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第二章
11 身の上話
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「おかえり。何があったの?」
部屋に入るなり、アイリに訊かれた。
「ちょっとね。まずはギロが持ってきてくれたご飯を食べよっか」
ギロはあの状態でも料理を死守していた。
クローシュを取ると、中からはまだ温かい鶏肉のソテーや潰したゆで卵などを挟んだサンドイッチ数種類が出てきた。
どちらも僕とアイリの好物だ。
「ギロはどれ食べる?」
「私は、今は食欲がないので」
「じゃあお茶だけでも。アイリ、頼んでいい?」
「うん」
「それは私が」
「いいから座って」
僕が命令すると、ギロは致し方なし、といった風に、大人しく僕の前の椅子に座った。
アイリのお茶が僕とギロ、そして空いた椅子に座ったアイリ自身の前に置かれる。
僕とアイリは料理に手を付けず、ギロの発言を待った。
待たれていることに気づいたギロは、最初に先程の出来事をアイリに説明した。
「別の厄介なのが船に乗ってるのね……」
「申し訳ありません」
「違うの、ギロのせいじゃないわ」
僕はギロが話し始めてから、鶏肉のソテーに手を付けていた。良い肉を使ってはいるが、ソースが少々塩辛いと感じる。臭み消しのハーブやワインの代わりに塩分を強めたのかな。
「ギロが冒険者をやっていた頃のレベルやステータスを訊いてもいい?」
「言っておりませんでしたね。レベルは三十、詳細ステータスは測定したことがありませんが、魔力はあります」
魔法が使えない人は、魔力の項目自体がない。ただし魔力というものは人なら大体持っている。一定値を越えるか特殊な才能がない限り、魔法は使えない。
「さっきの連中のレベルは? ギロがパーティ組んでた時の」
「焦げ茶色の髪の男がリーダーで、彼だけレベル四十程でしたね。後は私と同じく三十程でした」
「あいつら、ギロのことを呪われてるなんて言っておきながら、ギロに未練たらたらだったな。理由を、いやギロの話を聞きたい」
「……あまり、気分のいい話ではありませんが」
「呪い、なんて単語が出てる時点で想像はつくよ。ギロが嫌なら話さなくていい」
ギロは暫し目を閉じて、覚悟を決めてから話しだした。
今更知ったのだが、ギロは二十六歳。僕たちより八つも年上だった。
十年前、この世界に魔王が現れた時、魔王たちは力を見せつけるためにいくつかの町や村をあっという間に攻め滅ぼした。
ギロが暮らしていたザイン大陸にあるフィックという村も、滅ぼされた村のひとつだ。
ギロ自身はたまたま村の外に出ていて生き延びたが、村にいた村人は、ギロの両親たちを含めて全員殺された。
途方に暮れていたギロを保護したのは、冒険者ギルドだ。
ギロに魔法の才能があるとわかると、冒険者の道を勧め、ギロも「仇を討つ一助になるのなら」と冒険者になった。
冒険者ギルドで知り合った冒険者のパーティに入れてもらい、順調にレベルを上げ、補助魔法が使い物になってきた頃。
パーティは難易度Fのクエストを請けている最中に難易度Aの魔物と遭遇してしまい、全滅した。
ギロを遺して。
「同じことが二度、続きました。適正難易度のクエストを請けたのに、何故か高難易度の魔物と遭遇してしまうのです。私はもう、仲間が死ぬのは嫌で、仲間を庇って死を覚悟したこともありましたが、どういうわけか……」
当時のギロに付いたあだ名が「呪われ」。
もはや誰もパーティに誘わないし、ギロ自身もパーティに入ろうとしなかった。
しばらくソロでクエストをこなしつつも冒険者を辞めてしまおうかと考えていたある日、先程の連中がパーティに誘ってきた。
「何かよからぬ意図があることは明白でしたが、私も自暴自棄になっておりましたから、言いなりに付いていきました。と言っても、クエストで魔物討伐の手助けをすることは殆どなく、彼らの世話が主な仕事でしたね。パーティの仲間ということにしておけば、クエストに出ない間は家の仕事をさせられますから」
「それってつまり、タダ働きの家政夫じゃない」
「ええ、そうです、アイリ様。でも居場所を与えられた恩はありますから」
アイリのお怒りスイッチを、ギロがなだめて切った。
「パーティを抜けた理由は?」
