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3章
27話「旅立ちを控えての前日の夜の出来事」
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旅立ちを翌日に控えて、ガイアとフェランドは愛馬であるディークとハイクの様子を見に馬小屋に2人並んで訪れている。ハイクもディークも自分達の主であるガイアとフェランドが来て嬉しいのか頭を押し付けてくる。
ハイクは鼻息荒くフェランドに甘えて、ディークは大人しくガイアに撫でられてご機嫌そうであった。2人の手に撫でられて愛馬達も元気いっぱいで翌日を迎えれると2人は判断する。
「安心して旅立てるな。意外とディーク達の方が気合入っている気がする」
「本当にね。まるで俺達よりも旅を楽しみにしている感じがするよ」
「あとは……アイテムも旅道具の準備も終わっているし、スジエルを覚えておく為に城下を歩くか」
「デートってやつ?」
「そう捉えてもいいさ」
「あはは、初めてのデートだ」
ガイアの右手がフェランドの左手を握り締めて指を絡ませていく。その触れ方がフェランドには心地よくてとても温かいと感じれていた。
城下を歩いている2人は歩いているスジエル市民の姿を瞳に焼き付けていく。自分達はこの市民達を、しいていオルガスタン大陸の命を守る為の旅に明日旅立つ事を心に刻む。
暫く歩いて出店が出ている広場を横目にしながらメインストリートを歩いているとフェランドが指である方向を示す。ガイアも示された方向を見て納得する。
「ルーベリド王女の治政を歓迎する祭りだな」
「こんな形とは言え、ルーベリド王女様も色々とご判断をされている。そんな主君の為にも俺達は頑張って仲間を見付けないといけないんだよね」
「俺達が他の運命の者達と出逢って、共に戦う事でスジエルだけじゃない。このオルガスタン大陸の全ての命をアガルダから守る事に繋がる。決して楽な道じゃないが、俺達なら出来ると思っているぜ?」
「俺も。ガイアとなら……どんな困難でも乗り越えて未来を掴めると思っている。だから、手を離したりしないでくれよな」
「それは俺のセリフでもあるんだが?」
「ははっ」
お互いの絡ませた手に力を入れてお互いを感じ合い、そして寄り添う。運命の騎士だから、ではなく1人の人間同士としてお互いを必要としているのだと伝えるかの様に。
1人1人の力は小さくても、集まり繋がる事が出来れば大きな力にも対抗出来るだけの強い力に、希望になる。それを2人は無意識に察しているし、理解もしている。
城下を見て回った2人はレジェース本部の食堂で食事を摂ろうと訪れていた。そこに普段はフェランドやガイアの指導役をしてくれている騎士の1人であるスノーゾルとローガッドルが声を掛けてくる。
「明日旅立つんだって?」
「まだまだ新人騎士だというお前達に負担を掛けてしまうが、スジエルを、オルガスタン大陸を救う為に頑張ってほしい」
「はい、俺達が出来る事をしてきます」
「色々とご迷惑をお掛けしてきましたが、留守の間はお願いします」
「まぁ、俺達がお前達の留守の間はスジエルを守り通してみせるから安心して自分達の役目を果たしてこい。お前達なら出来ると信じている」
「君達はこの日の為に産まれて来た運命の騎士ですが、それでも俺達の大事な後輩でもあります。迷ってもいいから前に進む、それだけは決して忘れてはいけないよ」
「「はいっ」」
スノーゾルとローガッドルに励ましてもらい4人で食事を摂り、終わってから2人は明日の為にアベルゾ達にも挨拶をしに団長室に足を向ける。アベルゾは正式に新団長となってレジェースを率いていく役目を担ったばかりで忙しいだろうと挨拶を手短にしようと2人は考えていた。
団長室をノックして入室の許可を求めた2人に聞こえてきたのは柔らかな落ち着いた声。アベルゾが入る様に促すので2人はドアを開けて中に入って行く。
「ガイア君にフェランド君。どうかしましたか?」
「明日出立します。それでご挨拶に」
