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2章
11話「魔神アガルダの本当の狙いとは?」
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ガイアとフェランドの前世であるコーネルドとガラハッドはある真実を突き止めていた。それはこのオルガスタン大陸を飲み込んだ闇の勢力、闇の魔王であるアガルダの本当の目的である。
コーネルドもガラハッドもその真実を知って自分達の運命を受け入れて死んだ、そうガイアとフェランドは受け止めている。魔神アガルダ、その魔王は一体何を目的としてこのオルガスタン大陸を襲い、そして支配下に置いたのか?
「やっぱりコーネルドが突き止めた真実が一番に濃厚説ではあるよな」
「それとは別の目的があるとしたなら、魔神アガルダは一体どうしてオルガスタン大陸を選んだんだろう?」
「考えられるのは、自分を封じるだけの威力を持つマナの利用……そのマナを使って大魔神ポゾロの復活……」
「そのポゾロが封じられている場所は不明だけれど、トリガーは魔神による大量の死者の生贄と膨大なマナの流出だってガラハッドじゃコーネルドに告げている……。もし、これが当たっているのであれば魔神アガルダはこのオルガスタンのマナを集めている理由には合点が行く」
「ポゾロについての情報はこのオルガスタンでも中々知る事は出来ない。スジエルの文献にもカーネル様でさえその存在を認知はされてなかった。俺達、まだ希望を担うだけの騎士ではない、人々に本当の真なる敵を告げるには実力が足りてない」
ガイアの言葉に横になっていたフェランドも大人しく頷く。2人の前世で知り得た真実を語るにしても2人はまだ若い。
2人の若い人間の言葉がどんなに語ったとしても夢物語、そう受け取られて真実を受け入れてもらう事は容易ではない事をガイアもフェランドも知っている。どうにか人々に本当の敵である大魔神ポゾロの復活を止める力を貸してもらわないとオルガスタンだけではない、この世界が絶望に染まってしまう恐れだってあるのだ。
2人は自分達に課せられている運命についてまた深い思考の海へと意識を集中させる。その頃、後方からスジエルを目指していたルーデリッシュが護衛するオルターナの最後の王族でああるユリウスの一部隊が合流を果たした。
「アベルゾ様、先遣隊から伺いました。デデルの怨念を切り払って下さった事、感謝致します」
「いえ、我々の故郷であるスジエルに戻る為には必要不可欠な事ですし、それに国境だけでもお救いする事が出来た事は少しだけ騎士達の士気にも良い影響を与えています」
「やはり、魔神アガルダはオルターナを手始めにオルガスタン大陸全土のマナを奪うつもりなのでしょう。ですが、スジエルを一度は廃国にした時に気付かなかったのでしょうか。スジエルの地下に巡るマナこそ、このオルガスタン大陸の中で最も強く、そして、魔神を封じるだけの量を誇っている事に」
「分かりませんが、魔神アガルダは一体何の為にオルガスタンのマナを集めているのか……それを突き止める鍵は、あの2人の記憶にあると思っています」
「ガイア殿とフェランド殿、ですね?」
「えぇ、彼らの転生者の記憶……それが残した事実を我々は知るべきなのかも知れません」
アベルゾは行軍の合間に調べていたある書物をユリウスの前に差し出す。書かれている文字は神聖文字で内容を読むにはそれなりの神聖文字のスキルが必要である。
ユリウスにはそのスキルが備わっていた為にアベルゾから書物を受け取るとパラッと本を開いて最初のページを読み始める。そこに書かれていたのは、転生者の運命にまつわる語り部達からの記録が書かれていた。
『転生者、世界の真実を知る者達の記憶を受け継ぎ、転生を繰り返して来るべき時に備えし者達。その者達の運命には皮肉かな、死の運命が必ず付き纏う。その死に抗った転生者達の魂は闇に包まれる事もなく、髪の御許に舞い上がり新たな器の誕生を待って転生を行う。転生者、それは即ち世界の調律者』