「私も一応補助魔法使いでしたし、家で仕事をしているぶんには何も起きませんでしたからね。気まぐれにクエストへ連れて行かれたのです。そこでやはり、高難易度の魔物と遭遇して……以前までは仲間が先にやられてしまいましたが……」
パーティは強い魔物と見るや、ギロを置き去りにして素早く逃走したというのだ。
「あの時ばかりは彼らを見直しましたね。迷いのない、素晴らしい逃げっぷりでした。残された私は死を覚悟しましたが、運良く魔物を倒すことが出来ました。しかし、こう続いてはやはり私は呪われているのではないかと思いまして、町には戻りませんでした」
その後ギロは冒険者資格を返上し、料理人を目指すことにした。ザイン大陸で料理人になるには口利きが必要だったが、伝手を持っていなかったため、日雇いの仕事で金を貯めて大陸を渡った。
そして、ミューズ国付近で仕事を探してあちこち彷徨っている時に、人に化けた魔族に攫われ、魔物の核を埋め込まれて……。
「今になって思えば、魔物の核が馴染む素養が元々あったのでしょう。何せ呪われていますから。……長い自分語りのご清聴ありがとうございました。私を首にするなら」
「しないし、ギロは呪われてなんかいない。ちょっとその、運が悪いとは思ったけど」
クエストで指定された以外の魔物と遭遇することは、割とよくある。難易度のズレはひとつ前後が主だから、ギロのいたパーティがことごとく高難易度と遭遇してしまったのは不運だけど、有り得なくはない。こう言うのは癪だが、先程の連中が即座に逃げ出した判断こそが正解だ。仲間をひとりを見捨てたのは問題外だが。
「この船に乗ってる連中は、ギロをまたタダ働き家政夫として仲間に引き入れたいのかしら。ギロ、再加入不可申請って出してある?」
「恐らくそうでしょうね。申請はしていませんが、彼ら自身が私を死亡扱いしていますし、そもそも冒険者資格は返上しておりますので、大丈夫かと」
「あ、そっか。なら安心ね。今更ギロを渡せないわ」
アイリは卵サンドを微妙な顔で食べていた。多分、ギロが作ったものと違っていたのだろう。
「でもギロがもし戻りたいっていうなら、止めるよ」
「戻りたいなどと言いませ……って、止めてくださるのですか」
ギロが苦笑した。
「船の食材を直接分けてもらえないかなぁ。あ、料理する場所が無いか。流石に厨房まで借りれないだろうし」
「?」
「ちょっと食べてみて」
僕とアイリが残した料理を、ギロに食べさせる。ギロはどちらも口にするたび、ぐっと顔を歪めた。
「これは……」
「でしょう?」
「調味料さえ手に入れば、調節できるかもしれません」
「野営用のならあるよ。これでどう?」
「おお、色々お持ちなのですね。後はワインと火が使えれば」
「ワインか、ちょっと聞いてくるよ。あと火も多分なんとかなる」
ワインは無事手に入った。
夕食も食堂からギロがあれこれ運んできて、最初にギロが試食し、整えてから出してもらった。
火はサラマンダに頼んで野営用の陶器の皿に小さな火を灯した。
「んー、美味しい! 随分違うわね」
再調理した船の料理は、素材の良さもあいまって劇的に美味しく変身した。
「魚介は流石に鮮度が段違いですね。余計なことしなくていいのに……」
白身魚のムニエルは、ギロが表面をできる限り薄く削いで味付けし直していた。
絶品のほうしか食べていないので、元の味は知らない。ギロの表情を見るに、余程耐え難い味だったのだろう。
三人での船旅初日から色々なことがあったが、ギロも元の調子を取り戻した。
そんなギロに、僕は新たに聞きたいことができた。
「ギロ、本当に今のままでいいの?」
アイリがお風呂を使っている間に、ギロに問いかけた。
「本当に、とはどういうことでしょう」
「料理人目指してたんだろう? ギロはもう、人として生きても問題ないと思う。僕が後ろ盾になるから、何をしても自由だ。あいつらの元に戻るのは止めるけど、他にやりたいことがあるなら止めない」
ギロは両目をぱちぱちさせてから、ふっと笑った。安心するような、穏やかな微笑み方だった。
「妙なことを仰る。自由が許されるのであれば、今後もラウト様に尽くしたいです」
「本当に?」
「はい。是非とも」
「気が変わったらいつでも言ってよ。まあ、今後とも宜しく」
