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第二十六話 ミラの能力 3/3
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ミラが記憶を読み取っている間セシリヤはポケットに入っている魔石に触れた。ティルラは発言を控えている。ミラにはティルラの事を話してはいない。話せる時間がなかったのもあるが、彼女の事を安易に誰かに話していいものか迷っていた。
(まあ、ここの記憶を読み取られる時点でティルラのことも知られちゃうんだけどさ)
膝を抱えたセシリヤの真横にピー助が降り立った。ピィー、と羽を広げて一鳴きする相手にセシリヤは小さく微笑んで小さな頭を指先で撫でた。気持ちよさそうに双眸を閉じているピー助にふふっ、と声が零れる。
「ああー! セシリヤさんに撫でられるなんてズルいぞ! 僕だって撫でられたことないのに!」
記憶の読み取りを終えていたミラが勢いよく近づいてくる。ピー助に対して丁寧語を使う気が無くなったのだろう、タメ口だ。ピー助も煽るようにミラを見上げる。
「っ……、この鳥」
「はいはい。喧嘩しない、喧嘩しない! ミラは記憶の読み取り終わったんでしょ、お疲れ様」
「セシリヤさん……! 僕まだ撫でられたことないんですけど」
涙目でこちらを見るミラにセシリヤは苦笑を浮かべる。撫でるも何も理由もなく青年の頭を撫でるなんてするわけがない。ないが、このままだと拗ねて面倒くさいことになりかねないと判断したセシリヤが手招きをした。疑問符を浮かべながらもセシリヤの目の前で正座する相手に笑みが零れる。
セシリヤは「特別だからね」と念押しして手を伸ばした。触れた先はミラの頭。ふわふわとした髪の感触に頬が緩みそうになる。
「仕事頑張って偉いわね、ミラ」
そう言いながら軽く何度か撫でているセシリヤにミラは大人しく正座したままだ。
(意外……。もっとうるさ、じゃなかった。テンションが上がるのかと思った)
予想に反してミラは黙ったまま撫でられている。少しだけ心配になったセシリヤが手を止めてミラの顔を覗き込もうと屈むと
「……っ、わー⁉ ちょ、ちょっと覗き込まないでくださいよ……!」
赤面したミラが慌てて顔を隠しながら距離を取る。
(……乙女か!)
相手の反応に思わずツッコミを入れそうになった。
「褒めて欲しいって言ったのはミラの方でしょ?」
呆れながら言うとミラは赤い頬のまま「いや、だって……本当に撫でてくれるとは思わないじゃないですか……」
心の準備が出来ていなかったんですよ……と消え入りそうな声で呟いている。珍しい相手の反応に悪戯心が顔を覗かせた。セシリヤはミラに逃げられて行き場を無くした手を地面へと付いて彼の方へ近づいた。
(まあ、ここの記憶を読み取られる時点でティルラのことも知られちゃうんだけどさ)
膝を抱えたセシリヤの真横にピー助が降り立った。ピィー、と羽を広げて一鳴きする相手にセシリヤは小さく微笑んで小さな頭を指先で撫でた。気持ちよさそうに双眸を閉じているピー助にふふっ、と声が零れる。
「ああー! セシリヤさんに撫でられるなんてズルいぞ! 僕だって撫でられたことないのに!」
記憶の読み取りを終えていたミラが勢いよく近づいてくる。ピー助に対して丁寧語を使う気が無くなったのだろう、タメ口だ。ピー助も煽るようにミラを見上げる。
「っ……、この鳥」
「はいはい。喧嘩しない、喧嘩しない! ミラは記憶の読み取り終わったんでしょ、お疲れ様」
「セシリヤさん……! 僕まだ撫でられたことないんですけど」
涙目でこちらを見るミラにセシリヤは苦笑を浮かべる。撫でるも何も理由もなく青年の頭を撫でるなんてするわけがない。ないが、このままだと拗ねて面倒くさいことになりかねないと判断したセシリヤが手招きをした。疑問符を浮かべながらもセシリヤの目の前で正座する相手に笑みが零れる。
セシリヤは「特別だからね」と念押しして手を伸ばした。触れた先はミラの頭。ふわふわとした髪の感触に頬が緩みそうになる。
「仕事頑張って偉いわね、ミラ」
そう言いながら軽く何度か撫でているセシリヤにミラは大人しく正座したままだ。
(意外……。もっとうるさ、じゃなかった。テンションが上がるのかと思った)
予想に反してミラは黙ったまま撫でられている。少しだけ心配になったセシリヤが手を止めてミラの顔を覗き込もうと屈むと
「……っ、わー⁉ ちょ、ちょっと覗き込まないでくださいよ……!」
赤面したミラが慌てて顔を隠しながら距離を取る。
(……乙女か!)
相手の反応に思わずツッコミを入れそうになった。
「褒めて欲しいって言ったのはミラの方でしょ?」
呆れながら言うとミラは赤い頬のまま「いや、だって……本当に撫でてくれるとは思わないじゃないですか……」
心の準備が出来ていなかったんですよ……と消え入りそうな声で呟いている。珍しい相手の反応に悪戯心が顔を覗かせた。セシリヤはミラに逃げられて行き場を無くした手を地面へと付いて彼の方へ近づいた。
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