「世界の……調律者……それがあのお2人だと言う事ですか」
「まだ断言するのは早いかも知れません。スジエルのエヴァ様とアルフォード総団長も希望を担った方々。ガイア君とフェランド君だけじゃないかも知れないんです転生者は」
「やっぱり候補はいたのか?」
「では、世界には転生者がまだいると?」
「白の神殿に下された神託には転生者は彼らを除いて3人はいると下されております。その3人がどの様な転生者の記憶を持っているかは不明ではありますが、彼らと同じ運命を担っているのであれば……我々はその3名を探し出し味方に招き入れる必要もあるのです」
アベルゾは静かに息を吐き出す。ガイアもフェランドも決して記憶の事を話す様子は見せていない。それだけの記憶であるのであれば彼らは独断で運命に抗うつもりなのだろうとアベルゾの中で少しだけ悲しみが生まれる。
ルーデリッシュとユリウスは書物に書かれていた死の運命、それがガイアとフェランドの運命ならば受け入れるしかないのか、と考えてしまう。そして、オルガスタン大陸には他に3名の転生者の存在を示唆する神託も下されている……その3名の事をガイアもフェランドも知っているのだろうか。
怪我人の傷が完治まではいかなくともある程度の動きがあ取り戻しつつある騎士達は、駐留させてもらっている村の困り事に協力して解決をする動きをしていた。ガイアは村の子供達に文字を教えて勉強の大事さを説き、アベルゾは村の男達を集めて村の井戸を掘る事を提案し実行に移していた。
「……」
「フェランド」
「あ、ルーデリッシュさん」
「怪我はどうだ?」
「もう平気です。皆が大袈裟なんですよ」
「それだけお前が騎士団に馴染んでいる証拠だろう。何かする事はないのか?」
「実は少し気になる事があって。それを確かめに行こうかと」
「気になる事?」
「この村の近くに強いマナの流れを感じるんです。でも、その流れは意図的に消えたりしている様で、妖精か精霊が住んでいるのかなって」
「なる程。ならばアベルゾに相談したがいいだろう。あいつもマナの扱いには長けている」
「でも、確信がある訳でもないんで、確信を持てたら相談してみます。それじゃ行ってきます」
フェランドは右手を上げて村から出ていき近くの森に姿を消して行った。ルーデリッシュはその背に何か迷っている事があるのを見抜いてアベルゾではなく、ガイアにフェランドの行動を知らせに行った。
森の少し入った所にそのマナの流れはあった。小さな泉が静かに佇んでいるのがフェランドには確認出来る。
傍に寄ると透明度の高い泉は底が深いのだろうがしっかり見えて魚がチラホラと泳いでるのが確認出来た。だが、フェランドのマナにはこの泉のマナがハッキリと判断出来る。
「この泉……精霊が好むマナの生成をしているのか」
「フェランド~」
「ガイア? どうしたんだい?」
「ルーデリッシュさんから聞いて追ってきたんだ。この泉がどうかしたのか?」
「この泉、精霊が好むマナを生成しているっぽい。でも不思議と精霊の気配は感じないんだ」
「人間の俺達を怖がっているから姿を隠しているんだろう。でも、ここに精霊の好むマナを生み出す泉……村が安全だったのはこの泉のお陰かもな」
「うん、俺もそう思う。泉を好む精霊はきっと村の人々を大事にしてくれているんだろうね。そんな精霊に愛されている村はきっと大丈夫だと思う」
「昔のオルガスタン大陸では精霊と人間は言葉を交わして、共に知を高めて、オルガスタンの発展に貢献してきたと聞く。その精霊さえも魔神アガルダによって封じられたり食われたりして数自体が減りつつある。俺達は精霊も助ける為にも戦わないといけないな」
「精霊と話が出来る、そんなオルガスタンに戻れる様に……頑張ろうねガイア」
「あぁ」
フェランドは隣に立ち泉を見つめているガイアの横顔に微笑んだ。ガイアもまたこのオルガスタンに存在している全ての生物を魔神アガルダの恐怖から解放する、その為に剣を握るのを改めて決意する。