「色々と不安は残りますが、俺達の出来る事をしてこようと思います。アベルゾ新団長のご心労を増やす事にも繋がりますが全力でいい結果のご報告が出来る様に努力してきます」
「そうですか。もう明日のなのですね……。それでは新団長として君達に命令を出します。心してお受けなさい」
「「はい」」
「必ず、生きて帰って来なさい。そして、またこのレジェースに戻ってきて共にスジエルを守って行きますよ」
「アベルゾ新団長……」
「中々に斬新なご命令ですね……」
「この命令に反する事の無いようにしっかり任務を終わらせてきなさい。君達の帰るべき場所でもあるのですから」
アベルゾの言葉にフェランドは涙を浮かべて頷き、ガイアは強い決意を心に刻んで命令を受け入れる。団長室から辞した2人は最後にガイアの自室に戻って2人の時間を過ごす事にした。
ガイアの部屋は旅立つと言う事もあって片付いており、前よりも荷物が少なく感じられる。フェランドはベッドに腰掛けてガイアは椅子に座って明日からの事について色々と話始める。
「なんだかんだで俺達の留守中は安心して行けるようだな」
「こんなにも安心で旅立てるとは思わなかった。皆が皆でこのスジエルを守るって心が強いんだって分かって嬉しかった」
「俺達に期待されている事は大きな事かも知れない。だが、それだけの期待を背負っていても俺達の事を信じてくれている人々を守りたいと思う心こそが大事なんだろう」
「間違っても裏切る行為は出来ない。それに、俺達はこのオルガスタン大陸の希望でもあるんだから」
「重いとか思っていた時期もあるが、今はこの重いさに生かされているんだと思うと強い味方にも思えるぜ」
「どんな困難でもきっと俺達は乗り越えれる。こうして俺達を信じて待ってくれる人達がいる事を忘れなければ」
ガイアもフェランドもそう話をしながら今までの人生を振り返る。運命の転生者と判明してからの人生は厳しい連続であった。
だが、今はその厳しさがあったからこそこうして運命と向き合えるだけの強さを手に入れている事を知っている。2人の顔に微笑みが浮かんで笑い合って時間は夜を迎える。
ミリーアはアベルゾの用意してくれた寝床の中で1人で何かの植物を使って何かの道具を作成していた。その道具を完成させるとその道具に小声で祈りの言葉を聞かせていく。
淡い光が道具を包み込んで道具に聖なる力が宿って本当の完成である。ミリーアが作っていたのは世界樹の蔓で編まれたリング状の道具。
「これを明日ガイアとフェランドに装備してもらえばいいわね」
「ミリーア、まだ休んでいなかったのですか?」
「えぇ、これを編んでいたの」
「それは? 一見すると植物の指輪に見えますが」
「世界樹の蔓で編んだ祝福の指輪。これに聖なる力を宿しているからガイアとフェランドが闇に飲まれた時に2人を守ってくれるわ」
「それは心強い指輪ですね。世界樹の加護を受けている2人には必要でしょう」
「ねぇ、アベルゾ?」
「なんですか?」
「あの2人の未来、本当の意味で訪れるのかしら?」
「それは私はなんとも言えませんが……願わくば来てくれる事を祈っています」
「そうよね。あの2人は望まれて転生してきた運命の子達だもの……きっと世界樹も愛してくれる」
ミリーアは遠い地にいる世界樹の事を想う。世界樹は静かな時間を過ごしているだけではない。
世界を、オルガスタン大陸の全てに愛情を注いでいる。それは母の様に深い愛で包み込むだけの存在。
アルフォードとエヴァが世界樹に選ばれたのもある意味運命であるとミリーアは考えている。2人の存在があったからスジエルは希望国となって今のオルガスタン大陸を維持していると言っても過言ではないからだ。
若い騎士達によるアガルダ討伐は新しい世代に引き継がれてまだ続いている。だが、逆を言えばまだその連鎖を断ち切れるだけの一撃を与えれてないのも事実。
世界樹が長い時間を掛けて希望を担う転生者や騎士達に声と想いを届けていてもまだ終わりを見せていないこの現状に世界樹は何を思うのか。アベルゾとの会話を切り上げたミリーアは寝床に横になって明日に控えている旅立ちを迎える為に睡眠に入る。
