ビビり冒険者の英雄譚

零猫

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第弐話 撃退

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「りっ、りっくん!!大丈夫か!?」

「ゴボゴボゴボ」

キングスライムに取り込まれて溺れかけている。

「りっくん今助けるぞ!!」

おじいちゃんは風魔法を使ってキングスライムだけを吹き飛ばす。

「ゲホッゲホッ!おじいちゃんありがとう!!」

ってかおじいちゃん幽霊なのになんで魔法使えるんだろう?

「我が愛しの孫、りっくんよ!逃げるのじゃ!こいつはワシが相手をしておく!」

「おじいちゃん!?大丈夫なの?!」

さすがのおじいちゃんも幽霊の状態で勝てるか心配だ。
しかもおじいちゃんは病気で死んだので体は病弱のはず

「任せとけぃ!おぬしは先に行くんじゃ!後から追いつく!」

「おじいちゃんそれ死亡フラグだよ!?」

「大丈夫じゃ!既に死んでおる」

「あっ、そっか!じゃあ頼んだよおじいちゃん!」

「りっくん!?もうちょっと心配してくれてもいいんじゃないか!?」

既に孫のりっくんは全速力で逃げていた。

「ぐぬぬ、仕方ない相手をしてやるぞキングスライムよ!!」

「グチュヌチュ!」

「とりゃぁぁあ!!」



~ラック街(付近)~

「はぁはぁ、おじいちゃん大丈夫かな?」

「呼んだかりっくん?」

すっ、っといきなり地面の下からおじいちゃんが現れた。

「おじいちゃん!?びっくりしたじゃないか!」

「ほっほっほっ、幽霊じゃからこういう登場のほうが面白いじゃろ?」

おじいちゃんは沢山僕のことを甘やかしてくれたがイタズラも大好きであった。
昔はよくイタズラされて泣かされたものである。
そのたびにお詫びにお小遣いをくれていたため逆にイタズラしてくれないか期待していたこともある。

「おじいちゃんキングスライムはどうしたの?」

「ん?あんなやつけちょんけちょんにしてきたぞ?ワシにかかれば雑魚じゃからな」

「本当に!?おじいちゃん凄いね!」

「おう!ワシとて昔は魔物をばっさばっさと無双しておったからの!」

おじいちゃんは普通の魔法士が両手を使って魔法を使うのに対して片手で魔法を使えるほどの凄い魔法士である。
そのため左手で火炎魔法、右手で風魔法を使ったりなどとても凄い魔法士なのだ。
片手で魔法を使えるのは凄い魔法士には使えるらしいのですけど両腕で別々の魔法を使えるのはおじいちゃんだけなのです!

「でもキングスライムって魔法耐性が高くてしかも何人か魔法士がいなきゃ勝てないんじゃなかったっけ?」

「キングスライムは熱と電撃を同時にコアに当てなければ倒せないためAランクモンスターに登録されておるがワシは同時に高出力の魔法が使えるからのぉ、余裕で倒せるわい」

「さすがおじいちゃん!」

こうしておじいちゃんの援護を得て僕は無事にラック街についたのである。



続く
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