが……』
『コーネルドー!!』
「!!、ガラハッド』
『一緒に丘の上で飯食べようぜ!』
そんなやり取りをするコーネルドの記憶は静かに終わりを告げる。コーネルドはガラハッドの生存を求める事に希望を託そうとしているのが分かっていた。
ガラハッドの魂を持つフェランドはその記憶に何を想うのだろうか。そして、腕の中で自分の身体を襲い掛かっている輝きの力に対応しているフェランドの姿を見つめる。
額に汗を浮かばせて苦痛を感じながらも必死に抑え込もうとしているフェランドの背に手を添えて、撫でる。それだけでガイアの中にある輝きの力を中和出来ているので効果はないとは言えない。
フェランドの意識が途切れる、身体から力が抜けて崩れ落ちるフェランドを支えてガイアは静かに微笑んで抱き上げた。まだアーマー類を付けているがそれでも軽いと言えるフェランドの身体をベッドに寝かせるとガイアの脳裏にフェランドの言葉が思い返される。
『いつまでも……ガイアに甘えてしまう……』
「……いつの間にか成長して兄離れしてしまったか……」
そう、昔はガイアを兄の様に慕って付いて回っていたフェランドはまだ無邪気な少年の姿があった。でも、少年はいつの間にか青年へと成長しガイアの隣に並んでいるフェランドの強さにガイアも心から喜びを送るのであった。
2人の運命の騎士は静かに運命の動きに身を投じていくしか方法は無い。だが、ガイアはある結論を静かに出される。
ガイアはコーネルドの魂を持つ転生者として、想いと記憶を受け継いでいるからこそ出した結論。それだけフェランドの事を想う理由は……。
「アベルゾさん」
「フェランド君。準備は如何ですか?」
「はい、全て終わりました。ガイアの方も終わりました。いつでも発てます」
「それではスジエルへ帰国行軍に入ります。国民達を村にまで護衛して、それが終わってからスジエルへ一気に戻ります」
「それじゃ先導は任せて下さい。俺が先導します」
「お願いします。ガイア君と私が中央を維持します」
アベルゾとフェランドが準備を終えて隊列を組んでオルターナの国民達を護衛しながら行軍を始める。動きは遅いけれども確実に進み始めて行く隊列は村に向かって行軍が進む。
村は案外近く、でも、それが故にオルターナの国の闇は及ばなかった。だからこそ、村に国民が迎え入れれられると、見届けた騎士達は村に別れを告げて愛馬に激を飛ばしてスジエルに向かって速度を上げて移動を開始していく。
先導をフェランドが勤め、中腹にガイアとアベルゾを置いて、騎士達は一心不乱にスジエルへ向けられている。それはある事を感じさせる。
何かを確認したフェランドはすぐにアベルゾ達の元に知らせを送る。その知らせを受けたアベルゾとガイアはすぐに先導のフェランドの隣に向かって愛馬を走らせた。
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