――――
「アベルゾ」
「ルーデリッシュ、どうでした?」
「かなり王宮は落ち着きを取り戻している。ルーベリド王女とユリウス様のご決断を受けて白の騎士団もレジェースの指示下に入ると決めた」
「それでは本格的な合同の運用を考えなくてはいけませんね。彼らが留守にしている間にこのスジエルがアガルダの手に落ちる事があれば彼らの希望は潰えてしまいます。それだけは残る者達が頑張らなくてはいけない事実ですから」
「あいつらもとうとうか」
「運命がどうであれ、あの子達はきっと成し遂げます。そう信じて送り出すしか今の私達には出来ないですが」
「俺もあいつらの事を信じている。あいつらの強さならきっと果たしてくるだろう」
ルーデリッシュとアベルゾは空に輝く星空を団長室の窓から見上げて想いを乗せる。朝には運命の子達はこのスジエルを旅立つ。
運命を終わらせる為に、仲間を見付け魔神アガルダを倒す為に、このオルガスタン大陸を救う為に。その道中が穏やかではない事は明白であるがそれでもガイアとフェランドならその試練を超えてくれる、そう2人は信じるしか出来ない。
次第に夜が朝と入れ替わり始める時間を迎える。夜が白け朝陽が空を覆いだす頃、ガイアとフェランドも目を覚ましてそれぞれの部屋で身体を起こす。
いよいよ旅立ちの朝を迎えた。ベッドから出たガイアはベッドメイクをしてから脱いでいたアーマーを装備してからルーティンしている地毛を背後で纏めてから腰に剣を下げる。
フェランドも同じ様に自分の部屋で目を覚ましてベッドから出るといつもの様にベッドを適当に整えてから脱いでいたアーマーを着込んで腰に剣を下げる。そして、窓に移る自分の顔を見て気合いを入れる為に両頬をパンッと両手で叩いて目を完全に覚ます。
荷物を持って部屋を出た2人は同じタイミングで通路に出て顔を見合わせると頷き合う。そこにミリーアの声が聞こえてきてフェランドが右手を差し出してミリーアを受け止める。
「いよいよね」
「あぁ、いよいよ旅立ちの日だ」
「俺達の旅はここからが始まりって訳だ」
3人は馬小屋に向かい移動を開始する。そして、運命の騎士達はこのスジエルを離れる為に青空の下を歩くのだった――――。
ハイクは鼻息荒くフェランドに甘えて、ディークは大人しくガイアに撫でられてご機嫌そうであった。2人の手に撫でられて愛馬達も元気いっぱいで翌日を迎えれると2人は判断する。
「安心して旅立てるな。意外とディーク達の方が気合入っている気がする」
「本当にね。まるで俺達よりも旅を楽しみにしている感じがするよ」
「あとは……アイテムも旅道具の準備も終わっているし、スジエルを覚えておく為に城下を歩くか」
「デートってやつ?」
「そう捉えてもいいさ」
「あはは、初めてのデートだ」
ガイアの右手がフェランドの左手を握り締めて指を絡ませていく。その触れ方がフェランドには心地よくてとても温かいと感じれていた。
城下を歩いている2人は歩いているスジエル市民の姿を瞳に焼き付けていく。自分達はこの市民達を、しいていオルガスタン大陸の命を守る為の旅に明日旅立つ事を心に刻む。
暫く歩いて出店が出ている広場を横目にしながらメインストリートを歩いているとフェランドが指である方向を示す。ガイアも示された方向を見て納得する。
「ルーベリド王女の治政を歓迎する祭りだな」
「こんな形とは言え、ルーベリド王女様も色々とご判断をされている。そんな主君の為にも俺達は頑張って仲間を見付けないといけないんだよね」
「俺達が他の運命の者達と出逢って、共に戦う事でスジエルだけじゃない。このオルガスタン大陸の全ての命をアガルダから守る事に繋がる。決して楽な道じゃないが、俺達なら出来ると思っているぜ?」
「俺も。ガイアとなら……どんな困難でも乗り越えて未来を掴めると思っている。だから、手を離したりしないでくれよな」
「それは俺のセリフでもあるんだが?」
「ははっ」