そんなガイアとフェランドを見つめる小さな瞳が森の中にあった。森の精霊ドリアードである。
彼女は森の木々に隠れて泉にやってきたガイアとフェランドを注意深く監視していたが、ガイア達の言葉に不意に人間の中にも稀に精霊を大事にする人間達がいる事を思い出していた。そして、ガイアとフェランドが村に戻っていくのを見送り泉の傍に戻ってきたドリアードは森の木々達に村でのガイア達の事を見て欲しいと頼む。
精霊はその身体を形成しているのはその時代に生きる生物達が願った願いの力で形成し、維持するのにはマナを必要とする。ドリアードは村の近くに存在する森の中、泉の傍で産まれて長い間村を見守り愛し、そして、見届けてきた。
『私の姿を見た幼い子供達は毎日の様に泉に来ては村の事を話してくれたり、将来の夢を語ってくれたり、オルガスタンの未来を願ってくれていた。そんな日々がずっと続くと信じていた……でも、あの日を境に闇の力が強くなりオルガスタンを襲った……。魔神アガルダの狙いは世界樹であり、マナの全てを求めている……。人間達に戦う力はそんなに残されていない。私達精霊も魔神アガルダの力で弱体化したり、封じられたり、時にはマナを奪われる為に食われたりした。私達精霊も絶望に飲まれつつある……でも、あの2人は私達を救おうとしている……まだ世界は希望を持つ事が許されるのだろうか……』
泉の傍にて精霊の姿からマナを使って具現化したドリアードは緑の髪の毛を背中にまで伸ばし、緑色の瞳を持つ人間の少女の姿になれば身体の感覚を掴む為に少し泉傍を歩く。感覚もおかしい部分はない、この姿で村に行き先程の騎士だろうと思われる2人の人間の本質を探ろうと泉から離れて村へと歩き出した。
精霊は時に世界を巡るマナによって人間に大いなる知恵や力を与えてきた。だが、絶望に染まり始めているオルガスタンの人々に精霊は何も出来ない。
だが、あの人間達からは死の香りはするものの希望を生み出す光を感じる。それを確かめたい。
ドリアードは村に近付くにつれて色々と考えていたがフェランドとガイアの2人に出逢った事こそがドリアードの、いや、全ての精霊の未来を変える運命だったのだとドリアードは静かに確信する事となる――――。
コーネルドもガラハッドもその真実を知って自分達の運命を受け入れて死んだ、そうガイアとフェランドは受け止めている。魔神アガルダ、その魔王は一体何を目的としてこのオルガスタン大陸を襲い、そして支配下に置いたのか?
「やっぱりコーネルドが突き止めた真実が一番に濃厚説ではあるよな」
「それとは別の目的があるとしたなら、魔神アガルダは一体どうしてオルガスタン大陸を選んだんだろう?」
「考えられるのは、自分を封じるだけの威力を持つマナの利用……そのマナを使って大魔神ポゾロの復活……」
「そのポゾロが封じられている場所は不明だけれど、トリガーは魔神による大量の死者の生贄と膨大なマナの流出だってガラハッドじゃコーネルドに告げている……。もし、これが当たっているのであれば魔神アガルダはこのオルガスタンのマナを集めている理由には合点が行く」
「ポゾロについての情報はこのオルガスタンでも中々知る事は出来ない。スジエルの文献にもカーネル様でさえその存在を認知はされてなかった。俺達、まだ希望を担うだけの騎士ではない、人々に本当の真なる敵を告げるには実力が足りてない」
ガイアの言葉に横になっていたフェランドも大人しく頷く。2人の前世で知り得た真実を語るにしても2人はまだ若い。
2人の若い人間の言葉がどんなに語ったとしても夢物語、そう受け取られて真実を受け入れてもらう事は容易ではない事をガイアもフェランドも知っている。どうにか人々に本当の敵である大魔神ポゾロの復活を止める力を貸してもらわないとオルガスタンだけではない、この世界が絶望に染まってしまう恐れだってあるのだ。
2人は自分達に課せられている運命についてまた深い思考の海へと意識を集中させる。その頃、後方からスジエルを目指していたルーデリッシュが護衛するオルターナの最後の王族でああるユリウスの一部隊が合流を果たした。