僕が手を差し出すと、ギロは驚いた様子で一旦体を仰け反らせてから、両手で僕の手を握った。
「よろしくお願いします、ラウト様」
部屋に入るなり、アイリに訊かれた。
「ちょっとね。まずはギロが持ってきてくれたご飯を食べよっか」
ギロはあの状態でも料理を死守していた。
クローシュを取ると、中からはまだ温かい鶏肉のソテーや潰したゆで卵などを挟んだサンドイッチ数種類が出てきた。
どちらも僕とアイリの好物だ。
「ギロはどれ食べる?」
「私は、今は食欲がないので」
「じゃあお茶だけでも。アイリ、頼んでいい?」
「うん」
「それは私が」
「いいから座って」
僕が命令すると、ギロは致し方なし、といった風に、大人しく僕の前の椅子に座った。
アイリのお茶が僕とギロ、そして空いた椅子に座ったアイリ自身の前に置かれる。
僕とアイリは料理に手を付けず、ギロの発言を待った。
待たれていることに気づいたギロは、最初に先程の出来事をアイリに説明した。
「別の厄介なのが船に乗ってるのね……」
「申し訳ありません」
「違うの、ギロのせいじゃないわ」
僕はギロが話し始めてから、鶏肉のソテーに手を付けていた。良い肉を使ってはいるが、ソースが少々塩辛いと感じる。臭み消しのハーブやワインの代わりに塩分を強めたのかな。
「ギロが冒険者をやっていた頃のレベルやステータスを訊いてもいい?」
「言っておりませんでしたね。レベルは三十、詳細ステータスは測定したことがありませんが、魔力はあります」
魔法が使えない人は、魔力の項目自体がない。ただし魔力というものは人なら大体持っている。一定値を越えるか特殊な才能がない限り、魔法は使えない。
「さっきの連中のレベルは? ギロがパーティ組んでた時の」
「焦げ茶色の髪の男がリーダーで、彼だけレベル四十程でしたね。後は私と同じく三十程でした」
「あいつら、ギロのことを呪われてるなんて言っておきながら、ギロに未練たらたらだったな。理由を、いやギロの話を聞きたい」
「……あまり、気分のいい話ではありませんが」
「呪い、なんて単語が出てる時点で想像はつくよ。ギロが嫌なら話さなくていい」
ギロは暫し目を閉じて、覚悟を決めてから話しだした。
今更知ったのだが、ギロは二十六歳。僕たちより八つも年上だった。
十年前、この世界に魔王が現れた時、魔王たちは力を見せつけるためにいくつかの町や村をあっという間に攻め滅ぼした。
ギロが暮らしていたザイン大陸にあるフィックという村も、滅ぼされた村のひとつだ。
ギロ自身はたまたま村の外に出ていて生き延びたが、村にいた村人は、ギロの両親たちを含めて全員殺された。
途方に暮れていたギロを保護したのは、冒険者ギルドだ。
ギロに魔法の才能があるとわかると、冒険者の道を勧め、ギロも「仇を討つ一助になるのなら」と冒険者になった。
冒険者ギルドで知り合った冒険者のパーティに入れてもらい、順調にレベルを上げ、補助魔法が使い物になってきた頃。
パーティは難易度Fのクエストを請けている最中に難易度Aの魔物と遭遇してしまい、全滅した。
ギロを遺して。
「同じことが二度、続きました。適正難易度のクエストを請けたのに、何故か高難易度の魔物と遭遇してしまうのです。私はもう、仲間が死ぬのは嫌で、仲間を庇って死を覚悟したこともありましたが、どういうわけか……」
当時のギロに付いたあだ名が「呪われ」。
もはや誰もパーティに誘わないし、ギロ自身もパーティに入ろうとしなかった。
しばらくソロでクエストをこなしつつも冒険者を辞めてしまおうかと考えていたある日、先程の連中がパーティに誘ってきた。
「何かよからぬ意図があることは明白でしたが、私も自暴自棄になっておりましたから、言いなりに付いていきました。と言っても、クエストで魔物討伐の手助けをすることは殆どなく、彼らの世話が主な仕事でしたね。パーティの仲間ということにしておけば、クエストに出ない間は家の仕事をさせられますから」
「それってつまり、タダ働きの家政夫じゃない」
「ええ、そうです、アイリ様。でも居場所を与えられた恩はありますから」
アイリのお怒りスイッチを、ギロがなだめて切った。
「パーティを抜けた理由は?」
「私も一応補助魔法使いでしたし、家で仕事をしているぶんには何も起きませんでしたからね。気まぐれにクエストへ連れて行かれたのです。そこでやはり、高難易度の魔物と遭遇して……以前までは仲間が先にやられてしまいましたが……」