お互いの絡ませた手に力を入れてお互いを感じ合い、そして寄り添う。運命の騎士だから、ではなく1人の人間同士としてお互いを必要としているのだと伝えるかの様に。
1人1人の力は小さくても、集まり繋がる事が出来れば大きな力にも対抗出来るだけの強い力に、希望になる。それを2人は無意識に察しているし、理解もしている。
城下を見て回った2人はレジェース本部の食堂で食事を摂ろうと訪れていた。そこに普段はフェランドやガイアの指導役をしてくれている騎士の1人であるスノーゾルとローガッドルが声を掛けてくる。
「明日旅立つんだって?」
「まだまだ新人騎士だというお前達に負担を掛けてしまうが、スジエルを、オルガスタン大陸を救う為に頑張ってほしい」
「はい、俺達が出来る事をしてきます」
「色々とご迷惑をお掛けしてきましたが、留守の間はお願いします」
「まぁ、俺達がお前達の留守の間はスジエルを守り通してみせるから安心して自分達の役目を果たしてこい。お前達なら出来ると信じている」
「君達はこの日の為に産まれて来た運命の騎士ですが、それでも俺達の大事な後輩でもあります。迷ってもいいから前に進む、それだけは決して忘れてはいけないよ」
「「はいっ」」
スノーゾルとローガッドルに励ましてもらい4人で食事を摂り、終わってから2人は明日の為にアベルゾ達にも挨拶をしに団長室に足を向ける。アベルゾは正式に新団長となってレジェースを率いていく役目を担ったばかりで忙しいだろうと挨拶を手短にしようと2人は考えていた。
団長室をノックして入室の許可を求めた2人に聞こえてきたのは柔らかな落ち着いた声。アベルゾが入る様に促すので2人はドアを開けて中に入って行く。
「ガイア君にフェランド君。どうかしましたか?」
「明日出立します。それでご挨拶に」
「色々と不安は残りますが、俺達の出来る事をしてこようと思います。アベルゾ新団長のご心労を増やす事にも繋がりますが全力でいい結果のご報告が出来る様に努力してきます」
「そうですか。もう明日のなのですね……。それでは新団長として君達に命令を出します。心してお受けなさい」
「「はい」」
「必ず、生きて帰って来なさい。そして、またこのレジェースに戻ってきて共にスジエルを守って行きますよ」
「アベルゾ新団長……」
「中々に斬新なご命令ですね……」
「この命令に反する事の無いようにしっかり任務を終わらせてきなさい。君達の帰るべき場所でもあるのですから」
アベルゾの言葉にフェランドは涙を浮かべて頷き、ガイアは強い決意を心に刻んで命令を受け入れる。団長室から辞した2人は最後にガイアの自室に戻って2人の時間を過ごす事にした。
ガイアの部屋は旅立つと言う事もあって片付いており、前よりも荷物が少なく感じられる。フェランドはベッドに腰掛けてガイアは椅子に座って明日からの事について色々と話始める。
「なんだかんだで俺達の留守中は安心して行けるようだな」
「こんなにも安心で旅立てるとは思わなかった。皆が皆でこのスジエルを守るって心が強いんだって分かって嬉しかった」
「俺達に期待されている事は大きな事かも知れない。だが、それだけの期待を背負っていても俺達の事を信じてくれている人々を守りたいと思う心こそが大事なんだろう」
「間違っても裏切る行為は出来ない。それに、俺達はこのオルガスタン大陸の希望でもあるんだから」
「重いとか思っていた時期もあるが、今はこの重いさに生かされているんだと思うと強い味方にも思えるぜ」
「どんな困難でもきっと俺達は乗り越えれる。こうして俺達を信じて待ってくれる人達がいる事を忘れなければ」
ガイアもフェランドもそう話をしながら今までの人生を振り返る。運命の転生者と判明してからの人生は厳しい連続であった。
だが、今はその厳しさがあったからこそこうして運命と向き合えるだけの強さを手に入れている事を知っている。2人の顔に微笑みが浮かんで笑い合って時間は夜を迎える。
ミリーアはアベルゾの用意してくれた寝床の中で1人で何かの植物を使って何かの道具を作成していた。その道具を完成させるとその道具に小声で祈りの言葉を聞かせていく。