「アベルゾ様、先遣隊から伺いました。デデルの怨念を切り払って下さった事、感謝致します」
「いえ、我々の故郷であるスジエルに戻る為には必要不可欠な事ですし、それに国境だけでもお救いする事が出来た事は少しだけ騎士達の士気にも良い影響を与えています」
「やはり、魔神アガルダはオルターナを手始めにオルガスタン大陸全土のマナを奪うつもりなのでしょう。ですが、スジエルを一度は廃国にした時に気付かなかったのでしょうか。スジエルの地下に巡るマナこそ、このオルガスタン大陸の中で最も強く、そして、魔神を封じるだけの量を誇っている事に」
「分かりませんが、魔神アガルダは一体何の為にオルガスタンのマナを集めているのか……それを突き止める鍵は、あの2人の記憶にあると思っています」
「ガイア殿とフェランド殿、ですね?」
「えぇ、彼らの転生者の記憶……それが残した事実を我々は知るべきなのかも知れません」
アベルゾは行軍の合間に調べていたある書物をユリウスの前に差し出す。書かれている文字は神聖文字で内容を読むにはそれなりの神聖文字のスキルが必要である。
ユリウスにはそのスキルが備わっていた為にアベルゾから書物を受け取るとパラッと本を開いて最初のページを読み始める。そこに書かれていたのは、転生者の運命にまつわる語り部達からの記録が書かれていた。
『転生者、世界の真実を知る者達の記憶を受け継ぎ、転生を繰り返して来るべき時に備えし者達。その者達の運命には皮肉かな、死の運命が必ず付き纏う。その死に抗った転生者達の魂は闇に包まれる事もなく、髪の御許に舞い上がり新たな器の誕生を待って転生を行う。転生者、それは即ち世界の調律者』
「世界の……調律者……それがあのお2人だと言う事ですか」
「まだ断言するのは早いかも知れません。スジエルのエヴァ様とアルフォード総団長も希望を担った方々。ガイア君とフェランド君だけじゃないかも知れないんです転生者は」
「やっぱり候補はいたのか?」
「では、世界には転生者がまだいると?」
「白の神殿に下された神託には転生者は彼らを除いて3人はいると下されております。その3人がどの様な転生者の記憶を持っているかは不明ではありますが、彼らと同じ運命を担っているのであれば……我々はその3名を探し出し味方に招き入れる必要もあるのです」
アベルゾは静かに息を吐き出す。ガイアもフェランドも決して記憶の事を話す様子は見せていない。それだけの記憶であるのであれば彼らは独断で運命に抗うつもりなのだろうとアベルゾの中で少しだけ悲しみが生まれる。
ルーデリッシュとユリウスは書物に書かれていた死の運命、それがガイアとフェランドの運命ならば受け入れるしかないのか、と考えてしまう。そして、オルガスタン大陸には他に3名の転生者の存在を示唆する神託も下されている……その3名の事をガイアもフェランドも知っているのだろうか。
怪我人の傷が完治まではいかなくともある程度の動きがあ取り戻しつつある騎士達は、駐留させてもらっている村の困り事に協力して解決をする動きをしていた。ガイアは村の子供達に文字を教えて勉強の大事さを説き、アベルゾは村の男達を集めて村の井戸を掘る事を提案し実行に移していた。
「……」
「フェランド」
「あ、ルーデリッシュさん」
「怪我はどうだ?」
「もう平気です。皆が大袈裟なんですよ」
「それだけお前が騎士団に馴染んでいる証拠だろう。何かする事はないのか?」
「実は少し気になる事があって。それを確かめに行こうかと」
「気になる事?」
「この村の近くに強いマナの流れを感じるんです。でも、その流れは意図的に消えたりしている様で、妖精か精霊が住んでいるのかなって」
「なる程。ならばアベルゾに相談したがいいだろう。あいつもマナの扱いには長けている」
「でも、確信がある訳でもないんで、確信を持てたら相談してみます。それじゃ行ってきます」