パーティは強い魔物と見るや、ギロを置き去りにして素早く逃走したというのだ。
「あの時ばかりは彼らを見直しましたね。迷いのない、素晴らしい逃げっぷりでした。残された私は死を覚悟しましたが、運良く魔物を倒すことが出来ました。しかし、こう続いてはやはり私は呪われているのではないかと思いまして、町には戻りませんでした」
その後ギロは冒険者資格を返上し、料理人を目指すことにした。ザイン大陸で料理人になるには口利きが必要だったが、伝手を持っていなかったため、日雇いの仕事で金を貯めて大陸を渡った。
そして、ミューズ国付近で仕事を探してあちこち彷徨っている時に、人に化けた魔族に攫われ、魔物の核を埋め込まれて……。
「今になって思えば、魔物の核が馴染む素養が元々あったのでしょう。何せ呪われていますから。……長い自分語りのご清聴ありがとうございました。私を首にするなら」
「しないし、ギロは呪われてなんかいない。ちょっとその、運が悪いとは思ったけど」
クエストで指定された以外の魔物と遭遇することは、割とよくある。難易度のズレはひとつ前後が主だから、ギロのいたパーティがことごとく高難易度と遭遇してしまったのは不運だけど、有り得なくはない。こう言うのは癪だが、先程の連中が即座に逃げ出した判断こそが正解だ。仲間をひとりを見捨てたのは問題外だが。
「この船に乗ってる連中は、ギロをまたタダ働き家政夫として仲間に引き入れたいのかしら。ギロ、再加入不可申請って出してある?」
「恐らくそうでしょうね。申請はしていませんが、彼ら自身が私を死亡扱いしていますし、そもそも冒険者資格は返上しておりますので、大丈夫かと」
「あ、そっか。なら安心ね。今更ギロを渡せないわ」
アイリは卵サンドを微妙な顔で食べていた。多分、ギロが作ったものと違っていたのだろう。
「でもギロがもし戻りたいっていうなら、止めるよ」
「戻りたいなどと言いませ……って、止めてくださるのですか」
ギロが苦笑した。
「船の食材を直接分けてもらえないかなぁ。あ、料理する場所が無いか。流石に厨房まで借りれないだろうし」
「?」
「ちょっと食べてみて」
僕とアイリが残した料理を、ギロに食べさせる。ギロはどちらも口にするたび、ぐっと顔を歪めた。
「これは……」
「でしょう?」
「調味料さえ手に入れば、調節できるかもしれません」
「野営用のならあるよ。これでどう?」
「おお、色々お持ちなのですね。後はワインと火が使えれば」
「ワインか、ちょっと聞いてくるよ。あと火も多分なんとかなる」
ワインは無事手に入った。
夕食も食堂からギロがあれこれ運んできて、最初にギロが試食し、整えてから出してもらった。
火はサラマンダに頼んで野営用の陶器の皿に小さな火を灯した。
「んー、美味しい! 随分違うわね」
再調理した船の料理は、素材の良さもあいまって劇的に美味しく変身した。
「魚介は流石に鮮度が段違いですね。余計なことしなくていいのに……」
白身魚のムニエルは、ギロが表面をできる限り薄く削いで味付けし直していた。
絶品のほうしか食べていないので、元の味は知らない。ギロの表情を見るに、余程耐え難い味だったのだろう。
三人での船旅初日から色々なことがあったが、ギロも元の調子を取り戻した。
そんなギロに、僕は新たに聞きたいことができた。
「ギロ、本当に今のままでいいの?」
アイリがお風呂を使っている間に、ギロに問いかけた。
「本当に、とはどういうことでしょう」
「料理人目指してたんだろう? ギロはもう、人として生きても問題ないと思う。僕が後ろ盾になるから、何をしても自由だ。あいつらの元に戻るのは止めるけど、他にやりたいことがあるなら止めない」
ギロは両目をぱちぱちさせてから、ふっと笑った。安心するような、穏やかな微笑み方だった。
「妙なことを仰る。自由が許されるのであれば、今後もラウト様に尽くしたいです」
「本当に?」
「はい。是非とも」
「気が変わったらいつでも言ってよ。まあ、今後とも宜しく」
僕が手を差し出すと、ギロは驚いた様子で一旦体を仰け反らせてから、両手で僕の手を握った。
「よろしくお願いします、ラウト様」
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