淡い光が道具を包み込んで道具に聖なる力が宿って本当の完成である。ミリーアが作っていたのは世界樹の蔓で編まれたリング状の道具。
「これを明日ガイアとフェランドに装備してもらえばいいわね」
「ミリーア、まだ休んでいなかったのですか?」
「えぇ、これを編んでいたの」
「それは? 一見すると植物の指輪に見えますが」
「世界樹の蔓で編んだ祝福の指輪。これに聖なる力を宿しているからガイアとフェランドが闇に飲まれた時に2人を守ってくれるわ」
「それは心強い指輪ですね。世界樹の加護を受けている2人には必要でしょう」
「ねぇ、アベルゾ?」
「なんですか?」
「あの2人の未来、本当の意味で訪れるのかしら?」
「それは私はなんとも言えませんが……願わくば来てくれる事を祈っています」
「そうよね。あの2人は望まれて転生してきた運命の子達だもの……きっと世界樹も愛してくれる」
ミリーアは遠い地にいる世界樹の事を想う。世界樹は静かな時間を過ごしているだけではない。
世界を、オルガスタン大陸の全てに愛情を注いでいる。それは母の様に深い愛で包み込むだけの存在。
アルフォードとエヴァが世界樹に選ばれたのもある意味運命であるとミリーアは考えている。2人の存在があったからスジエルは希望国となって今のオルガスタン大陸を維持していると言っても過言ではないからだ。
若い騎士達によるアガルダ討伐は新しい世代に引き継がれてまだ続いている。だが、逆を言えばまだその連鎖を断ち切れるだけの一撃を与えれてないのも事実。
世界樹が長い時間を掛けて希望を担う転生者や騎士達に声と想いを届けていてもまだ終わりを見せていないこの現状に世界樹は何を思うのか。アベルゾとの会話を切り上げたミリーアは寝床に横になって明日に控えている旅立ちを迎える為に睡眠に入る。
――――
「アベルゾ」
「ルーデリッシュ、どうでした?」
「かなり王宮は落ち着きを取り戻している。ルーベリド王女とユリウス様のご決断を受けて白の騎士団もレジェースの指示下に入ると決めた」
「それでは本格的な合同の運用を考えなくてはいけませんね。彼らが留守にしている間にこのスジエルがアガルダの手に落ちる事があれば彼らの希望は潰えてしまいます。それだけは残る者達が頑張らなくてはいけない事実ですから」
「あいつらもとうとうか」
「運命がどうであれ、あの子達はきっと成し遂げます。そう信じて送り出すしか今の私達には出来ないですが」
「俺もあいつらの事を信じている。あいつらの強さならきっと果たしてくるだろう」
ルーデリッシュとアベルゾは空に輝く星空を団長室の窓から見上げて想いを乗せる。朝には運命の子達はこのスジエルを旅立つ。
運命を終わらせる為に、仲間を見付け魔神アガルダを倒す為に、このオルガスタン大陸を救う為に。その道中が穏やかではない事は明白であるがそれでもガイアとフェランドならその試練を超えてくれる、そう2人は信じるしか出来ない。
次第に夜が朝と入れ替わり始める時間を迎える。夜が白け朝陽が空を覆いだす頃、ガイアとフェランドも目を覚ましてそれぞれの部屋で身体を起こす。
いよいよ旅立ちの朝を迎えた。ベッドから出たガイアはベッドメイクをしてから脱いでいたアーマーを装備してからルーティンしている地毛を背後で纏めてから腰に剣を下げる。
フェランドも同じ様に自分の部屋で目を覚ましてベッドから出るといつもの様にベッドを適当に整えてから脱いでいたアーマーを着込んで腰に剣を下げる。そして、窓に移る自分の顔を見て気合いを入れる為に両頬をパンッと両手で叩いて目を完全に覚ます。
荷物を持って部屋を出た2人は同じタイミングで通路に出て顔を見合わせると頷き合う。そこにミリーアの声が聞こえてきてフェランドが右手を差し出してミリーアを受け止める。
「いよいよね」
「あぁ、いよいよ旅立ちの日だ」
「俺達の旅はここからが始まりって訳だ」
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