フェランドは右手を上げて村から出ていき近くの森に姿を消して行った。ルーデリッシュはその背に何か迷っている事があるのを見抜いてアベルゾではなく、ガイアにフェランドの行動を知らせに行った。
森の少し入った所にそのマナの流れはあった。小さな泉が静かに佇んでいるのがフェランドには確認出来る。
傍に寄ると透明度の高い泉は底が深いのだろうがしっかり見えて魚がチラホラと泳いでるのが確認出来た。だが、フェランドのマナにはこの泉のマナがハッキリと判断出来る。
「この泉……精霊が好むマナの生成をしているのか」
「フェランド~」
「ガイア? どうしたんだい?」
「ルーデリッシュさんから聞いて追ってきたんだ。この泉がどうかしたのか?」
「この泉、精霊が好むマナを生成しているっぽい。でも不思議と精霊の気配は感じないんだ」
「人間の俺達を怖がっているから姿を隠しているんだろう。でも、ここに精霊の好むマナを生み出す泉……村が安全だったのはこの泉のお陰かもな」
「うん、俺もそう思う。泉を好む精霊はきっと村の人々を大事にしてくれているんだろうね。そんな精霊に愛されている村はきっと大丈夫だと思う」
「昔のオルガスタン大陸では精霊と人間は言葉を交わして、共に知を高めて、オルガスタンの発展に貢献してきたと聞く。その精霊さえも魔神アガルダによって封じられたり食われたりして数自体が減りつつある。俺達は精霊も助ける為にも戦わないといけないな」
「精霊と話が出来る、そんなオルガスタンに戻れる様に……頑張ろうねガイア」
「あぁ」
フェランドは隣に立ち泉を見つめているガイアの横顔に微笑んだ。ガイアもまたこのオルガスタンに存在している全ての生物を魔神アガルダの恐怖から解放する、その為に剣を握るのを改めて決意する。
そんなガイアとフェランドを見つめる小さな瞳が森の中にあった。森の精霊ドリアードである。
彼女は森の木々に隠れて泉にやってきたガイアとフェランドを注意深く監視していたが、ガイア達の言葉に不意に人間の中にも稀に精霊を大事にする人間達がいる事を思い出していた。そして、ガイアとフェランドが村に戻っていくのを見送り泉の傍に戻ってきたドリアードは森の木々達に村でのガイア達の事を見て欲しいと頼む。
精霊はその身体を形成しているのはその時代に生きる生物達が願った願いの力で形成し、維持するのにはマナを必要とする。ドリアードは村の近くに存在する森の中、泉の傍で産まれて長い間村を見守り愛し、そして、見届けてきた。
『私の姿を見た幼い子供達は毎日の様に泉に来ては村の事を話してくれたり、将来の夢を語ってくれたり、オルガスタンの未来を願ってくれていた。そんな日々がずっと続くと信じていた……でも、あの日を境に闇の力が強くなりオルガスタンを襲った……。魔神アガルダの狙いは世界樹であり、マナの全てを求めている……。人間達に戦う力はそんなに残されていない。私達精霊も魔神アガルダの力で弱体化したり、封じられたり、時にはマナを奪われる為に食われたりした。私達精霊も絶望に飲まれつつある……でも、あの2人は私達を救おうとしている……まだ世界は希望を持つ事が許されるのだろうか……』
泉の傍にて精霊の姿からマナを使って具現化したドリアードは緑の髪の毛を背中にまで伸ばし、緑色の瞳を持つ人間の少女の姿になれば身体の感覚を掴む為に少し泉傍を歩く。感覚もおかしい部分はない、この姿で村に行き先程の騎士だろうと思われる2人の人間の本質を探ろうと泉から離れて村へと歩き出した。
精霊は時に世界を巡るマナによって人間に大いなる知恵や力を与えてきた。だが、絶望に染まり始めているオルガスタンの人々に精霊は何も出来ない。
だが、あの人間達からは死の香りはするものの希望を生み出す光を感じる。それを確かめたい。
ドリアードは村に近付くにつれて色々と考えていたがフェランドとガイアの2人に出逢った事こそがドリアードの、いや、全ての精霊の未来を変える運命だったのだとドリアードは静かに確信する事となる――――。
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