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第三章 AV制作週間編

第18.5話 準備

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 AV制作週間一日目の午後。俺たち一年Aグループは指定された教室に集まって作品の方向性を決める会議を開いていた。このイベントは時間に余裕が無いため一つ一つの話し合いを丁寧にかつ素早く終わらせなければいけない。

「それじゃあ、みんなはどんなジャンルのAVを作りたい?」

 机を班の形に並べ会議を始めようとするメンバーたちに質問を投げると、学園モノやレイプモノなどのジャンルが主に男子メンバーから挙げられた。

 女子はその言葉を若干の苦笑いを浮かべながら男子が挙げる選択肢を聞いていた。

 予算や技術などの問題を踏まえて検討した結果、恋愛モノか学園モノのどちらかまで絞られて最終的に多数決によって決定する事になった。

「それじゃあ手を上げてください。恋愛モノがいいという人。」

 女子を中心に4人の手が挙がった。同様に学園モノの集計を取ると今度は男子を中心に5人分の手が挙がる。

「リーダーはどうするんだ?」

 日向が挙手しなかった俺に聞いてきた。本音をいえばどちらでも良かったから学園モノの方に手を挙げた。

「それじゃあ大山さんと白江さん(脚本担当)は早速脚本の制作に取り掛かってください。」

「俺たちはどうすればいいんだ?」

 二人が去ったあと撮影版のメンバーを中心に指示を仰いできた。大山さんたちに質問すると2日で書き上げるとのことだったからその間に俺たちは撮影器具を調達したりその扱い方の練習をする事になった。

 それから、学園モノということで演者が圧倒的にすくなるなることが見込まれたため、複数の役目を兼務する人が出てきた。

 カメラも始め予定されていたものよりもずっとずっと小さくて軽いものに変更になった。(だったら日向がカメラマンじゃなくてもいいんじゃね。と思ったのは内緒にしておこう。)

 その後、日が暮れるまで練習して次の日は部分的に完成した台本に合わせたセットを作るために教室を大々的に装飾していた。

 作家陣営が執筆作業に籠もり始めてから2日。本当に脚本を完成させて出てきた。流石に疲れが溜まっているようで俺に人数分の台本を渡すと、二人は寮の自室ですやすやと眠りに入った。

 この日は今後のスケジューリングと台本の読み合わせなどを行い、明日から行われる撮影に備えた。


 いよいよ撮影が始まるわけだが、俺は不安と緊張にまみれて仕方がなかった。
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