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第陸話 銀狼
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「リク!どこにいった!?」
ゲンジさんの声が遠くから聞こえてくる。
「うっ、うぅん?」
周りを見渡すとグレーウルフは全て丸焦げになっており、シルバーウルフは目の前で気絶していた。
「こっ、これは?」
「おぉ起きたかりっくん!こやつらりっくんを食べようとしておったから全て倒しておいたぞい!」
「えっ!?これ全部おじいちゃんがやったの!?」
「余裕じゃ余裕!数は多かったがワシにかかればちょちょいのちょいじゃ!」
何十匹のグレーウルフと思われる焦げた塊が黒い煙を立てている。
グレーウルフは凶暴で仲間が倒されても怯まずに襲いかかってくるのが特徴だ。
普通の冒険者には有効だろうがおじいちゃんには悪手だったらしい。
「リク!!」
気がつくとゲンジさんが後ろにいた。
「あっ、ゲンジさん!」
「リク!無事だったか!これはお前がやったのか?」
「えっ、あっ、これは……」
死んだはずのおじいちゃんがやったって言って良いものか迷う……
幽霊はこの国では魔物扱いされてるから守護霊とはいえそう簡単には言えない……
「そうか俺がいると自由に闘えないからさっきは逃げたんだな!そうならそうと言ってくれればよかったのに!」
「えっ?いやそうじゃなくて…」
「いやぁーー!それにしてもこの量のグレーウルフを退治するなんてさすが桜坂龍三の孫だな!ん?あれはまさかシルバーウルフか!?」
「え?あっ、はいそうですけど……」
「シルバーウルフがリーダー格のグレーウルフの群れはこの付近じゃ割と有名で誰も倒せずにいたのにお前1人で倒したのか!!」
シルバーウルフはそんなに有名だったのか…
ん?
「ぐっ、グルルルル!」
いつの間にかシルバーウルフが立ち上がっていた。
「リク!危ない!!」
シルバーウルフが僕に飛びかかってきていた。
「うっ、うわぁぁ!泣」
もうダメだと思った瞬間
「キャウン!」
シルバーウルフが数メートル吹き飛ばされていた。
「ん?」
「大丈夫か?りっくん?あやつめ、まだ動けたとはのぉ」
おじいちゃんが風魔法で迎撃してくれていたのだ。
「いっ、今のは…」
ゲンジさんがポカーンとした顔でこちらを見ている。
「いっ、今のはその…」
「凄いじゃないか!!一瞬のうちシルバーウルフを吹き飛ばすほどの風魔法を使うなんて!!溜めもなしにあんなの撃てるやつは初めて見たぞ!!」
「えっ、いや今のは…」
「りっ、りっくんや、りっくんがやったことにしておいてくれぬか?ワシがやったとバレれば色々面倒くさいことになってしまう。」
確かにおじいちゃんがやったと知られるのはマズい…
守護霊でも幽霊である限りこの国では世の中の摂理を破っているとして退治されてしまったりするのだ。
「いっ、今のは僕がやりました!!泣」
「流石だな!!もう立派なうちのギルドのエースだな!じゃあギルドに報告に戻るぞ?」
「はい!泣」
僕は実はやってないのにやったと嘘をついたことを悔やんで泣きながら帰るのだった。
続く
ゲンジさんの声が遠くから聞こえてくる。
「うっ、うぅん?」
周りを見渡すとグレーウルフは全て丸焦げになっており、シルバーウルフは目の前で気絶していた。
「こっ、これは?」
「おぉ起きたかりっくん!こやつらりっくんを食べようとしておったから全て倒しておいたぞい!」
「えっ!?これ全部おじいちゃんがやったの!?」
「余裕じゃ余裕!数は多かったがワシにかかればちょちょいのちょいじゃ!」
何十匹のグレーウルフと思われる焦げた塊が黒い煙を立てている。
グレーウルフは凶暴で仲間が倒されても怯まずに襲いかかってくるのが特徴だ。
普通の冒険者には有効だろうがおじいちゃんには悪手だったらしい。
「リク!!」
気がつくとゲンジさんが後ろにいた。
「あっ、ゲンジさん!」
「リク!無事だったか!これはお前がやったのか?」
「えっ、あっ、これは……」
死んだはずのおじいちゃんがやったって言って良いものか迷う……
幽霊はこの国では魔物扱いされてるから守護霊とはいえそう簡単には言えない……
「そうか俺がいると自由に闘えないからさっきは逃げたんだな!そうならそうと言ってくれればよかったのに!」
「えっ?いやそうじゃなくて…」
「いやぁーー!それにしてもこの量のグレーウルフを退治するなんてさすが桜坂龍三の孫だな!ん?あれはまさかシルバーウルフか!?」
「え?あっ、はいそうですけど……」
「シルバーウルフがリーダー格のグレーウルフの群れはこの付近じゃ割と有名で誰も倒せずにいたのにお前1人で倒したのか!!」
シルバーウルフはそんなに有名だったのか…
ん?
「ぐっ、グルルルル!」
いつの間にかシルバーウルフが立ち上がっていた。
「リク!危ない!!」
シルバーウルフが僕に飛びかかってきていた。
「うっ、うわぁぁ!泣」
もうダメだと思った瞬間
「キャウン!」
シルバーウルフが数メートル吹き飛ばされていた。
「ん?」
「大丈夫か?りっくん?あやつめ、まだ動けたとはのぉ」
おじいちゃんが風魔法で迎撃してくれていたのだ。
「いっ、今のは…」
ゲンジさんがポカーンとした顔でこちらを見ている。
「いっ、今のはその…」
「凄いじゃないか!!一瞬のうちシルバーウルフを吹き飛ばすほどの風魔法を使うなんて!!溜めもなしにあんなの撃てるやつは初めて見たぞ!!」
「えっ、いや今のは…」
「りっ、りっくんや、りっくんがやったことにしておいてくれぬか?ワシがやったとバレれば色々面倒くさいことになってしまう。」
確かにおじいちゃんがやったと知られるのはマズい…
守護霊でも幽霊である限りこの国では世の中の摂理を破っているとして退治されてしまったりするのだ。
「いっ、今のは僕がやりました!!泣」
「流石だな!!もう立派なうちのギルドのエースだな!じゃあギルドに報告に戻るぞ?」
「はい!泣」
僕は実はやってないのにやったと嘘をついたことを悔やんで泣きながら帰るのだった。
続く
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